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人気ブログ、「cozy-nest 小さく整う暮らし」を書いている尾崎友吏子(おざきゆりこ)さんの初の書籍、「3人子持ち働く母のモノを減らして家事や家計をラクにする方法」を読みました。
ちょっと、タイトル長いですよね。タイトルはミニマムではありませんが、中身は、小さな暮らしをしている尾崎さんのライフスタイルを垣間見ることができるとても楽しい本です。
今回は、この本のレビューを書きます。
本のコンセプト:小さな暮らしがゆとりを生む
タイトルどおり、尾崎さんは共働き。ご主人は典型的な日本人パパらしく、忙しいみたいです。本にもほとんど登場しません。
お子さんは、16歳、11歳、6歳の男の子3人。これ、前書きに書いてありましたが、ここですでに「すごい、真似できない」と思いました。
こういうふうに、子供の年齢が離れていると、3人それぞれ違う学校に行くケースが多いので、すごく大変だと思うのです。
高校、中学校、小学校とか、中学校、小学校、幼稚園みたいに、子供全員が違う場所に通学していると、送り迎えはもちろん、子供のスケジュールの把握や、行事の調整が大変です。
それなのに、尾崎さんは、働きつつ、3人の子育てをして、ブログも書いて、本も出してしまうのです。
家事だって別に手抜きじゃないです。
ぬか漬けや梅酒を作ってます。靴磨きしてる写真もあります。外食はお金がかかるし、素材が心配とのことで、できるだけ家で食べているようです。
ということは、料理もしなければなりません。掃除は、自分で編んだアクリルたわしをお使いです。靴の中敷きも手作り(リメイク)です。
私なんて、子供1人(女子高校生)でほとんど手がかからないのに、編まなくていいポンポンたわしを使っています⇒ポンポンたわしで洗剤いらず、シンプルナチュラル家事を実践中
ふつうにやっていたら、すごく忙しくなるはずの尾崎さん。ですが、ゆとりをもって毎日の暮らしを楽しんでおられます。
「それもこれも、モノがないから。小さな暮らしは楽ちんだよ」というのがこの本のコンセプトです。
家事の工夫が随所に盛り込まれているので、似たような境遇の人は真似をしてもいいかもしれません。
ですが、こういうライフスタイル本で得るべきなのは、背後にあるその人の考え方だと思います。
思想を知って、それを自分の暮らしに活かす。これができれば、独身の人でも、子供がいない人でも、男性でも、私のようなズボラ主婦でも、持たない暮らしを楽しむことができるのではないでしょうか?
というわけで、私が学んだ尾崎さんの3つの考え方を紹介します。
1.モノの減らし方、あるいは残すモノの見極め方。
それまでもシンプルライフ志向だった尾崎さん。2011年の東日本大震災をきっかけに、さらに真剣に自分の生活を見直すことにしたそうです。
忙しく働いてお金を稼ぎ、広い家を買い、便利なモノを買い込む拡大する暮らしではなく、その逆をいくことにしたのです。
本当に必要なモノだけを持ち、働きすぎず、子供との時間を大切にし、心身ともにゆとりのある暮らしです。
尾崎さんは、まず、自分の理想の暮らしを思い描き、次に、それを実現するために、どんなものを持ったらいいのか考えました。
尾崎さんの理想とする世界とは、「子供たちが安心して生き生きと暮らせる世界」。
この世界を実現するために、不用なもの、役にたたないものは、減らしていったそうです。
このように、まず自分の理想の生活や、暮らしをイメージしてみると、捨てるものを判断するとき軸がぶれなくていいですね。
そうしないと、服は50着、靴は5足など、数にこだわったり、やたらと減らすことにばかりフォーカスしてしまいます。
目的と手段が入れ替わってしまうのです。
まず、理想の暮らしを思い描く、それから不用なものを排除する。この順番は大事だな、と再確認しました。
2.小さな暮らしの楽しみ方。少ない服でおしゃれに。
当ブログに、よく服を減らす話を書いていますが、読者から、「服が少ないとおもしろくないのでは?」という意見をいただくことがあります。
また、私の服があまりにカジュアルなのでたいして参考にならないようです。
ですが、尾崎さんの14着のワードローブの写真を見れば、カジュアル路線でなくても、10着ぐらいで充分おしゃれを楽しめることがわかります。
尾崎さんは会社員だし、卒業式や保護者会がある日本にいるので、私のように超カジュアルの世界には住めません。それでも、ここまで服を減らせるのだと感心しました。
写真で見ると、5着が白っぽくて、残り9着はほとんど黒です。
私がこういう服を着ると、いつも同じになりそうですが、尾崎さんは、いろいろ着回しています。ご自身がコーディネートして着ている写真もあります。
私は、着たきりワンパターンが好きですが、尾崎さんはストールの巻き方を工夫したり、手作りのコサージュやブローチをつけて、変化をつけているそうです。
実のところ、自分が「変化をつけている」と思えればそれでいいのだと思います。言い換えれば、自分が飽きなければ。
おしゃれなんて多分に自己満足の世界です。
尾崎さんのコーディネート例の写真にはドレスダウンとドレスアップの2種類あります。この写真、私にしてみれば、みんなドレスアップです。
ですが、大事なのは、本人がおしゃれを楽しんでいること。
他の人がどう思うかは二の次です。尾崎さんの場合、本にのってしまったので、もしかしたら、まわりのお母さんのチェックが入るかもしれませんが、ふつうはみんな、人の服なんてそんなに気にしていません。
とんでもなく場違いな服を着ていたら目立ちますが、ちゃんと洗濯のしてある白や黒の服をふつうに着ていれば、それで充分受け入れてもらえます。
多くの人は、周囲の目を気にしすぎではないでしょうか?
他人の目やTPOを気にしすぎて、大量の服を持ってしまい、しかも使いこなせていない。そんな悩みがある方は、尾崎さんのワードローブや着回しの話が参考になると思います。
3.家事は流れを考えてどこまでも時短する
尾崎さんは効率よくする家事が得意で、本の5割ぐらいは家事の話題にさかれています。掃除、洗濯、調理、すべてについての工夫や時短テクニックがのっています。
尾崎さんの家事の仕方は、村川協子さんの家事と似ていて、とてもシステマティックです。
村川協子さんについて⇒村川協子の「アイデア家事の本」で学んだ家事の効率化の3つの柱~ミニマリストへの道(24)
ポイントはモノを減らして、できるだけ家事をしやすい状態にしておくこと。さらに、全体の流れを考えて、今やっている家事が次にどんな家事につながるのか考えておくこと。
たとえば、尾崎さんは、大量の洗濯ものをたたまなくてもすむように、ハンガーにトップスをつるして乾かし、服をそのハンガーにかけたままクローゼットに戻しています。
このクローゼットは、ファミリークローゼットとなっており、家族全員の服を収納しているそうです。
みんなここで着替えるのだとか。
この方法なら、洗濯ものの取り込みも、服の収納も、動作が少なくなり、ラクだし時間がかかりません。
ファミリークローゼットがない場合は、うちのように、個人個人で洗濯してもらい、取り込むところまでやってもらうといいと思いますが、外干しが多い日本では難しいかもしれません。
うちはたまたま夫も娘も洗濯頻度が少ないので、電気代もそこまで無駄になってないと思いますが、家族が多い場合は、やはり洗濯は一気にやったほうがいいでしょう。
そして、一気に片付ける。
これができれば主婦はすごくラクでしょうね。
いきなりファミリークローゼットは作れないかもしれませんが、山のような洗濯ものの処理を、なんとかできないかと考え始めることは誰でもできるはず。
服を減らすと、遊んでいる服が少なくなるので、それだけで洗濯物の山は小さくなります。洗濯⇒干す⇒取り込む⇒アイロンかけ⇒しまう、という一連の流れを考えて、自分が無駄な作業をしていないか振り返ってみることが、大事ではないか?
尾崎さんの家の写真を見て、そんなことを感じました。
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今回は、3つだけ内容を紹介しましたが、お客さん用の布団がないとき、手持ちの布団でどう対応するか、という話も「なるほど」と思いました。
柔軟な発想をすれば、少ないモノで充分暮らせるし、日々の暮らしがラクになるだけでなく、工夫する楽しみも生まれます。
さらにいいのは、今この時を楽しめることです。
いつ来るかわからないお客さんの心配をするのではなく、今の家族の暮らしを充実させる。この姿勢、見習いたいですね。
この本を手にとった方には、尾崎さんの細かい工夫だけでなく、ぜひそのベースにある、「持たない暮らしの醍醐味」みたいなのを味わってもらいたい、と思います。
本の内容について、詳しいことはご本人のブログでどうぞ⇒cozy-nest 小さく整う暮らし
私のブログと違って、家の中の写真もたくさんあります。