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ミニマルな日常

買っても満たされないのはなぜ?完璧を求めるクセを手放すヒント

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どれだけものを手に入れても、なかなか満たされないのは完璧主義が原因です。

「これ、最高!」「これが決定版!」と思って買ったはずなのに、いつのまにか物足りなくなり、また新しいものを探して買う。そんなことがありませんか?

この記事では、完璧を求めすぎるせいで起きる買い物のクセを3つに整理し、そのクセを手放す方法を提案します。

まず、完璧主義が影響して起こる買い物の最初のパターンを見ていきましょう。



1. すべての条件を満たすものを探す

完璧を求める気持ちは、もの選びに強く影響します。

見た目も機能も、価格も、周囲の人の評価も100点。できることなら、すべての条件を満たす「理想の一品」を手に入れたい。そう思って、ひとつひとつ細かくチェックする。

ここまで徹底していなくても、こだわりが強い人はたくさんいます。

もちろん、現実にはすべてがパーフェクトなものは存在しません。

どこかを取れば、別のどこかを少し妥協する必要がありますよね。

完璧が好きな人は、買ったあとに、そのわずかな妥協がどうしても許せなくなり、「これじゃない」と思ってしまいます。

そして、また次のものを探し、よさそうなものを買うものの、前と同じことが起きる。その結果、何個も似たようなものを買い集めてしまいます。

妥協買いと完璧主義:~同じもの、似たようなものがどんどん増えてしまう理由(その2)

「理想の100点」を探すクセが止まらない

このパターンの背景にあるのは、「どこかに完璧なものが存在するはずだ」という思い込みです。

完璧主義の特徴のひとつは、「少しでも欠点があると、それが全体を台無しにするように感じる」という極端な認知です。

実際には、用途に十分合っていて、多少の欠点があっても使えるものはたくさんあります。

しかし、完璧を求めるあまり、「たった一つの理想のもの」を探し続けるサイクルから抜け出せなくなります。

なんでも白黒つける考え方をやめるススメ。思い込みを手放して可能性を広げるには?

気づけば数が増えている

たとえば、新しいバッグを買うとき。

デザインは気に入ったのに、内ポケットが少し少ないとか、素材がほんの少しだけ理想と違う。そんな小さな違いがどうしても気になり、「これじゃないかもしれない」と思いながらも、悩み疲れて結局買ってしまう。

家で使ってみてもやっぱりしっくりこず、「もっと理想に近いものがあるはず」と、また似たようなものを買う。

もしくは、キッチン用品を選ぶとき。

サイズは理想的だけど色が微妙、あるいは、機能は満点だけど少し重い。決めかねて「べつに高いものじゃないし」と、両方買ってしまう。

その後、どちらにも心から満足できず、また次を探してしまう。

解決策:優先順位を決めて「合格ライン」を下げる

こだわりが強すぎて、ものがどんどん増えているときは、すべての条件を満たすものを探すのをやめましょう。

完璧なものは存在しない。まずはこの現実を受け入れてください。

そのうえで、「これは譲れない」という条件を、3つぐらい絞り込んでおくと選びやすくなります。

たとえばバッグなら、「A4サイズが入ること」「肩にかけられること」「軽いこと」。この条件に合うものを見つける、と最初に決めておくのです。

細かいことは気にせず、この3条件さえ満たしていれば合格。

そうやって基準をシンプルにすると、買うとき迷わないし、ムダにものを増やすこともなくなります。

完璧を目指すより、「まあまあ満足」でよしとしましょう。





2. もので理想の自分になろうとする

なりたい自分に近づくために、「その自分にふさわしいもの」をそろえようとすることがあります。

完璧主義の人は、自分に対しても高い理想を掲げがちです。

そして、理想の自分に合った道具や服、日用雑貨を持てば、自分も自然と変われると考えます。

ところが、現実の自分がまだそこに追いついていないと、買ったものとうまく付き合えず、「やっぱりこれじゃなかった」と感じてしまいます。

そして、また新しいものを探すことになるのです。

理想の自分をもので演出する

たとえば、「毎朝5時に起きて手帳を書く、計画的で仕事ができる人になりたい」。こんな理想があると、それを叶えてくれそうな高級ノートや万年筆、デスク周りの小物などを先にそろえますが、今の自分とのギャップがありすぎて、使いません。

また、丁寧な暮らしにあこがれて、天然素材のエプロンやホーロー鍋、木のまな板をそろえたけれど、ふだんの料理スタイルには合わず、結局は出番がない、なんてこともあります。

「理想の自分」にふさわしいものを先に持てば、自然と自分もそうなれると思っても、実際の自分は変わりません。

うまく使いこなせないと、「もの選びを間違えた」と感じ、また別のものを買ってしまうサイクルに陥ります。

解決策:今の自分が使うものを選ぶ

「なりたい自分」ではなく、現在の自分に必要かどうかでものを選びましょう。

道具を先にそろえて自分を変えようとするのではなく、日々の生活習慣を変えて、自分を変える方向にシフトしてください。

新しいものを買うときは、今の自分が求めているものか、今の生活に合っているか、すぐに使えるかといったことを考慮して手に入れましょう。

すでに持っているものの中にも、十分役に立つものがあるかもしれないので、手持ちのものを見直すこともおすすめです。

完璧主義は、理想どおりでなければ納得できない心のクセです。

今の自分にちょうどいいと思えるものを受け入れることは、そのクセを少しずつ手放す練習になります。

ものに「自分改革」を託すより、目の前の生活を少しだけ整えることから始めましょう。

3. SNSや広告で理想が更新され、満足できなくなる

最初は満足していたものが、SNSや広告を見るたびに色あせて見えることがあります。

完璧を求める気持ちが強い人ほど、最新の情報に敏感で、自分の持ち物が「まだ足りない」「もっといいものがあるはず」と感じやすくなるもの。

買ったときは満足していたはずなのに、誰かが紹介していた新商品のほうがいいように思えて、買い直してしまいます。

見るたびに「もっと上」が現れる

SNSや広告は、私たちに「より良いもの」を見せ続けます。

たとえば、インフルエンサーが紹介する最新のバッグを見たとたん、まだ新しい自分のバッグが急に古びて見える。

あるいは、素敵なリビングの写真を見て、今使っているソファが急にみすぼらしく感じる。

本当は、今のものでも十分だったはずなのに、他人の発信によって理想がどんどん更新され、際限なく「もっといいもの」を求めます。

SNSや広告が映し出しているのは、ほんの一瞬の「完璧に見える瞬間」です。

写真は加工され、広告は最も美しいシーンだけを切り取っています。

私たちは、その一瞬だけを見て「こんなふうにならなきゃ」と思い込み、現実とのギャップに苦しみます。

ソーシャルメディアは、私たちが興味を持ったものに関連する投稿を次々に見せます。

何も意識しないでいると、完璧なもの、理想的な暮らしばかりが目に入り、自分も自分のものもますます不十分に思えるでしょう。

さらに、広告は私たちの「もっと素敵になりたい」「もっと快適に暮らしたい」という欲望を巧みに刺激します。

比較され、理想像を押しつけられ、欲望をあおられる。

こうして、今あるものへの満足感が少しずつ下がります。

解決策:比較する情報を減らす

新しい情報に触れる機会を意識的に減らしましょう。

SNSを見る時間を減らしたり、フォローするアカウントを厳選したりするだけで、外から植えつけられる理想に振り回されにくくなります。

また、今持っているもので満足しているポイントに目を向けるのも有効です。

たとえば、「このバッグは軽くて使いやすい」「このソファは十分リラックスできる」「私はこの靴のここが好き」といった、現在の持ち物のよさに意識を向けてください。

完璧を求めて、新しいものを探す習慣を今あるものをしっかり使う習慣に置き換えます。

足りないものを探すより、すでに持っているもののよさに目を向けましょう。

完璧主義を克服する7つの具体的な方法。

おわりに:完璧主義のクセに気づけば、ものは増えない

完璧主義が原因で、ものを買い続けてしまう3つのパターンを紹介しました。

どれも「もっと理想に近づきたい」という気持ちから始まりますが、理想を追うクセが過剰だと、いまあるものでは満足できず、部屋にも心にも、ガラクタがたまっていきます。

まずは、その思考のクセに気づくこと。

そして、完璧を求めるより、いまの生活の延長線上にあるものを選びましょう。

理想を少し下げて、いまの自分にちょうどいいものを選び、大切に使うようになれば、買い物の回数は減っていきます。

完璧を求めることをやめたとき、本当に満たされる暮らしが始まるのではないでしょうか?

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