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12月になって物欲を刺激される機会が増えました。今回は、自分の物欲とうまく付き合う方法を提案します。
物欲は、「何かを所有したい」「新しい物を手に入れたい」と感じる気持ちのこと。
これは人間の基本的な欲求の一つで、便利な生活や快適さ、つまりよりよい生活を実現する原動力になります。
ですが、物欲にそのまま従っていると、不要な買い物や浪費につながり、貯金ができず、部屋が散らってしまいます。
上手に物欲と付き合えば、よりシンプルで満たされた生活を実現できます。
1.欲望の客観視
自分の物欲と向き合って客観的に見ることが、物欲とうまく付き合う最初のステップです。
欲しい理由は何?
おすすめは、何かが欲しいと思ったときに、その理由を考えること。
なぜ欲しいのか書き出してみましょう。
ふだん書いている日記やモーニングページに書いたり
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
ブレインダンプなどで、「今欲しいもの」「それが欲しい理由」を書いてみたりしてください。
書き出しながら、たまたまそのときの感情(衝動)のせいで欲しいのか、本当に必要なのか考えてみましょう。
自分に質問してみる
欲しい理由がわからないときは、以下の質問を自分にしてください。
・これを手に入れると、私の生活がどう変わるか?
・なぜ、今このタイミングでこれが必要なのか?
・いつどこでどんなふうに使うのか? 何回ぐらい使うのか?
・これがないと困ることがあるのか? あるとしたらそれは何か?
・これを買いたいと思っている一番の理由は? どんなニーズを満たしたいのか?
私は、何かを買う前に、買ったあと、自分の人生がどんなふうに変わるか想像するようにしています。多少なりともよい方向に向かうものを買いましょう。
ニーズとウォンツに分けてみる
欲しいと思っているものが、ニーズなのかウォンツなのか考えてみましょう。
ニーズは生きていくのに本当に必要なもので、ウォンツはそれ以外です。
ニーズとウォンツをしっかり区別するのは難しいのですが、それがニーズかウォンツかと考えてみるところに意義があります。
ニーズ(必要なもの)とウォンツ(欲しいもの)に敏感になる:知らないうちにお金が貯まる行動案(その6)
自分の欲望を観察するときは、正直に答えてください。いろいろな物を欲しがることは悪いことではないので、ここで変なブレーキをかけないようにしましょう。
2.価値観を明確にする
ふだんから大事にしたいものを明確にしておくと、一時的な衝動でものを手に入れることが減ります。
大事なものリストを書く
健康、家族との時間、自己成長など、人生で自分が大切だと思うものをリストアップします。
価値観の見つけ方はこちらを参考にしてください⇒自分の価値観に沿った暮らしをするには?:心を満たす方法(その2)
たとえば、私は、健康、シンプルに暮らすこと、常に成長すること、娘と仲良くすること、仕事、人に親切にすること、正直に生きることなどを大事にしています。
ぱっと思いつかないときは、以下の質問をして探してください。
・自分はどんなときに幸せを感じるか?
・今までの人生でずっと大切にしてきたものは何か?
・これからの人生で大事にしていきたいものは何か?
・決して失いたくないものは何か?
・死ぬときにどんな人生だったと思いたいか?
「大事なものリスト」は捨てずに、時々更新します。
そして、何かが欲しくなったらこのリストと突き合わせましょう。それは、自分が大事にしたいものを、本当に大切にできるのに役立つものでしょうか?
大事なことを優先できる生活につながるものを選んでください。
価値観に沿った暮らしを心がける
買い物だけでなく、ほかの面でも、価値観に沿った選択をするようにします。
そうすれば、ストレスが減るので、ストレス解消のための買い物をしなくすみますから。
自分の時間の使い方を調べて、大事なことや望んでいる生活につながっていることに時間を割いている見てください。
同様に、ほかのリソース(お金、スペース、エネルギーなど)も、どう使っているか考えるようにしましょう。
お金の使い方を気にしても、時間、スペース、エネルギーについては、あまり考えないかもしれません。
しかし、どれも貴重な限られたリソースです。
特に時間とスペースは使える分がはっきりしているので、大事じゃないものに使いすぎているかどうかはすぐにわかります。
大事な部屋を不用品置き場にするのは、価値観に沿った暮らしとは言えないでしょう。
3.ものを選ぶ基準を考えておく
あらかじめ「どんなものを選ぶべきか」というルールを自分なりに明確にしておきます。
基準があれば、うっかり必要のないものを買ってしまうことを減らせます。
全体ルール
ものを選ぶときの基本的な指針をざっくりと決めておきます。
たとえば
・そのとき、本当に必要なもの
「あればそのうち使うかも」というものは買いません。
・1年後も使っていると思えるもの
1回使ってそのまま付き合いが終わるようなものは買いません。
・長持ちしそうなもの
量より質を選びます。
・自分の価値観に合っているもの
もしあなたが私と同じように、シンプルに暮らしたいなら、物理的にスペースを取るものは選びません。
・自分が欲しいと思うもの
広告やSNSがきっかけで知った「他人軸」を優先したものより、自分が本当に欲しいものを買います。
後悔した買い物を考える
全体ルールをうまく決められないときは、これまで買ったもので後悔したものや、もっとこんなふうにすればよかったものを思い出します。
これは、失敗から学ぶことが目的であり、後悔するためにすることではありません。
たとえば、
・すぐに壊れた ⇒ 耐久性
・使わなかった ⇒ そのときの必要性
・すぐに飽きた ⇒ 飽きた理由を考えて回避する
・すぐに別のものが欲しくなった ⇒ 買い物に関する意思決定にかかわること
失敗要因や満足できなかった部分を洗い出すと、今後のもの選びに活かせる基準が見えてきます。
満たされる買い物を定義する
自分の価値観を洗い出し、過去の買い物の反省をふまえて、どんな買い物なら、自分にとって「よい買い物」か考えてください。
たとえば、衣類について言えば、以下のポイントを満たせば、「よい買い物」と言えるかもしれません。
・最低でも30回は着るもの
・着ないままにならないもの
・毎日便利に着られるもの
・手持ちの服に合うもの
・自分の好きな素材、デザイン、色
・着ると自分らしさを感じられるもの
何が「満足できる買い物」かは人や、買うものによって違います。「私ならこうだな」という線を出してください。
よく買ってしまうものは具体的なルールを決める
衣類、書籍、化粧品、特定の雑貨など、自分が特によく買っているもの、買い物を楽しんでいるもの、家の中にたくさんたまっているものについては、個別に、選ぶ基準を考えます。
私は衣類については以下のポイントを重視しています。
・直接肌に当たる部分はできるだけ天然繊維
・ケアが簡単なもの
・自分の好きな色(地味で目立たない色)
・特定のデザイン
・安すぎず、かといって高すぎないもの
4.買うことを楽しむ
物欲に突き動かされた買い物は、ある意味、余裕のない買い物で、その体験を純粋に楽しんでいるとは言えません。
そこで、どんな買い物をすれば、買うことを楽しめるか考えてください。
買い物を楽しむには、ものを「ただ所有する」だけでなく、選択そのものや買うプロセスに目を向ける必要があります。以下は、買うことをより充実した体験にするためのヒントです。
特別な買い物にする
現代は買い物が普通になり、日常的にいろいろ買うことが多いですが、ときには、「これは本当に自分に必要で、価値がある」と感じる特別な買い物をする機会を持ちましょう。
たとえば、欲しいと思ったものをさっとクレジット・カードで買うのではなく、時間をかけてお金を貯めて買うようにすると、それはもっと特別な買い物になります。
購入プロセスを楽しむ
買う前にじっくりリサーチをして、情報を集める時間を楽しみます。
私自身は買い物に時間をかけたくないので、リサーチは熱心にしません。しかし、衝動買いが多い人にとっては、情報集めに意識を向けることは、意図的な選択をすることにつながります。
ネットでインフルエンサーが勧めている衣類や雑貨をその場で買うのではなく、実際に店舗に足を運んで実物を見たり、試着したり、場合によってはレンタルして使ったりしたあとに買う決断をします。
買うものを決めるときに、製造過程やブランドの理念などをチェックすることも、購入プロセスを大事にするひとつの方法です。
手に入れた物をちゃんと使う
物欲優先の買い物は、買うこと(手に入れること)がゴールなので、買ったあと、それを使うことに意識が向いていません。
従って、買ったあと、そのアイテムを大切に使っていくことに目を向け、実際にしっかり使えば、より満足できる買い物になります。
それが洋服なら、ていねいに手入れをし、着るたびに喜びを感じられるようにしましょう。
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物欲と向き合うヒントをお伝えしました。
物欲は否定すべきものではなく、上手に活用すれば人生を豊かにする力を持っています。
「本当に必要なものは何か」「自分が大切にしたい価値観に合っているか」を常に問いかけ、意識的に選択をすることで、物欲を味方につけられるでしょう。
買ったものを大切に使い、楽しむことで、所有する喜びも深まります。
物欲を敵にするのではなく、暮らしを豊かにするツールとして活用してください。あなたの買い物が、より充実した生活の一歩となりますように。