ハンバーガーとフライドポテト

健康・アンチエイジング

最終更新日: 2017.04.14

トランス脂肪酸が入っていそうな健康によくない食べ物リスト

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久しぶりにトランス脂肪酸の話です。工業的に作られたトランス脂肪酸は人間のからだにとっては異物です。食べると、からだは「あれ、これ何だろう?」ととまどい、とりあえず、脂肪細胞の中に取り込んでみたり、消化器官や肝臓ががんばって、代謝しようとするでしょう。

しかし、異物なので、どんなにがんばっても体に負担がかかります。そこで最初から取らないほうがいいのではないか、という観点から、特にトランス脂肪酸が入っていそうな食品をお伝えします。

日本ではトランス脂肪酸の表示義務がありませんが、入っていそうな食品はわかります。



トランス脂肪酸とは?

脂肪酸とは油のことです。油にはさまざまな種類があります。油は人間が生きるのに必要な栄養素であり、カロリー源です。が、カロリーが高いため、どんな油も摂り過ぎると、害になってしまいます。

昔の人、特に庶民は食べ過ぎるなんてことはなかったので、油の食べ過ぎを心配する必要はありませんでした。

しかし、飽食の時代である今は、普通の人でもうっかりしていると油脂を取り過ぎて生活習慣病になってしまいます。そのように扱いが難しい油脂の中で、もっとも危険だと思われているのがトランス脂肪酸です。

摂り過ぎると血管が詰まって(動脈硬化)、心臓病になるし、肥満、高血圧、糖尿病、アレルギーなどを引き起こすと指摘されています。

トランス脂肪酸のほとんどは工業的に作られています。液体である植物油に水素を添加してできた固形の油がトランス脂肪酸です。

詳しくはこちらに書いています⇒私がジャンクフードや市販のお菓子を避ける理由~トランス脂肪酸はこんなふうに健康によくない 漢字が多いですができるだけわかりやすく書いたつもりなので、興味のある方は読んでください。

それからもっと文字数が多いですが農林水産省の説明もまあまあわかりやすいです⇒農林水産省/すぐにわかるトランス脂肪酸

なぜ植物油を固形にするかというと、そのほうが持ちがよくなるからです。液体の油は酸化しやすいのです。

食品にトランス脂肪酸を入れれば、その食品が長持ちするので、輸送やスーパーマーケットに並べておくとき都合がよく、全体としてコストを抑えることができます。また味も向上します。確かに、油脂の入ってないクッキーは入っているものに比べてまずいです。

メーカーによっては、食品を揚げる油に部分的にトランス脂肪酸を使っています。そうすれば、その油の持ちがよくなり、頻繁に取替えなくてすむからです。

トランス脂肪酸を発見するのは難しい?

海外ではトランス脂肪酸の表示義務を課したり、自主規制している国が多いです。世界保健機関(WHO)はトランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満にするように勧告しています。

この1%は「日本人が一日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalですので、平均的な活動量の場合には一人一日当たり約2グラム未満が目標量に相当します」と農林水産省のページに書いてあります。

しかし、トランス脂肪酸は、砂糖と同様、別に摂取する必要は全くないものです。ほかの油を摂取すればいいのですから。食べてもすぐに病気になりはしませんが、全く摂取しないのがベストです。

日本政府は、トランス脂肪酸の危険は、ふだん油っぽい食事をしている欧米人の話で日本人は関係ありません、国連の言ってる1%に満たない人ばかりです、それに今調査中です、と言って表示義務を課していません。

私に言わせればファーストフードの食事が多かったり、加工食品や、市販のお菓子やパンを習慣的に食べている人はかなり危ないと思います。

コンビニスイーツを食べながら、それに合わせるコーヒーに毎日クリームを入れていたりしてないでしょうか?量は少なくても、毎日毎日摂取するのは、よくないと思います。

WHOや政府が、あんまりはっきりと「トランス脂肪酸は危険です。もともと食べなくてもいいんだし、食べるな」と言えないのは、食品産業界(食品メーカー、小売店、外食産業など)から圧力があるからです。砂糖と同じです。

この状況はずっと続くと思いますので、私たちが自分で自分の身を守るしか道はありません。





トランス脂肪酸が入っていそうな物

【植物由来の固形油脂】
マーガリン
マーガリンは固形に近ければ近いほどトランス脂肪酸の含有量が多いです。
ショートニング

※マーガリンとショートニングはトランス脂肪酸そのものと言えます。トランス脂肪酸を作る技術なくしては生まれなかった食品です。しかし、トランス脂肪酸の害が公になるにつれ、各メーカーはなるべくトランス脂肪酸の使用を抑える技術や別の材料を使って製造しています。

【加工食品】
コーヒーに入れるフレッシュ、クリーム。牛乳でなければ使われている可能性大。

市販のお菓子
特にクラッカー、クッキー、ビスケットなどの焼き菓子。すごく油を使いますのでこの油がトランス脂肪酸である可能性が高いです。

マクロビスイーツは植物油(オリーブ油など)やシード類のペースを油脂として使いますが、こういうのは手間がかかるので値段は高いし、あまり一般的ではありません。オーガニック食品の店にはあるかもしれません。

チョコレートなどその他のお菓子でも「油脂」とあったら疑ってください。チョコレートにはもともと油脂が含まれています。そのチョコレートをちょっぴり使って作っているチョコレート菓子はトランス脂肪酸を使って加工しています。

実際、この記事を書くために、うちにある食品の表示を見てみたのですが、マーガリンやコーヒーフレッシュなど怪しそうな物はトランス脂肪酸はゼロとありました。

あいにく夫のポテトチップスが切れているので、娘用に常備しているチョコレート菓子を見てみたら、トランス脂肪酸が入っていました。

ミニエッグ

娘の好きな小さな卵状のチョコレート菓子

ミニエッグ

ミニエッグ17個にトランスファットが0.1グラム。カロリーの多さにも驚愕。

この卵の形をしたお菓子、小さくて、長さ1.5~2センチぐらいだと思います(今度、袋を開けたら大きさを測って追記します)。Saturated とは「飽和」という意味です。トランス脂肪酸は不飽和脂肪酸です。

●市販のパン
一般にパンには油脂が入っています。入れないパンもありますが固くてパサした食感です。油脂は、バターでもいいのですが、ショートニングやマーガリンが多いです。

焼き菓子ほど入れる油脂は多くありませんが、たとえばクリームパンなら、そのクリームも怪しいです。

市販のケーキ
スポンジも油脂を入れます。私が家でスポンジ生地を作っていたときは、卵、小麦粉、バターを使っていました。市販のケーキの場合、このバターをマーガリンにしたり、バターは使っていても部分的にトランス脂肪酸を使っていると思います。バター、高いですからね。

ケーキは自分で作るか、専門店で、材料をしっかりチェックして買ったほうがいいでしょう。スーパーやコンビニ並んでいるパッケージに入っているお菓子は、トランス脂肪酸を使っていると思います。

仮に「バター入り」と大きく書いてあったとしても、部分的にトランス脂肪酸が使われていることは充分考えられます。「油脂は全部バターでトランス脂肪酸は全く入っていません」と書いてあれば別ですが、上にも書いたように、日本では表示義務がありません。

ケーキの場合は上にのっている生クリームもあやしいです。生クリームは牛の乳から作っている動物性油脂ですが、たとえば、今よくあるスプレーからにゅーっと出てくるホイップクリームはトランス脂肪酸を使っています。

生クリームって、「なま」だから生クリームなんです。それが缶に入って、わりと長持ちして、いつでもニューっと絞り出せるところからして不自然です。この「不自然さ」を実現しているのはトランス脂肪酸です。

まともな生クリームは高価なので、安価なトランス脂肪酸を使った安いクリームは要注意。

アイスクリーム
アイスクリームは牛乳、卵黄、砂糖がベーシックな材料ですが、これに生クリームを使うこともあります。生クリームをトランス脂肪酸に置き換え可能なので、アイスクリームも気をつけたほうがいいです。特にさまざまなフレイバーや副材料が入っているアイスクリームが危険です。

冷凍のパイ(お菓子のパイ)、パイ生地など
ピザパイのパイ生地はオリーブオイルを入れていると思いますが、加工食品は一般の人には想像のつかない加工をしているので、入っているかもしれません。冷凍食品の場合、素材そのものの冷凍品は大丈夫ですが、加工食品ならば、気をつけたほうがいいでしょう。

揚げて作るお菓子やスナック
ポテトチップス、ドーナツなどの揚げて作るもの。あられでも油が使ってあったら要注意。

揚げ物
フライドポテトやフライドチキン、フランクフルト(フライドソーセージ)などの揚げて作る料理

北米のマクドナルドやバーガーキングなどのファーストフード店は、トランス脂肪酸の使用が危険だという声がたかまったとき、揚げ油にトランス脂肪酸を使うのをやめました。よって、今はましになっています。

しかしトランス脂肪酸を使い続けているチェーンもまだあります。

日本特有の揚げ物(天ぷらや串かつ、とんかつなど)などはデータがあまりありません。というのも表示義務がないからです。

レストランやチェーンによってはホームページで使用している油を開示しているのでチェックするといいでしょう。

ケーキミックスやパンケーキミックス
ケーキミックスとは、粉に卵と牛乳(や水)を混ぜればすぐにケーキの生地ができるミックス粉で、北米で人気のある食品です。

パンケーキミックスはホットケーキミックスのようなものです。

アメリカの大手のお菓子メーカーや、ケーキミックスのメーカー(パンケーキミックスの有名なブランド、ビスクイックなど)は、政府に指摘されて、トランス脂肪酸の使用をやめたところが多いです。

よって、今は一時期よりも、国民のトランス脂肪酸の摂取量が減っているという声もあります。

しかし、大手ではないメーカーやレストランでは引き続き部分的に使っているところも多いし、ビスクイックも、ふつうのビスクイックはトランス脂肪酸を使い続け、別の「心臓にいいバージョン」では使用しないといった展開をしています。

* * * *

アメリカでは、トランス脂肪酸の使用料が一人前の料理に0.5グラム使われているなら「トランス脂肪酸フリー」と表示できますが、カナダでは0.2グラムです。

この0.2グラムなのですが、reference amount, serving of stateted size につき0.2グラム未満だったら「入っていない」と表示できます。

reference amount は「参照量」と言えるでしょうか。serving of stateted size は「1人前」です。

この「〇〇につき0.2グラム」の〇〇部分には細かいルールがあって簡単には説明できません。ここが法律の抜け穴です。

確かなのは、「〇〇につき」部分はその食品によって、一定ではありません。だから、ここに0.5グラムと書いてあっても、全体量を考える必要がありけっこう面倒です。

たとえば上のミニエッグチョコレートなら17個食べると0.1グラムの摂取になります。

「ゼロ」と表示されていても、「入ってない」と思ってたくさん食べると、0.2グラムが加算されけっこうな量になります。

さらに、トランス脂肪酸ゼロと書いてあっても、材料にショートニングと書いてあったら、まず入っています。

表示を見たり、このようなことを考えたり、計算したり、メーカーのホームページを調べたりするのが面倒なら、市販のお菓子(加工食品)を食べることをやめ、外食であまり油っぽいものを食べないことでブロックできます。

「ちょっとぐらい大丈夫」「これまでさんざん食べてきたし今さら関係ない」「そんなことをいうと食べるものがなくなる」と言う人もいます。しかし、人の細胞は7年で入れ替わるといいます。それに、お菓子や加工食品を除去してもほかに食べるものはたくさんあります。

本物の食品(ホールフード)を食べればいいのです。

ふだんちゃんと栄養に気を配って食事をし、睡眠もしっかり取っていて、ストレスもそんなにないし、運動もちょこちょこやっている、なのになぜか体調が悪い、花粉症だ、アレルギーだ、生理痛がひどい、更年期障害がひどい、という人は、今回紹介した食べ物(と砂糖)を少し控えてください。

必ず体調がよくなるはずです。

害になる食べものを控えれば、わざわざサプリや花粉症グッズなどをプラスすることはなくなるのです。





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