手芸用品

ミニマルな日常

使ってみたかった。でも使わなかった。そんなものを手放しても大丈夫な理由

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「やってみたい」と思って買ったのに、結局手つかずのままになっているもの。そのようなものは思い切って手放しましょう。

たとえば、ヨガマット、料理道具、語学のテキスト、手芸キット──「よし、始めよう」と思って買ったけれど、ちょっと使っただけで、または、まったく使わずに、ずっと棚や押し入れの奥にしまっていませんか?

目に入るたびに、「これ、全然使ってないな」と、なんとなくモヤモヤした気分になると思います。

このモヤモヤの元を断ち切ってください。

以下に、そんな使うつもりで買ったけれど放置しているものを、手放すヒントを書いていきます。



「買ったのに使わなかった」には、理由がある

なぜそれを使っていないのか、理由を考えてみると、そのアイテムの存在価値を客観的に見ることができ、手放しやすくなります。

使うつもりで買ったのに、そうできなかった理由はたくさん考えられますが、よくあるのは以下の3つのケースです。

1. 道具をそろえること自体がゴールになっていた

現代社会には買い物をするのが当たり前の文化があります。広告やマーケティングの影響によって、何かを始めるとき「まず道具を揃えなければ」と考えがちですよね。

たとえば、英語を勉強しようと参考書を何冊もそろえたり、健康のためにエクササイズグッズを複数買ったり。でも、買っただけで「もう何か始めた気」になってしまい、実際の行動にはつながらないことはよくあります。

かく言う私も、昔は道具を揃えてから始めるタイプでした。





2. 実際に使ってみたら、自分に合わなかった

少しは使ってみたけれど、思ったより使いにくかった、しっくりこなかった、やっていて楽しくなかった。そんなふうに感じて、自然に遠ざかったパターンです。これは「向いていなかった」と気づけたのですから、買ったことはあながち無駄ではありません。

3. 環境が変わった

買った当時とは、自分の興味や生活環境が変わっていることもあります。忙しくなって時間がとれなくなったり、他に夢中になれることが見つかったり。使わなかったのは、「今はもう必要ないから」というごくシンプルな事実の反映かもしれません。

こうした理由の中には、自分ではコントロールできないこともあるので、無理に使おうとしてもうまくいかないことも多いと思います。

このように、使っていない理由や事情を考え直し、それが、自分の生活にはもう必要ないとわかれば、手放してもいいのです。

残しておいても、前には進まない

使われずに眠っているものは、今の自分の暮らしに特にいい影響は与えていません。目についたときだけ、ほんの一瞬思い出される、あるいは完全に忘れ去られていることも多いですよね。

ここで改めて考えたいのは、「持っていること」と「使っていること」は、まったく違うということです。

どれだけ立派な道具がたくさんあっても、実際に使わなければ、何も変わりません。持っているだけでは、人生は前に進まないのです。

たとえば、フランス語の教本を棚に並べているだけでは話せるようになりませんし、買っておいた手芸キットを、いつかやるつもりでしまい続けても、完成品が生まれることはありません。

むしろ、こうした使われない道具は、知らず知らずのうちに、心の奥に「できていないこと」として居座り、じわじわと意欲を削いでいきます。

私たちの脳は、未解決のタスクや中断された状態に対して自然とエネルギーを割きます。これが積み重なると、やらなければならないことが増えているように感じ、結果としてストレスや意欲の低下につながることがあるんです。

さらに、使う予定のないものを残していると、「あるから始めるべき」「せっかく買ったから使わなきゃ」といった、プレッシャーも生まれます。

この現象は、心理学で言う「サンクコスト効果」(埋没費用効果)と関係があります。

私たちは、すでにお金や労力を費やしたものに対して、「無駄にしたくない」という気持ちから、それを使わなければならない、あるいは活用しなければならないという義務感を感じます。

このプレッシャーがいいほうに働き、行動へのモチベーションとなるときもありますが、逆に働くと、ストレスが増え、自分を責める結果になります。

ものを持っていると、何かが始まる気がするかもしれませんが、それは幻想です。行動に移すか、あるいは、潔く手放すか。どちらかを選ばない限り、状況は変わりません。

高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません

手放すことは、よい未来を選ぶこと

ものを捨てると聞くと、可能性が閉ざされるようなネガティブな印象を抱くかもしれません。でも、実際はその反対です。

やらなかったことや、続かなかったことに区切りをつけるのは、後ろ向きな行動ではなく、今の自分のニーズを理解し、よりよい未来につながる選択をすることです。

たとえば、あなたがヨガを始めようと買ったマットを3年使わなかったとします。

ここで「続かなかった」と落ち込む必要はありません。今はヨガではない何かに心が向いていることを受け入れればいいのです。マットを使わなかった現実から、自分の関心のありかに気づけたなら、それもひとつの収穫です。

もう使わないとわかったものを手放せば、収納スペースだけでなく、気持ちのスペースも空きます。

この余白はとても大切です。予定が詰まりすぎていると新しい予定を入れられないように、使わないもので埋め尽くされた空間では、新しい行動が入り込む余地がありません。

また、不用品を手放すと、それがもたらしていた重荷からも解放されるので、今やりたいことに集中できます。

使っていないものを捨てるのは、当初の計画を台無しにするとか、自分の夢をあきらめるといったことではありません。

そのアイテムの役割について客観的に考え、手放すことをポジティブに捉えるようにしましょう。

そうすれば、今の自分が本当にやりたいことに意識を向けられます。

今日、1つだけ手放してみよう

使おうと思って買ったけど、ずっと使っていないものが、あなたの家にも、ひとつやふたつ、あると思います。

そんなものの中から、今日1つだけ処分してみませんか?

たとえば──

・買ったまましまってある刺しゅうキット

・語学学習のために手に入れたが、一度も開いていないテキスト

・一度だけ着て、それきりになっているヨガウェア

入手してから何年も経っていたら、もう見切りをつけるときです。

こうしたアイテムを手放すことは、やる気に満ちていた自分をあきらめることではなく、今の自分に合わせて暮らしを整え直すことです。

迷ったら、以下の質問を自分にしましょう。

・これを使わなかった理由は何か?

・これが役立つ場面が今後あるか?

・手放すことで得られるメリットは何か?

このような問いかけを通じて、「もったいない」「いつか使う」といった気持ちから一歩離れて、今の暮らしに本当に必要かどうかを、より冷静に見極めることができます。

ひとつ手放してみると、とても気分が軽くなることに気づきます。

「なんでこれをずっと取っておいたんだろう?」と拍子抜けするかもしれないし、「捨ててよかった」と、ほっとするかもしれません。

そうやって、今の自分に合ったものを厳選していけば、使うものだけを持つ生活に自然と近づいていきます。

手放すことは、新たなスタートを切ることです。「大事なものを失う」のではなく、「必要なものに絞り込む」と考えれば、不要なものを処分することを、前向きな行動として捉えられるはずです。





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