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片付けてさっぱりした部屋にしたいと断捨離を始めたものの、いざ捨てようとすると捨てられない。そんな硬直状態に陥ったら、流れを意識すると、意外に捨てられます。
世の中や人生、皆、流れていますよね。流れをさえぎってしまうと何ごともうまくいきません。
「もったいない」とか「そのうち使うかもしれないし」なんて考えが頭をよぎったら、「いやいや、流れだ、循環だ」と発想を変えてください。
うまく流れる道や、循環する方を選ぶと、自然に物を手放すことができます。
この記事では、ひじょうに重要な3つの流れを紹介します。
1.気の流れ
2.物の流れ
3.気持ちの流れ
順番に説明しますね。
1.気の流れをふさいではだめ
気の流れとは、文字通り、部屋の中を流れる空気やエネルギーの流れです。
風水の本を読んでいると、ガラクタだらけの部屋はネガティブエネルギーで満ちているとか、運気が下がると書かれています。
これは嘘じゃないと思います。
ガラクタがなければ風通しがよくなる
そもそも、物が多すぎると、すごく風通しが悪いですよね?
ガラクタだらけの部屋は、何年もフィルターを掃除していないエアコンみたいなものです。風を入れようと思っても、うまく空気が動かないし、動いたとしても、老廃物をいっぱい含んで臭ってくるような空気がゴーッと出てくるだけ。
空き家が劣化してしまう主な理由は、換気が行われないからです。換気しないと湿気がたまって、カビがはえたり、ほこりがたまったり、害虫が繁殖したりして、家にダメージを与えてしまいます。
ガラクタが多すぎて、風通しの悪い家も、部分的に空き家に近い状態だ、といえるでしょう。倉庫と呼んだほうがいい家もあるかもしれませんが。
いらない物を捨てて、部屋をきれいに掃除すると、窓をあければ、風がしっかり入ってきます。物理的に空気がきれいになります。すると、脳に酸素がたっぷり届くから、エネルギーがわいていきます。
部屋をきれいにすると気持ちも前向きに
もちろん、気分もリフレッシュして、前向きになります。以下の状態から抜けられるからです。
◯「ああ、きょうこそ片付けなきゃ」という、やらねばならないことを完了していないせいで感じる罪悪感や、自分を責める気持ち、追い立てられるような気持ちでいっぱいの日々。
◯ぐしゃぐしゃに積まれた物(視覚的ノイズ)を見ることで生まれるストレスにさらされる毎日。
◯何かをやろうと思っても、目の前に、誰も使っていない物が、未処理の案件のように立ちふさがっている部屋。
不用品を捨てると、人の気持ちを重たくしたり、気を散らしたりする物から解放されるので、ひじょうに快適になります。
ガラクタとストレスの関係⇒気をつけて。ガラクタが感情に与える悪影響を見過ごしてはいけない
「部屋の中にある物は、気の流れに大きな影響を与えている」。こう考えることができれば、流れをせき止めるものは積極的に取り除こうという気になれるでしょう。
物を捨てるだけで、流れがよくなるので、やってみない手はないですね。
2.物の一生を意識してみる
物はやってきて、去っていく
人が生まれて死んでいくように、物も同じように、開発されてから、物として使われた後、廃棄され、やがては焼却されて灰になる、といった一生があります。
なかには、ずいぶん長持ちする物や、なかなかこわれない物もありますが。プラスチックのように⇒なぜ、今すぐプラスチックのごみを減らすべきなのか?
ですが、形あるものはいつかはこわれることになっています。
こうした物のサイクルや、物が生まれた目的(物は何のために、家に来たのだろうか、何のためにあるんだろうか、どこからやってきて、どこに行くんだろうか)を意識してみてください。すると、使わない物を家の中に後生大事にしまっておくのは、流れを妨げる行為だ、とわかります。
自分が使わないなら、使ってくれる人の手に渡るように家の外に出したほうが、物にとってはありがたいことなのです。
物を大事にするとは、ちゃんと使うこと
物を大事にするとは、使わずにしまいこんでおくことではありません。ちゃんと使うことです。
物は使えば使うほど劣化しますが、逆に、全然使わなくても、劣化します。
空気にふれれば、みな酸化しますし、水分のせいで劣化する物もあります。日本のように湿度の高い国の押入れに、古い服やバッグを押し込んでおくと、カビだらけになります。
私は母と一緒に断捨離をしたとき、カビのはえた物をいくつも目撃しました。
機械やツール(車やはさみ、包丁など)は、使わないとかえって調子が悪くなります。気の流れで書いたように、誰も使わない空き家も、ふつうの家より痛みが激しいです。
物にちゃんと一生を全うしてもらうには、実際に使うことが不可欠なのです。
使わずにずっと押入れにしまいこんでいるのは、物にとってはありがた迷惑です。
物は誰かが買って家に入れたところで使命が終わるのではありません。その後使われてゴミになるまで一生が続きます。この流れを意識していると、いたずらにゴミを増やす結果になる、意味のない買い物をすることも減るはずです。
ゴミについて⇒真の意味で物を減らす3つの方法。地球のガラクタも減らさなければ片手落ち。
3.気持ちや思いの流れ
3つ目は物に託された思いの流れです。
物に込められた思いを考えてみる
人は物に思いを込めます。この「思い」のせいで、不用品を捨てられないことってよくありますね。
贈り物や遺品、形見の断捨離に苦労している人も多いです。
「せっかくいただいたから捨てるなんて申し訳ない」「捨てるなんてとんでもない、大事にしないとバチがあたる」。こんなふうに思って、使っていないけど後生大事にしまってある物、あるんじゃないでしょうか?
ですが、2番に書いたように、物を大事にするとは、その物を使ったり、活かすことです。
変な義務感のせいで、誰も使っていないのにとりあえず収納しておいたり、使っているふりをしたり、ありがたがっているふりをすることは、物を大事にすることではないですね。
それは物を大事にしているのではなく、単に、人によく見られようと、体裁を取り繕っているだけです。
プレゼントをくれる人は、贈る相手に、「これから何年も、心の中で苦しんでいるのに、外見上はありがたがっているふりをしてくださいな」という気持ちを込めたわけではありません。
「あなたに幸せでいてもらいたいから、これあげます。そして時々、私のことを思い出してくれたらうれしいな」。こんなふうに思って、贈り物をくれるんじゃないでしょうか?
その気持ちを大事にして、もらった物を使うのがベストです。
自分で使う機会がないなら、使ってくれそうな人に渡すべきだし、「前は便利に使っていたけど、もういらなくなった」なんて状況になったら、やはり、ちゃんと使ってくれる人のところに回したほうがいいでしょう。
つまり、物をくれた人の思いをつなげるわけです。
あなたは物にどんな思いを込めるのか?
自分が人に何かをあげるときのことを想像してみてください。
娘がお嫁に行く時に持たせようと、育児日記を取っておいたり、子供の頃の写真をスクラップブックにしているお母さん、たまにいます。
結婚して家を出た娘が、「すっごい邪魔だけど、ママにせっかくもらったし、置いといたほうがいいよね?」と、大きなアルバムを押入れの置くのほうに押し込んでいたとしたら?
毎回断捨離のたびに、アルバムを引っ張り出して、捨てようかどうしようか悩んだあげく、「筆子ジャーナル」に悩み相談のメールを出すまで追い詰められたとしたら?
こんなことになっても、うれしくないですよね?
それをくれた人の思いをつなげることを意識すると、やはり使わない物は外に出したほうがいい、ということになります。
プレゼントを捨てられなくて、くれた相手をうらんでいる人から何度もメールをもらいました。ブログでも紹介しています。
せっかくの贈り物が恨みや怨念の元になってしまうなんて、残念なことです。感謝して手放せば、恨みというネガティブな感情を抱え込むこともありません。
贈り物の断捨離について⇒罪悪感を感じる必要なし、人からもらった贈り物を捨てる3つのコツ
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今回は、断捨離中に意識したい3つの流れを紹介しました。
流れは英語でフロー(flow)と言います。以前、フロー状態は幸せであるという動画を紹介しました⇒人を幸せにするのはお金ではなくフロー状態。ミハイ・チクセントミハイ(TED)
何かがよどみなく、すらすらと流れているときは、幸せなのです。
身体だって、血の巡りが悪くなると調子が悪くなります。
断捨離や片付けにおける流れというと、動線を気にする人がたくさんいます。ですが、そんなことよりも、気、物、思いの流れに目を向け、不用な物をどんどん捨てたほうが、結果的に、動きやすい環境になります。
いろいろな物ごとに流れがあります。流れをよくするにはどうしたらいいのだろうか、循環させるにはどうしたらいいのだろう、と考えてみてください。
きっと、捨てられなかった物をうまく捨てられます。