買い物

ミニマム思考

最終更新日: 2020.08.16

真の意味で物を減らす3つの方法。地球のガラクタも減らさなければ片手落ち。

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本当の意味でガラクタをなくすために、私たちが個人レベルでできることを3つ紹介します。まず、家の中の不用品を捨てても、地球レベルではガラクタが減っていない話から入ります。



自分の家から物がなくなっても、物は消滅するわけではない

多くの人が熱心に断捨離をしています。ですが、捨てる一方で、物を買い続けていたら、問題の解決にはなりません。

ガラクタを増やし続けることは、その人個人の問題だけにとどまらず、地球全体の問題です。

自分の目の前から物が消えても、物そのものはなくなりません。

女性が断捨離するのに苦労している洋服を例にあげます。

誰か別の人が不用な服を使ってくれればありがたいのですが、ファストファッションが主流になってから、洋服はどこでも有り余っています。

ファストファッションとは?⇒「真の代償」The True Costはファストファッションの真実を暴く映画 ~これでもあなたは安い服を買い続けますか?

不用な服をオークションに出して、たまたま誰かが買ってくれたとしても、その人の家にもたいてい服がたくさんあります。

落札者は、「自分が物を持ちすぎている」ということに気づいてないだけなのです。そのうち何かのきっかけで気づき、断捨離を始め、買った服を捨てます。捨てなくても、その人がこの世を去ったあと、ガラクタになります。

なぜなら、日本全体で物が余っているから。

私自身、子供が幼稚園の頃は、eBayやヤフオクで、ちまちまと物を買っていました。

その頃の話はこちら⇒主婦が物を増やす3つの習慣とは?~50代主婦のミニマリストへの道(10)

あるとき、ヤフオクで、底に動物が浮き彫りになっているゼリー型や、クッキー型、その他調理雑貨を、まとめて出品している人から買いました。

安い値段でこんなにたくさん買える、と喜んで入札しました。

しかし、今思うと、届いたものはみんな100均で買ったと思われる半端なキッチンツール。

この頃買ったもので、今も使っているものは1つもありません。すべてガラクタであり、ゴミとして外に出したのです。

私は寄付センターに持ち込みますが、寄付センターに持っていったからといって有効利用されるとは限りません。

使いかけの天花粉(パウダー)なんかは、その場でゴミ箱に捨てられます。なぜこんなことを知っているのかというと、自分の使いかけの匂いつきのパウダーを夫に寄付センターに持っていってもらったことがあるからです。

夫は、店の人が、ゴミ箱にパウダーを捨てるのを目撃しました。

まあ、使いかけのパウダーなんて買う人はいないでしょうね。

そのパウダーと入れ物(円柱型のきれいな化粧箱)は、ゴミとして焼却されたはずです。焼かれても消滅はしていません。CO2と焼却灰に変身し、私たちの世界にとどまっています。

詳しくは⇒モノはいつかゴミになるからゴミ処理問題に無関心は禁物

どんなに物を捨てても、物は私たちのまわりからなくならないのです。

過剰に片付け本を持ち込むこともガラクタを増やす

ここ数年、ミニマリスト、断捨離、片付けに関する本がたくさん出ています。その手のブログの書籍化も多いです。

私も本を出版しているので、こんなことを言えた義理ではないのですが、こんなに片づけ本をどんどん出版するのは、物を減らす行動とは真逆の行為ではないでしょうか?

皆が本当にシンプルライフを願っているのなら、同じテーマの本ばかり出版しないでしょう。

捨てるライフスタイルを紹介している本の中身は似通っています。

つまり、「家の中にある不用品を捨てたら身軽になった。捨ててよかった。あなたも捨てると幸せになれますよ」というものです。

個人的な体験談が人と違っているだけで主旨は大差ありません。

片付け方を書いてある本も多数ありますが、たかが物を捨てるだけなので、そんなにいろいろな捨て方があるわけではありません。

せいぜい、場所ごとに片付けるか、物のカテゴリーごとに片付けるか、あるいは、一気にやるか、少しずつやるか。

中には、こういうグッズを使うとうまく片付きますよ、と収納グッズのカタログふうの本や、こんまり先生のように、洋服や靴下のたたみ方に異様にこだわっている本もあります。

たたみ方を考えだしたら、いろいろなバリエーションはあるでしょう。ですが、物のしまい方なんて、「物が多すぎる問題」の前では、瑣末なことです。

物をどんどん家に入れる⇒片付け本を買う⇒物を捨てる⇒また物を入れる⇒片付け本を買う、という連鎖を止めなければ、片付け本もガラクタになってしまいます。

暮らしをシンプルにしたかったら、最初から余計な物を買わないほうがいいのです。

出版社が同じ路線の本をたくさん出すのは、売れるからです。

片付けたいと思っている人がたくさんいるから、こういう本が出るのですが、「片付け問題」に悩んでしまうのは、最初にたくさん買ってしまうからです。

家にたくさん物がある理由はたった1つ。

たくさん物を買いすぎるから。

これだけの話。

片づけ本をたくさん買い込むのも、買いすぎる行為の1つですよね?

すぐにガラクタになってしまう物を、大量に買うのはいい加減おしまいにして、物を減らすために、今後は、こんなことをしてはどうでしょうか?





1.消費に明け暮れる生活を180度変える

真に片付けたいと思う人は、「どんどん買うサイクル」を叩き壊す必要があります。そのために、受け取る情報を少し絞りこむといいでしょう。あるいは、情報を鵜呑みにしないようにしてください。

情報を遮断すると持たない暮しが実現してしまう理由とは?

世間には、別に必要ではないのに必要だと思わせる情報があふれています。こうした情報を盲目的に信じるのをやめると、余計な買い物が減ります。

シンプルライフを送っているという人の中にも、「少しは物がないとさびしい」「お気に入りの物にかこまれて楽しく暮らしたい」と言う人は多いです。

ですがそういう気持ちも、たぶんにメディアの刷り込みです。

「買わない習慣」を身につける工夫をするのも有効です。私は、「買わない挑戦」をしてみて、これまでいかに余計な物をたくさん買っていたのか、よくわかりました。

買わない挑戦の途中経過、2016年上半期に私が買った103個のもの。

皆の消費が減るということは需要が減るということなので、生産される物の数が減っていきます。

2.物をシェアする

ソーシャルネットワークが盛んになり、写真や投稿をシェアする人がたくさんいます。

そういうシェアも悪くないのですが、物理的な物をもっとみんなで気軽に貸し借りできるようになるといいな、と思っています。

多くの人の家の中には、年に1度か2度しか使わない使用頻度の低いものがたくさん眠っています。

断捨離をする人はそれを寄付したり、売ったりします。捨てることに興味のない人は、そのまま死蔵品として放置です。

昔は物が少なかったから、家族や親戚同志でフォーマルウエア(モーニングなど)を貸し借りしたり、テレビを所有している人の家で近所の人が集まってテレビを見たりしました。

今は何でも個人で持つようになりましたが、これが物を増やしてしまう大きな原因になっています。

2016年の春、カナダのトロントに、カナダでは初めての「物の図書館(The Sharing Depot)」ができました。

物を借りられるセンターです。だから図書館というより、「物館(ものかん)」でしょうか?

https://sharingdepot.ca/The Sharing Depot – Canada's First Library of Things ☆2020/08/15:リンク切れになるのでリンクをはずしました。

このセンターの設立資金はクラウドファンディング(インターネットを使った資金集め)によって集められました。

もともと、ある図書館の中で、本だけでなく、大工道具も貸し出していたのが発展してできたセンターです。

キャンピンググッズ、スポーツ製品、ハウスパーティグッズ(カラオケセット、ライト、CD、DVDなど)、ゲーム、子供のおもちゃなどを借りることができます。

物々交換できるイベントもあります。

私はトロントに住んでいないので利用したことはありませんが、こういうシェアリングセンターが一般的になるといいですね。

センターを作るのは大変ですが、家族、親戚、友達、近所の人同志で、できるだけ物の貸し借りをすれば、その分、物を減らすことができます。

シェアをすることが一般的になれば、物が売れなくなりますから、企業は生産する数を減らし、別のことに投資する方向に行きます。

3.質のよい物を買う

100均グッズや、ファストファッションなど、安い商品が人気ですが、あえて、こういうチープな物を買わず、道徳的な方法で作られた、サステイナブルな(持続可能な)商品を買うほうにシフトするのも、物を減らすことに貢献します。

安いものはすぐにこわれるからよくない、と言いたいのではありません。

100円でも丈夫で長持ちするものはたくさんあります。だからガラクタになって、いつまでも家の中から消えないのですが。

安いものがよくないと思うのは、値段の安さゆえ、人々が何も考えず、どんどん買ってしまう点です。

気軽に簡単にたくさん買ってしまう。そして大事にしない。これがガラクタを生みます。

プチプラファッションを買うのが好きな人の中には、福袋をいくつも買って、自分の趣味じゃないものはオークションに出せばいい、と考えている人がいます。

ですが、最初に書いたとおり、物が自分の目の前から消えても、地球レベルでは消えいないのです。

安い服なら、「失敗してもいいか」とネットで色違いを何枚も買ってしまう人も、高い服なら、素材やお手入れ法、手持ちの服にあうか、自分に似合うか、しつこく考えると思います。

つまり、買い物に慎重になるのです。

値段が高ければ、そんなに何枚も買えないでしょうから、この点でも物は増えません。

高くて質のいい物は、それを作っている人やメーカー、コミュニティをサポートする行為でもあります。

安いものを大量に買って使い捨てるより、値段の高いものを注意深く選んで大事に使う。

そうすれば不用品は増えないし、ショッピングという行為が、もっと楽しい、社会的に意義のある行動になるのです。

高くて質のいい物を買うやり方にシフトしたほうが、お金も残ります。
~~~~
まとめますと、

●物を自分の家から出しても、実はガラクタは消えていない。

●真に物を減らすためには、大量消費するサイクルを断ち切ることが必要。そのためにできることは、
1.たくさん買わない
2.物をシェアしあう
3.高くて質のいい物を買う

今の大量消費の風潮はまだまだ続くでしょう。ですが買う量を減らすことで、少しずつ地球全体のガラクタが減っていくと思います。

たとえ、亀の歩みでも。





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