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質のいい服を見分けるごく基本的なやり方を7つお伝えします。7つのうち6つは素人でも簡単にできる方法です。
服の数は多いのに、たんすの肥やしばかり増えていくのは、「質より量」という考え方で服を選んでいるから。シンプルライフをめざすなら、「量より質」にシフトしたほうがいいです。
値段が高ければ質がいいか、というとそうとも言えません。同じような値段でも、クオリティがよいもの、そうではないものがありそうです。
以下のポイントを押さえて、売り場で服をチェックしてください。
1.自分なりの服を選ぶものさしを持つ
まず自分にとって「質のよい服」とはどんな服なのか考えておきます。
自分が服を選ぶ条件みたいなものです。一般にブランドものの服は品質がいい、とされていますが、そうしたブランド服が必ずしも、自分にとって好ましいとはいえません。
安い服でも、その人の体型や雰囲気、合わせているもの、TPOに合っていればおしゃれに見えます。
安い服でおしゃれをする方法⇒おしゃれをあきらめずに洋服代を節約する5つの秘訣。
すごく高いブランドものの服を着ていても、サイズが合っていなかったり、似合ってなかったりすると服に投資したお金が無駄になります。
服にお金をかけたい人、かけたくない人、服について毎日考えている人、どうでもいい人、とさまざまな人がいます。
自分なりの服選びのものさしを用意してください。
服選びに失敗して、大量の服を断捨離することになったなら、これまでどんなことを基準にして服を選んできたのか考えてみると、「ここはちょっと変えたほうがいいかも」という点が見つかります。
私が服を選ぶ基準はこちらに書いています⇒私が天然繊維を選ぶ5つの理由~静電気が健康に及ぼす害はあなどれない
服選びに関しても、他人軸すぎると失敗します。
2.とにかくよく見る
まずは売り場でその服をよく見ます。あたりまえのことですが、これがなかなかできないのです。
私はめったに実店舗で服を買いませんが、買う時あまりしっかり見ていません。試着をするのも面倒だと思うほうです。
こういう人が服を買うのに失敗するのは当然なのです。
私があまり服をしっかり見ないのは、衣類のショッピングに情熱を持てないからですが、服を買うのが好きな人も、買う対象をしっかり見ていません。
その人のゴールは「服を買うこと」であり、「質のいい服を見つけること」ではないからです。
「安くて質のいい服」を探しているのなら、ぱっと見ただけで買わず、じっくり見てください。
店の中はみょうに暗かったり、明るかったりします。なるべく自然光のあたる場所に、その服をもっていき、素材やお手入れ法が書いてあるラベルをしっかり見ます。
ラベルに書いてある意味がわからなかったら店員に聞いてください。この質問に答えられない店員がいる店は利用しないほうがいいです。
ラベルをじっくり見ることで、衝動買いを防ぐこともできます。
3.素材で選ぶ
一般に天然繊維のほうが高品質と考えることができます。機能性を追求した合成繊維もあるので、すべてがそうだとは言えませんが。
シルク、コットン、ウール、麻など天然素材のほうが、着心地はよいし、洗濯にも強いです(毛玉ができにくいです)。今はほとんど混紡かもしれません。少なくても60%は天然素材が入っているものにしたほうがいいと思います。
合成繊維の中にも高品質のものもあります。
このあたりも、店員に聞いてみてください。的確に答えられない店員がいる店は、やはり利用しないほうがいいです。
4.布地をチェック
布地の上で手をすべらせて質をチェックします。
手ざわりのいいものを選んでください。直感でOKです。
これから30回は着る服を買うのですから、手にしたときに、違和感を感じるものは選ばないほうがいいです。もちろん試着して肌当たりもチェックします。
服を30回着る話⇒死ぬほど素敵なファッション(TED)おしゃれで安い服の大きな代償。
明るいところに持っていって両手で軽く布地をひっぱり、布の透け加減や織り目の細かさも見るといいでしょう。下から握りこぶしを入れてみれば、薄さ加減がよくわかります。
ひじょうに高級な服であれこれさわるのがためらわれる場合(売り物なので)、疑問点はどんどん店員さんに聞いてください。
5.縫製を見る
作りが丁寧かどうかチェックするために、縫い目を見てください。きっちりとした縫い目でまっすぐなところはまっすぐに、ゆるいカーブのところはきれいなカーブを描いているのか見てみると、丁寧さ加減がわかります。
補強のためでもないのに、同じ場所を何度か縫っている服があります。すぐに切れる安物の糸を使っているから、縫っているあいだにどこかにひっかかって縫い目がほころび、上からがーっと縫って修正しているのではないか、と私は考えています。
返し縫いやかがり縫いのステッチがあまりに粗いのも手を抜いています。
もちろん糸がつれていたり、飛び出ていたり、始末が悪いのも安物の服です。
検品が甘いか、売り物のスタンダードが低い服、と言えます。
もちろんセール品やアウトレット商品なら難あり品があるのは当然です。
よほど説得力のある理由がないかぎり、セールで衣類を買うのはやめたほうが、よけいな服が増えません。
その理由⇒バーゲンセール依存症のせいでガラクタをため続ける人の処方箋
見ただけではわからないかもしれませんが、使っている糸がしっかりした糸かどうかも見てください。
6.ディテールを調べる
素材のよさ、縫製の丁寧さ、作りの良さは細かいところに表れます。
・ボタンとボタンホール
ボタンがチープだと安っぽく見えるし実際安い服だと思います。ボタンホールのまわりの縫い目が適当な服もチープな服です。
どんなボタンホールがちゃんとしたボタンホールなのかわからない時は紳士服売り場にいって、高級スーツのボタンの穴を見てください。
スペアボタンがついている服は、安物ではないと言えます。スペアボタンは、デザイナーやメーカーが、その服をある程度長く使ってくれることを期待している印です。
私が1980年代に買っていた服は、たいていスペアの布地とスペアボタンがついていました。デザイナーズブランドの服はもちろんのこと、そこらの服屋で買ったそんなに高くない服にもついていたものです。
・柄合わせ
縞柄やチェックの布地を縫い合わせたとき柄が合っていないのは、丁寧に作られていません。ポケットなども同様です。
襟や前たて、ポケットやカフスなどに同じ布ではなく、別の布を使っているのは、安く仕上げるための技かもしれません(デザイン上の理由で別の布を使っているのは別です)。
・すその折り返し
スカートやパンツのすそを折り返した部分(ヘム)があまりに短いときは、布地をけちっています。縫い代をあまり取っていない服も同様です。
・ジッパー
ファスナーの付け方が汚いのはアウトです。ここは見た目も大事ですが機能を担っている部分でもあるので、きっちり丁寧につけてあるのを選びます。
ファスナーが布地にきれいについていて、はしっこも美しく始末してあるのを選んでください。
昔は、スカートやワンピースの脇のファスナーはむき出しになっていませんでした。最近は、むき出しになっているものもありますね。デザインとして見せているのでなかったら、ファスナーは見せないものだと思います。
また、メタルではなくプラスチックのファスナーを使っているのなら、やめたほうがいいかもしれません。プラスチックのファスナーのほうが早く壊れます。使っている場所にもよりますが。
・裏地など
服に裏地をつけたり、襟や肩の裏側に布がついていることがあります。こういうものがついていたら、ある程度まじめに服を作っているといえるでしょう。もちろんデザインやその服の用途にもよりますのであくまで目安です。その服の用途やデザインにもよります。
婦人服販売の仕事をしている方から、裏地のある、なしには理由があるので一概には言えない、というメールをいただきました。春夏もののジャケットに裏地をつけたら暑いでしょう、というメールです。
確かにそのとおりでしょう。
7.高い服を買ってみる、自分で裁縫してみる
いつもチープな服ばかり着ていると、質のいい服がどんなものかわかりません。
私はファッションに興味がないし、裁縫もしないので、服の目利きとはとてもいえません。
それでも子供のころ、母が丁寧に作った服を着ていたし、80年代にはデザイナーズブランドの服をよく着ていたので、安い服を見ると、「やっぱり安いものはチープだな」とわかるところがあります。
1着でいいのでいつもよりワンランクアップした服を買って、実際に30回以上着てみると「質のよさ」を体感できるでしょう。
私、ずっとセシールのトップスを着ていましたが、ランズエンドに替えてから、いかにセシールの綿のトップスやレギンスの生地が薄かったのか、身をもって知りました。
まあ、日本はそんなに寒くないので薄くてもいいのかもしれませんが。
ファッションをミニマルにして、自分が本当に着たい服を買うようにすれば、予算は同じでも、よい服を買うことができます。
ミニマル化するヒントはこちら⇒着るものがないと悩むなら、ミニマリストファッションを始めてみませんか?
どうしても自分は「安くて質がいい服」を探したい、という人は、実際に自分で1着服を作ってみてください。
布地を買うところからやってみれば、売り場で服を見た時、どこで材料費をケチっているか、どこで縫製の手抜きをしているかわかるのではないでしょうか?
糸の種類1つとってもいろいろあります。
要はどこまで服にたいして純粋な興味を持てるか、にかかっています。