ページに広告が含まれる場合があります。
服を捨てられない理由を教えてくれたSKさんのお便りを紹介します。7月はじめにいただいたメールです。
SKさんは、物に対して、感情移入しすぎて捨てることができない、と自己分析しています。
こんなときはどうしたらいいのでしょうか?
ゴミ箱に入れるのに抵抗がある
件名:服を捨てられない理由
ここ半月くらい、モーニングページを『ずっとやりたかったことをやりなさい。』のワークと並行して続けています。
自分が何を考えているか、何を思っているかに敏感になり、瞑想をした後のようだなあと感じます。
「今すぐ捨てるべき服、7選。」の記事を見て、ポイントをメモし、不要な衣服をとりよけました。
ときめく、でも着ない服もまだ残しておいたり、基準は甘々ですが、実行したことを良しとしたいと思います。
穴が開いたウールのセーター3枚は、捨てることにしましたが、ゴミ箱に入れるのに抵抗感がありました。
補修して着ようか迷ったくらい、まだきれいなセーターを、ほこりやソースの残りなども捨てる、その他ゴミ箱に入れるのに抵抗感があったのです。
当地では、まだ着られる服は赤十字の古服回収箱に出せますが、そうでなければその他ゴミ箱行きになります。
私はHSP(筆子註:人一倍感受性が強い人)で、感情移入が過ぎる傾向があります。
たとえば、お気に入りのカップを流しの角にぶつけた時に、思わず痛っと感じて「ごめんね」と言ってしまいます。物なのに。
たとえばこのセーターも、ウェスにすると決めて、小さく切ったり、汚れを拭いた後ゴミ箱に入れるのは、抵抗感がないだろうと想像できます。
だから、理屈に合わない感情なのはわかります。
小さく切ったり汚れを拭いたりするのは抵抗感がないのだから(ウェスもたくさんあるので、セーターはウェスにはしませんが)。
でも、この感情が、物を減らす邪魔になっているような気がします。
家から出すなら、どの子も行き先を決めてあげないといけませんから。
今回は、とりあえず箱に入れました。
自転車のヘルメットをかぶった時に、冬にヘルメットの下にかぶる薄手の帽子がないので、私と夫の帽子2つをこの薄手のセーターから作ろうと思います(こういう風に切ってしまった残りを捨てるなら、心は痛みません)。
使わないセーターは、ゴミ収集日の前日くらいに、えいやっとゴミ箱に入れようと思っています。
売る当てのない本、人にあげられない本は、最近ようやく古紙として捨てられるようになりました。
紙同士で集められているだけなので、妙な感覚的な抵抗感はありません。
筆子さんには思いも寄らない理由なんじゃないかと思いますが、捨てられない理由の参考に、と思ってメールします。
SKさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
いつも、記事を読んでくださってとてもうれしいです。
セーターから帽子を作るなんて、SKさんは器用な方なんですね。
「私には思いもよらない理由」と書かれていますが、そんなことはありません。
捨てるとき、心が痛む人は、たくさんいます⇒心が痛むから捨てられない~服を捨てない理由とその対策(その3)
いらないものを捨てるときは、多かれ少なかれ、みな嫌な気分でいると思いますよ。
ちゃんと使わなくて申し訳なかったなあ、お金無駄にしちゃったなあ、ばかな買い物しちゃったなあ。
こんなふうに罪悪感や後悔を感じるんじゃないでしょうか?
ですが、それが後悔ならば、今さら悔やんでもしかたがないんですよね。誰のためにもならない。
ただ、この後悔という気持ち、すごく強力です。
過去、自分はどんなに不幸だったか、どんなにひどいことがあったか、そんなことを、決して忘れない人がいます。
他人からすれば、「いい加減、すんだことは乗り越えろよ(せめて、切り離して考えろよ)」と言いたいのですが、本人は、そんな選択肢があることすら気づきません。
過去に起きたできごとが、今の自分を作っているから、アイデンティティの一部になっているのです。
SKさんの物に対する気持ちが後悔から来ているのかどうかはわかりませんが。
持っていても、自分の人生は何もよくならない、むしろ、悪くなるとわかっていても、「捨てちゃうのはかわいそう」と思うときは、以下のことをやってみてください。
1.捨てずに人に使ってもらう
「これ、まだきれいで、十分使えるのにゴミ箱に入れるのはしのびない」。
こんな気持ちにさせるものは、捨てずに、使ってくれる人に渡してください。
先進国では、服は余っているので、そういう人がうまく見つかるかどうかはわかりませんが。
2.できるだけリサイクルしてもらう
ゴミ箱に捨てずに、廃品回収など、リサイクルされる処分方法を選んでください。
といっても、リサイクルしてもらうつもりで寄付した服も、業者が処理している過程で、ランドフィル(ゴミ捨て場)に行く可能性は高いのですが。
私の娘は、長らくバルクバーンで働いていましたが⇒量り売りの店、バルクバーンは節約主婦の味方、おまけにエコだよ
今は、スリフトショップで働いています。
スリフトショップでは、人が寄付した古着や古物をとても安く売り、売上を慈善事業に使います。
娘が働いているところは、同じスリフトショップの Value Village(ヴァリュービレッジ)や Goodwill(グッドウイル)よりちょっといい物を置いています。
たぶん、寄付品をソートする段階で、新品に近いものを選んでいるのでしょう(娘は、寄付品のソートにはかかわっていません)。
かなりいい品が安く売られている店ですが、それでも服が大量に売れ残るそうです。
売れ残った服を引き取る業者は決まっていて、この業者が、古着を資源ごみとして活用します。しかし、資源にできないものは廃棄されるでしょう。
以前、この記事に書いたように⇒個人が古着を寄付するのは意味のないことか?
「寄付した、善行をほどこした、無駄にしなかった」と自分は喜んでいても、実際は、ゴミ捨て場に行く服がたくさんあるのです。
ですが、リサイクルゴミとして出したり、寄付したりしているとき、それがゴミ捨て場に到達することを、自分は知らないのだから、「かわいそうなことしちゃった」と思わずにすみます。
つまり、いい気分で処分できます。
3.いいことに目をむける
捨てるなんてかわいそう……とネガティブに考えず、もっとポジティブに考えてください。
ちょっと穴があいているけれど、まだ着られるセーターを捨てるのは、かわいそうかもしれませんが(私なら、多少の穴があいたぐらいでは捨てずに着続けますが)、いいこともあるんじゃないですか?
もし私がそのセーターなら、「傷物になってしまったわね」、と押し入れの中にずっと放置され、ときどきうとましい目で見られ、持ち主の心の負担になっているより、ソースやほこりと一緒にゴミ箱に入ったほうが幸せです。
家の外に出れば、資源としてよみがえる可能性も見えてきます。
人間だってそうですよね?
めずらしい病気にかかって、余命を宣告された人は、自分のデータを今後同じ病気にかかった人の治療に活かしてほしいと望むし、自分が死んだあとは、臓器を寄付したいと思うものです。
自分(セーター)がいなくなれば、持ち主のSKさんの気持ちの負担が減るし、ときどきは、自分を着て楽しかった日のことを思い出してもらえるかもしれません。
着ない服を捨てられないとき、その服は、もはや実用品ではなく、思い出の品と化しています。
「着ないけど、愛着がある服」です。
思い出の品は、ずっと放置しておくより、手放す決断をし、捨てたときのほうが、思い出がよみがえります。
2015年、断捨離してよかったもの(古いもの編)~捨てるからこそよみがえる思い出
思い出の品なのだから、思い出してもらえば、こんなにうれしいことはありません。
4.物は絶対自分をかわいそうだと思わない
物には感情がないので、割れようが刻まれようが、ずっと放置されようが、「痛い、悲しい、私ってかわいそう。生まれてくるんじゃなかった」とは決して思いません。
すべては、所有者の人間が勝手に感じていることです。
先日、やたらと罪悪感を感じる人の相談に回答しましたが⇒必要以上に罪悪感を感じるのをやめる方法。
この方は、単に自分の都合で、罪悪感を感じているだけで、罪悪感を持たれたほうは、何の利益を受けていません。
SKさんの物に対する、「かわいそう」「ごめんなさい」という気持ちも、そうした罪悪感と同じではないでしょうか?
SKさんは、心理的に、何か必要があって、「かわいそう」だと思っているのでしょうが、時には、「そう思って、何かいいことあるわけ?」 と自分のことを客観視するといいと思います。
私は、ハイリーセンシティブではないので、そういう方の気持ちはわかりませんが、「その繊細さを、もっといいことに活かせばいいのに」と思います。
HSPであることは、致命的な欠点ではなく、個性ですよね?
「私はHSPだから、こーであーで、こうなってしまってこんな問題があるんです」ではなく、「HSPだからこそ、こういうことができるんです」ともっとポジティブな方向に持っていけませんかね。
以下のTEDのプレゼンターは、ともに、「自分はハイリーセンシティブである」とプレゼン内で言っています。
人一倍繊細だからこそ、わかることもたくさんあるんじゃないですか?
それでは、SKさん、これからもお元気でお暮らしください。
モーンングページと『ずっとやりたかったことをやりなさい。』については、先日の記事に詳しく書いています⇒モーニングページを書き始めるコツ~朝、そんなもの書いてる時間がないというあなたへ。
服を捨てたいあなたへおすすめのシリーズ⇒着ていない服を捨てたい。でも、捨てるのはむずかしい。そんなときはこう考えてみる(その1)
****
物を捨てるのが苦手だけど、がんばって片付けている読者のお便りを紹介しました。
感想などありましたら、お気軽にお寄せください。お待ちしています。