映画『ザ・トゥルー・コスト』が描くファストファッションの代償。服を買いすぎる人に見てほしいドキュメンタリー

ファッションをミニマルに

ページに広告が含まれることがあります。

安いからと服を買って、数回着て捨てる。そんな買い方を続けている人に、見てほしい映画があります。

2015年の『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』。10年以上前のドキュメンタリーですが、扱っている問題は今も変わっていません

記事の前半では映画の内容、後半ではファストファッションがどんなふうに環境に悪いのか、私たちに何ができるのか書いています。

『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』

ファストファッションとは、最新の流行を取り入れた低価格の服を大量生産し、短いサイクルで販売するブランドやその服、業界、ビジネスモデルのことです。

英語のfast fashionから来ています。fastは「速い」という意味。速くて安いファーストフード(ファストフード)になぞらえて、ファストファッションと呼ばれるようになりました。

詳しくはこちらをどうぞ⇒ファストファッションとは?その仕組みと問題点を2分で学ぶ

消費者にとっては、トレンド感のある服を安く購入できるので、うれしいものです。プチプラでおしゃれが楽しめますから。先進国ではどこでも大変な人気です。

ですが実はファストファッションはひじょうに環境に負荷をかけているビジネス形態です。さらに人道的な問題もあります。

この映画はその問題点を鋭く描いています。日本語字幕版の予告編を紹介しますね。

アメリカ向けの予告編とは違った場面が挿入されています。

前回の記事では、この映画ができた背景を詳しく紹介⇒「真の代償」The True Costはファストファッションの真実を暴く映画 ~これでもあなたは安い服を買い続けますか? バングラデシュの縫製工場(ラナ・プラザ)の火災についても書いていますよ。

日本では2015年11月に劇場公開されました。

今は配給元のユナイテッドピープルがDVDを出していて、Amazonなどで買えます。

動画配信は入れ替わりがあるので、探してみてください。

学校や地域で上映会を開きたい人向けに、自主上映の受付も続いています⇒ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~|cinemo

ファストファッションと環境問題

前回の記事では、ファストファッションの人道的な問題について書きました。今回は、この産業が環境にどんな負荷をかけるのか、簡単に書いておきます。

人間のやることで、環境に負荷をかけないものはありませんが、ファッション産業は想像以上に環境にダメージを与えています。

華やかなイメージとは裏腹に、繊維や衣類、ファッション雑貨の生産、販売は、石油産業に続いて、世界で2番めに環境に負荷をかけているのです。

ただでさえ、環境によくないのに、ファストファッションのように、大量に、速く、安く生産、供給することを目標にしたら、そのダメージたるや計り知れません。

たとえばこんなふうに環境によくありません。

綿花の栽培に大量の農薬を使う

true cost still 3
服の主な素材は綿(コットン)と化学繊維です。化学繊維は石油から作りますから、貴重な資源を無駄遣いしているのは明らか。

しかし「自然なもの」というイメージのあるコットンもその栽培の実態を考えてみると、あまりナチュラルとは言えません。

コットンの原料は綿花ですが、この栽培に大量に農薬が使われています。綿花はもともと麻などに比べて、害虫に弱いため、農薬が必要なのです。

さらにファストファッションを支えるためには、安くてそこそこ品質のいい綿花を大量に収穫する必要があるので、化学肥料をたくさん使用しています。

一説によると、綿花の栽培に使う土地は世界の耕地面積の5%未満なのに、全世界の農薬の20%が使われているそうです。インドの綿農家で農薬被害がひどいことは時々ニュースになりますね。

大量に農薬を使えば当然土壌が汚染され、それはまわりまわって海に入ります。

速く大量に供給するために、羊毛のもとである羊にも成長促進剤を与えたり、餌に農薬を入れるそうです。アメリカで牛にホルモン剤を打っているのと同じですね。

繊維は色をつけるときに大量の水を使う

繊維は加工してから水洗いや湯洗いを繰り返すため、水が大量に必要です。バングラデシュの繊維工場では水が足りなくなって、地下水を組み上げて稼働しています。

服を使うのに使いすぎて、乾季には家庭用水が足りなくなるほどです。

使用した水には大量の化学薬品が入り、それが廃棄される

たとえ、原材料は「自然なもの」であるコットンでも、その繊維につける染料は化学薬品です。

世間には、天然色素を使った服(草木染め)もありますが、ファストファッションのように速さと安さにこだわった服に、そのようなものを使うことはありえません。

合成染料を使っています。これが、工場から廃棄される水に混ざり、川や海の水を汚染します。
true cost still 2

輸送で貴重な資源を使い、環境を汚す

バングラデシュやインドなどから、できた服を先進国に輸送するのに、リソースを使います。

工場からトラックで港や飛行場に輸送。そこからコンテナ船や飛行機で先進国に輸送。さらにそこからトラックや貨物列車で小売店まで運びます。

輸送にどれだけの燃料が使われていることか。もちろん大量の排気ガス(二酸化炭素)が排出されます。

ファストファッションの場合、量が多いだけでなく、回転が速いので、何度も輸送します。そのリソースの使い方は半端ではありません。

使い捨てられた服が大量に廃棄される

この問題については、断捨離をしている人なら想像つくと思います。自分ひとりが断捨離する服がこれだけあるとしたら、世間で捨てられる服が全部集まったらどんなすごいゴミの山になるのか、ということが。

ゴミはカナダでは、landfill(ランドフィル)と呼ばれる人里離れたゴミ捨て場に廃棄されます。もちろん土壌を汚染します。

燃やせばダイオキシンなど環境ホルモンがでます。

先日記事にしましたが、ゴミの廃棄にはお金が必要ですから税制も圧迫します。
⇒節約ではお金はたまらない。お金持ちになりたいなら、買わない暮らしが1番いい

ファストファッションは、わざと、すぐにほつれたり、洗濯でだめになるように作っているという、うわさもあります。

品質がちゃんとしていたとしても、どんどんトレンドの服を提供し続け、がんがん広告を打ったら、消費者は喜んで買ってしまうでしょう。何せとても安いのですから。

そして多くの人が、まだまだ着られる服を10回も洗濯しないうちに、捨ててしまうのです。
ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~

ファストファッション問題を解決するために。スローファッションのすすめ

このような問題を解決するために私たち、消費者はどうしたらいいのでしょうか?

責任の大部分はメーカーにあると言えそうです。しかし、需要がなければ、メーカーは製品を作りません。

消費者が買うからいけないのです。

大量消費社会では、メーカーが広告を使って、需要も一緒に作っている側面もありますけれど。

そこで、服を買わないことが1番です。1着1着をもっと大事に着るのです。

今、「もっとサステナブルな服を作ったり着たりしましょう」という、スローファッションムーブメントがあります。これをやるといいと思うのです。

「サステナブル(sustainable)」とは「持続可能な」という意味。サステナブルな服とは、この先もずっと続けられるようなビジネスモデルで作った服です。平たく言えば、環境に配慮した服のこと。

私が最後に洋服を買ったのは、去年の夏。名古屋のユニクロでUVカットパーカを買いました。1年間、毎日のように着て、袖口などボロボロですが、まだ着ています。

崩壊するまで着るつもりです。崩壊したら、もう新品は買わず、近所のValue Village(バリュー・ヴィレッジ。寄付品を販売してる店)で、古着を買います。

今後はできるだけ新品の服を買うのはやめようと思っています。

スローファッションムーブメント、他にはこんなことができます。

服を買うのをしばらくやめてみる

特に服を買う頻度が多く、しかも家に大量の服がある人はこれをやるべきです。服に対する考え方が変わると思います。
こちらも読んでください⇒どの服を捨てたらいいのかわからない?そんな時は、いきなり捨てずに好きな服を探そう

ワードローブをミニマムにする

いったん服をミニマムにすれば、もうやたらと新品の服を買う生活には戻りません。

ミニマムにするとき、服を捨てる必要がありますが、ゴミ箱に捨ててはいけません。必ずどこかに寄付してください。

ワードローブをミニマムにする方法はこちら⇒少ない服でおしゃれを楽しむ方法。この秋からミニマルなファッションにしませんか?

同じような服を何度も着ても、人は意外と気にしません。人は自分のことばかり考えているので、他人の服なんぞチェックしていません。

サステナブルな服を買う

私のように「着たきり生活はとてもできない」という人は、サステナブルな服を買ってください。

今は完全にニッチ産業ですが、これからこういう服を作るブランドが増えてくると思います。

たとえばピープル・ツリーの服とか。私はピープル・ツリーの服は、みんなエスニックっぽいのかなと思っていましたが、今、ホームページをみたら、おしゃれでかわいいワンピースがたくさんありました⇒オーガニックコットン通販 販売サイトPeople Tree

洋服を使い捨てしない

1着1着を大事に、もっとゆっくり消費すれば、メーカーもたたみかけるように洋服を作ることはしないでしょう。

服が痛んだら修理して着るとか、あきてしまった服もリメイクするとか、そういう工夫をしてできるだけ長く着続けるのです。

*******

ファストファッションが盛んになった背景には、物質至上主義、大量消費社会、物は多ければ多いほどいい、という価値観があります。

私たちがこの価値観を手放せば、メーカーももう少しゆっくり、環境に配慮しながら、服を作ってくれるのではないでしょうか。

まだ見ていない方は、ぜひごらんください。

関連記事

カナダ在住の60代。ミニマリストです。

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,741人の購読者に加わりましょう
カテゴリー
アーカイブ
TOP
CLOSE