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今日は、いったんきれいに片付けたのに、また汚部屋気味になっている方のために、ガラクタが少しずつ部屋に侵入してくる、「じわじわ現象」の正体と、そうならないために、日々の習慣を整えていく方法を提案します。
気づけばまた、元どおりの部屋
せっかく片づけたはずなのに、気がつくとまたものが増えていた。こんな経験、ありませんか?
ダイニングテーブルの上や、クローゼットの中がすっきりしたのも束の間、数か月後には「これ、いつからあったんだっけ?」と思うようなものたちが、知らないうちに場所を占領しています。
これは決して、あなたのやる気が足りなかったわけでも、片づけ方が間違っていたわけでもありません。
きれいに片付けても、生活していれば、気づかないうちにものは増えていきます。
その当たり前の流れに意識が向いていなかったのです。
ガラクタは、ある日突然やってくるのではなく、毎日少しずつ部屋の中に入ってきます。
日々のたった5秒の後回し、ほんの小さな油断。これが、数週間後の「ごちゃごちゃ」を生み出すのです。
たった5秒の行動が、散らかりのもとになる
「あとで捨てよう」「ちょっとここに置いておこう」。
ほんの一瞬のつもりで置いたものが、整理されることなく、数日、数週間とそこに居座る。これがガラクタのはじまりです。
不要になったものをすぐに捨てる、使ったものをすぐに戻す。たったそれだけのことが、忙しいと意外と難しい。
急いでいたり、疲れていたり、別のことに気を取られていたりすると、ものを仮置きすることがどんどん増えます。
「あとでやる」と決めるのは、「いまはやらない」と決めたのと同じこと。
しかも、「やるつもりになった」だけで、脳はその行動を「すでに処理したもの」として扱い、忘れやすくなってしまいます。
わずか5秒の後回しが、1日の終わりには10回、20回と積み重なり、週末には「なんでこんなに散らかってるの?」と頭を抱えることになります。
この場合、その都度片付ける習慣がまだ身についていなかったのかもしれません。
あるいは、せっかくできていた「片付ける流れ」が、止まってしまったのかもしれません。
ガラクタの侵入ルートは日常にある
ガラクタは、どこからやってくるのでしょうか?
わざわざ買い物に行かなくても、日常生活を送っているだけで、知らないうちに部屋の中に入り込んできます。
たとえば、郵便受けから取ってきたチラシや、無料でもらったサンプル品。ショッピングのときにもらった紙袋やレジ袋、レシート。誰かからのおみやげ。買い替えたあとの古い家電のコードや説明書。思い当たるものがたくさんあるのではないでしょうか。
ひとつひとつは小さく、無害に見えるため、手元にあることすら忘れがちです。このようなアイテムは定位置を与えられないまま家の中をさまよい、どこかに仮置きされ、だんだんガラクタとしての存在感を増していきます。
こうした「ちょっとだけ」の油断が日常生活にふつうにあると、ガラクタの増殖を防ぐのは難しくなります。
ガラクタはものとして入ってくるというより、あなたの習慣のすきを突いて入り込みます。
1つが2つに、2つが山に
増えすぎたものを見て「どうしてこんなにある?」と思ったことはありませんか。
その多くは、ある日突然やってきたわけではなく、「なんとなくとっておいた」「何年にも渡る使いかけ」「古いけどまだ使えそう」という理由で残されたものの積み重ねです。
たとえば、文房具。ボールペンが1本増え、さらにもう1本増え、気がつけば引き出しに10本ぐらいある人はたくさんいます(かつての私もそうでした)。
あるいは、スキンケア用品。新しいのを試してみたくなって買ったけれど、前のものは捨てずにそのまま残します。
このように、1つのものが2つに、2つがいつの間にか山になるのが、ガラクタ増殖の典型的なパターンです。
しかもこれが、同じカテゴリーのものだけで起きるとは限りません。関連があるようでないようなものたちが、ある日突然、ひとつの「ごちゃっとした山」になって出現します。
ものが増えたのではなく、残されたものが減らなかっただけ。
ここを見落とすと、また同じことがくり返されます。
増殖を止めるカギは5秒のリセット習慣
ガラクタがじわじわと増えるのを止めるには、今すぐやる習慣を身につけることが効果的です。
その第一歩が、5秒でできる小さなリセット。
たとえば、朝の洗面所。使い切ったコスメを捨てるのにかかる時間は、たった数秒です。食後にテーブルの上をひと拭きするのも、ほんのひと手間。けれども、こうした小さな行動を積み重ねると、散らかる前に整える生活リズムが自然とできてきます。
ここで大切なのは、完璧に片付けようとしないことです。引き出しの中まで全部見直す必要はありません。
今日使ったものや、視界に入ったものだけを捨てるなり、所定の場所に戻すなりすればそれで十分です。
私は、1日の仕事が終わったあとに、キッチンをいったん片付け、リビングやパソコンデスクのあるあたりも一周して、ゴミは捨て、場違いなものはそれぞれの場所に戻すようにしています。
これを毎日やれば、大々的に散らかることを防止できます。
「やろう」と思ったそのタイミングが一番やりやすいとき。
そのチャンスを逃さず、捨てる/戻す習慣を小さな単位で積み上げていくことが、ガラクタの再侵入を防ぐカギになります。
戻す習慣、ありますか?
片付けというと、まず捨てることが思い浮かびますが、戻すことも重要です。
もちろん不用品はどんどん捨てるべきですが、いつも使うものを、使ったあとに戻す習慣も、部屋を整えるという意味ではとても大切です。
ものを手放すのは大きな決断をともないますが、使ったものを元に戻すだけなら、それほどハードルは高くありません。
部屋が散らからない人は、特別な断捨離術を持っているのではなく、戻すことが習慣になっているだけなのかもしれません。
いったん片付けてもすぐに散らかることが多いなら、「戻せているかどうか」に目を向けてみましょう。
たとえば、ジャケットを脱いだあと、ハンガーにかけずに椅子に置くのが習慣になっていると(私の娘です)、あっという間に非正規の「洋服置き場」ができます。食器をあとでまとめて洗おうとキッチンに放置していると、洗い物の山ができあがります。
どちらも、ほんの数分でできる「戻す行動」を後回しにしただけの結果です。
すでに一度、片付け終わっているなら、一大決心をして捨てる勇気を出さなくても、戻す習慣があれば、部屋はそんなに散らかりません。
おわりに:5秒の積み重ねがガラクタを防ぐ
ガラクタは、決してある日突然部屋を乗っ取るわけではありません。
ほんの5秒の後回し、たったひとつの「ちょっとだけ」の積み重ねが、時間をかけて部屋の景色を変えていくのです。
この状態を防ぐのに必要なのは、気合いや根性ではなく、小さな習慣を味方につけることです。
不要になったらすぐに捨てる。
使ったら戻す。
ごちゃつき始めたら、リセットする。
どれも、5秒から30秒もあればできることばかりです。
疲れているなら、ひとつだけ処理すればOK。
完全に片付けきれなくても、少し意識するだけで流れは変わります。
「また散らかってしまった」と落ち込む前に、「ひとつ捨てるだけでいい」「ひとつ戻すだけでいい」ことを思い出してください。
一度きれいにした経験があるあなたなら、環境を整える力はちゃんと備わっていますよ。