スーパーにいる女性

ミニマム思考

気持ちに余裕がないときは、決断疲れを防いでみよう。やり方を7つ紹介します。

きのう、不用品を捨てるときは、さっさと決めようと書きましたが、気持ちの余裕がないと、つまり、脳が疲れていると、決めたいと思っていても、決めることができません。

不用品を捨てる・捨てないをなかなか決められない人は、決断疲れを防いでみてはどうでしょうか?

決断疲れに陥らないためにできることを具体的に7つ紹介します。



決断疲れとは

決断疲れは、いろいろなことを決めすぎて、脳が疲れてしまうことです。

一説によると、私たちは1日に35000回も意思決定をしているそうです。

参考⇒Decision fatigue: Learn to make smarter choices without feeling exhausted | CNN

今、何事につけ選択肢が豊富にあるから、決めることが増えてしまうのでしょう。

たとえば、女性の生き方についても、昔の女性は、働く場所がなかったので、適齢期になったら親が決めた相手と見合い結婚というルートがある程度決まっていたでしょう。

しかし今は、結婚しない道もあるし、法的に結婚せず同棲してもいいし、結婚する時期だってまちまちだし、仕事にいたっては、それはもういろいろあるし、移動も自由になったから、住む場所の選択肢もたくさんあります。

日常買う商品にしても、種類がありすぎて迷いますよね?

バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?

技術が進んで、いろいろなことをセルフで行うことが増えたのも、決め事を増やしていると思います。

そんなこんなで、たくさんの決め事に頭を使うので、決断疲れに陥ってしまうのです。





決断疲れの症状

決断疲れがひどくなると、以下のことが起きます。

・物事をなかなか決められない。ささいなことなのに、ぐるぐると迷ってしまう。

・集中できない

・情緒不安定、感情の起伏が激しい、自分の気持ちをコントロールできない

・先延ばしをたくさんする

・衝動的な行動が多い(衝動買い、口にすべきではないことを衝動的に相手にぶつけるなど)

・状況に圧倒されぎみ、いろいろなことに振り回されて1日が終わる

・いったん決めたことに対して、いつまでもぐずぐず考える

・やるべきことをやらず逃避する行動に出る(ビンジウォッチング、SNS、甘いものの大量食べ、飲酒など)

*ビンジウォッチング(binge watching)は、Netflixなどでドラマや映画を一気見することです。

では、ここから、決断疲れにならない方法です。

1.定番を作る

決断する回数を減らすと、決断疲れになりません。

すべてのことを1から考えなくてすむよう、日常よく使うものは定番をつくってください。

たとえば、毎日着る服を決めてしまえば、たくさんある選択肢から、組み合わせを考えずにすみます。

自分のユニフォームを決める12のヒント。おしゃれミニマリストになる道もある

ユニフォームを決めなくても、ある程度、絞り込めば、楽になります。

翌日着る服を前の晩に用意するのもいいでしょう。

服装だけでなく、ふだん食べるものや、使うものも、定番化できるなら、そうしたほうがいいと思います。

家事もルーティン化しましょう⇒忙しいからこそ家事のルーティンが必要。汚部屋掃除の手順はこうして身に付ける

2.何もかも自分で決めない

決めなくてもいいことまで、自分で決めるのをやめましょう。

自分が決めなくてもいいことは他の人や、別の何かに決めさせてください。

職場では、同僚や部下、上司に、頼んでもいい仕事や用事を、どんどん頼んでください。

家庭では、夫や子供にも意思決定に参加してもらいましょう。たとえば、夕食のメニューや、テレビで何を見るか、どこに遊びに行くかといったことです。

友達付き合いでは、友人に決めてもらっても大丈夫なことは、みな友人に決めてもらいます。

状況をコントロールしたい人や、何もかも仕切りたがる人は、決め事が増えるので、ときには、一歩引いてください。

3.日々のスケジュールをだいたい決める

スケジュールもある程度決めておくと、決めることが減ります。

「そんなのつまらない」と思う人は、仕事のある平日は、スケジュールを固めて、週末は自由にすればいいでしょう。

とは言え、毎日、同じような時間に寝て起きたほうが、体も脳も疲れません。

4.大事な決め事は頭が疲れていない時にする

重要な決め事があるときは、1日中、ぐるぐる反芻(はんすう)するのではなく、頭が疲れていないときに考えて決めてください。

頭が一番疲れていない時は、多くの場合、朝です。

睡眠をとって、脳をしっかりケアした直後ですから。

私自身も、朝が一番、頭が疲れておらず、気分も前向きです。昼過ぎからだんだん疲れてきて、やるべきではないことをやってしまって、スケジュールが乱れたりします。

朝は脳のゴールデンタイムなので、この時間にどうでもいいSNSのチェックなどをしないほうがいいですよ。重要なことをしてください。

5.まめに書き出す

仕事、家事、用事など、やらねばならないことや、やりたいことはまめに紙に書き出してください。

捨て活に関しても、捨てる物や片付けたい場所などをリストにするといいですよ。

書き出したら、優先順位をつけて、トップ3だけを確実にやるようにするのはどうでしょうか?

私は、よく頭の中にあることを書き出すように言っていますが、書き出さないということは、すべて脳内で考えているということですよね?

そのとき、ワーキングメモリ(短期記憶)を使っていると思います。

まあ、何が短期で何が長期かを厳密に定義しようとすると、難しいと思いますが、「これ、捨てようかしら? それともキープ?」と考えているときはワーキングメモリを使っていると私は思います。

ワーキングメモリ(作業記憶)をうまく使って目の前のゴールを達成する(TED)

ワーキングメモリは容量が少ないので、よけいな考え事をしないほうが、効率的に使えます。

そのために、あれこれ書き出すことはベストの方法ではないでしょうか?

書き出すことは、気持ちの整理、ストレス解消、うつ症状からの回復にも役立つという研究もありますので、書いて損はないと思います。

6.選択肢を減らす

何かを決めるとき、オプションがたくさんあるときは、強制的に候補を3つにしぼり、そこから決めるようにしてください。

たとえば、次に旅行に行きたい場所が30個ぐらいあったとしたら、海外、国内、近場でそれぞれ1つを選出し、その中から最終的な旅先を決めるわけです。

何かに本格的に迷い始めるまえに、候補を3つにしぼるくせをつけると、決断力があがると思います。

これまでおすすめした服装の制服化やルーティンを作ることも、結局はオプションを減らす行為です。

ふだんの生活でも、選択肢を拡大させるより、絞り込むことを心がけたほうが、頭が疲れません。

7.ウェルビーイングを優先する

ウエルビーイング(well-being)は、「幸福」と訳されることが多いですが、肉体的、社会的、精神的に満たされた状態のことです。

ウエルビーイングを向上させると、脳の状態がよくなります。

そのために不可欠なのが、健康的な生活です。

睡眠、食べ物、運動に気を使って、ヘルシーなライフスタイルを送って、決断疲れを防いでください。

私たちは、「お金の損得」を最優先に考えることが多いですが、一時的にお金を数千円得することが、毎回、ウエルビーイングの向上につながるとは言えません。

むしろ、幸福度を下げる結果になることがよくあるので、お金の損得ではなく、ウエルビーイングを優先しましょう。

決断疲れ・関連記事もどうぞ

決断疲れを回避する方法。ミニマリストになるのが1番です

決断疲れを避ける:決断するコツを教えます(その2)

捨てられないのは決められないから。決断するコツ教えます(その1) このシリーズは今のところ、全部で5記事あります。

着たきりミニマリスト主婦の普段着とよそ行きをご紹介~ワンパターンな服はストレスが少なく、生産性をあげる

いつも同じ服を着ているダサい人だと、他人に思われたくない:着ない服を捨てない理由と、それを乗り越えて捨てる方法(18)

よりよい決断をする3つの方法、コンピュータのように考える(TED)

よりよい決断をするには?シーナ・アイエンガーの選択術(TED)

*****

決断疲れを防ぐ方法を紹介しました。

別に決断疲れに陥っていなくても、気持ちの余裕を得るために役立つことばかりなので、「よさそうだな」と思うことがあったら、ぜひ試してください。

捨てる・捨てないの決断も、さっさとできるようになるはずです。





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