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フタル酸エステル(環境ホルモン)の毒性とは?プラスチック、ヘアケア製品、化粧品に入っています

環境ホルモンについてお伝えしています。環境ホルモンは、私たちの健康に不可欠なホルモンの働きをかく乱してしまう、内分泌かく乱化学物質です。

これまで、BPAとダイオキシンを紹介しました。今回は、ごく身近にある製品に含まれているフタル酸エステル類を取り上げます。



フタル酸エステルとは?

フタル酸エステル類はフタル酸とアルコールがエステル結合した化合物です。これはプラスチックを柔らかくするために使われています。つまり可塑剤(かそざい)です。可塑とは自由に物の形を作れること。可塑剤は、高分子物質に可塑性を与え、加工しやすくするのを助ける物質です。

よってフタル酸エステルはプラスチック製品やビニールでできた物に入っています。また、化粧品をなめらかにするのにも使われます。

フタル酸エステルは構造によっていくつかの種類があります。1番有名なのが、フタル酸系の可塑剤のおよそ6割を占める、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)という物質。これはDEHPと称されます。

別名フタル酸ジオクチルで、DOPと呼ばれることも。ほかにもDBPとかBBPとか似たようなのがあり、用途が少し違います。

プラスチック製品があふれている今、フタル酸エステルはありとあらゆるものに入っています。

たとえば、食品の包装材、衣類の包装材、ビニールのおもちゃ、壁紙、ビニールの床、ケーブルをくるんでいるプラスチックの部分、シャワーカーテン、テーブルクロス、レインコート、車のハンドル、車のダッシュボード、ギア、フィルム、塗料、接着剤、シーリング材、合成レザーなど。

新車の匂いは内装やシートのカバーの匂いですが、フタル酸の匂いとも言えます。この匂いを取ろうとしてファブリーズを使っても、ファブリーズにフタル酸が入っています(たぶん)。

フタル酸の毒性が問題になってから、新車の匂いはしなくなったそうですが、車に乗らないのでよく知りません。

化粧品では、香水、ヘアスプレー、デオドラントなどいい香りのするものにはたいてい入っています。洗剤やルームスプレー、虫よけもそうです。また、マニキュアをなめらかにするために加えられています。

医療の世界でも広く使われています。点滴を入れる袋もチューブもそうです。すでに食品(乳製品や肉)からも検出されています。ただ経路はよくわかっていないそうです。

☆環境ホルモンシリーズは最初から読むとわかりやすいです☆
知っているようで知らない、ホルモンとは何?わかりやすく解説しました

環境ホルモンとは何か、その影響など基礎的なことをわかりやすく解説

環境ホルモンに気をつけよう。BPAが健康に及ぼす影響とは?

ダイオキシンとは?その害と個人レベルでできる対策をわかりやすく解説

フタル酸エステルの人体への害は?

フタル酸エステルは、生殖機能に作用し、発がん性があると考えられています。男性の生殖機能を損なったり、乳がんを引き起こすと、学者は言います。子供の肥満の原因である、というリサーチ結果もあります。

ただダイオキシンとは違って、体内に蓄積されないので、安全だと言う学者もいます。フタル酸エステルは比較的代謝されやすい物質だそうです。ですが、蓄積されなくても、いつもさらされていれば同じようなものです。

すでに、アメリカ、欧州、日本では、赤ちゃんや子供が使うプラスチック製品(おしゃぶり、哺乳瓶、おもちゃなど)にはフタル酸エステルを使ってはいけないと規制されています。

しかし化粧品には、フタル酸の表示義務はありません。ただ人工的な香料のほとんどすべてにフフタル酸エステルが入っているので、「香料」と書いてあれば、それはフタル酸エステル入りなのです。





フタル酸エステルの影響を減らす対策は?

こんなことをすればフタル酸エステルの作用を減らすことができます。

●合成香料の入っているものを極力使わない。
香りがほしければ、自然のものから採れた精油を使うことをおすすめします。
関連⇒薬なし生活~薬はすべて断捨離しアロマテラピーで健康管理

●古い子供むけのビニールやプラスチックのおもちゃを使わない。
フタル酸エステルが規制されたのは最近のことなので、昔のおもちゃには入っている可能性が高いです。

●プラスチック製品をできるだけ避ける。
特に、プラスチックの入れ物に食べ物を入れて、電子レンジで加熱するのはやめます。とりわけ肉やチーズなど脂肪分の多い食品をプラスチックの容器に入れて加熱するとフタル酸が混入しやすいです。

日本でも10年以上前に、油脂や脂肪性食品を含有する食品に接触する器具や包装に「DEHPを原材料として用いたポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂を原材料として用いてはならない」と厚生労働省が通達しています。

油っぽいものは混入しやすいのですね。

ですが「DEHPが溶け出したりしみだすおそれのない加工がしてあればよい」となっています。電子レンジで加熱する食品の容器はそういう加工がしてあるのかもしれません。ご飯の入っているトレーとか。それでも、あまりこういう食品を食べないほうがいいと思います。

パウチに入ってそのまま温めて食べる食品はなるべく避けたほうがいいのではないでしょうか?コンビニのお弁当をレンジであたためてもらうのも心配です。まあ、コンビニのお弁当の場合、中に入っている食品そのものに添加物がたくさん入っているのでどのみち危険なのですが、少しでも危険を減らしたほうがいいですよね。

オーガニックフードのお店で、「BPAやフタル酸は入っていません」という表示のある「安全なプラスチック製品」を見ることがあります。しかしこれとて、プラスチックですから、何か別の薬品が入っています。

ガラスやステンレス、安全な陶器を使えるシチュエーションでは、プラスチックは全面的に避けたほうがいいでしょうね。

●オーガニック食品を食べる。ろ過した水を飲む。
フタル酸は殺虫剤などにも使われていますので、安全な食品を選んだほうがいいですす。

●フタル酸エステルの入っていない化粧品を使う。
海外ではフタル酸フリー(pathlate free)の香水などが出ているのですが、日本にはあるでしょうか?よくわかりませんが、化粧品の使用量の多い人、これから赤ん坊を産み育てたいヤングファミリーは、化学的な製品の使用を控えたほうがいいでしょう。

ネイルカラー

マニキュアは中身も問題だが、リムーバーも問題

パーソナルケアをミニマム化してナチュラルな暮しをする

フタル酸エステルを避けるためには、自分が使っているパーソナルケア製品のラインナップをできるだけシンプルにし、いわゆるナチュラルな生活をするのが1番だと思います。

私自身は湯シャンでタモリ式入浴法をし、肌断食もしています。しかしフタル酸エステルをたっぷり吸入しているはずです。

夫はファブリーズ大好き人間ですし、娘も、バスアンドボディワークスというメーカーのオーデコロンみたいなのをたくさん持っていて、毎日からだにふりかけています。

さらに近所のネイルケアの店に2、3週間に1回行って、爪に薬品を定着させています。

夫の部屋や娘の部屋は、合成香料の匂いで満ち満ちています。

北米は(たぶんヨーロッパも)日本に比べてフレグランス商品の消費が多いです。香水ぐらいならわかりますが、もう何にでも匂いをつけます。生理用品にも匂いつきの物があります。

いい匂いがついているほうが売れるからです。成分が全く同じシャンプーでも、香りをつけただけで、消費者は「髪がよりさらさらになった」と錯覚します。

そうやって香りをつけすぎたせいか、最近、香料アレルギーの人が増えてきました。

ボディケア商品も目がくらくらするほど種類があります。

10年ぐらい前のアメリカの研究結果ですが、平均的大人は1人1日あたり、9個のボディケア商品を使い、126種類の異なる化学薬品にさらされていたそうです。

さらに25万人以上の女性と、100人に1人の男性が日に15種類のボディケア商品を使っていました。国民全員を調べたとは思えませんが、「そのぐらいは使っていそうだな」と思います。

これ10年ぐらい前の数字です。今はもっと増えているのではないでしょうか?

石けん、シャンプー、歯磨き粉、ヘアケア製品、ボディケア製品、化粧品、香水など、パーソナルケア商品はたくさんありますから。

1度、自分が、日にいくつ人工的なパーソナルケア製品を使っているかリストアップすると、その多さに驚くと思います。

娘は化粧が好きで、化粧品をひじょうにポジティブな物としてとらえています。ですが私は娘が部屋やバスルームに並べている化粧品はみんな「化学薬品」に見えます。

皮膚は人間のもっとも大きな臓器です。肌につけたものは多かれ少なかれ、ほぼすべて血管に行き着きます。ということは、口から食べたくないものは、肌につけるべきではないと思うのですが、考えすぎでしょうか?

化粧品のヘビーユーザーはせめて成分を調べてから使ったほうがいいでしょう。「香りは大人のおしゃれ」なんて言っている時代はもう終わったのではないでしょうか?





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