実家にある不用品

実家の片付け

実家の片付けで疲れないために。親と衝突しない5つのコツ

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実家の片付けに関する質問をいただきました。「どこまで手を出すべきか?」という相談です。

どこまで踏み込むかを見極めるのは難しい問題です。

自分や親の生活も、親子関係も人によって違うので誰にでも使える方法はありません。

共通するのは、実家の片付けは無神経に進めないほうがいいことぐらいです。

この記事では、あまり自分が無理せずに、実家の片付けを進めるための考え方を紹介します。

まず、お便りを紹介しますね。縞子さんからいただきました。

実家の片付けに悩む

こんにちは、筆子さん。

いつもブログを読んでいます。以前、夫の物について相談した者です。

今は自分の持ち物をできるだけ減らし、押し入れもだいぶスペースができました。ただ、実家の片付けがなかなか進みません。

私は週に一度、母の買い物や通院の付き添いのために実家へ行っています。

そのついでに少し片付けをしてきますが、先日、洗面所の棚を開けて驚きました。

古いタオル、使いかけの洗剤、ホテルのアメニティ、乾ききった湿布、なぜか紙袋、その他なんだかベトベトしたボトルなどいろいろありました。

母は「まだ使える」と言いますが、タオルはカビ臭いし、棚板にも少しカビが出ていました。

衛生面が心配だったので「必要ならまた買えるよ」と伝えて、状態の悪いタオルやなんとなく汚いボトルを全部処分しました。

すると母は急に不機嫌になり、「そんなに捨てられると落ち着かない」と言われてしまいました。

忙しい合間に片付けているのに、文句を言われてどっと疲れが出てしまい、以後、実家の片付けはしていません。

カビ臭いタオルを捨てるべきではなかったでしょうか?

母のなんでも取って置きたい性分をなんとかしたいです。

長文になりすみません。アドバイスをいただけたら嬉しいです。





縞子さん、こんにちは。お便りありがとうございます。

古いタオルを処分したら、お母さんが不機嫌になってしまったのですね。

状況からすると、縞子さんの判断は間違っていないと思います。私もそういうタオルは捨てます。

とは言え、お母さんの気持ちも尊重したいですよね。

以下に、実家の片付けをするとき、指針として意識しておくといいことを5つ紹介します。

1. 実家は親のテリトリー

実家の片付けでいちばん大切なのは、そこはお母さんの生活空間で、主導権はお母さんにあることです。

子どもから見れば、ガラクタに見えても、お母さんにとっては「あると安心するもの」かもしれません。

読者のお便りを読んでいて思うのは、人によってものに対する考え方や感じ方がずいぶん違うということです。

私が「そんなもの、捨てるしかないんじゃない?」と思うものでも、当人にとっては、とてもそんなふうに考えられないことがよくあります。

その人の育った環境、性格、価値観、体験などでずいぶん考え方が変わるんです。

特に高齢者は、ものを手放したがらない人が多いです(もちろん個人差はあります)。ものを手放すことが、老い、孤独、死を連想させるのだろうと思います。

そこにあるものは、自分自身や自分を守るために必要なものです。そのため、子どもに勝手に動かされると、「テリトリーを侵害された」と感じて不愉快になります。

だから、勝手な行動はあまりせず、お母さんに片付けの主導権を握らせるほうがうまくいきます。

2. 健康や衛生に関わる部分のみ介入する

お母さんに主導権を取ってもらうべきですが、今回のようにカビが出ている場合は、健康を損なう恐れがあるので、ある程度は介入してもいいと思います。

これは安全を優先する行動ですから。

カビ臭いということは、雑菌が繁殖しているということですから、肌や呼吸器の健康に害があります。

特にタオルは体にじかに当てるものなので、カビ臭いものをずっと持っている必要はありません。

処分するときは、捨てる理由や、その後の対処をどうするかお母さんに伝えてください。

・これはカビが出ているよ

・肌に触れるものだから、衛生面が心配だわ

・必要なら私が新しいのを買ってくるからね

こんな感じで話すといいでしょう。

衛生上の問題がなければ、残りのものはなるべくお母さんの判断を尊重しましょう。

3. コミュニケーションを増やす

お母さんとたくさんコミュニケーションすることを心がけてください。

コミュニケーションをとる目的は、説得や捨てる許可を得ることではありません。

お母さんが何を考えているのか、何を求めているのか理解するのが目的です。

・お母さんの日常がどうなっているか

・どこに不安を感じているか

・何があれば安心なのか

こうした気持ちを少しずつ言葉にしてもらいましょう。

片付けをするときも、「これは捨てる?」「これは使ってる?」と1つひとつのものについて聞くよりも、

・どんなふうに使っているの?

・不便なところはある?

・ここはどうしたい?

と質問するほうが、お母さんは心を開いてくれます。

「勝手に捨てられた」「私の気持ちを無視された」と思われないために、コミュニケーションの量を増やし、お母さんが本当に望んでいることを知る努力をしましょう。

4. 別の形のサポートをする

ものを減らす作業は衝突が起きやすいので、ものを捨てる以外のサポートをしてみましょう。

高齢になると、ものが多い問題以外でも困ることが増えます。

・お金の管理ができない

・さまざまな手続きに苦労する

・ものを出し入れしにくい

・買い物や通院

こんなふうに、暮らしのいろいろな部分で助けが必要なことがあるでしょう。

そこで、こうした部分でのサポートを増やし、お母さんが暮らしやすくなるようにします。

たとえば、

・よく使うものを取りやすい場所に移す

・必要なものを1か所にまとめる

・薬や診察券の整理を手伝う

・家事の負担を減らすため小さな改善をする

・動きやすくする(邪魔になるものをどかす)

こうしたサポートには、お母さんはそんなに抵抗を感じないでしょう。

むしろ、「助かる」「楽になった」と感じるはずです。

縞子さんも疲れないし、お母さんも感謝を言葉にしやすいので、親子関係が悪くならずにサポートできます。

ものを減らすことは少し休んで、別のサポートを増やすと、お母さんの機嫌もよくなるだろうし、コミュニケーションの質もよくなります。

結果的に、実家の不用品を捨てる下地ができます。

どんなサポートがありがたいのか、全く検討がつかないときは、高齢のユーチューバーの動画を見てみると、ヒントが得られます。

5. あとで片付ける選択肢もある

健康によくないものを取り除いたあと、大量にものが残っていても、必ずしも、今、縞子さんが片付ける必要はありません。

目につくところだけ、ちょこちょこ間引きする感じで片付ければいいでしょう。

数年後、お母さんがもっと小さい住まいに引っ越すとか、施設に入るとかそういう変化が、高い確率で起こります。

その時になれば、お母さんもダウンサイジングの必要性を感じるので、縞子さんも片付けを手伝いやすくなります。

それまでは、これ以上、ものが増えないように見守るほうが現実的です。

タイミングを見て、また片付ければいいのです。

◆関連記事もどうぞ

「実録・親の家を片付ける」のまとめ

ダウンサイジング、そしてさよならを言うこと(TED)

父親(同居)が持っている大量の書類を片付けてもらうには?

*****

実家の片付けに関する質問に回答しました。

私は娘が私の家を片付けてくれるなら、大歓迎ですが(実際は、私が娘の家を片付けています)、人それぞれ性格が違うので、お母さんやお父さんが本当に求めていることを見極めるようにしてください。

そして、あまり実家の片付けでストレスをためないようにしましょう。

いざとなったら、片付けや不用品回収、遺品整理のプロに任せればいいのですから。





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