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「買ったものはすべてちゃんと使っています。家には不用な物は何一つありません」。
こんなふうに言える人はきわめてまれだと思います。人はどうしても、いらない物を買ってしまいます。きょうはその理由を5つお伝えします。
不用品を買う心理を知っておけば、少しは無駄遣いを減らすことができます。無駄遣いを減らせば、暮しはシンプルになり、節約につながります。
始めに、私がどうやって「買わない裏し」をしているのかお話します。
私がめったに物を買わないでいられる理由
6年前に真剣にシンプルライフを目指し始めた私ですが、時々使いもしないものを買って失敗したことは何度もありました。
きのうも全然使わなかった製菓道具を断捨離したところです。
ですが、ここ3年ほどは、食べもの以外は、ほとんど買っていません。買ったものはすべてきっちり使っています。
なぜこんな「買わない生活」ができるようになったのでしょうか?
「物欲がなくなったから」というわけではありません。
私が物を買わないでいられるのは、
●今でも毎日断捨離をして物を減らしている
●ミニマルライフを追求し、所持品を最小限にしようと努力している
●店そのものに行かない、必要なときしかネットショップ(アマゾンとか)を見ない
●人は人、自分は自分と思っている
●あまりに歯科治療にお金がかかるので余分なものを買っている余裕がない
こんな理由からです。物を捨てるのは心身ともに疲れるので、ヘビーな断捨離をしてからは、そう簡単には物を家に入れなくなりました。
また「商品を見ない」というのも買わないためには、とても効果的です。
それでは、人がついつい不用品を買ってしまう理由をご紹介します。
■あなたがついついいらない物を買ってしまう5つ理由とその対策
1.広告にさらされるから
先日、習慣が形成されるメカニズムについて記事を書きました。
すべての習慣には、キュー(きっかけ)が必要です。
「買い物をする」というのも、習慣の1つです。きっかけはいろいろありますが、1番大きなきっかけは広告でしょう。
今は、ありとあらゆるところに広告が表示されています。アメリカのあるリサーチによると、30年前、いわゆる都市に住んでいた人は、1日に2000の広告を見聞きしていましたが、現在はその数は5000だということです。
見聞きする広告の数が増えたのは、日本のほうが多いかもしれません。
また、メーカーのマーケティングの仕方も年々巧妙になっています。単に紙媒体に広告をのせたり、街に看板を出したり、テレビにCMを流すだけではありません。
最近は、バイラル動画を使う手法もあります。これはSNSでの拡散を見込んで作られる動画のことです。
たとえば、コカコーラの自動販売機からどんどんコーラが出てくる動画は有名です。
ある大学に特製のコカ・コーラの自販機がおかれ、1本買っただけなのに、後から後からコーラが出てきて、そのうち、自販機から手が出て、花を差し出したり、ピザを出したり。
学生は大喜び。こんなCMです。
人はこんなふうに思いがけないときに、思いがけないものをもらってしまうと、とても幸せな気分になります。コカ・コーラのイメージは一気にアップしたことでしょう。
売り手があの手この手で販売戦略をしかける例はこちらにも書いています⇒節約したいなら知っておきたいスーパーマーケットの買わせる戦略10個
広告が購買のきっかけなのですから、なるべく広告を遮断すれば、買い物は減るはずです。
2.人にはもともと衝動買いをする習性がある
人の脳の真ん中あたりにある線条体という部分が、衝動を司っていると考えられています。
人は、何かよいこと(報酬、ごほうび)と関連づけられた情報をインプットすると、きわめて衝動的に行動してしまうのです。
中身は同じでも、パッケージがカラフルだったり、美しかったりして好感を持つとそっちを買ってしまいます。
女性が洋服やバッグ、ポーチ、香水、かわいい雑貨、きれいな物を必要もないのに、衝動買いしてしまうのは、美しいものを買って、ハッピーな気分になりたいと衝動的に思うからではないでしょうか?
どんなに意志の強い人でも、人間である以上、衝動買いをする可能性はあります。
そこで、「自分は衝動買いをする生き物である」ということを知っておき、きっかけを避ける努力をするべきです。
衝動買いをしない具体的な方法はこちら⇒元浪費家のミニマリストが教える衝動買いの心理とそれを防ぐ5つの方法
3.人は他人の影響を受けてしまう
人間は社会的動物で、常に他人とこの世界で生きています。
もし、他人がいなかったら、自己を持つ必要はありません。他人がいるから、自分がいるわけです。
よって、いくら「自分軸」を大事にしようとしても、絶対他人の影響を受けてしまいます。他人の影響を受けるのは良い面も悪い面もあります。
人に愛情を感じたり、人のために何かをしたり、人に感謝することは自分自身の喜びの大きな源です。
しかし、他人の真似をして、本当は欲しくもないものをうっかり買ってばかりいると、家の中の不用品はなくならず、お金はどんどん出ていきます。
買い物をするとき、なぜ人の真似をするかというと:
●自分で選ぶ自信がない
●もっといいものがこの世界にはあるはずだ、と思っている
●お金を出すから損したくない
こんな気持があるからです。
芸能人が使っているものがすごくよい物に思えてしまうことはないでしょうか?
一般に芸能人は、カリスマ性があり、普通の人より、歌や芝居がうまく、姿形が美しいものです。
もしかしたら、物を見る目もあるかもしれません。ですが、しばしば企業とタイアップしており、いかにもさりげなく「お気に入りの品」として、商品を宣伝しています。
この点に注意して、芸能人が宣伝しているからといって、やたらと財布のひもをゆるめるのは控えましょう。
また最近は、べつに芸能人でなくても、誰かがブログに「これ、買いました」と写真入りでのせているのを見るだけでそれが欲しくなることもあります。
ブロガーは純粋に自分がいいと思ったものを正直に紹介していると思われます。しかしそれを見たからといって自分もその商品を買う必要は全くありません。
買ってすぐは誰しもうれしいので、高評価を与えます。しかし、使っているうちにいろいろ問題が発生し、使わなくなったり、かえって邪魔になったとしても、そのことをわざわざブログに「このあいだの買い物は失敗でした」などとはあまり書かないものです。
自分の購買パターンを分析して、「しばしば他人の真似をして買ってしまっている」ことに気づいたら、少し真似をするのをやめてみましょう。
4.人は感情で動く生き物だから
衝動買いの心理の記事で書きましたが、人は別に必要ではないのに、「買い物」という行為そのものに必要性を感じて買っているときがあります。
たとえば何かいいことがあって、ふだんよりうれしいと、気持ちが大きくなって特に必要でもないものを「ごほうび」として買ってしまいます。
そんな時の合言葉は、「今日は特別よ」です。
反対に、何かを失って寂しい、悲しい、苦しい、くやしい、ストレスがいっぱい、こんな気分の時もいらない買い物をしてしまいます。
この場合は、物を買うことで、ネガティブな感情をいやしているのです。
さらに、おなかがすいている、とか、何かを強烈に欲している、など、心身ともに欠落した状態で買い物に行くと、よけいに買うものです。
また、せかされていたり、気が散っていたりすると、正常な判断ができないので、これまた不用品を買い込みます。
余計な買い物をしたくない人は、なるべく平常心の時に店に行くことをおすすめします。
ネガティブな感情をいやすために物を買っている場合は、ネガティブになってしまう原因を取り除くことに注力します。
5.買い物をする習慣があるから
人の暮しは、すべて習慣で成り立っています。
「一生懸命頭を使って決断した」と自分では思っていることも、意外といつものパターンの選択をしていることが多いのです。
というのも「どんなふうに考えるのか」ということも習慣の1つだからです。
買い物に関して言えば、私たちは、毎日のように特に必要でもないものを買う習慣があるのです。
習慣になっているのでそこに明確な理由はありません。
「コンビニには毎日行くの。だって、そういう習慣だから」というわけです。
習慣は変えることができるので、買い物の回数が多い人は、少しずつ回数を減らせば、当然、物の流入が減ります。
100円均一ショップに行くクセがある人はそれを改めます。100均に行かなくたって、充分生活できます。
100均に行かないすすめ⇒「買わない生活」をするためにコンビニと100円均一ショップへ行くのをやめてみる
100円均では、「失敗しても100円だからいいか」とついつい余計な物を買いすぎてしまいます。
100均で買うものは本当に必要なものだけにしましょう。
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こうしてみると、無駄遣いを完全にやめることはできないと思われます。人間が人間らしく機能するためには、時には「無駄遣いすること」も必要なのかもしれません。
しかし、家計を圧迫したり、家の中で物があふれて暮しにくくなるほど無駄遣いをする必要はないですね。