買物している人

買わない

ついうっかり買ってしまった! こんな買い物を減らすために、ちょっと考えてみよう。

衝動買いをする習慣を改めるシリーズ。

今回は買う前に考えたほうがいいことを5つ紹介します。

衝動買いは、べつの言い方をすると、「とくに深い理由はなく、なんとなく買ってしまうこと」です。

つまりマインドレスな買い物なので、日頃からマインドフルになる練習をしておくといいと思います。

少なくとも、私はそう心がけることで、かなり買わない人になりました。

無駄遣いをやめたい人は試してください。



1.いつ欲しくなったのか?

オンラインショップや、店頭で、ふと何かを買いたくなったとき、「私は、いったい、いつこれを欲しくなったのか?」「いつ、これが必要になったんだろう?」と考えてください。

「いま、さっき」「店に入ってから」「これを見た瞬間から」という答えになるときは、買わないほうがいいです。

「ある程度の期間、欲しいと思っていた」「半年ぐらい必要だと考えていた」という答えなら、買っても、すぐにガラクタになる確率は少ないでしょう。

『30日間待つノート』(ほしい物が出てきたら書いて30日間待つノート)や、事前に用意し、持参した買い物リストに書いてある商品なら、それを見る前から、欲しい・必要だ、と思っていたわけですから、GOサインを出してもいいです。

新しいモデルや、新製品(今シーズンのファッションなど)を見ると、ずっと前からこれが必要だと思っていた、ずっと欲しかったんだ、という気にになるかもしれません。

実際は違います。

だって、新製品なのですから。

それが店頭に並ぶ前は、その存在さえ知らなかったのです。

つまり、それがなくてもふつうに生活できていたわけです。

目新しくて、ピカピカしていて、雑誌で見たセレブや読者モデルも使っていたような気がする、インスタでも見たような気がする、そんな理由から、なんとなく欲しくなるだけです。

「そんな気がする」だけで、そこに、あなたがそれを買う必要性はありません。

どうしても気になるなら、手帳に書くか、スマホで写真をとって、家に帰って30日間待つノートに転記し、しばらく待ってみましょう。

1ヶ月ほど考えて、まだ欲しいなら改めて店に行って買ってください。





2.何にお金をつかっているのか?

人はその商品が欲しくて買うのではなく、その商品を手に入れることで得られる状況(への期待)にお金を使っています。

実際は、何にお金を払おうとしているのか、考えてください。

人は、必要なもの(ニーズ)は迷うことなく買います。

ガソリンで走る車で通勤していて、ガソリンがなくなったら、何の迷いもなくガソリンスタンドでガソリンを入れるはずです。

衝動買いの対象になるのは、こうしたニーズではなく、ウォンツ(欲しいもの)です。

なくても別に困らないし、べつに今日買う必要もない。だけど、あると、生活が便利になって、毎日が楽しくなりそうだし、今よりもっと幸せになれるんじゃないかしら、といった期待のもと、衝動買いするのではないでしょうか?

ニーズとウォンツの説明はこちら⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること

べつに今日買う必要はないのに、何かを買うとき、「買ってすぐに使う必要性」以外の買う理由がぼんやり頭の中にあると思います。

この理由が、あなたがお金を払って手にいれようとしているものです。

たとえば、自分で家事をしようと思えばできるけれど、最近、あまりに忙しくて、台所もお風呂もぐしゃぐしゃで、とてもご飯を作る状況じゃない。こんなとき、家事代行サービスを頼むなら、時間や労力にお金を払っています。

時間を買うことは、買った人の満足度が高く、人間関係がよくなる、というリサーチ結果があります。

時間貧乏の人が多いですからね⇒幸せになるシンプルな戦略、時間貧乏から抜け出そう(TED)

逆に、すでに家にたくさん服があるのに、また新しい服を買うのは、満足度が低い気がします。

買う前や買っているときはドーパミンが出るから、それなりに楽しいでしょう⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。

ですが、満足するか? と聞かれると、そうとも言えません。

すでに、何着も買っている、つまり同じ行動を繰り返しているのに、また買うのですから。その行動が満足をもたらすのなら、とっくの昔に満足していたでしょう。

この場合、服を買っているけれど、実は一時的な刺激を得ることにお金をつかっている、と考えることもできます。

ほかにも、リッチな気分にひたるため、他人の関心を得るため、こころの安定を得るため、など人はいろいろなものにお金を払っています。

自分が本当にお金を払っているものが何なのか、考えるクセをつけると、衝動買いが減ります。

3.いつ、どこで、どのぐらい使うのか?

これは、本当に必要なのか? 私は本当に使うのか? きょう買わないとだめなのか?

衝動買いをやめたいと考えている人は、すでにこうした自問自答はしていると思いますが、さらに質問を掘り下げてください。

これを買ったら、いつ、どこで、どのぐらいの期間、使うのか? 誰と使うのか?

ふだんはどこに置くのか?

使い終わったら、どうするのか?

昔の私は、買う前に、あまりこういうことを考えていませんでした。

一時期、お菓子作りの道具を買い集めすぎたことがあります⇒衝動買いしたお菓子作りグッズを断捨離し、買わないルールを考えた日:ミニマリストへの道(108)

とりわけ、クッキー型と、特殊なケーキ型を無駄に買いました。

もちろん、買う前に、多少は考えています。

「これ、ハロウィンに使うとよさそう」「クリスマスによさそう」などと。

しかし「あるとよさそう」ぐらいの理由では、買ってもたいして使いません。特に、すでに似たような物(同じ用途を果たせるもの)がたくさんあるときは。

これは、この日に、こんなことに使おう、と考えて、手帳にスケジューリングするぐらいしないとだめです。

さらに、1回使うだけなら、買うほどのこともありません。

最初はこのタイミングで使って、そのあとは、どのタイミングで、あと何回使うか、と真剣に考えるだけで、無駄になる物を買わなくてすみます。

4.長い目で見て得るもの・失うものは何?

それを買ったら、1年後、2年後、3年後、5年後、10年後、自分の生活にどんな影響があるか考えてみると、近視眼的な買物をしなくてすみます。

長期的に見て、その買物が、自分の人生にどんな利益や影響をもたらすか、想像してください。

衝動買いをするとき、人は視野が狭くなっていて、目先のことしか考えていません。

長い目で、その買物の結果を見ることができると、買い方が変わります。

以前、買う理由だけでなく、買わないほうがいい理由もある、と記事に書いたら⇒買わないチャレンジ中に、ほしいものが出てきたらどうするか?

「そんなこと、考えたこともなかった」というメールをもらいました。

確かに、何かが欲しくて、買いたいと思っているときは、買ったほうがいい理由や、今すg、買うべき理由ばかりを探すものです。

ですが、買物に限らず、ある行動を選択したら、必ず、その瞬間、選択しなかったものがあります。

何かを選択するとき、べつの何かを捨てているのです。

新しい服を買う選択をしたとき、お金や、そのお金で買えたかもしれない別の商品やサービス、そのお金で得られたかもしれない生活を捨てています。

ちょっとだけあったクローゼットの余白も捨てていますね。

服を選び、別のものを捨てる選択をしたとき、自分の生活がどんなふうに変わっていくか?

逆に、服を買わない選択をしたとき、どんなふうに変わるか?

たくさん可能性がある中で、服を買う選択をすることが、本当に自分の人生のためになるのか?

こんなことを考えてください。

人生は明日終わるかもしれませんが、平均寿命あたりまでは続く可能性のほうが高いです。

長い人生の中で、この買物はどんな意味をもたらすのかと考えてみると、対象が衝動買いなら、たいてい、「たいして意味はない」となります。

5.見えないコストは何?

それを買うことで生じるコストを考えてください。

買物するとき支払うコストは、代金だけではありません。

買ったあと、管理にかかるコストがあります。

洋服代の管理にかかるお金を考察しています⇒おしゃれをあきらめずに洋服代を節約する5つの秘訣。 「5.お手入れにコストがかかるものを買わない」のところです。

手入れ以外にも、それを入れる物を買うのにお金を使うし、時間も使うし、精神的なコストも支払います。

買ったあと、こうしたコストを支払うのは自分ですが、自分以外の人やものがになうコストもあります。

社会的なコストや、環境が支払う代償です。

ファストファッションには、そうしたコストがかかっている話はすでに有名です⇒「真の代償」The True Costはファストファッションの真実を暴く映画 ~これでもあなたは安い服を買い続けますか?

この商品は、そのようなコストを支払う価値があるのか? 私はそういうコストをかける生活がしたいのか?

こう考えてみると、不必要な買物が減ります。

衝動買いをやめる・まとめ記事です

買わない習慣を身につける方法を書いた記事のまとめ

買わない生活入門。買い物のし過ぎ症候群から抜け出す方法のまとめ#2

買い物脳に振り回される生活から抜け出すために。買わない人になる記事のまとめ3。

*****

物をたくさん買うことが習慣になっている人に、「衝動買いしちゃいけません」というと、多大なる犠牲を強いられた味気ない生活をイメージするかもしれません。

しかし、買わないことで、選んでいる生活があります。

そういう生活のほうが豊かだったりするので、ふだんから、「よく考えた末、私はこちらを選んでいる」と思えるように、1つひとつの買物について、少し時間をかけて考えてみてください。





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