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久しぶりに語学の記事です。今回は、片付けコンサルタント、近藤麻理恵さんの片付け方を紹介しているアメリカの動画に使われている英語をピックアップしてみました。
人生がときめく片付けの魔法(The Life-Changing Magic of Tidying Up)
こんまり先生のベストセラー「人生がときめく片付けの魔法」の英訳本、 “The Life-Changing Magic of Tidying Up”は、英文が平易なので、テーマに興味があれば、英語学習者向けの本だと言えます。
ペーパーバックを読み慣れてなくても、先に、日本語のほうを読んでおけば、たぶん最後まで読めます。
家も片付けたいけれど、英語の勉強もしたい、という私のような方のために、英語圏で、この本がどんなふうに受け取られているのかよくわかるクリップを紹介しますね。
アメリカのNBCという放送局のTodayという番組で、実際にミーナというリポーターがこんまりの方法で家を片付けた様子をリポート。
こんまりの片付けのポイントもわかります。
本を読んでいれば、英語が多少聞き取れなくても内容はわかるでしょう。単に片付けてるだけですから。
今回は、動画のあとに、ビデオに出てきた片付けに関係のある単語リストをつけておきます。そのリストで意味を確認して、再度動画を見るとさらに理解が深まるはずです。
クリップの長さは3分12秒。最初にCMが出ます。
仕事がらでしょうか?ミーナさん、服も本もたくさん持っていますね。それでは、キーとなる単語や表現を紹介します。
こんまりメソッドのキーワードの英語表現リスト
まずこの特集のタイトルは
THE TAO OF BEING TIDY
HOW CLEANING YOUR HOUSE CAN CHANGE YOUR LIFE
片付けのタオイズム
家の中をきれいにすることがどのようにあなたの人生を変えるのか?
Tao は Taoism タオイズム、道教や老荘哲学のこと。Taoは中国語で「道」のことです。老荘は老子と荘子。道の哲学をものすごく簡単に言うと、個人については、道にそって自分らしく生きればなんとかなる、無為自然体で生きましょう、という感じでしょうか。
アメリカの成功哲学とは真逆と言えます。アメリカの成功って要するに金持ちになることですから。そのために自己啓発してがんがんがんばります。教会に寄付もしますけれど。
アメリカ人にとって、日本から来るものは、デフォルトでタオイズムや禅の思想を感じさせるもののようです。
tidy 部屋や考えが整理されて、きちんとした、という意味の形容詞。動詞でも「きれいに整頓する」という意味で使います。本のタイトルになっているTidying Upは tidy up にingをつけて名詞の形にしたもの、つまり「片付け」です。
life-changing 人生を変える。形容詞として使い magic (魔法)を説明しています。英訳本のタイトルを直訳すると「人生を変える片付けの魔法」となります。
cleaning-up 片付けること
cult-like following 熱狂的な支持者。cultはカルトのこと。
put the theory to the test その方法を試してみる。動画では、I put her theory to the test 私はこんまりの方法をやってみました と言っています。
staying organized 片付けた状態を保つこと
clutter ガラクタ
organization expert 片付けの専門家、片付けコンサルタント、整理整頓アドバイザーなど、お金をとって片付け方を教える人のこと。アメリカにもこういう職業の人がいます。
spark joy ときめく(後で詳しく説明しています)
being a mess 片付けられない状態、部屋がくしゃくしゃのままでいること
gratitude 感謝
purge 捨てる
purgeはもともと、心や身体を清める、人を政党などから追放するという意味の動詞。その組織にとってふさわしくないものを追い出して、組織そのものの純度を高めるというニュアンスです。red purge (レッドパージ、赤狩り)のパージです。
fold たたむ
roll your socks up like a piece of sushi お寿司のように靴下が立つように巻く
tip コツ
こんまりメソッドの3つのポイント
2分10秒あたりに出てくるTODAY’S TAKEAWAY を説明します。
takeaway は 覚えておくべきこと、きょうのポイント、まとめ。
1.FIGURE OUT WHICH BELONGINGS GIVE YOU REAL JOY
自分の持ち物でどれが自分に本当の喜びをもたらすのか考える
つまりときめくものだけを手元に残します。figure out は単に考えるだけではなく、考え当てる、見つけるという意味です。
spark joy が「ときめく」の英訳なのですが、うまく訳していると思います。
そもそも「ときめく」という日本語自体、ふだん片付けているときに使いませんよね。この本が出たあとは、使うようになったかもしれませんが。
ふつうは「私、これ好きだわ」とか「これは気に入ってるから」と言うところだと思います。そうした感情に「ときめく」という言葉をあてたのが、この本が大ベストセラーになった1つの大きな理由だと思います。
そのように「ときめく」という言葉はこの本にとって重要な言葉なのですが、それに spark joy 「喜びを刺激する、スパークさせる」という、これまた片付けてるときにはあまり使わない言葉をあてた翻訳者さんは、とてもセンスがいいですね。
2.DON’T KEEP GIFTS OUT OF GUILT
罪の意識から、贈り物をとっておいてはいけない。
もらって感謝したり、うれしかったときに、その贈り物の仕事は終わっているので、寄付して次に行きます(move on)。
3.DON’T TIDY UP OTHER PEOPLE’S STUFF
他人のものを片付けては行けない。
この場合の「片付け」は捨てることです。人のものを勝手に捨ててはいけません。まあ、当たり前ですよね。当たり前なのですが、片づけ本にはよくこういうアドバイスが出てきます。
私は、この本の英訳本をオーディオブックで聞きました⇒近藤麻理恵の「人生がときめく片づけの魔法」の英語版の感想~ベストセラーの秘密は東洋の神秘にある?
記事に出てくるキーワード
以上は動画でアナウンサーやリポーターがしゃべっている英語から拾いました。次にこんまりの本の英訳本を読むときに、知っておいたほうがいい単語を記事からリストアップしておきます。
記事はこちら⇒The life-changing magic of tidying up: Testing Marie Kondo's method – TODAY.com
kondo 近藤する。こんまりメソッドで物を捨てること。こんまりの名字の動詞形。この言葉そのものは本には出てきてなかったと思います。しかしメディアや、実際にこんまりのやり方で断捨離した人は、よく使っています。
category カテゴリー。物を衣類、本などカテゴリーごとに捨てます。
location 場所。片付けを場所ごとにやらず、カテゴリーごとに捨てます。
liberate 解放される、身軽になる
store upright 立ててしまう(収納する)
see everything at a glance 何もかも一覧できる、いわゆる見える化です。
thank the item 物に感謝する
let it go 物を捨てる
donate 寄付する
boost 励まし、景気付け。小さなものから片付けをすると、それがもっと片付けるきっかけ(boost)になります。
transmit energy to our clothes (自分の手から)服にエネルギーを送る
shed clutter ガラクタを取り除く
sort 仕分けする
in one go 一度に。こんまりメソッドでは、片付けはだらだらやらず一度に一気に終わらせます。
piles of fabric 服や靴下の山
repurpose 再利用する。着古した服を部屋着(loungewear)やパジャマに格下げして使い続けてはいけません。
storage expert 収納が得意な人
hoarder たくさんの物をためておく人
organizer オーガナイザー、お片付けグッズ
memento 記念品、思い出の品
*******
どうでしょうか?こういうふうに先にキーワードの語彙リストを作っておくと、本を読むのが楽になります。
もし本格的に勉強したい人は日本語の本を1度読んでから、こんどは少しずつ、キー・ワードや、特に日本語らしい表現を拾ってリストを作っておき、そうした言葉を意識しながら、英訳本を読んだり、オーディオブックを聞くと手持ちの表現が増えると思います。
たとえば、以下は「はじめに」から拾った表現です。オリジナルは、キンドル版を持っていますので、そちらから拾ってみました。
●散らかってしまう
●これまでの常識からすれば非常識
●人生全般がうまく行き始める
●うまい話
●片付けが苦手
●立ち会う
●真剣に向き合う
●スッキリした
●夫婦仲がよくなる
●過去に片をつけた
私も少しずつリストを作って、またオーディオブックを聞き直そうかと思っています。もしこうしたリストに興味のある方がいらっしゃいましたら、お知らせください。記事にできそうなら、また記事にします。英語の学習、年末年始、ひまだったらお試しくださいね。それでは次回の語学の記事でお会いしましょう。