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1つでもたくさんの物を売るために、店側が仕掛けている販売戦略を3つお伝えします。
お金を節約するには、買わない生活が1番。ですが物を買わずに生きていくことはできません。
なるべく賢く買い物をしたいですね。
車や家など高額の買い物をするときは慎重に検討する人でも、日々のちょっとした買い物は簡単に決めてしまいがちです。
買い物リストも持たず、無意識にショッピングモールに行くと、うっかりいらない物を買ってしまい、お金は減るわ、ガラクタは増えるわ、とろくなことがありません。
最近はインターネット通販という、家にいながら24時間買い物ができる便利なサービスもあります。
便利すぎるゆえに買いすぎてしまいます。以下の3つの販売戦略に注意して、無駄遣いを防ぎましょう。
1.見栄をくすぐるワナ
ヴァニティサイジング(vanity sizing)という販売戦略がアメリカで問題になったことがあります。日本でもあるでしょうか?
客に洋服を買わせるため、洋服の大きさを意識的に操作することです。たとえばLLサイズの服にL、Lサイズの服にMと小さめのサイズ表示をします。
vanity は「虚栄心、うぬぼれ」という意味。文字通り、客の見栄につけこんで売る手法です。
こんなふうに買わせます。
ふだんLサイズを着ている人が、Lサイズのドレスを持って試着室に入ります。しかしこの服は実際はLLサイズなのです。
だから着てみると自分には大きい。おなかまわりや背中がゆるい。試着室から出て鏡を見ていると、だぼっとしています。
「あれ?私やせたのかしら?」と思っていると、店員さんがやってきます。
「あら、素敵。お似合いですわ。お色うつりはぴったり。でも、ちょっと大きいようですね、こちらのMサイズを着てみては?」とすすめます。
Mサイズを着てみるとジャストフィット。それもそのはず、本当はLサイズなのですから。
お客さんは、その服が気に入っている上に、それがMサイズであるということがうれしくて、買ってしまいます。
というのもほとんどの女性は「自分は太りすぎている」と思っているため、小さいサイズを試着してそれがフィットすると買ってしまう心理的傾向があるからです。
買った本人は本気で幸せな気分になっているので、あながち詐欺とも言えませんが、だましているのは確かです。
こうしたやり方は、女性の服だけでなく下着のサイズ(バストサイズが大きい方がうれしいので、こちらは小さいものに大きなサイズをつける)にもあるそうです。
日本だと、S,M,Lのサイジングは工業規格で決まっていると思うので、こんなことはないかもしれませんね。
しかし、このように消費者をいい気分にさせて買わせるテクニックはほかにもあります。
たとえば、ブティックで、客ができるだけやせてみえるような角度で鏡を置くこと。最近は本当にやせてみえる鏡(シェイプアップミラー)も販売されていますが、これはさほど普及していないと思います。
また、店のライティングもこうこうとした蛍光灯ではなく、ソフトな灯りにして、あらが目立たないようになっています。
心地いいバックグラウンドミュージックが流れていると、尚さら財布のひもがゆるみます。
このようなテクニックを駆使した店内で試着すると、ふだんの自分より美しく見えるので、その服を買ってしまうのです。
こうした店側の手法を知っておき、試着するときはできるだけリアルな状況で見える場所を探してするべきです。
そもそもあまり薄暗いブティックでは買わないほうがいいですね。老眼だと細部も見えませんし。
さらに、ふだんからありのままの自分を受け入れて、サイズがMだろうとLだろうと、「私は私、これでいいんだ」という自信を持てば、見栄をくすぐられて買ってしまうこともないでしょう。
2.送料無料サービス
オンラインショッピングは便利です。店に行かなくていいから時間の節約ができるし、たくさんの物を見比べることができるし、店舗より安い物を置いているところも多いです。
重たいものを運ぶ必要もありません。
ただでさえ便利なので、利用が増えてしまううえに、大きなワナがあります。
送料無料サービスです。
あなたは送料無料サービスになる注文額にするために、いらないものを買ったことはないでしょうか?
私はあります。お菓子の型や調理雑貨を4千円分ほどショッピングカートに入れたら、「あと980円の注文で送料無料です」と出るので、またお店にもどり、980円ぐらいの何かを探しました。
それも真剣に。
たいていクッキーカッターを買っていましたね。使いもしないのに。
そうやって買ったクッキー型は何度か、収納や整理を試みるも、結局要らないとわかりほぼすべて断捨離です。
私はいったい何をしていたのでしょうか?得をしようと思って損をした典型的なパターンです。
クッキー型を断捨離した話⇒捨てても大丈夫だった6つのもの(写真つき)~キッチンの断捨離編
「アマゾンは何を買っても送料無料だから、そういう心配はないわね」
あなたはこう言うでしょうか?
そうとも言えません。何を買っても送料無料だから、特にほしくないものもほいほい買ってしまうのです。
よく考えて買わないとガラクタが増え、貴重な現金が目減りします。
しかも最近便利なプライムサービスができました。動画が見放題の「プライムビデオ」。ですが、あなた、本当にそんなにいろいろ見ている時間があるんですか?
仕事で忙しいのに、「このサービスはお得だ。見なきゃ損だ」と平日の夜や休日に、ずっとビデオを見るはめになるかもしれません(私の夫がそう)。
寝る時間が遅くなり、ブルーライトにあたりすぎて、睡眠の質も落ち、人生を台無しにする可能性だってあるのです。
睡眠の大切さについて⇒なぜ人は眠るのか?睡眠の大切さを忘れていませんか?(TED)
送料無料サービスはシンプルライフをめざす消費者にとって、時に壊滅的な破壊力を持つサービスなのです。
通販のワナはこちらにも書いています⇒物を増やしたくないなら要チェック!危険な通販の7つのワナ
3.価格のワナ
端数価格にだまされる
これはよく知られた販売戦略なのでご存知の人も多いでしょう。5000円でなく、4980円、3000円でなく2900円のように価格を端数にして、店側はより多くのものを売ろうとしています。
こうすると割安感が出ます。
古典的なやり方ですがとても効果的。2桁以上の数字の場合、人は、右側より左側に意識が行くのです。
5000円と4980円だと、4のほうが小さいから、なんだかすごく安くなってるように思ってしまいます。
よく考えれば5000円も4980円もほとんど同じ。たった20円の違いですから、違いはないようなものなのに。
そもそもそれを買わなければ4980円使わずにすみます。
お店のセールスラックや目玉商品で、こういう端数価格がついていたら、必ず、四捨五入するクセをつけるといいです。
ぼーっとしていると、人は「あ、安い」と反射的に思ってしまうので、最初の何回かは「四捨五入、四捨五入」と心の中で唱えたほうがいいでしょう。
人間は習慣の動物ですから、そのうち、特に意識しなくても四捨五入するクセがつきます。
本当に節約したかったら、計算機片手に買い物することをおすすめします。最近私は、iPhoneの計算機で足し算しながら、食料品を買っています。
端数が多すぎて暗算できないからです。買い物に時間がかかりますが、無駄遣いが減りました。
高い値引率にだまされる
セールの時期でもないのに、目玉商品が70%引きで展示されていることがあります。ものすごくお得な商品のように思えます。
しかし、この商品が売れても店は得します。というのもほかの商品はそんなに安くないからです。
目玉商品のプロフィットマージン(もうけ)は低く設定して、ほかは高く設定しているのです。
いつもこうした目玉商品があると、消費者は「あの店はお得だ」と思い込み、何度か足を運ぶようになります。
店に行けば買ってしまいます。
よって店側はトータルではもうかります。一方、消費者はガラクタを増やし、お金を失うのです。
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今回は数ある販売戦略の一部をご紹介しました。
小売店の目的は売上をあげること。私たち一人ひとりの幸福を願っているとは言いがたいです。
買い物をしているとき、人はあまり冷静でいられません。計算機や買い物メモを片手にできるだけ平常心で買い物をし、衝動買いを防ぎましょう。
いらない物を買うと、結局あとで断捨離するはめになります。