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カナダという車社会に住んでいますが、筆子家は車を持っていません。
きょうは車を持たない5つのメリットについて書きます。
なぜ我が家には車がないのか?
子供が1歳ぐらいになるまでは夫は車を持っていました。
子供が生まれる前に、あまりにもお金がなかったので、彼は手持ちの古いトラックを売ってお金を作りました。
数カ月後、夫は新車を買いました。もちろんローンです。新しく雇われた職場がたいそうへんぴな場所にあったため、車が必要だったからです。
8ヶ月後、職場そのものが閉鎖されたので、もう車はいらなくなりました。仕事がなくなったので、ローンが払えなくなりました。
そこで手放したのです。
以来車は所持しておりません。車なし生活15年です。
もし筆子が、「ほかの人と同じような生活をしたい」という考え方の持ち主だったのなら、たぶん、無理をしてでも、夫に車を持たせていたと思います。
というのも、ここでは車を持つのはあたりまえで、車を持っていない人は珍しいのです。車がない人はとことん貧乏人なんだろうと思われます(貧乏人ですが)。
今朝、ご紹介したジェニファー・L・スコットの動画には、週に2度同じ服を着るのは stigma(汚名、不名誉)である、という話が出てきましたが、車を持っていないのも stigma なのです。
私も昔は「肩身が狭い」と思っていたのですが、そのうち「貧乏人のどこが悪い、貧乏人でいることは犯罪ではない」と思うようになりました。
さらに、次第にシンプルライフ志向になって、今や床に寝るミニマリストです。
昔は「車を持ちたくても持てない」、最近は「無理すれば持てる」に変わって来ましたが、あえて車を持たない選択をしています。
特に運転やドライブが好きというわけでもないですしね。
どこか不便なところに行くときはタクシーを使っています。
車を持たない5つのメリット
自動車を持たない暮しは、こんなメリットがあります。
1.お金が節約できる
2.ストレスが減る
3.より健康になる
4.物を買い過ぎない
5.スローライフになる
1つずつ説明します。
1.お金が節約できる
車がないとずいぶんお金が節約できるのは、車を持っている方ならみなさんご存知でしょう。ガソリン代、自動車保険、駐車場代など払う必要がなくなります。日本だったら、自動車税、車検の料金も節約できますね。ほかにもバッテリー、オイル、タイヤなど消耗品に回すお金も使わずにすみます。
我が家の場合、最低でも月200ドル、ランニングコストが節約できます。ガソリン代が100ドル、自動車保険代が100ドルです。
もちろんこれに車両本体を買うお金、あるいはリース代も浮きます。カナダには自動車税はないのですが、そのぶんガソリン代に入っているのではないかと思います(詳しくは知りません)。
月200ドルだと年間24万円の節約です。
2.ストレスが減る
これまでも何度か書いていますが、いったん物を所有すると、その物を管理する必要があり、メンテナンスに時間と気力、体力をとられます。
車って大きくてわりと複雑なメカニズムを持つ機械ですから、コーヒーメーカーを所有することに比べるといろいろ気を使うことが増えます。
たとえば、駐車場の確保、洗車、ガソリンを入れること、オイルチェンジすることなどに気を回さなければなりません。
ほかにも車を買い替えるときに、査定、下取り、廃車の費用やその手続き、自動車の保険料の見積もり、次の車は中古車かそれとも新車にするか、といったことを考える必要があります。車がなければこんなことは全く考えなくてすむのです。
さらに、車の運転そのものもけっこうストレスです。渋滞に巻き込まれて、会社に遅刻するんじゃないかと思ったり、マナーの悪い運転手に割り込まれてむっとしたり、どこまでも気ままに走るおばあさんがこぐ自転車にひやひやしたり、事故をおこしそうになってドキドキしたり。
自分ではさほど意識していないかもしれませんが、こうしたことはけっこうストレスになっているのではないでしょうか?
3.より健康になる
車を持っていると、どこに行くにも車を使いがちです。というのも車のほうが歩いたり自転車で行ったりバスを使うより、格段に便利だからです。
人間はいついかなるときも、楽なほうに流される生き物です。
車がなければ歩く機会が増えます。
歩くのはとってもからだにいい有酸素運動ですから、より健康になります。
関連⇒ウォーキングはダイエットと健康に不可欠、そして暮しの質も高くなる
車を持たないと必然的に運動することになるので、わざわざジムにお金を払う必要もありません。
ジムといえば、私の周囲でも行ってる人が多いのですが、ふだんは車を乗り回し、自分で自分を運動不足にしておきながら、お金を払ってジムで運動をするのですよね。
もちろん、ジムは運動の専門施設ですから、プロのトレーナーもいるし、すばらしい運動器具もそろっていて効果的にエクササイズができることでしょう。
しかし、節約系ミニマリストの見地からすると、わざわざ車を使って運動不足になり、高いお金を払ってジムに行くのは矛盾しているように思えるのです。
4.物を買い過ぎない
車で買い物に行くと、荷物をたくさん持ち帰ることができるので、物を買いすぎてしまいます。
これはふだん車で買い物に行くのが当たり前になっている人は意外と気づかない点です。
持って帰れる分に制限がかかると、本当に必要なものだけを買おうという気になります。
そのおかげで、物が増えないし、もちろん節約にもなります。
5.スローライフになる
スローライフとは、大量生産やスピードをあげることばかりを目標にする生活と逆の生き方です。
車に乗っていくより、歩いていくほうがスローですから、どう考えてもスローライフになります。
効率を追い求めたり、できるだけ時間を節約しよう、などという考え方をしていたら、とても、えっちらおっちら歩いてなどいられません。
必然的に考え方がシフトします。
生活全体がゆっくりになるので、スピードをガンガン出して生きている人が見えないものに気づきます。
それは、買い物に行くとき目にする自然や街の光景だったり、歩きながらぼーっと考えごとをする時間だったり。そうしたものは、私の心を豊かにしてくれるのです。
車がないと、多少エコな暮しをしてるんだ、とうれしい気持ちになれるおまけもついています。
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もちろん、車がないと行動が制限されることはあります。
娘が小さいとき、サッカーチームに入りたがったのですが、市内のあちこちにあるフィールドに自転車や、バスで行くのが大変だったので、サッカーは1年しかやらせませんでした。
車で行くと15分ぐらいのインプラントの歯医者さんに行くのに、毎回バスや自転車の時刻表やルートを調べて片道1時間ぐらいかけて行くのも面倒といえば面倒です。
ですが、今のところ車のない、ストレスの少ない暮しが気に入っているので、このまま車なし生活を続けるつもりでいるのです。