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電子コミックにはまったが、その習慣を手放したという読者の体験を通して、私たちが見落としがちな見えない消費についてお伝えします。
服や雑貨など、目に見えるものを手放してスッキリしても、デジタルなガラクタを持ってしまうことがあります。
それは、スマートフォンやタブレットの中にある「見えない持ち物」。たとえば電子書籍、アプリ、サブスクリプションなどが、知らないうちに時間やお金、心のエネルギーを消費し、生活の負担になっています。
シンプルライフを目指すなら、こうした目に見えない消費にも目を向けたいですね。
では、まずお便りを紹介します。Rさんからいただきました。
電子コミックにお金を使いすぎました
件名:電子マンガの断捨離
いつも有益な記事をありがとうございます。
私は以前、2度ほどメールを送らせていただいたRです。クレジットカードをやめてという内容だったと思います。
今日は、大変恥ずかしいのですが、この1年猛烈にハマってしまった「電子マンガ」の断捨離をしたことを、自分への戒めのためと、もしネタとして取り上げていただければと思いメールしてしまいました。
筆子さんの記事を参考に服などはわりと断捨離でき、生活はだいぶ身軽になりました。
ところが去年、色々あって、初めて「電子マンガ」をポチリ。
みごとにハマってしまいました。
今のマンガのクオリティの高さ。
昔こどもの頃マンガが大好きでした。その頃はスマホもなく、紙ばかりでしたので、必然的に本棚がたくさんになり、繰り返し読んでみたり。
使えるおこづかいも決まっていましたし。
今はスマホ片手にマンガが読める。
しかも場所も取らず、大人買いもできる。楽しいな〜、今! なんて思っていましたが、そのお手軽さゆえに、課金が半端なく・・・。正直に書きます。平均月2万。
働いてるからいいか〜なんて思ってましたが、年間で考えると24万!
電子マンガに。
おまけに目がショボショボするし、姿勢も悪くなる、少しリラックスがやめられず全巻購入とか・・・
漫画の世界は楽しいけれど、現実はやらなければいけないこと、日々の悩み等など色々ある・・・
なによりマンガを読むことに、時間をとられすぎている!
決心して漫画のサイト、退会。
あんなに集めた数々の名作リセットは、もったいないかな・・・
また読みたくなったらどうしようと思いつつも・・・
案外、冷静にリセットできました。
物理的な場所をとらないから、いいやの〜電子漫画恐るべしでした。
Rさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
お元気そうで何よりです。
電子コミックにはまっていたんですね。そういう人は多いかもしれません。
電子マンガの主要サービスは、明確に、購買力のある大人をメインターゲットにしてビジネス展開していますから。
今回、しっかり断捨離できて本当によかったです。
Rさんにはもう不要かもしれませんが、同じような悩みを抱えている方も多いと思います。この記事では、デジタルものにはまりすぎないヒントをいくつか紹介します。
デジタルコンテンツは場所を取らない。でも心と時間をむしばむ
まずデジタルものを消費しすぎる背景を意識しましょう。
電子コミックや動画、アプリ、音楽、ゲームなど、スマートフォンで簡単に手に入るコンテンツは、買い物のハードルが低いし、ひとつひとつは安価です。
スマホで買うので当然キャッシュレス決済。
あまり買い物をした気がしないので、お金をつかいすぎてしまうことがあります。
さらに、電子マンガは物理的にスペースを取りません。Rさんが昔読んでいたまんがのように紙ならば、「棚がいっぱいになってきた」「床に積み上がって邪魔」といった視覚的、身体的なサインがあります。
電子版にはそれが一切ないため、もの(ガラクタ)が増えているという実感がわきにくいです。
デジタルコンテンツは、お金やスペースだけでなく時間も奪います。
マンガは短時間で読めるため、人によっては「もう1話」「もう1巻」と読み続け、気づけば何時間も読んでいたということもあります。他の大事なことに使えるはずだった時間が、マンガの消費に使う時間のために、少しずつ削られていくのです。
このように、場所を取らないから大丈夫のはずのデジタルコンテンツは、実はさまざまなリソースを蝕みます。
時々見直して手放さないと、望む暮らしから遠ざかってしまいます。
まず無駄な消費に気づこう
見える場所に山積みになるわけでも、毎回レジで財布を開いて買うわけでもないデジタルコンテンツ。
このようなデジタルものにリソースを使いすぎていることに気づくためには、意識して立ち止まる必要があります。
手始めに、今、自分が何に時間とお金を使っているか可視化しましょう。たとえば次のような方法があります。
・クレジットカードやアプリの購入履歴を月ごとに見直してみる
・電子書籍の購入リストを見て、実際に読んだ量や満足度を振り返る
・スマホのスクリーンタイム機能で、どのアプリに何時間使っているか確認する
こうしたデータを見ながら、1週間に1度、もしくは月に1度、マンガの消費状況をチェックしてください。
数字で見ると、「こんなに?」と驚くこともあるかもしれません。
Rさんが、年間で24万円の支出と気づいた瞬間は、まさにその気づきが訪れたタイミングでした。
「働いてるからいいか」と思っていたそうですが、働いて得たお金だからこそ、満足できるものに使いたいですよね?
どうやって断捨離していくか?
電子マンガを読みすぎないために有効な方法を4つ紹介します。
1. 距離を置く
まずは使用頻度を少しずつ減らしてみましょう。
そのために、
・アプリをホーム画面から削除する(スマホからアンインストールしなくてもOK)
・平日だけ読まないルールを作る
・新作のチェックを一時的にやめてみる
・マンガはスマホでは読まない、カフェや図書館にある紙本で読む
こんな工夫をします。
2.単行本で読む
スマホアプリで1話ずつちまちま課金するのではなく、アマゾンなどでマンガの単行本(電子版)を1冊買うのはどうでしょう?
1冊ずつ買うほうが支出を把握しやすいと思います。
また、単行本のほうが、買うアクションのハードルが高いかもしれません(まあ、簡単に買えますけどね)。
単行本でまとまった量を読むほうが、ストーリー全体の印象が強く残り、読後感や満足度が高まります。
私も、毎日1話無料という方式のマンガを読むことがあります。そのマンガは続きものではありませんが、それでも、単行本という形で読んだほうが、より作品を楽しむことができます。ちゃんと編集されているからだと思います。
3. 別の行動に置き換える
空いた時間にすることがないと、マンガを読んでしまうので、別の行動をするようにしましょう。
・寝る前のマンガ→日記を1行書く
・通勤中のマンガ→オーディオブックに変える
・家事の合間の息抜き→深呼吸やストレッチをはさむ
代わりになる楽しみを用意して、いつもマンガを読んでいた時間になったらやってみましょう
4. アクセスできないようにする
どうしても見てしまう・買ってしまうという方は、物理的に遮断することをおすすめします。
・アプリを削除する
・アカウントを退会する
・スマホの使用制限機能を設定する
衝動的にアクセスできないよう、あらかじめ高くて強固な壁をつくって、マンガを読めなくしてしまいましょう。
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電子マンガにはまってしまった読者のお便りを紹介しました。
今回は書きませんでしたが、そもそもマンガにはまってしまった大本の原因(心理的なニーズ)を見直すことも効果があります。
また、スマホの使い方も見直してください。
スマホでマンガを読み続けてしまうのは、読み切る達成感が脳への報酬になっているからです。これは、私たちがSNSのタイムラインをえんえんとスクロールし続ける行動と似ています。
読み終えるたびに完了した快感があり、しかも続きをすぐに読める環境なので、また1話、また1話と読んでしまうのです。
スマホのマンガやSNSは脳の報酬系を、強く、連続して刺激する設計になっているので注意してください。
それでは、あなたも伝えたいことがありましたら、メールをください。
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