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ちょっとしたすきま時間に取り組める『捨てプロジェクト』を紹介するプチ断捨離シリーズ。第21回は、秋の3連休に、実家に帰った時、ご両親の物を捨てる提案です。
過去の遺物、古いものを集中的に攻めましょう。
まず、高齢の両親が、「なぜ捨てなきゃいけないのさ?」と素朴な疑問を投げかけたとき、答えられるように、捨てる理由を4つ紹介します。
「もういらない物」だけど「まだ使える物」を捨てる理由
1.物理的な安全のため
ガラクタをためすぎると、部屋を歩いている時つまづきます。これは冗談ではなくて、本当に家の中に家具や、収納雑貨、山積みの本などがありすぎると、つまづいて転びます。
お年寄りのいる家は安全第一⇒なぜ高齢者は転びやすいのか?その原因と対策。50代の今から予防すべし 転んで腰の骨を打って寝込むと、あれよあれよという間に弱ってしまいます。
2.暮らしやすくするため
老眼になると、だんだん物が見えにくくなって、欲しいものがさっと取り出せなくなります。
特に、秋冬は、早く日が暮れるので、暗がりで物がよく見えません。
こんなこと、若い人には想像がつかないと思いますが。
若くても、目がよくても、物がいっぱいあると必要なものを探しにくいです。
また、物が多すぎるせいで、複雑怪奇な収納をしてしまうと(人は高度な収納テクと呼びますが)、取り出しにくく、しまいにくくなるので、全体的に不便になります。
使っていない物を少し減らしてみると、家事がしやすくなります。
3.集中できる環境を手に入れるため
ガラクタに囲まれていると、気が散ってやるべき仕事に集中できません。
一概には言えませんが、年をとってくると集中しにくくなる、と言われています。ただし、これは個人差があるし、何をやっているかにもよります。
どっちにしろ、若くても年をとっていても、まわりに物がいっぱいあると、その時やっているタスクにまっすぐ突き進めなくなります。
4.今を生きるため
古いものがありすぎると、どちらかというと過去に生きてしまい、現在の自分、これからなりたい自分にフォーカスできません。
特に、お年寄りは、「昔はよかったなあ」とノスタルジックになる傾向が強いです。ノスタルジーを感じているときは、気持ちがほんわかとしていいと思うのですが、今の暮らしや、これから起こる楽しいことに、気持ちが向かず、いつも後ろ向きなのは考えものです。
人は目の前のことに集中しているときが一番幸せです⇒幸せになる秘訣は目の前のことに集中すること(TED)
こんな理由から、断捨離をすすめてください。
では、実家にある古いものを5つ紹介します。
1.古い薬を捨てる
年をとってくると持病のある人が増えます。多種多様な薬を飲んでいる人も珍しくありません。体調によって、薬の種類が変わったり、副作用が出るから別の薬に変えたりして、薬が余ることってよくあります。
「もういらない薬」なのですが、薬は、「役立つもの」という意識を持っている人が多いので、もう飲まくてもよくなった薬もなかなか捨てません。
そんな理由で余っている薬をさくっと捨ててください。
薬の捨て方は、自治体の指示に従うべきですが、中身は可燃ごみとして捨てます。容器はプラスチックや、燃えないゴミになることもあります。
猫や小さい子供がいて拾って食べそうなら、紙に包んで捨ててください。
薬をトイレに捨てる人がいますが、環境によくないので、液体でも紙に吸わせるとかしてください。
もし大量に液体の薬があるときは、薬局の人に聞けば、適切な処分方法を教えてくれると思います。
たくさん薬をためこんでいると、今飲むべき薬がわからなくなって、事故につながります。もう飲んでいない薬、使用期限が過ぎた薬は「いつか飲むかも」「誰か別の人が飲むかも」などと思わず、さっさと捨てるべきなのです。
2.古いメガネを手放す
視力が変わるごとに新調してたくさんメガネを持っている人がいます。昔、メガネは高い買い物だったので、使っていなくても、捨てない人が多いです。引き出しにメガネケースといっしょにゴロゴロ入っているかもしれません。
メインのメガネをなくしたときのために、スペアのメガネを1つ持つのはいいと思いますが、4つも5つもいりません。
かけないメガネをしまっておいても、誰のためにもならないので、捨てるようにしてください。ケースも忘れずに。
メガネは眼鏡屋さんで回収してくれることもあります。購入店や、近所の店で聞いてみてください。
メガネの寄付を受け付けている団体もあります。
メガネ回収。古い眼鏡を発展途上国へ寄付|シーサイドビジョン|上総一ノ宮
3.思い出の品物は厳選する
思い出の品とは、「今は使っていないけれど、時々は取り出して、昔あったできごとを反芻するために、取ってある品物すべて」です。
古い写真や手紙、年賀状、若いころ作った何か(絵画とか)獲得した何か(ゴルフのトロフィーとか)、旅行のお土産、記念品など。
こういう物、持っている人はすごくたくさん持っていると思います。
けれども、全部捨てようとすると、プチ断捨離じゃなくて、大掛かりな本格的な断捨離になってしまうので、何か小さいものを1つだけ捨ててください。
押入れにしまってある箱を開けなくても、リビングルームのサイドボードに飾ってある飾り物の中から見つかると思います。
ほこりだらけの招き猫、半分こわれかけた箱庭の置き物、こけし、フランス人形、マトリョーシカなど、古い家にはいろいろな民芸品があるでしょう。
人形は捨てにくいと思いますが、捨てないでたくさん持っていても、心の重荷になるだけです。
そのまま捨てるのに抵抗があるなら、人形供養に出してください。
参考⇒仏壇用具を断捨離するとバチが当たる?捨て方はこうしよう。
4.先祖代々伝わっているもの
両親がその両親からもらった、あるいは受け継いだものです。
花瓶、酒器、コーヒーカップのセット、レコードプレーヤー、LPレコード、時計など、その種類は多岐に渡るでしょう。
積極的にもらったというより、親が亡くなったあと、そのままこっちに回ってきて、なしくずし的に自分の物になった物です。
そういう物の中から1つだけ、もういらない物、すごく邪魔になっている物を選んで、捨ててください。
もちろん今も使っているのなら、捨てなくていいです。
あまりにもご両親の心理的抵抗が大きかったら、無理強いはしないでください。せっかくの連休が楽しくなくなってしまいます。
親から受け継いだ物を捨てることは、くれた親の気持ちをふみにじる行為ではありません。
物を捨てても、人との絆は消えないのですから。
両親の両親は、昔そのコーヒーカップセットを使っていたかもしれません。しかし、もし今生きていたら、金線がはげかけているカップは捨てて、新しいカップに買い換えている可能性は充分あるのではないでしょうか?
そんなふうに考えると、親が使っていたから、というだけで、何年も死蔵している品物を持っているのは、あまり意味がないことに気づくでしょう。
☆もっとプチ断捨離を見たい人はこちらから⇒これで捨てまくる。「プチ断捨離シリーズ」記事の目次。
番外:自分のものも忘れずに断捨離
せっかく実家に帰ったので、自分の物が残っていたら、ついでに捨ててください。学生時代のノートや教科書や学用品、若い頃着ていた服など。
ずっと実家に置いてあったものなのだから、今の生活には不用だ、ということは歴然としています。
たぶんそういう物は、いまや「思い出の品」領域に入っているかもしれません。
けれども「単に古い物」と「思い出の品」の区別を明確にすべきです。思い出の品は、今後の人生でも持ち続けたい積極的な理由があるもの。
今の暮らしに必要だと思っている品物だって、ものすごく数があってスペースを圧迫しているのです。そこに、あえて「今は使っていない物」を仲間入りさせるのですから、手元に置く確固たる理由があるべきです。
昔使っていた野球のグローブやスポーツバッグも出てくるかもしれません。どれか1つでいいので捨ててください。
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両親と一緒に、親の物を捨てることは、コミュニケーションの1つと考えてください。
目的は、「できるだけたくさんの物を捨てること」ではなく、「いらない物を捨てて、少しでも両親に暮らしを楽しんでもらうこと」です。