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物欲を抑えるのではなく、それと向き合うやり方をお伝えします。金子由紀子さんの「引き算する暮らし」に書かれていた方法です。
「あれも欲しい」「これも欲しい」「買っちゃえ」と、物欲にひきずられた生活をしていると、物はいっこうに減りません。
シンプルな暮しをしたいと願っているのに、たくさんの商品を買ってしまって悩んでいる人も多いでしょうね。
あるいは節約したいのに、無駄遣いが止まらなくて困っている人もいるでしょう。
多くの人は、「なんとか物欲を抑える方法はないだろうか」と思っていますが、あえて物欲は抑えないほうがいい、というのが金子由紀子さんの主張です。
物欲を否定してはいけない
金子さんは、自分が「欲しい」と思う気持ちを無理に抑えつけるのはよくない、と書いています。
「欲しい」という気持ちを抑圧し、ないもののように扱っていると、ある時ふと立ち寄ったディスカウント店や100円ショップで、大して必要もないモノを山のように買ってしまうかもしれません。
バーゲンで値段が下がっていると、「今、買わないと損」とばかりに、本当に欲しいものではなく、1番値段が下がっているものを買ってしまうとのこと。
実は私は、もともとそこまで買い物が好きではないので、このような状況に陥ったことはありません。ですが、ダイエットをしていて、いろいろ制限をかけていると、あるとき反動でどか食いをしてしまう、というのは何度も体験しています。
今でも、なかなかナッツの食べ過ぎを止めることができないので困っています。
買い物欲が強い人は、それと同じようなことが起きるのでしょうね。
金子さんは「欲しい」という気持ち、物欲、欲望は否定せずに解放しろ、と書いています。
解放とは、欲望のままに行動するのではなく、自分の中にそうした欲望があることを受け入れることです。そして、その欲望と向き合えば、欲望に支配されにくくなるのです。
☆「引き算する暮らし」についてはこちらに書いています⇒金子由紀子「引き算する暮らし」の感想
「欲しいモノノート」を作る
自分の「欲しい」気持ちや、買い物に対する欲望を解放するために、「欲しいモノノート」を作るといいそうです。
これは単に、自分が欲しいと思っているものをノートに書き出すだけです。
頭の中ではいろいろな「欲しい」がうずまいているので、それを紙の上に出して整理するわけです。
一種のブレインダンプですね。
ブレインダンプについてはこちらに書いています⇒三日坊主なあなたに~ノートをきっちり使い切る方法はこれだ
どんな小さなものも、逆にとても高価で買えそうにないものも「欲しい」と思うものはすべて書きます。商品の特徴や、どのぐらい必要なのか、予算など詳しく。
自分の欲しいものは大小もらさずすべて書くのがコツです。
ノートをつけて優先順位をつけたり、しっかり考えた末に本当に欲しいものを買うのが理想です。
忙しすぎて頭が混乱し、気持ちばかりあせっているときも、タスクを順番に紙に書いて眺めると、「やることいっぱい過ぎて、おたおたしていたけれど、こうしてみるとたいしたことないな」と思うものです。
「欲しいものノート」もそれと同じで、いったんすべて書き出してしまうと、「それほどでもなかった」ということに気づくかもしれません。
実際、私もさっき書きだそうとしましたが、今すぐ欲しい物は2つだけで、あとはお金では買えないものばかりでてきました。
私が今ほしいと思っているものはこの2つです。
・新しいスニーカー
現在はいているのがかなりぼろぼろで、足の親指のつけねがあたるところは、底が相当薄くなっています。そのため、左足の親指の付け根が痛くなってきたので、早急に買わなければなりません。
・ドレッシングを入れる小さな容器
娘が学校に弁当としてサラダを持って行きたいと言い出したので、ドレッシングを入れるフタ付きの小さな容器はどこかにないかな、と考えているところです。
「持っているモノ」もノートに書き出す
「欲しいモノノート」を作ったら、次は自分の持っている物を書き出すように、と金子さんは言います。
欲しい物が、まだ手に入れていない物なら、こちらはすでに手に入れている物です。
棚卸しのような作業をするわけですね。何が何個あるのか書いていくのですが、これ、所持品が多い人は大変です。
私も「持ち物リスト」として、このブログに、洋服やバッグ、靴、食器、筆記具などは書いています。
先月、置物の棚卸しと断捨離もして、飾りモノは3つ、ぬいぐるみは4つ、と自分の持っているものはよくわかっています。
ただ、100冊近く所持している本を全部書く気にはなれません。
ところがこの本こそ、私がリストアップしなければならないものなのです。
というのも金子さんは、所持品すべてを書き出すのは大変だから、「片付けるのにいつも苦労しているモノ」だけを数え上げろと言うのです。
人によって片付けるのに苦労しているものは違います。たとえばCDやDVD、洋服、靴、バッグ、アクセサリー、食器、食品のストックや、日用雑貨のストック、などなど。
片付けるのに苦労している物は、たいてい、増えてしまいがちな物、その人にとって捨てにくい物です。
だからこそノートにリストアップすべきなのです。
この「持っているモノノート」は自分の過去の欲望の軌跡です。
所持品をリストアップし、じっくり眺めてみると「買ったときはすごく素敵に見えたけど、今はどっちかというと邪魔」とか、「なぜ、似たような服ばかり買ってしまうんだろう」といろいろな気づきがあります。
欲しいモノノートと持っているモノノートで現実と折り合いをつける
2つのノートが書けたら、そのままにしないで、時間とともに更新します。
1週間前に欲しかった物も、きょうはそんなに欲しくない、あるいは、全然欲しくない、ということもあるでしょう。そうなったらリストからはずします。
持っているものも、断捨離などして減らしたら消して行きます。
ノートを更新しつつ、欲しい物と持っている物を照らしあわせて、現実と折り合いをつけて行きます。
欲望には限りはありませんが、その欲望を叶えるためのリソースであるお金は有限。物を入れるスペースも、物の手入れに使う時間も限られています。
2つのノートを見比べて、手に入れる優先順位を考えたり、今持っている物で間に合わないか考えたり、ダブっているものを捨てたりして、欲望と現実の折り合いをつける、というのが金子さんおすすめの方法なのです。
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金子さんのこの方法、いかがでしょうか?
書くことは頭の整理になるので、これまで欲しいものをノートに書いたり、所持品をリストアップしたことがない方は1度試してください。
私も以前、欲しいものがあるとき、ノートに書き、30日間待ってまだ欲しかったら買うという、30日ルールを自分に課していましたが、それなりに効果がありました。
こちらに書いています⇒買わない暮しをするために、節約系ミニマリスト主婦が心がけている10のこと
ただ、「欲しいモノノート」を書く方法は、売り場で衝動的に「欲しい」と思ったら、あまり効果がないような気がします。
インターネット通販の衝動買いを抑えることはできそうですが。
やはりある程度は「欲しいという気持ち」そのものが芽生えないようにするほうが有効なのではないでしょうか?
私の場合、別に物欲を無理に抑えつけてはいませんが、あまり物を欲しいと思わないようになりました。
その理由は2つあります。
1つは、たくさん断捨離をしたので、物をいったん家に入れてしまうと、その管理が大変なことと、捨てるときに相当苦労するのがよくわかったこと。
もう1つは「物を買っても、そんなに幸せにはなれない」という考え方になったこと。物の限界を知ったのです。
さらに、最近は買い物をしないためには、無理に欲望を抑える必要はなく、習慣を変えさえすればいいと考えるようになりました。
先日も記事に書きましたが、習慣となっている行動(ルーティン)には、絶対「きっかけ」があるのです。
習慣のメカニズム⇒今の自分を変えたい。3Rで新しい習慣を身につける方法
買い物の場合、1番のきっかけはその商品を目にすることですから、売り場に行かなければいいのです。
またその物の存在を知らなければ、そもそも欲しくならないので、あえて、「持っているものより新しい何か」や「何か便利そうなもの」を探すこともしません。
そんな時間もないですし。
ノートを書きながら整理する方法がうまくいかないときは、買い物のきっかけを受け取らない工夫をするのもおすすめです。