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逃げずに自分と向き合う方法を教えてください、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアしますね。Sさんからです。
自分に向き合いたいけど逃げてしまいます
件名:感謝と悩み
いつもためになる記事を書いて下さり、ありがとうございます。
私は肩こりがひどかったんですが、筆子さんの床に寝るという衝撃的な記事を見て、試してみました。
肩こりがなくなり、体の怠さもなく、スッキリするようになりました。
床に寝るなんて、変わってると思われると思ってて、人には言えませんが。ありがとうございました。
筆子さんの記事で、読者の方の質問に応えてるものを見て、私も質問してみたいと思いました。
よろしくお願いします。
質問は、自分から逃げずに向き合うにはどうすればいいですか?
です。
モーニングノートを筆子さんの記事で知り、やってみました。
自分の思い込みや被害妄想が沢山出てきて、さらに書いてるうちにふくらんでいき、嫌な気持ちになり、頭の中も嫌な考えでいっぱいになり、やめました。
また、私は気になる男性ができて、メッセージのやり取りをしていましたが、上手くいかず、私がヒステリックな態度を取り、関係が悪くなってしまいました。
一時期、その気になる男性の事ばかり考えて仕事の上の空になりました。
それはまずいと思い、瞑想を始めて、仕事中の上の空は改善しました。
今は、気になる男性との関係を修復したいと思ってます。
修復するには、自分の行いを振り返り、それが彼にどう思わせてしまったか、しっかり考えないといけないんですが、それをしたくないと思ってしまいます。
自分と向き合うのと、相手の気持ちに向き合うのが怖いです。本当は向き合いたいのに、逃げてしまいます。
長文になってしまってすみません。よろしくお願いします。
Sさん、メールありがとうございます。
肩こりがよくなってよかったです。
このメールは恋愛相談ではないと思うので(私は恋愛相談には回答しませんが)、自分の気持ちのへの向き合い方に焦点をあてて回答します。
3つアドバイスしますね。
1.なぜ怖いのか考える
「怖いから逃げます」とありますが、いったい、何がどういうふうに怖いのか、もう少し掘り下げて具体的に言語化してください。
人間は正体のわからないものを恐れます。
お金のない現実に向き合いたくないから、家計簿をつけないとか、お金のことをあまり考えないようにしているという人(私もそういうところあります)は、一度、しっかり現実と向き合ってみると、かえって気分が楽になります。
なんだかよくわからないもやもやとした恐怖から解放されるからです。
もしそういうたぐいの恐怖なら、自分が恐れているものは何か洗い出すことで克服できます。
当ブログにも恐怖との付き合い方をたくさん書いています。いくつかリンクしておくので、参考にしてください。
心配性は自分で克服できる。恐怖と向き合うことを学ぶ(TED)
恐怖心を手放すには? 日記を読まれるのが心配で書けないときの対処法(その2)。
「恐怖」が教えてくれること:カレン・トンプソン・ウォーカー(TED)
ただ、自分では手に負えないほど、心に傷を受けて恐怖を感じているケースもあります。
いつ爆弾が落ちるかわからない戦場で育った、子供のころものすごい虐待を受けていた、家族や親しい友人が次々と自殺した、大きな天災にあった、犯罪にあった、といった過酷な状況を体験すると、
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害)になることが多いです。
この場合、フラッシュバックが起きたり、突然つらい記憶がよみがえって、心臓がドキドキしたり、夜眠れなかったりします。
そういう症状があるときは、プロのセラピストといっしょに、自分の心の中を見ていくほうがいいです。
2.嫌な気分になってもかまわない
モーニングページを書いていたら、嫌な気持ちがふくらんでいったそうですが、そこでやめていると、いつもそのレベルで思考停止します。
べつに嫌な気分になってもいいのです。
嫌な考えは、自分の頭の中にある考えの1つにすぎません。人間は、本当にいろいろなことを考えますが、そういうたくさんある思考の1つ(か2つか、100個か200個etc.)です。
嫌な考えイコール自分ではありません。
ああ、自分はこういうことを考えているんだ、と一段上から、自分の考えを見てください(これをメタ認知といいます)。
それができれば、自分の考えを客観的にみて、考え方の傾向に気づいたり、思い込みすぎているなら修正したりできます。
そうすることが、自分と向き合うことではないでしょうか?
嫌な考えやネガティブな考えは、汚部屋の中にあるガラクタと同じようなものです。
部屋にガラクタが山のようにあるとき、「ガラクタだらけで嫌だ、わ~っ汚い、いやいや、見たくない!」と目をそむけていると、部屋は汚いままです。
「ああ、ここにはこんなガラクタがあるし、あっちにもある」とちゃんと見て、確認するから、「このままじゃ、寝るとこなくなるし、ちょっと捨てよう」というガラクタ駆除の行動に出られるのです。
また、自分がどんなに嫌なことを考えようと、いちいちジャッジしないで、淡々と書いていってください。
そういう考えをする自分をまるごと受け入れたほうがうまくいきます。
嫌な気分との付き合い方の参考になる記事をリンクしておきます。
いやな気分こそ大事にして、自分の感情とうまくつきあう(TED)
自分の気持ちをそのまま受け入れる勇気のパワーとその素晴らしさ(TED)
不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)
3.自分の考えを紙に書く
自分の気持ちを文章にすると、自分に向き合うことができます。
Sさんが、「モーニングページをやってみたけどやめた」と書いていたので、「どのぐらいやってみたのか? 3ヶ月ぐらいやったほうがいいんじゃないの?」とメールしたら、こんな返事をいただきました。
1ヶ月以上続けてはやめて、再開してはやめての繰り返し。A4ノートに3ページを書いてました。書ききるのに1時間以上かかってたと思います。なので、A4ノートに1ページで3ヶ月続ける事を目標に取り組みます。
べつにモーニングページというフォーマットにこだわる必要はないですが、1日5分でも、頭の中にあることを書き出したほうがいいと思います。
「ノートだと人に見られるのがいや」という人もいるので、そういう人は、それこそチラシの裏に、だーっと書いて、その場で、びりびり破り捨ててください。文章に書くのが負担なら、箇条書きでもいいです。
モーニングページは、読み返すために書くものではないので、書いたらすぐに捨てればいいのです。
私は毎日書いているから、ノートのほうが書きやすいので、ノートを使っています。
モーニングページが合わないなら、ブレインダンプなんていうのもありますし⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
日記もあります⇒日記を書くことは心の断捨離に効果的。10年日記を使っています
仕事で書く営業日誌みたいに、きょうの結果、よかったこと、今後の改善点、努力目標なんかを、夜書いてもいいです。
なんでもいいので、頭の中にたまっていることを紙の上に出してください。
モーニングページの書き方など⇒モーニングページの書き方、やり方を教えてほしいという質問の回答。
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自分と向き合うのが怖いから逃げてしまう、ということはよくあると思います。
けれども、まめに自分の心と向き合っておいたほうが、穏やかに暮らせます。
自分の心の中を見ないと、自分という人間を認識するときに、心の中にあるもの以外をつかうことになります。
つまり、目に見える、わかりやすい、多くは物理的なもので、「私はこういう人だ」と思うのです。
たとえば、仕事、容貌、年齢、家族、友だち、持っている物(家、車、ガジェット、洋服etc.)、これまで達成したこと、貯金の金額、インスタのフォロワー数みたいなものを使って、「私ってこんな人」「私ってすごいよ」と思うわけです。
こうしたものは、何ひとつ、永遠には続きません。とても移ろいやすいものです。しかも、その多くは自分ではコントロールできません。
こういう移ろいやすいものをよりどころにして、「私はこういう人だ、すばらしい」と思っていると、移ろいやすいものに執着する結果になります。
すると、悩みが生じます。
自分の心の中におりていって、そこにあるもの(魂とも言える)を確認する作業をしていれば、外にあるものにやたらと振り回されなくなるし、もっと穏やかな気持でいられるんじゃないでしょうか?