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じっくり吟味して、気に入った物を買っても、そのうち、別の物に買い直すことがよくあります。どうしたら買い直すことをやめられますか、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まず、メールをシェアしますね。Kさんからいただきました。
買い直しをやめてもっと物を大事にしたい
件名: 買い直しを辞めたい時の考え方
初めてメールします。
いつもブログを楽しく拝見しています。
筆子さまの端的で納得のいく説明がわかりやすくて好きで、断捨離に迷った時は参考にしています。
30代後半、仕事を持つ主婦(一児の母)です。
7年くらい前から断捨離を始めて、現在は少ない荷物で暮らせるようになりました。
質問があります。
買い直しを辞めたい時の考え方についてです。
(特に会社で使う文房具、バッグ、財布が多い)
好きな色はピンクですが、気に入った色の方が長く使えると思い購入しますが、少し時間が経つと落ち着いた色に買い直ししたくなります。
色だけではなく、柄ものでも同様のことが起こります。
買い直しは無駄と思うので、買うときはかなり慎重に悩んでいるつもりです。しかし時間とともに買い直し衝動が起こり買わないと心が落ち着かず、結局また買い直したりとループです。
買い直しを辞めて、同じ物を長く使えるようになりたいです。
物の管理や買おうか悩む時間が無駄だし、何より物を大事にできていないと思うからです。
筆子様はこのような場合、どのようにしたら買い直しを辞められると思いますか。気に入ったものを長く使えるような考え方はありますか。
また、この色が好きで購入するとかはありますか。
お身体大切にお過ごし下さい。
Kさん、はじめまして。ご質問ありがとうございます。
ピンク色の財布を買っても、そのうち、似たようなデザインで茶色い財布を買ってしまう、なんてことがよく起こるんですね。
5つアドバイスを書きますが、私がもっともすすめたいのは1番の、「物にこだわることをやめる」です。
1.物にこだわりすぎない(物質主義から離れる)
ピンクの気に入った財布があるのに、新たに茶色い(かどうか知りませんが)財布が欲しくなるのか、その理由、ご自身で考えたことがありますか?
単に飽きるからでしょうか。
ですが、Kさんは、衝動買いではなく、かなり熟考してから買っているようです。
もしかしたら、物にこだわりすぎているんじゃないでしょうか?
「私にとって、ベストの財布を買って使おう」というように。
シンプリストやミニマリストとおっしゃる方でも、意外と物にこだわっています。「ミニマリストなら絶対持っていたい〇〇」「徹底的に厳選した10着です」と写真を見せるのは、物にこだわりがあるからこそです。
「お気に入りの物だけに囲まれて暮らしたい」という強い願望がある人も、物にこだわりすぎです。
こういう発想の裏にあるのは、物質主義です。それは「物と、物を手に入れることを可能にしてくれる富(お金)が、人を幸せにする」という考え方です。
単なる物に必要以上に価値を置くのが物質主義です。
もし、Kさんが、そういう考え方をしがちなら、その考え方を改めてください。
どんな価値観を持とうとその人の自由ですから、物質主義でいてもいいのですが、こういう考え方をしている限り、買い直しは止まりません。
財布なんて、お金が入れば、べつにピンクだって、茶色だって、緑色だってなんだっていいわけです。
まあ、私も、まぎれもなく物質主義社会の申し子で、物にこだわりすぎているところが、多々あります。人のことは言えません。
小銭が取り出しやすい財布を紹介する記事に、そのこだわりが見てとれます。⇒50代主婦ミニマリストの持ち物のまとめ(後編)
昔は「使いやすいバッグ」を求めて、ずいぶんバッグを買っていました。若い頃、フェリシモで、手提げ袋(合皮のサブバッグ)の会に入っていたこともあります。
1996年の春にカナダに来た時、人々がサブバッグとして、スーパーのレジ袋をふつうに使っているのを見て衝撃を受けました(最近は、エコバッグを持っている人が多いです)。
「え? あれをサブのバッグとして使っちゃうわけ?」と。
その後、ミニマルライフをめざし、物へのこだわりは捨てつつある、と思っていましたが、そうでもないか、と思う体験をいまだにしています。
去年、いつも行くオーガニックのスーパーで、レジ待ちをしているとき、小銭をビニール袋から取り出して支払っている女性を見てびっくりしました。
このことは、「筆子ジャーナル」に書いた気もしますが、ほかのブログだったかもしれません。
その方は、チャイニーズカナディアンのようでした。買った野菜はバックパックにつっこんでおられました。
この方を見たとき、「ああ、小銭を取り出しやすい財布にこだわって、わざわざ日本で買っている私は、まだまだ物にこだわりすぎているなあ、ビニール袋に入れとけば一目瞭然だし」と思ったものです。
物は単に物にすぎません。大事なのは、それを使う自分です。
Kさんが、色に飽きて買い替えるなら、こちらを読んでください⇒服の枚数を減らすと困るかもしれない5つのことと、それを解決するコツ 「5.いつも同じ服だと飽きるのでは?」のところです。
2.すでに持っている物に感謝する(練習をする)
ピンクの財布があるのに、茶色の財布に目移りしてしまうのは、ピンクの財布のありがたみがわかっていないからです。
財布に限らず、すでに自分が持っているものに感謝するようにしてください。
そのためにこんなことをするといいでしょう。
感謝日記をつける
物でも状況でもなんでもいいので、毎日、3つぐらい、感謝できることを見つけて、それをノートに書いてください。
自分の今の状態を感謝できるかどうかは、もはやスキルではないか、と最近の私は思います。自動的に感謝できないなら、練習するしかありません。
参考記事⇒幸せになる最強の方法、感謝する気持ちがうむ7つの効果。
こちらもおすすめ⇒成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)
ピンクの財布(手持ちの品)と絆を深める
財布やバッグなど、毎日持ち歩いたり、手にしたりするものは、通常、使っていると愛着が出てきます。
Kさんは、そういう愛着みたいなのはないのでしょうか? 愛着があれば、次の財布に目移りしないと思います。
ピンクの財布とより絆を深めるために、以下のことにしてください。
- メンテナンスする
汚れてきたら、外側をざっと拭いたり、中身を整理したりします。時間をかけて手入れしたものには、愛着が生まれます。
- ピンクの財布と自分との物語を作る
新しい財布に心が動いたら、ピンクの財布との出会いを思いだします。
どこで買ったのか、どうして買ったのか、買ったときどんなふうに思ったのか、この財布のいいところ、気に入っているところ、この財布のおかげで自分の生活はどんなふうになったか、この財布に感謝できることはないか。
こんなことをノートに書き出してください。
人が物を捨てられないのは、物と自分との物語を作っているからです。だから、思い出の品は捨てにくいわけです。
Kさんの場合、物を大事にしたいのですから、物語を作って、関係性を深めれば、新しい物に心が動かないと思います。
3.買い物習慣を改める
飽きたら、すぐに新しい物を買う、という消費の仕方が習慣になっているのかもしれません。
この習慣を変えるために、これまでの買い物のパターンをこわしてください。
たとえば、
こわれたら買うことにする
財布やバッグは、こわれたら買うと決めます。文具は使い切ったら次のを買います。手持ちの物を使い切ってから新しい物を買うことにしてください。
使い切る方法⇒今ある物を使い切る具体的な方法。
ボールペンの場合⇒持たない暮しをめざすなら、ぜひマスターしておきたいボールペンを使い切るコツ
買わない挑戦をする
ひんぱんに書い直してしまう物を、一定期間、買わないチャレンジをします。
やり方の参考にどうぞ⇒誰でもできる『買わない挑戦』の始め方。自分ルールで楽しく実践。
4.楽しいと思うことを毎日やる
買い物で心を満たさなくてもいいように、ふだんの暮らしをより充実させます。
そのために一番いいのは、毎日、短い時間でいいから、自分が、「楽しいな」「おもしろい」と思えることをすることです。
おすすめは朝一番です。
朝は心身ともに充実しているので、しみこませたいと思うことをしみこませやすい、と私は思います。
最近私は、朝起きたら、塗り絵したり、英作文や仏作文をしたり、読書したりしています。どれも、5分もあれば、できることですし、やっていると心が落ち着いてきます。
日々をを楽しめるようになれば、買い物でドーパミンをあげる必要がなくなるから、「買わないと心が落ち着かない」ということは減ってくるでしょう。
参考記事⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
5.受け取る情報を減らす
いまの世の中、物質主義なので、テレビ、雑誌、インターネット(特にSNS)は、「もっと素敵な物を持ってもっと幸せになりましょう」というメッセージで満ちあふれています。
「あなたにぴったりの〇〇」とか、「ワンランク上の自分になるための○○」といろいろな物が紹介されています。
こうした情報にさらされていると、「物質主義に振り回されるのはやめよう」と思っても、簡単に「よりよい物」を探し求める生活に逆戻りします。
そこで、少し情報を遮断してください。
SNSをやっているなら、タイムラインを見る時間を減らします。人の持ち物や他人の生活を眺める時間を減らすわけです。
人の物を見る代わりに、自分の心の中や、すでに自分の家にある物に意識を向け、日常の小さなことに感謝するようにします。
人の物を見ていると、どうしても、比べてしまいますから、新しい物が欲しくなってしまうのです。
最後に、色が好きで購入することがあるかどうかですが、あります。
嫌いな色の物を、選んで買う、ということはないです。
洋服ならアースカラー、雑貨ならモノトーンが好きです。ですが、何もかも同じ色で揃っている、というほど、強いこだわりはありません。
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今回は、物を買い直してしまう方の質問に回答しました。
Kさん、ぜひ、参考にしていただき、アドバイスしたことを実際にやってみて、また結果を教えてください。