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店舗や宣伝メール・チラシに書いてある売り文句(キャッチコピー)にのせられて、ふらふらと物を買ってしまうことがよくあります。
べつに、今、買わなくてもいい物を。
買い物しすぎる傾向や、買い物依存ぎみ体質を変えたいと思っているのなら、こうした売り文句に冷静に対応すべきです。
売り文句には、いくつかパターンがありますので、代表的なパターンを紹介し、のせられない考え方を提案します。
自分が弱い売り文句のパターンを見つけておくと、目に入っても、今よりは冷静に買う・買わないの判断ができるでしょう。
初回は「新」とついている売り文句を見ていきます。
新しさをうたうものに弱い
人の脳は、新しいものが好きです。
よって、目新しいものや、新鮮であることを強調する、「新しい」「ニュー」という言葉に弱く、こうしたキャッチフレーズにひかれて、物を買ってしまうことがよくあります。
新発売、新登場、初登場、新型、新技術、新時代、ニュールック、ニューモード、トップファッション、ニューモデル、今シーズン初めて、世界初/日本初、ついに登場しました、など。
『新』という言葉を使っていなくても、先進的、画期的、改良型、アップブレード版、バージョンアップ版、今シーズンの売れ筋、なども、新しいことを訴えています。
『新』で始まるキャッチコピーはたくさんあるので、とくに例をあげなくても、わかりますよね。
今の季節だと、コスメの新色が、店に並んでいるかもしれません。
レストランやファーストフード店の新メニュー、新ドリンク、コンビニスイーツの新商品、新フレイバーもあります。
レストランや定食屋では、『筆子弁当始めました!」なんて札がかかっているかもしれません。「何かを始めた」というのも、新しいことを強調しています。
『新』という言葉につられて買ってしまうことが多い人は、以下のように考えてください。
新しいものは、次の瞬間には古くなる
新しいものは、古くなる運命をになっています。
何かが上にあがれば、やがて下に落ちることや、右に大きく振り切ったものが、今度は左に向かって行くのと同じです。
「わー、新しいやつだ、買おう!」と喜んで買っても、すぐに古くなります。
すぐに古くなるので、新しさを重要視しているかぎり、永遠に買い続けなければなりません。
現在使っている製品がボロボロで機能的に問題があるなら、新しいものに買い換えるのは理にかなっています。
古いパソコンや古いクルマなど。
しかし、すでに持っているもので、十分間に合うし、数年前に買ったばかりで、特に古びてもいないのに、新しい色味やデザインの服を買う必要があるでしょうか?
今、生活が豊かで、物があふれているから、服をぼろぼろになるまで着る人は少数派です。
私は、服はできるだけ買いたくないので、穴があこうが袖がすり切れようが、壊滅的にだめになるまで着続けます。
夫は私があまり物を買わないことを知っているので、先日、パジャマ姿でゴミ出しをしていたら、「きみ、とうとう、着るもの、なくなったの?」とまじめに私に聞きました。
同居している人間に、「着る服、ちゃんとある?」と心配される人間が、いったいどれぐらいいるでしょうか?
特に、日本は新しもの好きが多いので、数回着ただけで、「古いもの認定」を受けてしまう服も少なくないでしょう。
新しいものを買って使うのは、確かに、気分がいいし、場合によっては十分、買う価値があります。
ですが、「新しい」という理由だけで、物を買うのは、いつまでも回っているラットの回し車の中に身を置いて、次々と買い続ける行為です。
それは本当に新しいのか?
新登場、新製品とうたってはいても、旧製品とたいして変わっていない製品があります。
変わったとしても、名前が変わったとか、ほんの少し、その製品の本質にはあまり関係のない細部が変わっただけだったり。
そういう製品は、本当に新しいものなのでしょうか?
2018年に塗り絵を始めてから、YouTubeで、塗り絵がテーマの動画をたくさん見た私は、以前より色鉛筆に詳しくなりました。
色鉛筆業界にも、べつに新しくない鉛筆を、さも新しいもののようにして売る手法が使われています。
アマゾンには、本数がたくさん入っているのにものすごく安い色鉛筆が売られています。たいてい、中国産です。
一見、お得な製品です。
こうした色鉛筆の特徴は、安いこと以外にも、もう2つあります。
1)画材店で買うことができない
名のあるメーカーでも、アーティスト・クオリティの高いラインと、スチューデント・クオリティの安いラインの製品を出していますが、ともに画材店で購入できるはずです。
2)バラで買うことができない
特定の色がなくなっても、単品で買い足しはできません。(中国以外の国のメーカーが出している色鉛筆にも、単品で買えないものはあります)。
ちょっと塗り絵をしてみたいけど、お金はあまりかけたくないと思うなら、こんな色鉛筆をワンセット買うのも悪くないと思います。
ワンセットだけなら。
というのも、同じ色鉛筆なのに、名前と外箱を変えて、何度も売り出されるからです。
安くて、色味がたくさんある色鉛筆が出るたびに、ユーチューバーが購入し、レビュー動画をあげますが、よく、「◯◯の色鉛筆は、◯◯と同じではないか」という同一製品疑惑が語られます。
色味や使った感じがそっくりだというのです。
私は、これらは、すべて特定の製品をコピーしたか、ちょっとだけ変えた鉛筆だとにらんでいます。
たとえ、全く違う製品だとしても、ユーザーが使ったときに「そっくりだ」と思うのなら、それはもはやダブって買う必要のない同じ製品です。
もちろん、中国のメーカーでも、日本の三菱鉛筆やトンボ鉛筆みたいに、自社の責任において、製品を開発・製造しているメーカーはあります。
中国の人は、きっとそういうメーカーの色鉛筆を使っています。
アマゾンに売っているやたらと本数があって、やたらと安い色鉛筆のセットは、皆、外国市場向けに出している、特定の色鉛筆のコピーか、焼き回しです。
そうでもなきゃ、いくら原材料をケチったとしても、あそこまで安くできないと思います。
色鉛筆以外にも、ちょっと焼き回しただけで、「新製品です!」とうたっている製品はたくさんあるのではないでしょうか?
売り手側が、「新しいものです」と言っているからといって、新製品とは限りませんよ。
新しさは自分で見つけられる
新しいものが欲しくて、「今秋の新商品」という言葉にひかれて新しい服を買う人は、すでに持っている服は、「古い服だから価値がない」と思っています。
はっきり、そう自覚してはいないでしょうが。
しかし、いったん価値がないと思った服でも、考え方や使い方を変えれば、それこそ新しい価値を発見できます。
そうです。
新しさは自分でいくらでも生み出せるのです。
洋服は、組み合わせを変えたり、アクセサリーをつけたり、着方を変えたりすれば、十分新鮮に着られます。
そのほかの製品も置き場所を変えたり、使うシチュエーションを変えれば、新しさが生まれます。
寝室を居心地よくする記事で⇒落ち着く寝室の作り方~あれこれ物を揃えなくてもリラックスできます。
自宅でショッピングして、他の部屋にある物や、押入れの中で眠っている物を寝室で使うことをおすすめしました。
こうすれば、すでに持っているものでも、十分、新しいものとして使うことができます。
そもそも、私たちは毎日、新しい日を迎えています。
きのうと同じ日は、1日たりともありません。
毎日を新鮮な気分で迎え、一瞬一瞬を楽しむ心持ちになれば、次々と新商品を買う刺激がなくても、十分、新しい気分で暮らすことができます。
そうなれば、「新商品だから」という理由で、新しい物を次々と買わなくてもすむのです。
☆この続きはこちら⇒限定品という言葉につられて買ってしまわないために:要注意のキャッチフレーズ、その2
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買い物しすぎる人が気をつけたほうがいいう代表的な売り文句、『新商品』に対する考え方をお伝えしました。
きのう、今月の目標を教えてくれた読者のメールを紹介しましたが⇒今年の残り3ヶ月で私がチャレンジしたいこと~読者の挑戦特集 この記事で紹介しなかった方の中にも、買わない挑戦をしている人はけっこういらっしゃいます。
ぜひ、参考にしてください。
感想などありましたら、お気軽にメールください。お待ちしています。