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未来に対する過剰な準備が今の暮らしを重たくしてしまう、7つのパターンを紹介します。
シンプルに暮らしたいと思っているのに、なぜか部屋がスッキリしない、心が落ち着かない。
もしかしたら、その原因は未来への不安から、必要以上に準備してしまっているせいかもしれません。
「いつか使うかも」「そのうち必要になるかも」と思って、ものや情報をため込んでいくと、暮らしはだんだん複雑になります。
もちろん備えは大切です。でも、それが行きすぎると、今の自分の時間や空間を犠牲になります。
未来を重要視しすぎて、今の生活がないがしろになっている事例を具体的に紹介するので、「私もやってるかも…」と思うことがあれば、少しずつ見直してください。
大切なのは今日の暮らしです。
未来への過剰な準備:目次
1. 非常時に備えてものを買いすぎる
保存食や水、防災グッズ、カイロ、電池などを念のためと買い込んで、収納スペースをいっぱいにしている状態です。
地震や台風、停電などの非常時に備えることは大切ですが、過剰な備えは暮らしを圧迫します。
数が多すぎると全体を把握できないので、いざ使おうと思ったら賞味期限が切れていた、どこに何を入れたか分からない、開けてみたら劣化していた、なんてこともよくあります。
非常用の備えは、「持っていること」よりも「管理できていること」が重要だと思います。
本当に必要な量を見極め、定期的に見直し、時にはストックを使って新しいものと入れ替えながら暮らすと、不安を減らしながらスペースも確保できます。
防災用品や非常時持ち出し袋のミニマリスト基準はどれぐらい?質問にお答えしました
2. 誰かがいつか使うと思ってものを捨てない
「この棚、息子が独立するときに使えるかも」「孫が生まれたらこのベビー服を使ってもらおう」。こんなふうに、家族の未来を想像してものを残すことがあります。
自分のために買ったけれど使わなかったものも、「また使う日が来るかも」と手放せずにいる人も多いでしょう。
自分の「いつか」はまず来ませんが、「誰かのいつか」はもっと実現しません。
そんな日はなかなか来ないので、ものは家の中にたまりつづけます。
その結果、いまの自分が使えるスペースや時間が奪われてしまいます。
「いつか使うときのために」と思いすぎず、今の暮らしやすさを優先しましょう。
「いつか使うかも」と思って溜め込んだもの、どうして使えない? その理由と解決策。
3. 健康不安から健康グッズをため込む
年齢を重ねると、健康維持が気になってきます。健康に気をつけようと思ったとき、真っ先に浮かぶのが「何かを買うこと」かもしれません。
マッサージ器、ストレッチポール、磁気ネックレス、青汁やサプリ。健康番組で紹介されるたびに揃えたものが、部屋の隅に積まれていませんか?
病気への不安や、老後への備えが動機になっていると、使わなくても、もったいなくて処分できないと思ってしまうでしょう。
ですが、健康になるために本当に必要なのは、ものを持つことよりも良い生活習慣です。よく眠り、よく歩き、バランスよく食べ、ストレスが少ない生活をするほうが、健康に結びつきます。
「健康のため」と言いながら、健康グッズで部屋がゴチャゴチャになっていると、ストレスがたまって、逆効果かもしれません。
4. 備えのつもりで教材をため込む
まじめで勉強熱心な人は、書籍や教材をよく買います。私も以前は教材をたくさん買うタイプでした。
再就職したいという動機がある時だけでなく、特に予定がなくても「いざというときのために」「自分をもっと高めたい」「何かしていないと不安」といった気持ちから勉強に関する本を買い集めてしまうことがあります。
しかし、最初はやる気があっても、忙しくて手をつけることができず、何年もそのままになることも多いです。
資料をそろえると、やった気になって安心します。でも、行動がともなっていなければ、どんなに良い教材でも効果はゼロです。
本当に勉強したいなら、今、少しずつでもやってみましょう。
長年手つかずで、やる気も起きないなら、それはもう「今の自分」から離れてしまったものかもしれません。
持っていると、「まだやっていない」「やらなきゃ」と気持ちが重くなるので思い切って手放しましょう。
そうやって、所持品も、自分の目標も更新していってください。
5. 時間ができたらやるつもりのものがたまる
時間ができたら使いたいもの、たとえば、趣味のキットや見たいDVD、読みたい本も、未来の準備に偏りすぎて増えてしまうものです。
私も、若い頃、文学全集を持っていましたが、読む時間が全然取れませんでした。それでもしばらくは「老後の楽しみに」と思って取っておきました。
結局あまりに場所ふさぎなので手放しましたが、手放して良かったと思っています。
今、私は老後と呼べる年代ですが、まだ仕事をしていて大量の本を読む時間はないし、海外に移住してしまったし、電子書籍を愛用しているから、どの道あんな文学全集を読むことはなかったんです。
「時間ができたら」と思っていてもなかなかできないし、未来にその時間ができたとしても生活が大きく変わっています。
今持っているものがそのまま役立つことはあまりないと思いますよ。
6. 子どもが戻るかもと部屋をそのままにしている
独立した子どもの部屋をそのまま残していたり、たまにしか来ない親戚や来客のために、予備の布団やベッドを置いたままにする。
これも、今ではなく、未来の準備のためにする行動です。
「いつか戻るかも」「また泊まりにくるかも」というあるかどうかわからない未来に合わせて空間を確保しておくと、その分、日常の暮らしが窮屈になります。
子供が使うかもしれない部屋が、ガラクタ置き場になってしまうこともよくあります。
本当は何かに使えるスペースが、「使えない空間」や「物置き場」になってしまうのです。
スペースに余裕のある方はいいかもしれませんが、余裕がないのなら全ての部屋を有効活用した方がいいのではないでしょうか?
今この家に実際に暮らしている人が、毎日快適に過ごせているかどうかの方が重要です。
未来よりも、いま目の前にある生活を大事にしましょう。
戻ってくるかもしれない人のためにスペースを取っておきたいなら、不用品を手放すほうが現実的です。
7. 情報をためすぎて、頭の中が散らかる
スマホのメモ、スクリーンショット、ネット記事のブックマーク、メールマガジン、オンライン講座のPDF。
「あとで読む」「いつか役に立ちそう」と思ってどんどん情報を集めていませんか?
デジタルデータはかさばらないし、簡単にダウンロードできるので物理的なものよりもどんどん増えます。
私自身もクラウドストレージに古いデータがたくさん残っていて、少しずつ整理していますが、数が多いので本当に大変です。
古いものから中も見ずにそのまま削除していますが、大抵の人は中身を確認したいですよね?
「いつか」のために、情報を集めるのではなく、今の生活で実際に使うほうに意識を向けてはどうでしょうか?
情報もまた、集めすぎず、持ちすぎないほうが、暮らしやすくなります。
おわりに:目の前の暮らしを大事にする
未来に備えたいと考えるのは、ごく自然なことです。
でも、「念のため」「そのうち」「いつか」という理由で持ちすぎ、備えすぎてしまうと、今の暮らしが不自由になります。
人生は、いつ終わるかわかりません。
先のことばかり考えて、目の前の暮らしを後回しにしていると、大事な時間を取りこぼしてしまうでしょう。
完璧な準備をしていなくても、私たちは案外ちゃんと対応できます。
また、未来の自分や生活環境は、今日と同じではありません。
日々の生活を少しでもシンプルに、心地よくしておくことが、結果的に未来へのいちばんの備えになるのではないでしょうか。
今の暮らしに目を向けて、必要なものだけを残していく。そんな暮らしを私はおすすめします。