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見た目にうるさいもの(視覚的ノイズ)を取り除き、居心地のいい部屋にするシリーズ、3回目は、壁を含めた空間にあるノイズを取り去ってみましょう。
見直すのは、壁にかかっているものや貼ってあるもの、空間に浮いているもの、壁をおおっている家具(書棚など)、最初から壁についているもの(窓や作り付けの飾り棚)です。
おしゃれな部屋よりくつろげる部屋を
空間にあるノイズを取る目的は、きれいな部屋(おしゃれな空間)より、くつろげる空間を作りたいからです。
日本では、昔ながらの日本家屋ではなく、洋風建築のほうが増えていると思います。
おしゃれな壁紙を貼る、壁面収納をする、鏡や額をかけて、センスのいい空間演出するなど工夫している人も多いでしょう。
しかし、飾り物のところでも書いたように、壁や空間に物を飾りすぎるとノイズになります。
アメリカの研究ですが、幼稚園の壁に、いろいろなものを貼りすぎると、園児の気が散って、学びを邪魔する(テストのスコアが下がる)、というものがあります。
これ⇒Does the Way Your Classroom Is Decorated Affect Your Learning? – The New York Times
アメリカの保育園や幼稚園は、子供の作品や学習ツール(アルファベットが書かれたパネルや地図など)がいっぱい貼ってあってとてもカラフルです。
おもちゃっぽいものもたくさんあるから、教室に入ると、親はきっとほほえましい気分になるでしょう。
しかし、ずっとそんな部屋にいると、自分では気づかないうちに、脳の情報処理機能がそこなわれるのです。
これは大人でも同じです。全体がかもしだす雰囲気を重要視してください。
飾りを取ってみる
まず、壁や空間にある飾りを可能な限り取ってみて、どんな気分になるか、実際に感じてください。
このとき、大きなやすらぎを感じたら、飾りすぎています。
飾りを全部取っ払っても、部屋にはまだいろいろな物があるから、いきなりさびしいとは感じないはずです。
もし物足りなさを感じたら、そのとき始めて、何かを飾ってください。
私たちは、特にさみしさや物足りなさを感じていないのに、「壁にはいろいろな物を飾ったほうがいい」とか、「空間にはいろいろな物をぶら下げたほうがいい」と思い込んでいます。
そうするほうが、素敵な部屋、おしゃれな空間、心地いい部屋、自分らしい部屋になると、信じ込んでいるのです。
「ここに何かがないと、すごく寂しいなあ」と思ったときだけ、飾りを付け加えると、視覚的ノイズの増殖を抑えることができます。
狙った効果を得られているか?
人が、壁や空間にあれこれ物を飾るのは、自分らしくやすらげる部屋を作りたいからです。
しかし、本当にそうなっているでしょうか?
壁にかかっているものは、すべて、ほこりを集めるので、まめに掃除をしないと、せっかくの飾りが、ただの「ほこり招集グッズ」になります。
作りつけの棚や、ワイヤーネットで作った棚に、グリーンをはわせて「癒やしの空間」を作っている人もいるかもしれませんが、植物が枯れて、枯れ葉が落ちてくると、掃除の手間が増えます。
ワイヤーをはわして、ドライフラワーをぶらさげ、カントリーな雰囲気を演出しているつもりでも、枯れた実が落ちてきて、虫が寄ってきているだけかもしれません。
自分が狙っている効果が本当に得られているか、一度、振り返ってください。
実用品にも注意する
壁や空間には実用品もいっぱいかかっており、取り外すとすごく生活が不便になる、と思うものもあるでしょう。
例えば、鏡、時計、カレンダーなど。私の母はこわれたラジカセをぶら下げていました⇒吊り下げ収納?何でもぶらさげる母に資本主義社会の構図を見た~実録・親の家を片付ける(15)
そうした実用品は、「ここにあってもらわないと困る」と強く思うかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
そこにある時計やカレンダーを、毎回参照していますか? それとも、ただの風景の一部になっていませんか?
実用性の高いものでも、ありすぎると余計な仕事が増えます。
かつての私は、ミニマリストマインドが定まっていなかったので、シンプルライフを心がけてはいても、人からもらったカレンダーを、すべてかけようと頑張っていました。
自分の部屋、キッチン、階下の柱、トイレの中、クローゼットの中までも駆使して。
今となってみれば、本当によく使うカレンダーだけ飾って、他は、手放してしまえばよかったと思います。
カナダは、デイライトセービングタイム(サマータイム)があるので、時計をたくさん持ちすぎると、年に2回、針を進ませたり、戻したりする仕事が増えます。
詳しくはこちら⇒無印良品の置き時計はシンプルライフにおすすめ
iPhoneやパソコンは、勝手に時間を調節してくれますが。
鏡を壁にかけたり、立てかけたりして部屋を広く見せようとしている人も多いと思います。
でも実際は、ガラクタだらけの部屋が写り込んで、ノイズが増幅していたりします。
フックにぶらさげるものは厳選する
壁に、フックがついている家も多いでしょう。コートやジェケット、帽子やバッグをかけるためのフックです。
フックにかけるものも厳選して、ノイズを作らないようにしましょう。
1つのフックに何着もコートをかけたり、何個もバッグをぶらさげると、ノイズができます。
私の実家には、ハンガーラック(洋服をぶらさげるためのバー)があり、裏にある部屋の壁際に置いてあります。つまり、壁にあるようなものです。
母は、このラックのバーに、「これでもか!」というほど、服をぶらさげています。ラックのはしっこには、バッグやエコバッグを何個もかけているため、このバーにある服はさっと取り出すことができません。
取り出すためには、一番外側にかかっている(積み重なっている)バッグや服をはずさなければなりませんから。
つまり、このラックにかかっている服は、ふだんほとんど出番のない服なのです。
しかも、このラックの手前には、天井近くのスペースを利用して作ったベッドを置く場所(ロフトや中2階の小規模なもの)への階段があるので、ますます、物が取り出しにくいです。
私なら、このラックにある服はすべて処分し、ラックも捨てて、壁を見せるようにします。そのほうが、ずっと居心地がいいし、ロフトへの階段も使いやすいです。
家具の置きすぎにも注意する
壁や空間を埋めるのは、飾りものだけではありません。壁際に置いた家具や、最初からついている窓なども、壁のスペースを取っています。
視覚的ノイズを減らすためには、こうした家具の使い方も見直すべきです。
必要性が低い家具は、このさい手放すことを検討するといいでしょう。
何度も書いているように、収納家具や収納スペースがあると、それがなければ手放していた不用品も、キープしてしまいます。
その家具を使い続けるにしても、視覚的ノイズが減るような使い方を心がけてください。
それが、オープンシェルフなら、棚に物を詰め込むのをやめ、置くものの色や形も、うるさくないものを選びます。
窓にかけるカーテンも、シンプルな色柄にしておいたほうが、視覚的ノイズが減ります。カーテンバランス(カーテンの上飾り)や、タッセルも、注意深く使ってください。
私の母は、私の部屋のカーテンのタッセルに、自分でつくった編みぐるみをぶらさげていました(安全ピンを使用)。
母はこうやって、手持ちの編みぐるみやマスコット人形みたいなものを、家中に飾るのです。
両面テープで壁につけることができるフックを使い、木の壁には、五寸釘を打ち込んでフックを作っています。以前も書きましたが、母は珠のれんにも人形をぶらさげています。
里帰りして私が最初にすることは、部屋のあちこちにひっかけられている(飾られている)人形やあみぐるみを全部取り外すことです
こんなものがたくさんある部屋では、とても安眠できません。
■この続きはこちら⇒文字が集まっている場所の見直し:視覚的ノイズを減らす(その4)
■視覚的ノイズを減らすシリーズ、これまでに書いた記事
視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。
郵便物の山を絶対作らない:視覚的ノイズをなくすコツ(その2)
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私は、壁や空間にいっさい何も飾るな、と書いているわけではありません。
飾りものは、その人らしさ(パーソナルタッチ)を演出し、なごめる部屋を作る重要なアイテムです。
ただ、プラスの効果を得られているかどうか、時々振り返ってほしいのです。
視覚的ノイズが少ないほうが、心が落ち着きますから。