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身の回りの物を少し整理して身軽になりたいとは思うものの、買ったお金がもったいなくて捨てられない。こんな気持ちから、断捨離を始められなかったり、始めたとしても、そうそうに匙を投げてしまうことがあります。
今回は、この「もったいない」という思考を転換し、不用品を捨てるコツをお伝えします。
そもそも「もったいない」とはどんな感情か?
私の電子辞書、デジタル大辞泉によると、「もったいない」はこんなふうに説明されています。
用例
捨てるのはもったいない
使わないでおくにはもったいない人物
あと2つ意味が書いてありますが、こちらは今回の「もったいない」に関係ないので省きます。
ちなみに、「無駄」とは役にたたないこと、無益なことです。
辞書の定義から、人や物を有効活用しないと、もったいないことになる、とわかります。
物を捨てることは、自分で有効活用をしないまま、手放すことなので、確かに、もったいない、と言えるでしょう。まだ使えるものを捨てたり、まだ使い切っていないものを捨てるのももったいないことです。
理想は自分(か家族)できっちり使うことです。
ですが、これは一面的な見方です。物の立場からその状況を見てみると、別の考え方もできます。
2つのケースを見ていきます。
買ったときから「もったいない運命」が始まっている物
3年ぐらい前に、衝動買いで買ったはいいけれど、数回着ただけで、たんすにしまってあるフリルのブラウスがあるとします。
値段は1万3千円でした。
ほとんど着用せず、引き出しに入れっぱなしなら、有用なのに、使っていない状態で3年たってしまった、ということです。
このブラウスの「もったいない歴史」は、ほぼ購入したときから始まっており、日々、その履歴を更新しています。
誰かがブラウスを着用しない限り、このままにしておくのはもったいないのです。
捨てるのが面倒だとか「いつか着るかもしれない」と思って、捨てないでいると、ずっともったいないままです。
「いつか着るかもしれない」の「いつか」はまず来ないので手元に置く理由にはなりません。
「いつか着る」という希望的観測より、「過去3年間着なかった」という事実のほうを重視すべきです。
このブラウスのもったいない状況を改善するためにはどうしたらいいのでしょうか?
1つは、今日から有効活用する、ということです。活用法としては、
●自分が着る
●家族に着てもらう
●ハサミを入れて人形の服にする
●クッションにリメイクする
などあります。
とにかくそのブラウスが引き出しから出る機会を与えるべきです。
もし家庭内において、誰も着る人がおらず、ハサミを入れるには、新品すぎて惜しい場合は、家の外に出す、つまり手放すことが必要です。
私はこの「手放す」ことを「捨てる」とか「断捨離する」という言葉を使って表現しています。
つまり「家の外に出す」ということです。
数日前に「不用品を家の外に出す」という行為に「捨てる」という言葉を使うのはおかしい、というメールをもらったので、ここで厳密に書いておきます。
その方は、「捨てる」とは自分で廃棄処分にすることだ、と書かれていました。寄付センターに持ち込むことには、捨てる心の痛みが伴わないから、誰にだって簡単にできる、とも。
私の辞書を見たら、「捨てる」の定義は、「不用のものとして、手元から離す、ほうる、投棄する」と書いてあったので、私の言葉の使い方は、間違っていないと思います。
それはさておき、人にあげたり、どこかに寄付すれば、またこのブラウスがブラウスとして活躍する機会が生じます。引き出しの中にいれておくよりは、もったいない度合いが減るのではないでしょうか?
だから、捨てたほうがいい、と私は主張しています。
途中でもったいない状態になった物
ほとんど着ないブラウスとは違って、昔はものすごく着用したものがあったとします。
たとえば、10年ほど衣装ケースに入れて、押入れにしまってある高校の制服など。
私には想像しにくいのですが、制服を捨てられない人がいます。
子供の制服をとっておく親御さんもいます。その理由は、
●思い出の品として
●子供の子供が使うかも?(まずありえません)
●親戚の子が使うかも?
●高かったから、なんとなく捨てられない
●もう使わない物は捨てたほうがいい、という発想が全くない。
●用が終わったときに、さっさと捨てなかったので、そのままなしくずし的に押入れの中に入れっぱなし。
この制服、今のところ誰も使っていないのだから、有効活用されていません。ということは、卒業したその日から、「もったいない人生」を歩み始めた、と言えます。
有効活用する方法としてはこんなことが考えられます。
●年に1回ぐらいはひっぱりだして、しっかり思い出にひたり、また収納する。
個人的に、「こんなことしてどうなる?」という活用法ではありますが、入れっぱなしよりはいいでしょう。
●ミニチュアの制服に仕立てなおしてもらって、ベアに着せてお部屋に飾る。
学校の制服、スポーツのユニフォーム、仕事のユニフォームを小さく仕立て直す商売が実際にあります。
ミニフォームと発想が似ている体重ベアというのもあり⇒親がくれた物を捨てたいのに捨てられない、そんな悩みの解決法。
●無理やり日常着として着てみる。
●ちょっとリメイクして日常着として着てみる。
●制服姿で出勤できる店に就職する(メイドカフェみたいなところでしょうか?)
これができないなら、やはり捨てたほうがいいのではないでしょうか?
思い出を残したいなら、写真にとったり、一部分だけ残したり、リメイクする、という手もあります。
思い出の品の捨て方⇒今度こそ捨てられる。思い出の品を断捨離する5つのステップ。
古い制服も、先のフリルのブラウスと同様、何もせず、放置していたら、やはりもったいない状態のままです。現在使っておらず、これからも使う見通しのたたない物を捨てることは、物を粗末にすることではなく、むしろ大事にする所業なのです。
捨てることで得られるものがたくさんある
使わないものを放置しておくのは、実はもったいないことである、という考え方が、少しはおわかりいただけたでしょうか?
不用品を捨てると、スペースが空くというメリットだけでなく、ほかにも得られるものがたくさんあります。
たとえば、
不用品を捨てることで学びが得られる
フリルのブラウスを捨てるとき、なぜそのブラウスが早々にたんすの肥やしになってしまったのか、考えてください。
よくある理由は、他にもたくさん服があるのに、衝動買いしてしまった、というもの。
ブラウスを捨てるとき、たいてい、「ああ、無駄にお金を使ってしまったよ。今後はもっと買い物に慎重になろう」と反省するでしょう。
断捨離すると、自分の過去の選択について考えることができるので、何も考えず、すべてをしまいっぱなしにしていると、この貴重な学びの機会が失われます。
そして、服の衝動買いという行動を何度も繰り返してしまいます。
不用品を持っていることで生じるコストを回避できる
いらない物をいつまでも持っていると、コストがかかります。
●不用品を収納するために使っているスペースに払うお金
●不用品を収納するために買う収納ボックスや、収納雑貨を買うお金
●不用品を管理するのにかかる時間
詳しくはこちら⇒多すぎるストックをただちに断捨離すべき理由。過剰在庫は資産ではない
使っていないものを捨てれば、このようなコストを回避することができます。
使わないものをしまっておくと、それだけでもったいないし、ずっと持ち続けると、それを維持、管理するために費用がかかるので、そのお金ももったいないのです。
いらない物をすべて捨ててしまえば、不用品管理に使うお金と時間を別のことに使うことができます。
そうしたリソースを必ずしも有効活用できるとは限りませんが、そのチャンスは生まれます。
所持品を減らし、小さな家に引っ越すことができたら、今より地球にやさしい生活になるでしょう。
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誰でも、断捨離中、「まだ使えるものを捨てるのはもったいない」「物を粗末にしている」という気持ちになると思います。
しかし、ここで、手を止めないでください。
「では今のままでいることは、もったいないとは逆の状況なの?」「捨てない私は物を粗末にせずに生きているのか?」
こんなふうに、もう一步掘り下げて考えてみると、また違った結論を導き出せるのではないでしょうか?