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多くの人が、似たような服を何度も買ってしまいタンスの肥やしにする理由を紹介します。
服には好みが反映されるので、なんとなく色が似てしまうのは当然でしょう。
ただ、デザインも色もそっくりな双子のような商品が増えてしまうことは珍しくありません。
なぜ、家に同じような服があるのに、新たに買ってしまうのか?
その理由を考えてみると、今後の買い方が変わるかもしれません。
1.セールの誘惑
最初に考えられる理由は、セールのお得感に負けることです。
本当は必要なかったのに、安さにひかれて「今買っておかなきゃ損」と思って買います。
似たようなものを選んでしまうのは、それが基本的に自分の好みの商品であり、「はずれない」という気持ちがあるからです。
「70%オフ」「本日限り」「残りわずか」。こんな言葉に誘われて買い物をしてしまうのは、人には損失を回避しようとする傾向があるせいです。
人は、得をすることよりも、損をしないことを重視します。
そのため、「私の好きな感じの服がこんなに安いなんて」「この機会を逃したら2度とこんなチャンスには出会えないかも」と考えて、家に似た服がある現実には目を向けません。
セール品は確かにお得に見えますが、買った後にほとんど使わなければ、それは無駄遣いです。値札の割引率ではなく、今の自分に必要かどうかを考えて買う決断をしましょう。
2. いつものクセで選んでしまう
衣類を買うとき、人は無意識に安心できる選択肢を選びます。ふつうは冒険しませんよね。
たとえば、普段からベージュやグレーの服を買うことが多い人は、店頭でも自然とその色に手が伸びます。形や丈、素材も、気づけば持っているものとそっくりなものを選んでしまうでしょう。
この行動の裏には、「失敗したくない」という気持ちがあります。
過去に着心地がよかった服や、自分に似合うと感じたアイテムは、無難で安心できる選択肢です。その結果、同じようなものを繰り返し買います。
「これ、持ってるのと似てるけど少し違うからいいかな」と思っていても、実際にはほとんど同じようなシーンでしか使えず、使い分けができないことも多いと思います。
そもそも衣類の数が多すぎると、買ってもあまり出番がありません。
3. 持ち物を把握していない
自分がどんなものをどれだけ持っているのかしっかり把握していないと、似たようなものを何度も買ってしまうことがあります。
服をたたんで収納していたり、季節外のものを別にしてしまい込んでいたりすると、その存在を忘れてしまいます。
その結果、店で目についたものを、「手頃な値段だし、あるといいかも」と考えて買います。
ワードローブをきちんと把握していれば、用途が重なってしまうものを買いすぎないので、目で見える形で確認できるよう記録しておくといいでしょう。
記録の仕方はいろいろあります。
私は全体的に数が少ないので、すべてハンガーに吊るしていつでも見えるようにしています。ハンガーにかける収納ができないときは、写真に撮ったり、ノートやスマホでリストを作っておくといいですね。
プロジェクト333というファッションプロジェクトをして、そのシーズンに着る服を制限するのも、手持ちの服に意識を向けるいい方法です⇒ミニマリストらしいファッションの選び方。プロジェクト333のすすめ。
まずはしっかり在庫を調べてください⇒徹底的に在庫を調べる:本気で服の買いすぎをやめたいあなたへ(その2)
4. 着倒す意識がない
まだ着られる服があるのに、新しいものが欲しくなるのは、すでに持っているものをしっかり使い切る意識がないせいかもしれません。手に入れたものをしっかり使うようにすれば、似たような服が家にたまることはありません。
私たちはどちらかというと、いつも新しい服を手に入れることを優先して、すでに買った服をちゃんと着ることは後回しになっているのです。
雑誌やメディアでは、新発売の服やさまざまなコーディネートを見せることはあっても、手に入れた1着をとことん着ることはあまりしません。だから、自分が意識して着用回数を増やすことが必要です。
ファッション業界には、#30wears(30回着よう)というサステナブルな生活を目指したムーブメントがあります。
死ぬほど素敵なファッション(TED)おしゃれで安い服の大きな代償。
購入価格を着用回数で割って、着用単価を出したりするのも、着ることに意識を向ける一つの方法です。
5. 「ちょっと違うからOK」と思い込む
手持ちの服とよく似ているけれど素材やディテールが違うからべつに買ってもいいと考えることもあります。
「色のトーンが少し違う」「微妙にデザインが違う」「ボタンの位置が少し違う」「丈が数センチ違う」。
少しでも違えば、当人にとっては別の服。だから買ってもいいのです。
バリエーションが多いほうがおしゃれを楽しめると考えていたらなおさらです。
確かに全く同じではないかもしれません。ですが、実際に使う場面を想像すると、どちらも同じようなシーンで着る可能性が高いです。そのとき、合わせるアイテムも同じです。
ディテールが違うといっても、着心地も、遠くから見た感じもたいして違わないのではないでしょうか?
つまり、ざっくり考えると「同じ服」です。
結局、いつも手に取るのは着慣れたほう、もしくは使いやすいほうです。新しいほうはたいして出番がないまま季節が変わってしまうかもしれません。
似たアイテムを買うときは、「持っているのと少し違うから買ってもいい」と考えるのではなく、ちゃんと使い分けられるのか、どちらも十分活用できるのか考えてから買ったほうがいいです。
特定の目的ができてから店に行くようにすると無駄買いが減ります
6. 買い物そのものが目的になっている
買い物のための買い物をするせいで、同じような服が何枚もたまってしまうことがあります。
服が必要だから買うのではなく、
・ショッピングをすると気分がスッキリする
・手軽にストレスを発散したい
・頑張った自分へのごほうび
・一緒に行った友人にお金のあるところを見せつけたい
こんな心理のせいで買っているとき、そのアイテムが必要かどうかは二の次です。似たようなものがすでに家にあっても、買いたい気持ちが先行します。
買う目的が、ものを手に入れて生活で使うことではなく、気分を上げることになっていたら要注意です。
後から「なんでこれを買ったんだろう?」と自己嫌悪に陥ったり、クレジットカードの支払明細を見て後悔したりすることが多いからです。
ストレス解消のために買い物をすると新たなストレスが生まれることをしっかり自覚しましょう。
7.いつか使うときのための保険として
すでに持っているものがだめになったときのために買う、いわゆる保険として買うことも、似たようなアイテムを増やします。
「前に買ったコート、すごくお気に入りだから」「バッグの持ち手が少しへたってきた気がする」などなど、今すぐ困っているわけではないけれど、将来に備えて、似たような代わりのものを手に入れようとします。
代わりのものなので、当然、新しいものはすでに持っているものによく似ています。
ただ、実際は古いほうもまだ使えるので、新しく買ったものの出番はそんなにありません。どちらも中途半端に残ってしまうこともよくあります。
お気に入りのものを切らしたくない気持ちはよくわかります。既製服なので、また同じものに出会える可能性もきわめて低いでしょう。
でも、市場には何千何万と衣類が出ているので「着るものがなくなる」とは考えにくいです。
気に入ったものはとことん着て、それがだめになったらまた次のお気に入りを探せば、それで十分だと思います。
◆関連記事もどうぞ⇒ついで買いが多すぎる:同じもの、似たようなものがどんどん増える理由(その3)
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同じような服を何着も買ってしまう心理を考察しました。
あまり服に思い入れを抱かず、実用品として割り切ると、どんどん服を買ってしまう生活から抜け出せるかもしれません。
そんなに着ない服をたくさん持つ暮らしより、手持ちの服を使い切っていく暮らしのほうが環境にいいし、満足度も高く、お財布にもやさしいですよ。