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ミニマリストは、「物がたくさんあっても幸せにはなれない」と言います。
それはなぜでしょうか? 私が思う、物をたくさん買いすぎる弊害を、7つ紹介します。
掃除が大変とか、お金がもったいないといった問題のその先にある恐ろしさを知ってほしいと思います。
買い物ぐせを改めたいとき、何度も読んでください。
1.すぐに色褪せる
買う前は、素敵に思える物も、いったん買ってしまうと、「そうでもないかも?」と思ったり、使っているうちに飽きたり、興味を失ったり、ということが、よく起きます。
これは私だけではないでしょう。
買い物で、一番楽しいのは買う前ではないでしょうか?
「ほしいな~」と思ってあれこれ考えているとき、雑誌で見ているとき、人が持っているのを見ているとき、店頭で見てるときの幸福度が100だとすると、実際に自分の物にした瞬間から、100 → 99 → 97 → 96 → 76 と幸福度が落ちていきます。
なぜそんなことが起きるのかというと
・手に入れた途端に興味が失せる(人は自分が持っていない物、手に入れにくい物を貴重だと思います)
・あきる
・もっといい物に目移りする
・そもそも物がたくさんあってありがたみを感じられない
こんな理由からだと思います。
物を買って楽しいのはその時だけ。それは長続きしないのです。
2.使い切れない
いま、先進国には物があふれていて、しかも、手軽に買えるため、たいていの人は物を持ちすぎています。
すると、使い切れないという問題が起きます。
化粧品、洋服、本、雑貨など目に見えるものだけでなく、読み放題、見放題、聴き放題など、デジタル上で消費するコンテンツも同じ問題をはらんでいます。
食品ならば食べきれない、飲みきれないとなるでしょう。
自分の体は1つだけだし、使える時間にも限りがあります。
物の消費に使う時間やエネルギーは有限なので、どんどん物を買ってしまうと、消費が追いつかずそれがストレスになるのです。
誰しも、何かを買えば、「大事にしよう」「有効に使おう」と思うものです。
しかし、新しく買ったものを大事にしようとすると、これまで使っていた物や、すでに家で待機していた物の出番がなくなります。
出番がなくなった物を見るのは忍びないものです。
じゃあ、そういう物は捨てればいいのかというと、ふつうは捨てません。「もったいない」と思ってしまうから。
誰も使っていないけど、「捨てるのはもったいない物」、つまり使い切れない物が家にたくさんあるために、皆、「断捨離したい」とか「収納法を知りたい」と思うのです。
そしてまた新たに、収納グッズや片付け本といった物を買います。
3.終わりがない
きょう、最新のガジェットを買ったとしても、数カ月後にはべつの最新のガジェットが発売されます。
自分ではベストの物を買ったつもりでも、市場にはもっとよさそうな物がどんどん出てきます。
以前、着心地のいいパジャマを求めてたくさん買ってしまう、というメールをいただきましたが⇒ミニマリストになりたいけど、買い物もしたいという悩みにはこう対処する。
物で、満足感や幸福感を得ようとしていると、こういうことはよく起きるのです。
買ったばかりの服を着て、るんるんと外出しても、友だちがもっと素敵な服を着ていてがっかりしたり。
すべての物を集めることはできないし、物が発売されるペースに合わせて買い替えることもできません。
物をたくさん買って幸せになろうと思ってもきりがないのです。
それはあたかも、回し車にのっているハムスターのようなもの。自分では楽しいと思っているかもしれませんが、何者かに走らされているだけです。
4.失う恐怖
何かを手に入れると、それを失う恐怖もついてきます。
消しゴム、タオル、ソックスなどを失う恐怖は、そこまで大きくないかもしれません。
けれども、こういう物を捨てられない人はたくさんいます。
タオルを捨てられない人⇒私がタオルをためこむ理由(前編)
捨てられないということは、失いたくないと思っているわけで、そこにはしっかり恐怖があります。
貴金属、家、車、高価なサービスなどを購入してしまうと、その恐怖はもっと大きくなります。
以前、ホテルのタイムシェアを手放したいけど、手放せない、というお便りをもらったことがあります。
こちらで詳しく紹介しています⇒使っていないサービスをやめるススメ。各種会員になりすぎていませんか?
人間は、ふつうに生きているだけで、先のことがわからないことからくる漠然とした恐怖を抱いているものです。
それだけでも、人によっては大きなストレスになるのに、物をあれこれ買ってしまうと、ストレスの元がさらに増えます。
それがどうしても必要な物ならまだしも、なんとなく気分で買ってしまった物や無料でもらってきた物のために、恐れるなんて、ばかばかしいと思いませんか?
5.メンテナンスの手間
物を買うとついてくるのは、失う恐怖だけではありません。管理する手間ももれなくついてきます。
「いえ、私は買っても、そのまま押入れやクローゼットに入れっぱなしで管理なんかしていませんよ」という人がいるかもしれません。
自分はメンテナンスしなくても、遅かれ早かれ誰かがそれをやらねばなりません。
自分が死んだあとに、子供が始末をつけてくれるかもしれませんし、遺品整理業者がやるのかもしれません。
そこに置きっぱなしということはできないのです。
放置できるのは、生分解性のあるものぐらいです。
微生物が分解してくれる物だったとしても、分解にいたるまでに、時間がかかるし、小さな虫がうようよやってきたり、異臭が放たれたりして、何らかの関与をせざるを得ない状況になるものです。
物を管理する手間について⇒もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。
6.物に行動を左右・制限される
ショッピングを楽しみすぎて、物をいっぱい持ってしまうと、行動を制限されます。
物がたくさんありすぎるせいで、心身ともにのびのびと生活できないのです。
たとえば、ソファやベッドに物を起きすぎて、寝るとき、座るときに、いちいち物をどけるという余分な動作をしなければならないとか。
日当たりのいい部屋が物置き部屋になっているせいで、自分たちは、日当たりの悪い部屋で寝起きするとか。
物でいっぱいだから、気軽に友だちや業者を呼べないとか。
家具と物のせいで、体を横にしないと、通行できない場所があるとか。
物のせいで気分が悪くなることだってありえます。
先日、ダイニングテーブルの上が散らかっていて何とかしたいというお便りをいただきました⇒ダイニングテーブルの上がいつも散らかっていてイライラするなら。
質問者さんは、「こんな状況です」とテーブルのあるリビングルーム(だと思う)の写真を送ってくれました。
そこには大きなテーブルと本箱、そしてなぜかホワイトボードがあり、私には、居間というより、学習塾の一室に見えました(ご主人はとても教育熱心だそうです)。
1つの部屋を多目的に使うのは、いいことだと思いますが、ここでご飯を食べても、気分転換できないし、消化に悪いとすら思います。
私も自分の寝室(もと娘の部屋)で、ノートパソコンを使って仕事をすることがありますが、寝る前には、すべてをしまいこむので、何もない部屋となり、リラックスできます。
7.やりたいことができなくなる
物をたくさん買いすぎると、1~6に紹介した要因、その他のことがや、同時に働いて、肝心なことができなくなります。
・物を買いすぎてお金が残らない⇒やりたいことに使うお金がない
・物の管理に時間をとられる⇒やりたいことをやる時間がない
・物のせいで行動を制限される⇒好きなように行動できない
・物がたくさんありすぎて気が散る⇒やりたいことに集中できない
・買い物に時間とエネルギーを奪われる⇒やりたいことをするエネルギーが残らない
・常に「次に買う物」のことで頭がいっぱい⇒肝心のことを考えることができない
一言で書くと、買い物や物のせいで、気が散ってしまうのです。
何かをやりたいときは、ある程度、その「何か」に、自分のリソース(時間、エネルギー、意識、お金など)を集中させる必要があります。
物がいっぱいあると、ただでさえ、気が散ることが多い世の中で、ますます気が散ってしまい、ストレスも増え、手軽にできる気分転換(買い物です)をしながら、なんとなく、その時だけ楽しいことをやっていけばいいかな的な生き方に流れてしまう可能性が大きいのです。
これは、けっこう恐ろしいことではないでしょうか?
人生は1度きりですから。
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物をたくさん買うと不幸になる理由を7つ紹介しました。
私の経験では、物をたくさん買い集めるよりも、自分の人生に本当に価値をもたらしてくれそうな物を、厳選して買ったほうが、結果的に生活は豊かになります。
過ぎたるは猶及ばざるが如し、です。