あめを数える子供

ミニマム思考

最終更新日: 2018.09.13

足りないマインドがあると、物が増え、片付けもできない理由。

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あれも、これも足りない。こんなふうに思う「足りないマインド」のせいで、物が増え、捨てることもできない理由を5つ紹介します。

家の中に物がありすぎて、息苦しいからなんとか断捨離したい。だけど、うまく捨てられないし、気がつくと、また物が増えている。

こんな人は、もしかしたら、「足りないマインド」の持ち主なのかもしれません。

まず、足りないマインドとは何かお話します。



足りないマインドとは?

足りないマインドとは、自分のまわりにあるものについて、常に、足りない、と考えることです。

お金も、時間も、食べ物も、洋服などの持ち物も、友達も、給料も、仕事も、人からの称賛も、Facebookのフレンドさんや「いいね!」も、愛情も、幸福も、運も、スキルや能力も、子供の成績も。

2016年の夏に、貧乏人になってしまうマインドセットとして、足りないマインドを紹介しました。そちらで詳しく書いているので、このマインドセットが初耳の人は、読んでください。

こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?

貧乏人の「足りないマインド」から金持ちの「たっぷりあるマインド」へ変換する方法。

この、「すべてが足りない」という考え方は、お金との付き合い方だけでなく、人生全般に大きな影響を与えます。今回は、特に、物だらけの部屋を片付けるさいに、どんなふうに、この思考が邪魔をするか、5つに分けて紹介しますね。

足りないマインドを持っていると、こんなことが起きます。





1.物を買いすぎる・ストックしすぎる

足りないマインドのせいで、買い物が増えます。これはわかりやすいですね。

「まだ足りない」と思っているから、もっと買う。だから家の中の物が増える…こんな状態です。

消耗品をストックしすぎる人は、「家にある分だけでは足りない。だからもっと買おう」と思っているか、(自分のお金はいつも足りないので)「セールで安いから買っておこう。そうすれば、自分のお金から減るぶんが少しですむから」と思って買っているわけです。

もう2度と手に入らないかもしれない、レアものだから、季節限定商品だから、廃番商品になったらいやだから、という恐怖から、物を買い過ぎてしまう人も、「足りない」と考えています。

先のことなんて誰にもわからないし、なければないで、なんとかなります。

「これだけあれば十分だ」「もう私は必要なものは全部持っている(しっかり足りている)」と思うことができれば、大量ストック買いや、大人買い、爆買い、買いだめといった行動をせずにすみます。

ストックを買いすぎるクセを直すには?⇒買えなくなるのが怖くて買いだめする人へ。ストック癖を治す5つの方法。

2.不用品なのに捨てない・手放さない

「自分の所持品は、つねに足りない」と考えているので、どんなにたくさん物があっても、捨てません。たとえ、誰一人、使っていない物でも。

アイスクリームやコンビニのお弁当についてくる、スプーンや、割り箸、しょうゆの小さいパックなどを、ためこむ人がいます。

なぜ、ためこむかというと、「家にあるスプーンだけでは足りない」と考えるからです。

本人はそんなふうには自覚していないかもしれません。「このスプーンがあると、旅行のとき便利」とか、「工作に使えるかも」などと考えているでしょう。

けれども、「明確な使いみちは思いつかないが、あったほうがいい」と考えるのは、「家にある分だけでは、足りない」と思っている証拠です。

使っていない物を、「高いお金を出して買ったからもったいない」と手放さないのも、手持ちのお金は自分が生活していくために十分ではないし、これからもお金が入ってくる見込みはない(あっても足りない)、と考えているからです。

最近は、昔よりも、過剰包装やゴミ問題がクローズアップされているから、不要な物は、店頭で断る人が増えているかもしれませんね。レジ袋も有料のところが多いですし。

私が、子供のころは、おまけのスプーンやらをためこむ人はたくさんいました。

私自身が、捨てませんでしたからね。ショップの袋は、腐るほど持っていたし、洋服についていた、替えのボタンや、修理に使えるはぎれも、ためていました。

最近の服には、ボタンや布切れはついてこないから、増えません。

そういう意味では、おまけをためこむ人は、減っているかもしれませんが、いまでも、ホテルのアメニティグッズを持ち帰る人は多いんじゃないでしょうか?

家にある物だけでは足りないので、とりあえず無料でもらえる物は、どんどんプラスしてしまうのです。

3.競争して物を買う

足りないマインドが、成功やキャリア、人の幸福に作用すると、競争心の強い人になります。

誰かが成功したり、出世したり、幸せそうにしていると、もう自分の分は残っていない、と考えてしまうからです。

強い競争心が、つねに悪いとは言い切れません。負けず嫌いのせいで、すごくがんばって、すばらしい業績を残したりすることもありますよね。

けれども、幸せの尺度が、お金や物で測られることが多い世の中だから、勝ち負けにこだわる人は、お金や物を集めることに走るものです。持っている物で勝ち負けの勝負に出るのです。

みんな持っているから自分も買う、隣の人が持っているから私も買う、友達が1つ買ったから、自分は2つ買う、という具合です。

いま、SNSがあるので、競争する相手は次から次へと出てきます。どんなに買っても、集めても、「まだまだ足りない」となります。

かくして物はどんどん増えます。

もともと、競争に勝つために買った物なので、使いみちなんてありません。買ってしまった物は、家の中でガラクタとなります。

2番に書いたように、ガラクタを手放すこともできません。

見栄を張って、物を買い過ぎてしまうのも、競争心が強いからかもしれませんね。

あるいは、「いまの自分は十分ではない、足りない」と感じているから、物を買い集めて、自分の魅力や、価値を底上げしようとしているのかもしれません。

見栄を張らない方法⇒見栄っ張りをやめて身の丈に合った暮らしをする6つのヒント。

4.ストレスから買い物をする

足りないマインドを持っている人は、何をしても、欠乏感にさいなまれ、ストレスの多い暮らしをしています。そのストレスを買い物で発散するので、物が増えます。

何をしても、どこまでいっても、自分には、足りないものばかり、満たされない、楽しくない、と思っている人にとって、買い物ほど、手っ取り早いストレス解消法はありません。

いまは、安くてかわいい物や、素敵な物がたくさんありますからね。

また、自分にはお金や、時間、スキルが足りない、と思っていると、人に手を差し伸べない、自己中心的な人になりがちです。人の役にたつ発想がないわけです。

このような人は、周囲の人と友好的な関係を結ぶことができないため、たいてい不幸な気分で過ごしています。

友達がいなくて寂しい、とか、誰からも認めてもらえなくて悲しい、といったネガティブな感情から、買い物依存になっていく人はたくさんいます。

心の中にぽっかり穴があいているから、手軽に幸福感を味わえるショッピングでいやすのです。

買い物でハッピーになれる話⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。

ストレス解消のために、買い物をしているのですから、買っても使いみちがありません。かくして、家の中に死蔵品が増えていきます。

5.変わろうとしない(現状維持)

足りないマインドを持っている人は、新しいことをするのが嫌いです。コンフォートゾーン(自分が快適でいられる空間、領域)にしがみついています。

新しいことにチャレンジするには、時間も、お金も、スキルも、能力も、気力も、環境も足りない、と思っているからです。

部屋に物がたくさんあることに気づいていて、少し捨てれば、身軽になれると知ってはいても、新しい生活・新しい行動に向かうことができません。

かくして、きょうもきのうと同じ汚部屋の中で生活します。

変わりたくないから、不用品でも捨てたくありません。買い物習慣を改める気もありません。相変わらず、物を増やす生活を続けます。

足りないマインドの弊害はたくさんありますが、この「変わろうとしない」「新しいことを始めない」「前向きになれない」という態度は、その人の人生に、特に大きなインパクトを与えます。

自分は変わりたくなくても、この世の中はどんどん変わっています。周囲の人も変わります。万物は流転しています。

そんな中で、かたくなに、同じ場所にとどまろうとするのは、無理があります。

変わりたくないと思っている人にとって、変化の激しい社会は、大きな重荷です。一方、変わることをいとわない人にとっては、人生はたくさんの可能性に満ちた、楽しい冒険となります。

人は変わる話⇒人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)

*****

今回は、「足りないマインド」を持っていると、暮らしをシンプルにしにくくなる話を書きました。

幸い、「足りないマインド」は、マインドセット(考え方)にすぎないので、自分で変えることができます。

不用品を捨てずに、ためこむ理由が、自分の足りないマインドにあると気づいたのなら、「たっぷりあるマインド」に変えればいいですね。

実際、たっぷりあると思うと、わりとなんでも、たっぷりあります。特に日本のように、物があふれている社会においては、たっぷりすぎるほどです。





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