セーターのコレクション

ミニマム思考

もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。

いまは全然着ていない洋服、使っていない家具、食器だけど、値段が高かったから捨てるのはもったいない、もったいなくて捨てられない。持っていれば、そのうち使うときがあるかもしれないし。

部屋が片づかないのは、こうした「もったいないから捨てない選択」をして、不用品をいつまで持つ続けるからです。

実は不用品を持ち続けるほうがもったいないのですが、私の母を含め、この点を納得しない人がたくさんいます。

この記事では、いらない物を持ち続けるせいで、失ってしまう貴重なものを1つずつ紹介します。

ここが腑に落ちれば、すでに使ってしまったお金に対する未練をすっぱり断ち切ることができるでしょう。



着ないけど値段が高かった服

もったいなくて捨てられないものには、いろいろありますが、ここでは、価格が高かった洋服を例に話をすすめます。

いまはファストファッションがあるから、洋服の値段は下がっていますが、私が若かったころは、デザイナーズブランドの服が人気を集めていて、今思うと、かなり高かったです。

カナダに来る前に、私は、いらない服の大半をリサイクルショップに持っていきましたが、それでもまだ数着、「高かった服」を実家に残しました。

その理由は、「高かったから処分するのはもったいない」「ものがいいから、捨てるのはもったいない」「どれもまだとてもきれいだし」、こんなところです。

当時はまだ、ミニマリストの思考になっていなかったので、着ない服をそのまま持ち続けることに対して問題を感じていませんでした。

では、次から、こんな私が失ったものを見ていきましょう。





スペース

不用品が奪うもののうち、一番わかりやすいのが保管場所、スペースです。

洋服だったら、タンスやクローゼットの一角ですね。私の服は私の部屋にあった洋服ダンスと、裏の部屋に置いてあったハンガーラック(洋服をかける棒、パイプが主体の収納家具)におさめられていました。

洋服ダンスもハンガーラックも場所を取ります。

私の実家の部屋は6畳ぐらいですが、高さも幅もでーんとあるあの洋服ダンスがなかったら、どれほどすっきりするだろうか、と思います。この洋服ダンス、まだ私の部屋にありますが、現在、中はほぼからっぽです(電気蚊取り器やらが入ってます)。

不用品にスペースを取られると、居住空間が狭くなり、置き場所によっては、行動の自由を制限されます。

窓やドアを完全に開けることができないとか、身体を横にしないと通れないとか。ぶつかったり、つまづいたりすることもあります。

家具が日差しをさえぎり、風の通り道を塞ぐこともあるでしょう。

本当に大事な物を収納するために、スペースを使っているのならまだしも、いらない物のために、自分が縮こまって暮らすなんてとても変です。

それぞれのスペースには、お金もかかっています。家賃、住宅ローン、固定資産税など。そのスペース、決してただではないのです。

管理する労力と時間

私の洋服は実家にあったので、直接管理をしたのは母です。

母はこんなことをしなければなりませんでした。

・防虫剤を買ってきて、洋服ダンスに入れる

・洋服をクリーニング屋さんに持っていき、終わったら取りに行き、ビニール袋をはずし、針金のハンガーからはずし、ふつうのハンガーにかけなおし、タンスやハンガーラックに並べる

・ときどき、タンスの扉をあけて風を入れる

持ち主がその家に住んでいなかったので、このぐらいの手間ですみましたが、通常は着ている服と着ていない服が混在しているため、管理の手間はもっと複雑になるでしょう。

服がたくさんある人は衣替えをしたり、衣替えしないまでも、季節に応じてしまい場所を調整しなければなりません。

新しい服を買うたびに、現在の収納スペースを見直し、服を整理し直したりするでしょう。収納スペースが足りなくなり、新たな収納法を検討する必要も出てくるかもしれません。

収納の読む、片付いた部屋の写真がいっぱいのっているムックや本を眺めるなど、情報収集にかける手間も忘れてはいけません。

私は、いま、片付け本のたぐいはいっさい見ませんが(掲載誌をもらったら見るぐらい)、そもそも物がそんなにないので、片付け方に関する情報を探す必要がないのです。

管理するのにかかるお金

物の管理にかかるのは手間だけではありません。お金も必要です。

スペースにお金がかかる話はすでにしましたが、それ以外にも管理するための物やサービスを買う代金が発生します。リアル店舗に買いに行くのであれば、交通費もいるし、ネット通販なら送料も必要です。

洋服の管理に必要なものにはたとえば、こんなものがあります。

・衣類を収納する家具(洋服ダンス、ワードローブ、ハンガーラック、タンス、チェスト)

・衣類を収納するもの(収納ケース、収納ボックス)

・ハンガー

・防虫剤

人によっては

・洋服カバー

・リネンスプレー、ファブリックミスト(アイロンをかけるときにスプレーする)。

・特殊な洗剤(おしゃれ着用中性洗剤)

・アイロン、アイロン周りのグッズ

・部屋干し用ネット

・クリーニング屋さんに服を持っていくときに使う大きなトートバッグ

・クリーニング代

問題は、今は、収納グッズやハンガー、洗剤それぞれの物に、たくさんの種類があることです。みんな必要な物はすべて持っているため、現在のメーカーは、ニッチ商品をたくさん開発製造しています。

ニッチ商品とは、特定の需要や客層のためだけの、小さな市場むけの商品のことです。ニッチは英語のniche(発音はニーシュ)のことで、もともとは壁のちょっとへっこんだ部分やくぼみを意味します。

ニッチは「市場のすき間」で、これまであった製品やサービスが対応してこなかった、小さなマーケットですが、その分、収益がたくさん見込まれる市場です。

5本指ソックスは、以前はニッチ商品だったと思いますが、最近は、客層が広がって、無印良品にも売っていますね。

ニッチ商品の中には、かゆいところに手が届くような、「なんでこれまで誰も作らなかったの?」と思う便利な商品もあります。しかし、そもそも需要なんてないのに、「なんとなくあると便利そうに思わされてしまう商品」もたくさんあります。

誰も着ない服を管理するために、ニッチ商品(便利グッズ)にお金をたくさん使ってしまうことは、充分考えられるシナリオです。

心のエネルギー

不用品を持つと、スペースが奪われ、管理に手間や時間、お金がかかるだけではありません。

一番もったいないのは、心のエネルギーを奪われることです。

何をするにも、人は、あれこれ考え、悩み、選択します。つまり気苦労が伴うのです。

着ない洋服の場合

・どこに収納しようか?

・どんなふうに収納しようか?

・新しい家具、いるかな?

・いや、家具は高いし、地震も怖いよね? 収納ケースだ。

・どの収納ケースを買えばいいのかな?

・収納ケース、どこに置けばいいの?

・収納ケース、どんなふうに並べればいいの?

・並べ方がわからないから、インテリアの本買わなきゃ。

・どの本を買えばいいの?

・インテリア本より、ミニマリストの本かしら?

・いや、収納ケース、買っちゃったから、本を買うのはやめとこう。図書館だ、図書館。

・家から一番近い図書館ってどこだっけ?

・図書館、なんかたくさんあるな。駐車場が広くて、児童コーナーが充実してて、できれば、帰りに買い物もしたいから(ここで検索する)。

・は! 図書館じゃなくて、服だ、服。服の整理のこと考えてたんだ、もうタンスの中、ぎちぎちで、はみ出してるし。

・衣替えすればいいんだ。着ない服は、箱に入れて、タンスの上に置くか。

・で、衣替えはいつする?

・ていうか、しまう前に、洗濯しておいたほうがいいよね。虫がつくといやだし。

・おしゃれ着の洗濯ってどうするの?

・洗剤はどれを使えばいいの? 

・衣替えじゃなくて、模様替えすればいいのかな?

こんなふうに、考えることが次から次へと出てきます。

いまは、情報過多ですし、多くの人が、スマホを持ち歩いているので、すぐに調べることができ、調べだしたらきりがなく、決めなければいけないことも、雪だるま式にふくれあがり、それがストレスになります。

選択肢が多いと疲れる話⇒バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?

私たちは、ほかにも考えるべきことがたくさんあります。着ない服のために、どんどんメンタルエネルギーを使うのは、もったいないと思いませんか?

着ない洋服が並んでいるのを見ると、ちゃんと使っていないことや、お金を無駄にしたことに罪悪感を感じます。

これまた、心のエネルギーの無駄遣いです。

それだけの代償を払う価値があるのか?

人生は長いようで短いです。私がカナダに来たのは37歳になる直前でしたが、気づいたら60歳になっていました。

カナダに来てから23年間も生きた実感などありません。

本当に、ふと気づいたら60歳の初老の自分になっていたのです。

2019年もすでに8月になっています。

時間の流れの早さに驚くのは、私だけではないでしょう。

人生は1度しかないし、長生きしたとしても、せいぜい90年ぐらいでしょうか。

時間は限られているのに、すでに使ってしまったお金に未練がましく執着し、その結果、しなくてもいい家事をし、しなくてもいい心配をし、買わなくてもいい物にお金を使う。

これこそ、一番もったいないことではないでしょうか?

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もう着ない服、だけど捨てるのはもったいない、そんな時の思い切り方。

高かった服を捨てるのはお金を捨てるような罪悪感があり、捨てられません。

「値段が高かったから」といって捨てないとガラクタは増える一方~断捨離マインドを鍛える

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*****

人生は使わない物を、後生大事に抱え込むためにあるとは思いません。

もったいなくて、服/食器/家具/文房具etc.が捨てられないと思ったら、この記事を読み直してください。





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