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思い出の品が捨てられず、たくさんためこんでいる人のために、さらに一步踏み込んだ断捨離法をお伝えします。ポイントは、その品物に自分がどんな意味付けをしているか、検証してみることです。
1.思い出の品と向き合う
定期的に思い出の品を見直すことが大切です。
多くの人は、お土産や記念品、昔使っていた大事な物を、とりあえず箱に入れて、押入れの奥や、屋根裏、物置など、ふだんは目にふれない場所にしまっています。
こうすると、そのまま存在を忘れてしまい、ずるずるとガラクタ化します。
自分の誕生日、子供の誕生日、結婚記念日など、よく覚えている記念日あたりに定期的にチェックするといいかもしれません。
目の前に出して、改めて見てみると、「ああ、もう、これはいらない」とわかります。
たいていの人は、すぐに捨てるの嫌なので、捨てなくてすむように、そのまま箱に入れてしまうのです。「これは大事だからちゃんとしまっておこう」という理由から収納するのではなく、捨てる気になれないので、箱の中に入れているのではないでしょうか?
機会を作ってきっちり品物と対峙してください。
なんとなく部屋の中にある思い出品や古い物も同じです。ふだんは光景の中になじんでしまい忘れています。時間を作って、そういう物と向き合うべきでしょう。
これだけで、かなりの物が捨てられると思います。
2.思い出す感性を強化する
思い出の品とは、過去のできごとを思い出させる物のこと。過去にあったいろいろなことを思い出すよすがとして、取ってあるわけです。
記念品やお土産をキープする究極のゴールは、のちのち、それらの品を見て、以前あったことを思い出して楽しみたい、ということですね。
思い出の品がたくさんある人は、将来、量的にたくさんのことを思い出したい、という意図があると思われます。
1つの思い出を大事にするのではなく。
その場合、品物をキープするよりも、思い出す能力を強化したほうがいいのではないでしょうか?
日々の雑事に追われていると、なかなか昔のことを懐かしむチャンスがありません。不安や心配ごとが多くても、のんびり思い出にひたることができないでしょう。
物が多いと、管理に時間や体力を取られるし、ストレスも増えます。記念品を大量に持ち続けるのは、思い出す力をアップしたり、実際に思い出すという行為をするためにはむしろ逆効果です。
多すぎる物は人の感受性を損ないます。
昔、まだ写真がなかったころ、人は日常の感動を和歌や俳句に詠みました。
写真や動画を撮るという行為に気を取られなかった分、感動を与えてくれる対象に没入して、濃厚な体験をしたと思われます。人々は、そのときどきの気持ちをシンプルに歌に残しました。
物に頼っていると、むしろ感性が鈍るのではないでしょうか?
できるだけ濃厚な思い出を、たくさん思い出したいという気持ちがあるなら、物を集めるよりも、感性を磨いたほうがいいのです。
3.自然に湧き上がる思い出を大事にする
私は思い出の品的なものは子供の写真ぐらいしか持っていませんが、ふだん写真を見て、郷愁にふけるということはあまりありません。
日々の生活のなかで、何かのきっかけで、思い出すことのほうが強烈な感覚を伴っています。
物を見て、昔のことを思い出すのではなく、全然別のことを考えていて、「そういえば、昔こんなことがあったっけ」と記憶が蘇ってくるのです。
思い出の品をたくさん持っていて、しまいこんでいる人も、ふだんは、こんなふうに過去のことを思い出しているのではないでしょうか?
物を見て思い出す記憶より、記憶が淘汰した思い出を大事にするほうにシフトすれば、そんなに記念品はいりません。
思い出の品が消えても大事なこと、覚えておきたいことは心の中に残っています。捨てると思い出がなくなるわけではないのです。
古い写真を見て、そのできごとを思い出すのは、これは意識的に思い出す作業です。
楽しかった学生時代のことや、やさしかったおばあちゃんのことを思い出したいときに、写真を使うのはいいと思います。
しかし、記憶を引き出すきっかけを作るものとして記念品を持ちたいなら、そんなに数はいりません。品物を写真にして残したり、2番で書いたように、和歌や俳句を詠んで、手帳に書きつけておいても、思い出すきっかけになるでしょう。
4.記念品の賞味期限を意識する
食べ物のように賞味期限が決まっていない物でも、物として使うタイミングがあります。
私はシールを使うタイミングを逃して、何年もしまい込んでいました⇒くさらない物も賞味期限を過ぎればガラクタ~もったいなくてシールが捨てられなかった愚か者の独白
いつまでも(できれば永遠に?)とっておきたい、思い出品にも賞味期限があるのではないでしょうか?
なぜなら、自分のまわりの状況も、自分が考えていることも、めざしていることも、月日の流れとともに変わっていくからです。
人は変わる話⇒人は変わり続ける。未来の自分に対する心理:ダン・ギルバート(TED)
それを箱に押し込んだ日には、大事だったかもしれませんが、3年後の今はそれが何か思い出せない物になっているかもしれません。
この世界で永遠に変わらないものは、どちらかというと有形のものではなく、無形のものだという気がします。
賞味期限があることを意識して、活用したり、整理したりすると、思い出の品がどんどんたまっていくことを防げます。
思い出品の活用の仕方⇒実例あり:今の生活の中で、もっと思い出の品を楽しむ5つのヒント
5.なぜその品物をいつまでも持っているのか考える
「これは思い出の品だから大事なの」とい理由で箱詰めされたのに、あまり大事な扱いを受けていない物がたくさんあります。
思い出品を引っ張り出して、なぜそれを自分は、いつまでも持っているのか、本当の理由を考えてみると捨てられるかもしれません。
意図的に収納している人は意外に少なく、多くの場合、1番に書いたように、単に「捨てたくないからとりあえずしまう、決断の先延ばし」ゆえにしまい込んでいると考えられます。
あるいは、その物の体現している物語を誤解しているケースもあります。
美しい思い出を運んでくれるはずだと思い込んでいるだけで、本当はそうでもない物をいっぱい持っているかもしれません。
以前こんなお便りをいただいたことがあります。Tさんからです。
沢山捨ててきました。今では家のなか、クロゼットの中、すかすかです。
冷蔵庫の中もガラガラです。
冷凍庫は機能上、食品はある程度、詰まっています。もちろん湯シャンです。歯磨きもクロスと歯ブラシだけです。化粧もしないので水で洗顔します。
そうなった理由は整理整頓ができない、面倒くさがり、そして、「ケチ」だからです。
ただ一つだけ手がつけられないでいる物が昔撮った写真(ネガ)です。段ボールに数箱にはいったままです。見る機会もありません。
筆子さんはどうしていますか? どんな考えをもっていますか?(子なし夫婦60歳と61歳)
わたしはこんな返事を書きました。
この記事にそのときのことを書いています⇒子供の写真はこんなふうに断捨離し整理しました~ミニマリストへの道(17)
ネガをいまだに残している理由は何でしょうか?
ご自身で納得できる理由があるのなら、取っておいてもいいかもしれませんね。
するとTさんから、「家族は私たち2人だけだから、どちらかが先に亡くなり、残されたほうが、写真を見て、涙ながらに偲ぶのか、と考えるだけで、悲しくなる。だから写真にはノータッチだった」という内容の返事をいただきました。
「どうせ写真はいずれ処分しなければならないし、今週から、少しずつ、昔を懐かしみながら整理する」ともありました。
人は、思い出の品に何らかの意味付けをしているから捨てられないのです。
しかし、その意味付けは、妥当なものでしょうか?
この点を考えると、今後の人生もそれを持ち続けるべきかどうか、判断しやすくなります。
思い出の品の捨て方に関する過去記事もどうぞ
あなたの家にもありませんか? 今すぐ捨てたほうがいい7つの記念品。
なぜ思い出の品まで断捨離しなければならないの?その理由は4つあります。
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今回は思い出品を捨てるときの考え方を5つ紹介しました。
思い出がいっぱいの品々は、特別扱いをして、断捨離の手がゆるむかもしれません。
ですが、思い出品は自分にしか価値がない代物。どこからその価値が発生しているのか見直してみると簡単に捨てられるのではないでしょうか?