多すぎる食器

断捨離テクニック

損切り精神が断捨離を加速する。さっさと損を確定して次へ行きたい。

今年もあと1ヶ月。大掃除を前に、断捨離をがんばっている人も多いと思います。

今回は、捨てられない物を捨てる気になる損切り(そんぎり)という考え方をお伝えします。



損切りとは?

損切りとは投資の世界で使われる言葉で、値下がりした投資商品(株式、証券、外貨など)を売り、損失を確定することです。

このまま持っていても、どんどん値段が下がるだけだから、早めに売ってしまうのです。

損失の拡大を防ぐわけですね。

とはいえ、今後、値段が上がるかもしれない証券もあります。「ここで売るともったいないんじゃない? もしかしてあとになったらもっと値上がりして得するんじゃない?」と考えて、損切りできない人もたくさんいます。

「少なくとも買ったお金は回収したい(元は取りたい)」などと思ったり。

そうやってずるずる証券を持ち続け、結果的にもっと損をすることがよくあります。

断捨離において、もう使っていない物を手放せないのは、「いやいや、ここで捨てるのはもったいない。もしかしたらあとで使うかもしれないし」と考え、スパッと損切りできないからです。

ですが、親の家の片付けをしたことがある人なら、「もしかしたら」や「いつか」は持ち主の希望的観測にすぎず、たいていの物はいつまでも使われず、ずっとそこにとどまってしまうのだ、という事実に気づいているはずです。

これまで使わなかった物は、これからも使わないのです。





小さく損して大きく得をする

損切りは損をすることではなく、小さな損を選んで、全体として得をする方向に持っていくことです。

物のたくさんある部屋で、「捨てたいけど捨てられないのよ」と悩み、何かを引っ張り出しては、「やっぱり捨てられない」と元の場所にしまう人は、損切りという考え方をすれば、もっとすんなり捨てられます。

もったいないから捨てられない」と思う人は、小さな得にこだわって、トータルで見ると損をしています。

目の前にある小さな物、たとえば、服、バッグ、靴、アクセサリー、食器、雑誌、本などの1つひとつに対する投資効果を最大にしたいと思うあまり、全体的に大損しているのではないでしょうか?

以前、サンクコストは回収できないという記事を書いたことがあります⇒高かったから断捨離できない?埋没費用はどのみち回収できません

サンクコストはすぐに回収できないものに投じた費用です。何かができあがって利益を生み出す前に、投資したお金ですね。

誰も使っていないバッグに使ったお金もサンクコストです。「もう使ってないけど、値段が高かったから捨てられない」と思うとき、その人は、バッグに対する投資効率を最大にしたいと願っています。

投資効率とは、投資に対する利益の割合です。自分が投じたお金に対して、最大の恩恵を得たい、つまり、得したい、と思うわけですね。

だから、「今は使ってないけど、いつか使うかもしれない」「もう私は使わないけど、孫が使うかもしれない」「メルカリに出せば高く売れるかもしれない」と、そのバッグが活用されるシチュエーションを無理やり考えだします。

ですが、このシチュエーションは、バッグに対する投資効率を最大にするために、いま、自分が強引に考えだしたことです。そのままではなかなか実現しません。

実現させるためには、また新たなリソースやエネルギーを投資しなければならないのです。

たとえば、

◯とりあえずバッグをきれいにしまう収納グッズやスペースを買うお金と時間

◯片付けのたびにバッグを出したり、しまったりする時間とエネルギー

◯オークションやフリマに出すための準備や実際の売買に費やされる時間、お金、そしてエネルギー

このようなリソースが必要になります。

私が断捨離をがんばっていたころ、よく読んでいた、「収納」するより「捨て」なさいという本には、「ムダなものはムダを再生産するだけ」と書かれています。

誰も使っていないブランドバッグを損切りしないばっかりに、これから新たにエネルギーを投入しなければならない作業を増やしてしまうのは、ムダがムダを再生産している状態です。

このバッグの損が確定されるのはいったいいつでしょうか?

生前整理や遺品整理のときかもしれませんね。

問題なのは、損切りできないのはバッグだけではない、ということです。

「いつか誰かが何かに使うかもしれないから」と反応してしまう人は、バッグだけでなく、服も化粧品も、シャンプーも趣味グッズもペットのエサも、駅弁についてきたおしょうゆのパッケージも、もう何から何まで、損切りせず、ため込んでしまうのです。

その損失は、いったいどれほどになるでしょうか?

損切り精神を発揮する3つのコツ

人は損をすることが嫌いな生き物なので、損切りするのは、それこそ「身を切られるほど痛い」と感じるかもしれません。

もしあなたが、「捨てるなんて絶対いやだ」「元だけは取りたい」「もったいなさすぎる」と強く思ってしまう、かつての私のような人ならば、以下のように考えると、軽やかに損切りしやすいです。

1.ものごとのポジティブな面を見るようにする

死蔵品なのに「捨てると損だ、もったいない」と考える人は、物ごとのネガティブな面を見るのが好きな人です。

「捨ててみると、流れが変わってもっといいことあるかもよ?」とは絶対思わないのです。

私はたくさん物を捨ててきましたが、捨てれば捨てるほど、暮らしが快適になり、ストレスも減り、お金も貯まるようになりました。断捨離している人はみな、そのように言っていると思います。

ネガティブな人は、いくらそういう言葉を読んでも、いざ自分が捨てるときは、「捨てる=損」という発想にがっつりはまり、てこでも動きません。

「捨てると後悔しそうで捨てられない」とか「後悔しない捨て方を教えてください」とメールで質問してくる人も、ネガティブ思考と言えます。

捨てる前から、「捨てると後悔するに決まっている」と思い込む、その気持がよくわかりません。

一応、後悔しない捨て方もご案内しています⇒後悔するのが怖くて捨てられない時、捨てる決断を助ける4つの考え方。

万が一後悔した場合でも、「後悔する気持ち」を捨てれば大丈夫です⇒捨てなければよかった。後悔の念を解消する6つのステップ

2.過去にとらわれない、未来を見る

過去に投じたお金や時間が、多ければ多いほど、捨てるときもったいないと感じるものです。

ですが、、過去のことはもう終わったこと。起きたことを変えることはできません。過去にとらわれすぎず、未来を見るようにすると、さくっと損切りできます。

過去に多大なる時間、お金、エネルギーを投入したコレクションは捨てにくいものの1つです。

以前、マスキングテープを収集していた人からメールをいただいたことがあります⇒集めすぎたマスキングテープを捨てる3つの考え方。やめる勇気を持て。

この方は、「ヤフオクにまとめて出すのはもったいない」と書いていました。1本、何万円もする限定品があるからだそうです。

その気持はわかります。しかし、こういうときこそ、損切り精神が必要ではないでしょうか?

過去の体験を今後にいかすためにも、損切りをして前に進むべきなのです。

コレクションを捨てたい方はこちらも読んでください⇒せっかく集めたから捨てられない?コレクションを少しでも減らす10の方法

3.全体的な目的に向かう

なぜ自分は断捨離をしているのか、究極のゴールをときどき確認すると、損切りすべき局面がよくわかります。

シンプルに暮らしたい、スッキリとした洗面所にしたい、と思っているのに、「もらったコスメのサンプルを捨てるのはもったいない」と感じてしまう人は、「木を見て森を見ず」状態にあります。

断捨離をする目的は、もっと快適に楽しく暮らすことであり、家にある細々とした物に対する投資効率を最大化するためではありません。

まあ、人によって、断捨離や片付けをする理由は違うと思いますが、いま、家にある物1つひとつの価値を、自分の手で最大限に引き出し、利益効果をどこまでもあげたい、と思っていると、なかなか暮らしはシンプルになりません。

1つひとつを使い切りたい、活かしたいと思うなら、まずは数を減らすべきです。

本人は「価値を最大限に引き出そう」なんて思ってはいないでしょうが、「もったいない、損をしたくない」と感じることは、つまりそういうことなのです。

そもそも、ただでもらったサンプルの「元を取る」なんて、できないですよね。

*******

今回は、断捨離をスムーズに行うために、「損切り」という考え方を紹介しました。

小さな損得にこだわっていると、全体がダメになります。「もったいない」と思ったら、「いや、損切りだ、損切り」と唱えて、捨てて前に進んでください。





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