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手帳やバッグなど、しっかり吟味して、好みの物を買っても、「ほかにもっといい物がある」と思ってしまい、買っても使わなくなる。
買い物の失敗が多いのを変えたい(という意味だと思います)という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアしますね。Nさんからです。
もっといい物があると思ってしまう
件名:もっともっと。
こんにちわ。
いつもブログ楽しみに読ませてもらっています。
今日はご相談したいことがあり、メッセージを書かせてもらいました。
一つ目は 私は物を買う時、いつもこれしかない!これがいい!と思って買うのですが、気付けばなんか違うなぁ、やっぱりもっと私に合ったものがあるかもしれない、と思って使わなくなってしまうことです。
例えば私は手帳が大好きなのですが、毎年手帳を買う時に、いろいろ下調べをして買うのですが、インスタグラムや口コミなどを見て、購入して使い始めてもなんだか違う、もっといい手帳があるかもしれないと思ってしまうのです。
またカバンも買う時はこれしかない!と思って買うのに、使うとなんだか違うなぁ、もっと万能に使えるカバンはないかなぁと思ってしまいます。
一生ものの〇〇と言いますが、それを探すあまり失敗ばかりを繰り返しているように思います。
このもっと~というメンタルを鍛え直した方がいいのか、また買い物をする時の心構えなどあればご教授ください。
よろしくお願いします。
Nさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
「もっともっと、というメンタルを鍛え直した方がいいのか?」というご質問ですが、答えはNさんの目的によって、変わります。
このメールでは、Nさんが何を問題に思っているのか、どこを改善したいのか、あいまいです。
Nさんのいまのゴールは、以下の4つのうちどれでしょうか?
1.一生ものをちゃんと見つけられるようになりたい。
2.買ったものに満足して、使い続けられるようになりたい。
3.買い物の失敗を減らしたい(具体的にはどういうことか?)
4.次々と新しい物に目移りするのをやめたい
ほかのゴールがあるかもしれませんね。いずれにしろ、目指す状態によって、対策が変わります。
ですから、まずは、自分がもっとも解決したい問題や改善ポイントを明らかにしてください。
ここでは、買った物に満足して、長く続けることができるようになる、というゴールを目指していると仮定して回答しますね。
以下に考え方と買い物の仕方について書きます。
1.一生ものや完璧な製品はないと心得る
一生ものは生涯に渡って使い続けることができる品物ですが、そのような物はないと思ってください。
自分が生涯に渡って使い続けることができるものは、自分の命(自分の時間)だけです。
Nさんの年齢がわかりませんが、80歳ぐらいまで生きると考えると、残り時間はあと50年ぐらいでしょうか?
そのあいだ、自分も自分を取り巻く環境も変わりますから、今後50年使い続けられる物を見つけることはとてもむずかしいです。
たまたま、50年持つものもあるかもしれませんが、それは意図してそうなったのではなく、幸運な偶然によって、そうなった、と私は考えます。
関連記事:
人の生活は変わるから一生ものなんて幻想なんだ:ミニマリストへの道(100)
一生ものを見つけよう、完璧なものを見つけようと思うのをやめれば、物に対する期待度がさがるので、多少不満があっても、そこそこ満足して使い続けることができるでしょう。
完璧なものはない話⇒完璧主義が人をしりごみさせる理由(TED)
2.いまの状態を受け入れ、そこでベストを尽くす
「隣の芝生は青い」ということわざを、聞いたことがあると思います。
これは元英語の The grass is always greener on the other side of the fence から来ています。
フェンスの向こう(つまり隣)の芝生は、いつも、より青く見える、つまり、人間は、他人の持っているものは、なんでもよく見えてしまう傾向がある、という意味です。
いまは、SNSがあるため、他人のものがうらやましくなる状況が増えていると思います。
単に自分が持っていないから、それは素敵に見えるだけです。
もし、Nさんが、いつも、他人のもの(まだ自分が手にしていないもの)や、ここではないどこかのほうがいいはず、と考えがちなら、それは気のせいです。
いま、自分が持っているものや、自分のいる場所に目を向けてください。
そうしないと何を買っても、どこに行っても、いつもそれよりいい物や、いい場所があると思い続けることになります。
3.たっぷりあるマインドをもつ
買った物を評価するときに、よくないところ、不便なところ、欠けているところ、問題点にばかり意識を向けるのをやめます。
不足な部分にばかり目をむける思考を、私は「足りないマインド」と呼んでいます。
こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?
足りないマインドを持っていると、何を買っても満足できず、次々と買い物をするはめになります。
もちろん、買ったあとで、致命的な欠陥や、どうしてもがまんできない不備に気づくことはあります。
そういうときは買い直すのは仕方がないです。
しかし、買い直す前に、足りないマインドに傾いていないか一度考えてください。
足りないマインドに傾きがちなら、日頃から。ものごとのよい面に意識を向ける練習をするといいですよ。
4.他人の物と自分の物を比べない
隣の芝生が青く見えがちな人は、人の物と自分の物を比較するのをやめたほうがいいです。
比べるから、むこうのほうがいい、と思えるわけです。
やたらと比べず、自分のものだけに意識を向けていたら、そこまで不満は出てこないでしょう。
Nさんは、インスタグラムや口コミを参考に、商品を選んでいるとのこと。
確かに、口こみは参考になりますが、万能ではありません。
いまは、SNSの投稿もショッピングサイトのレビューも操作されている(特定の意図にそって発信されている)ことがよくあります。
それに、他人にはよくても、自分には合わないということは、いくらでもあります。
こうした情報は、参考程度にとどめて、主体的に選ぶようにしてください。
何かを買ったあと、インスタグラムを見て、別の物が欲しくなることが多いようなら、インスタグラムは見ないほうがいいです。
5.現状をしらべて対策する
メールには、もっといい物があるような気がして、買った物を使わなくなってしまう、とあります。
これは具体的にどんな状態なのか、もう少し詳しく調べてください。
毎回、どのぐらい使った時点であきるのか(期間を明らかにする)、あきるわけではなく、ほかの物を見て欲しくなるのか、どこで、ほかの物を見るのか、どうして別の物がよく見えるのか、
使わなくなった物はどうしているのか? しまいこんでいるのか、捨てているのか? 捨てているなら、どのぐらい捨ててきたのか、捨てるとき、どんな感情になっているのか、
これまで何年ぐらい、そういうことを繰り返しているのか、など。
現状を調べると買い物のパターンや、次々と欲しくなる理由に気づけますから、望む方向に改善していくことができます。
6.使うことに意識を向ける
私も昔、すでにあるのに、新しい財布やバッグを買うことがありました。
一応、「もっと使いやすい物」を求めていたのですが、今思うとそれは単なる言い訳でした。
つまり、買い物をしたいから、「もっといい物を買う(そして、暮らしの質をあげる)」というもっともらしい理由を作っていただけなのです。
買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
私は、物を使うことではなく、買うことにフォーカスしていました。
Nさんは、私とは違うかもしれません。あくまで、生活の質をあげるために、前向きに、よりよい物を求めて、買い物に時間とお金を投資しているのかもしれません。
しかし、買い物を繰り返したいという気持ちがどこかにあって、そのせいで、せっかく買った物を使わない面があるなら、買うことではなく、使うことに意識を向けてください。
私、今年は、すでに家にある物を使うプロジェクトをしています。この記事が参考になるでしょう⇒死蔵品を作らないために、すでに家にある物を使う4つの戦略。
7.大事なポイントを押さえて買い物をする
何かを買うときに、どうしてもゆずれない大事なポイントを5つぐらい決めて、そのポイントをクリアできるものが手に入ったら、それでよしとする、というルールを作っておきます。
そうすれば、べつの物が欲しくなることはなくなるでしょう。
たとえば、手帳なら
・A5サイズ
・マンスリーのみ(ウィークリーのみ/マンスリーとウィークリーの両方あるもの)
・日曜始まり(月曜始まり)
・ページ数が多いもの
・2000円以内
こんなふうに、重要なポイントを先に出して、それにあった物を買うのです。
なお、1番にも書きましたが、この時、完璧主義に陥らないようにしてくださいね。
関連記事もどうぞ
過去に似た質問に答えているので、そちらもごらんください。
本当に必要なものと、欲しいだけのものを区別する方法を教えて。
ミニマリストになりたいけど、買い物もしたいという悩みにはこう対処する。
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現代は、物質主義、商業主義、大量消費の時代なので、ショッピングに、意識、時間、お金という自分のリソースを、必要以上に注ぎ込んでいる人が多いと思います。
何かあるたびに、「買い物しよう」「あ、あれを買おう」「これを買おう」「それがないとだめだ、買おう」と自動的に反応してしまうのです。
人生、買い物以外にもすることはあります。買い物や消費という行為にエネルギーを注ぎすぎないようにすると、次々と物が欲しくなる気持ちもおさまるでしょう。