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不用品を捨てるメリットを教えてくれるTEDトークを紹介します。
タイトルは、The key to a good life is simple and closer to home than you think(いい人生を送る鍵はあなたが思っているよりシンプルで、家のそばにあります)
シンプルな暮らしの専門家、Tanya Slater(タニヤ・スレイター)さんの講演です。
いい人生の秘訣:TEDの説明
We are over-consumed, overburdened, and overwhelmed. Our homes have become storage units with too much stuff, and we are stuck in a cycle of accumulating and clearing. Our home environment plays a significant part in our health, moods, self-esteem, and quality of life.
私たちは消費をしすぎて、負担をかかえすぎ、圧倒されています。物が多すぎて、家は倉庫になり、ためては捨てるサイクルにはまっています。
家庭環境は、健康や気分、セルフエスティーム、人生の質に重要な役割を果たします。
プレゼンの長さは14分43秒。英語字幕あり。
所持品を捨てると人生の質があがる理由を教えてくれるトークです。
倉庫のようになってしまった自宅
子どもたちが問題を解決する能力にはいつも驚かされます。
少し前のこと、まだ幼い子どもたちに、部屋の上に散らばっているおもちゃをすべて片付けるように言いました。
少したって、「片付けた!」と言うので見に行ったら、めずらしく床が見えていました。
でも、視線を上に向けたら、息子のベビーベッドの上に、おもちゃが全部山積みになっていたんです。
この光景を思い出すたびに、どれほど多くの物が家に入ってきて、それに対してろくに管理ができていないか考えてしまいます。
私も子どもたちと似たようなことをしようとしていましたから。
私たちは、過剰に消費し、それが負担になり、圧倒されています。
今や家が倉庫のようになっていると認める人はたくさんいるでしょう。
物はどんどんやってくる
物って、あらゆるところからやってきますよね?
親族から受け継ぎ、贈り物としてもらい、親切にも寄付してもらい、子供の物もたくさん。
自分で選んで家の中に入れる物、本当はいらないのに、必要だと巧妙に思わされてしまう物。
そういう物を買って、しばらくすると、やはりいらなかったと気づきます。そして、片付けて収納すべきものがもう1つ増えるのです。
こんな事態が続き、家の中が物だらけになって、うんざりします。
ためこむと片付けるの繰り返し
私のような人は、精神的に参ってしまい、大々的な片付けをすることになるんです。
片付けたあとは気分がよくなります。ほんの少しの間だけ。
そして、また同じことが始まります。
物をたくさんためこんでは片付けるというサイクルが続くのです。
とてもイライラします。
お金もかかるし、地球にもよくありません。
率直に言って、貴重な時間の無駄遣いです。
物を捨て始めた
2013年、わたしは2人目の子供を授かりました。とても、幸せな時期だったはずで、SNSなどの外見上は、幸せに見えていたでしょうが、実際は、心の中で戦っていたんです。
ものすごく落ち込み、暗い考えにとらわれた囚人のようでした。
私がいないほうが、子どもたちは幸せなんじゃないかと思うほどに。
そして、ある日、はっきりとした理由はわかりませんが、片付けを始めたんです。
あらゆる物を捨てました。
当時のカウンセラーが、的確に観察していたように、私は、古いエネルギーを取り除いていました。
そしてわかったのですが、片付ければ片付けるほど、寄付すればするほど、売れば売るほど、家の中の物を手放せば手放すほど、気持ちが軽くなりました。
頭がクリアになり、生活の質もよくなりました。
捨てることは、これまでに、自分や家のためにした行動の中で、もっとも簡単なのに、とても威力のあることでした。
片付けているあいだに、覚醒したとしか言えません。
他の人もどんどん片付けている
インターネットで、断捨離や片付け産業が、どんどん伸びていくのを見ました。
皆さんもそうかもしれません。
近藤麻理恵やザ・ミニマリストのことを聞いたことがあるかもしれません。
ステイシー・ソロモンの Sort your life out (あなたの人生を片付けなさい)という番組もありました。
人の所有物を倉庫に入れて、痛い現実を見せていた番組です。
考えさせられました。
こんなふうに片付けることが世界的なムーブメントになっているということは、私と同じような女性は何百人もいるのではないかと。
笑顔と閉ざされたドアの背後で、静かに戦っている人たちがたくさんいる。
物を捨てるメリット
所有物を処分するというシンプルな行動が、なぜこんなに威力を発揮するのか、その理由を知りたいと思っていました。
そして、ガラクタが人に与える影響に関するたくさんの研究を見つけました。
UCLAの Life at Home in the 21st Century(21世紀の家庭生活)という研究では、膨大の量の家財道具とコルチゾールのレベル、つまりストレスレベルに相関関係があると発見しました。
ガラクタは、気分やセルフエスティームに深刻な影響を与えることがわかりました。
つまり、物質的な物が、人に影響を与えるんです。
家庭環境が、私たちの健康や人生の質に大きな影響を与えると、たくさんの研究からわかっています。
深いガラクタの根
長年に渡り、私は、ガラクタの根がとても深いことを学びました。
そのせいで、多くの人が、先延ばしをしてしまうんです。
ガラクタの問題に直面できないし、そうしない。
でも、だからこそ、実際に片付けると、信じられないような恩恵が得られます。
根が深いこと、さまざまな研究、コルチゾールについて、私は、知識を得ました。
でも、片付けることについて、まだ説明されていない何かがあると感じていました。
そしてある日、欠けていたパズルのピースが見つかりました。
ニーズを満たせば幸せになれる
「生きているものは、生来のニーズがバランスよく満たされると、成功する」
という言葉を見つけました。
つまり、それは自然なことです。
生きているものとは、植物、木々、動物、人間。
成功するとは、最良の状態になること。
生まれつき必要な環境やニーズがバランスよく満たされると成功します。
心理療法士のアレック・スタンスフィールドからこの言葉を聞きました。
ニーズが満たされていないとき、動揺やうつ、不安という形でシグナルが出ることがあるとも、教わりました。
不安から自由になるカード
アレックと妻のビンディは、薬を使わずに人々が不安症を改善できるよう、「不安から自由になるカード」というものを作りました。
それこそ、私がここ数年家でやってきたことだと思います。
このカードには、2種類のことが書かれています。
まず、私たちのニーズを示したもの。
生まれもったものや食べ物など、健康で生きるのに必要なものです。
もう1種類は、もともとあるリソースが示されています。たとえば、生きるためにこれまで獲得したスキルです。
ビンディは、ニーズを示すカードをテーブルの上に広げました。食べ物や飲料、安全、目的、意味、睡眠、達成、プライバシーなど。
このカードを見たとき、私は気づきました。
こうしたニーズを、自宅の部屋で満たそうとしていたことに。
2013年の最悪の時期、私のニーズは全く満たされていませんでした。
さらに、私たちが、何かを買うときや、何かを家の中に入れるとき、何らかの形で、こうしたニーズを満たそうとしていることにも気づきました。
でも、一番「なるほど!」と思ったのは、私がここ数年、自分と2人の息子のニーズを満たせる環境を作り上げようとがんばっていたことです。
ニーズを満たすと起きること
私は、安全で、愛されていて安心感を持てる環境を作ろうとしていました。
こうしたものがあれば、気分がよくなるし、気分がよければ、物事をはっきり見ることができます。
そうすれば、素晴らしい決断ができます。
アレックが、「私たちは成功できる」という言葉で示しているように。
捨てて暮らしの質があがった人
私と同じように、物を捨てて、暮らしが向上したほかの女性たちにも会いました。
よく眠れるようになり、時間ができ、エネルギーや、心の余裕が生まれたそうです。
すると、さらに物事をはっきる見ることができるから、自分の目的も見えます。
思考がクリアになれば、自信も生まれます。
たくさんの人が、健全な境界線を引くことができて、人間関係が向上したとも言いました。
いい人間関係を築ければ、心身ともに健康で要られます。
ビジネスオーナーである人たちは、経済状態がよくなったと教えてくれました。
皆、消費にかかわる自分の選択が、どんなふうに環境に影響を与えるかに、前より意識が向くようになっていました。
今、世界中で必要なことですよね?
見る目が変われば見ているものが変わる
ウェイン・ダイアー博士は、出典が不明の「物ごとを見る目が変われば、見ているものが変わる」という言葉を伝えています。
自宅や所持品に対する見方を変えたら、私の人生すべてが変わりました。
毎日を生きるのに苦労していた生活から、私の体験を皆さんにお話できるまでになりました。
私にできるなら皆さんにもできます。
最良の健康や人生は、見方を変えるだけで手に入るのです。
皆さんも、試してみてください。お金はかかりません。
必要なものはすべて、自分の中と、自分の家の中にあります。
何年もためこんできた物は、あなたが前に進むのを止めているかもしれません。
ニーズが満たされたとき、みな、成功できます。誰もがそうしたニーズを満たせる環境を作り上げることができるのです。
それはシンプルなことです。
//// 抄訳ここまで ////
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ニーズについて考えてみる
今回紹介したトークでは、「人が生きていくために必要なものがバランスよくそろっていれば、豊かに暮らせる」と言っています。
ポイントはバランスだと思います。
確かに、物がなければ、安全や安心感、プライバシー、なにかを達成することなどは得られませんが、物がありすぎても、こうしたニーズは満たされません。
一番まずいのは、次々と物を家に入れることや、入れた物を管理したり、失うことを心配したりすることに、時間、体力、頭を使ってしまい、本来求めているニーズを満たす行動をしなくなることだと思います。
新しい物をどんどん買って、所有している物をなんとか家の中にしまい込もうと努力しているうちに、時間はどんどん過ぎ去り、本当に必要としていることを充足させる活動がおろそかになります。
物がたくさんありすぎて、人生の質がどんどん落ちているのです。
不用品を捨てられない人は、自分の本当のニーズについて考え、いま所有しているたくさんの物が、そのニーズを満たすのを助けているかどうか考えてください。
多くの場合、物は、逆にあなたの足を引っ張っていますよ。
幸せな人生って、自分のやりたいことをシンプルにやれる生活ではないでしょうか?