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実家が衣料品店だから、帰るたびに、服を買うことになり、服が増えて困る、どうしたらいいか?
こんな質問をいただきました。この記事で回答します。
まずメールをシェアしますね。Iさんからいただきました。
実家に帰りにくい
件名:実家との関係に悩んでいます。
衣料品を営んでいる実家との付き合いに悩んでいます。
帰省する度に服を買わされ、現在143着あります。
最近はWeb会議が増え、出張がなくなったためスーツが不要になり、また通勤が公共交通機関から車になり会社の制服で通勤して休日しか私服を着ない状態です。
実家を継いだ姉にもう服は買えないと伝えたところ、70代の母がまだ仕事ができるのは、お得意様や娘のために服を選ぶ楽しみがあるから買い続けて欲しいと言われてしまい、困っています。
これ以上服を増やしたくないため、実家に帰省する回数を減らしていますが、親が元気なうちは会いに行きたいと思っていますので、良い対応策があればアドバイスをいただけませんか。
よろしくお願いします。
Iさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
服を増やしたくないから、実家への足が遠のいているのですね。
帰りたいのに帰れない。
それは残念なことです。
服を買うことを強制されるんですか?
無料で押しつけられるのではなくて?
いらないものをお金を出して買うなんて、ますますいやですね。
筆子の対応策:正面からしっかり断る
対応策は、しっかり断る、これにつきます。
お姉さんは、買い続けてほしいと思っているようですが、お姉さんの意向より、自分の意向を優先してください。
Iさんは、自分自身の人生を生きるべきです。
小学生じゃないんですから、自分の服ぐらい自分で選んでください。
もしかしたら、お姉さんに頭があがらない姉妹関係なんでしょうか?
その場合はお母さんに直接「もう服は十分あるから、これ以上いらないよ」と断ればいいのです。
お姉さんは、「親孝行として、服を買え」と迫っているのだと思いますが、このロジックは間違っています。
私の電子辞書で「親孝行」を調べると、「親を大切にし、真心をもってよく尽くすこと」と書いてあります。
真心ですよ。それは真実の心であり、誠意。自分を偽ってすることは親孝行ではありません。
この点を、お姉さんにはっきり言うといいでしょう。
70代のお母さんが仕事できるのは、娘のために服を選ぶ楽しみがあるから?
違うと思います。
さまざまな偶然や運が重なって、今も元気に仕事ができているのです。
お母さんには、服を選ぶこと以外にも、いろいろな楽しみがあるはずです。
そもそも、お姉さんは、お母さんじゃないのですから、お母さんの気持ちを代弁することなどできません。
自己主張するしかない
Iさんが知りたい、「良い対応策」ってどんな対応策でしょうか?
Iさんの手に入れたいもの(ゴール)は、「実家に帰っても、服を買わずにすむ状態を作ること」ですよね?
Iさんが、そういう状態を欲していることを、その状態を作るのを阻害している人たちに伝えない限り、このゴールを達成することはできません。
自分の意見を言うしか道はありません。
だまっていると、店がなくなるか、お母さんが仕事をやめるまでこの状態が続きます。
私なら、お姉さんはほっといて、お母さんに直接言います。
服を選んでいるのはお母さんですから。
「服はもう十分あるので、これ以上買う必要はない」という娘の気持ちに、納得してくれないお母さんなのでしょうか?
「いつも服を買わされて、すごくストレスになっている。だから遊びに来たいけど、来ることができない」と聞いても、「それでも、服を買いなさい」と言う人なんでしょうか?
そんなことないと思います。
親は、ふつう、子どもに幸せでいてほしいと願っています。
もしかしたら、Iさんは、これまでお母さんに、自分の気持ちをはっきり伝えたことがないのかもしれませんね。
何も言わずに、「言っても、お母さんはわかってくれない」とか、「お姉さんの耳に入って、あとで怒られる」などなど、うまくいかないことばかりを想像しているのではないですか?
一度、正面からぶつかって見てください。
意外にあっさり、「あ、そうなのね。わかったわ」と納得してくれるかもしれません。
具体的な手順
ここから、具体的にどうするか、モデルプランを紹介します。
1)ゴール設定
ご自身が叶えたいゴール、つまり、手に入れたい状況を明確にしてください。
先に書いたように、Iさんのゴールは、「実家で服を買わなくてもすむようにすること」だと思いますが、違っていたら修正願います。
ゴール設定のコツは、自分が1番手にいれたいものや解決したい問題を1つだけ選ぶことです。
Iさんには、以下のような気持ちもあるかもしれません。
・何も言わなくても(特に私が努力しなくても)ことが丸くおさまってほしい
・お母さんの希望はできるだけ叶えたい
・お姉さんの気分を害したくない
ですが、1番大事なのは、「服を買わないでいられること」あるいは、「これ以上服を増やさないですむこと」だと思うので、それをゴールにすえましょう。
わざわざ、お母さんやお姉さんの心証を害する必要はありませんが、お母さんやお姉さんがどう思うかは、二の次です。
2)伝えたいことをまとめる
ゴールを達成するために、自分の気持ちを伝える必要があるので、どんなふうに話すか、考えてください。
伝えたほうがいいことは以下です。
・私はもう服は買わない。必要なときが来たら、それに応じて購入する
・その理由
・お母さんやお姉さんに反対されたときのための代替案
意向のあとに、どうしてそうしたいのか理由をそえると説得力が増します。
メールに書かれているように
・スーツを使う機会がなくなった
・その他の通勤着も、あまり使わなくなった。なぜなら、制服で通勤しているから
・そのため、手持ちの服で十分間に合っている
こんな理由のほか、
・シンプルに暮らすことにしているので、着ない服は持ちたくない
・服の数が増えると管理が大変だし、場所を取られる
・いらない服を使うのに使っているお金で、べつのものを買いたい
・服を買うはめになるのが嫌で、遊びに来たいけど遊びに来れない
こんな事情も言いそえるといいでしょう。
3)実際に伝える
タイミングを見計らって、自分の意向を伝えます。
相手は親だから、話を切り出すのが難しくはないと思いますが、口頭で言いにくいなら、電話、メール、LINEなどを使ってもいいと思います。
いきなり直球を投げたくないときは、メッセージなどで、「もう、私、服はいらないからね」とまめに伝えておくと、「どうやら、あの子は服を買うのが嫌らしい」とお母さんやお姉さんが察してくれる可能性があります。
これまで、「服を買いたくないサイン」を全く出していなかったら、先にサインを出しておいてから、話をしてもいいかもしれません。
でも、時間がかかるので、さっさと本題に入ったほうがいいと私は思います。
伝えるときは、喧嘩腰にならず、淡々と丁寧に、そして正直に伝えてください。
こちらの記事を読んでください⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
4)相手の意見にも耳を傾け調整
自分の意見を言ったあとは、「私はこう思ってるんだけど、お母さん、これに対してどう思う?」とお母さんの意見も聞いてください。
もしかしたら、お母さんには、Iさんに服を買ってもらわないと非常に困る事情があるのかもしれません。
たまにIさんが服を買わないと、店の売上が足りなくなって、このままではつぶれてしまうとか。
まさか、そんなことはないと思いますが、経済的な事情から、お母さんやお姉さんが、店の服を買うことを強いるなら、服は買わず、お金だけ渡してください。
ガールスカウト連盟の活動資金を得るために、女子中学生が、クッキーを売りにくることがありますが、私はクッキーは受け取らず、お金だけ寄付しています。
それでは、Iさん、早めにお母さんに気持ちを伝えてください。
服を買わされるから、お母さんに会いたいのに会えないなんて、とってもおかしなことです。
あと、お母さんに何度会えるかわかりませんよ。会える距離に住んでいるならどんどん会いに行ってください。
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読者の質問に回答しました。
以前も、お母さんの気持ちを考えて、ほしくない喪服をもっている人の相談に返信しました。
お母さんの機嫌を取ることが、自分が好きなように生活するより大事なことなんですかね?
何を優先するかは、人によって違いますが、「大人なら、自分の服ぐらい自分で選ぼうよ」、と私は言いたいです。