紙ゴミ

ミニマルな日常

たくさんある仕事の書類をどうしても捨てられなくて困っています←質問の回答。

仕事関係の書類が部屋を占拠しているが、どうしても捨てられない、ほかの問題もあって、頭の中がごちゃごちゃなので、からまった糸をほぐすヒントをください。

この相談に回答します。

メールは引用しないでくれ、とのことなので、内容を箇条書きします。

差出人はゆうさんです。



仕事の書類がいっぱい

件名:書類が捨てられません

私の問題

・私は教員だが、仕事の書類を捨てられず悩んでいる。

・書類だけで、段ボール箱(2リットルのペットボトルが6本入るサイズ)20箱以上あり、部屋を占拠中。

・高性能スキャナを購入し、電子データで残す作業も始めたが、とても追いつかない。

・書類の内容:授業のノート、プリント、生徒の書いたもの、研修資料、会議資料、生徒会誌、シラバス、学校要覧、進路資料、時間割、行事予定、通信、卒業アルバム、新聞記事、問題集、これまで使った教科書など。

・ほとんどは、なくても現在の仕事に支障はない。しかし、たまに、「あれは、どうだったっけ?」と思って見返すことがあり、そんな時はとっておいてよかったと思う。

なぜ捨てないか?(自己分析)

・過去のことを把握しておきたい、気になったときに確認して納得したいという気持ちが強い。

・その資料を持っている人に尋ねるのは時間がかかるし、相手の時間を奪いたくないので、自分で持っているのが一番よいと思う。

・将来、必要になる可能性を考えてしまう。

・「今」にフォーカスして生きるなら、過去の書類や未来のどこかで使うものかもしれない資料がいらないのはわかる。しかし、この考えを突き詰めると仕事そのものをやめる、というところに行きつく。

別の問題(仕事をやめたいけどやめられない)

・仕事量が自分のキャパシティを越えているので、時間と心に余裕がない(部屋がぐしゃぐしゃ、家事もいいかげん、残業、休日出勤、持ち帰り仕事のため、小学生の子供と過ごす時間がない)。

・定年まで10年近くあるが、3年前から早期退職を検討している。

・ファイナンシャルプランナーに家計診断をしてもらい、子供の教育費用や老後の費用をチェックしてもらったところ、経済的には大丈夫だと言われた。

・しかし仕事(経済的自立)を手放す不安があり、決められない。

・書類が捨てられない悩みと、仕事をやめる不安を手放したい悩みが一緒になって、頭の中でぐるぐるしている。

その他、私について

・4年前に、「1週間で8割捨てる技術」を読んでからずっとブログを読んでいる

・少しずつ物を捨てられるようになってきた。特にためになったのは、完璧主義を手放すこと、判断を先送りしないこと、マインドフルネス。

・夏に一大決心して、書類を捨てようとしたが、あまり減らせないまま時間切れとなった。





ゆうさん、こんにちは。

いつも、ブログや本を読んでいただき、ありがとうございます。

確かに、仕事をやめてしまえば、すべての資料を捨てられますね。

先の暮らしについて

この先、どうしたらいいのかわからない方用に、以前、こんな記事を書いていますので、よければ読んでください。

この先どうしたらいいのかわからないと悩んだらこれを読んでください。

こんな記事もあります⇒すぐに片付けを始められるようになるには?:部屋に物があふれている理由(その5)

仕事やめる、イコール経済的自立を手放すことではないですよ。

べつの仕事につけばいいだけです。

いまより給料は下がるかもしれませんが、「老後の心配がない」とプロが診断するほど資産があるならべつにいいじゃないですか?

先の安全を確保したくて、いまの生活を犠牲にするのは本末転倒です。

いまのようにストレスいっぱいで仕事を続けると、大病して、これまで必死に、確保しようとしてがんばってきた「未来の安泰」の土台が根本からくずれるかもしれませんよ。

ブログに何度も書いています。大事なのは、今の生活です。どう考えてもそうなります。

次に、どうしたら書類を捨てられるか、3つアドバイスします。書類を捨てるのは簡単で、考え方を変えるだけです。

完璧主義を捨てる

まず、完璧主義を手放してください。

ゆうさんは、「この先何があっても大丈夫なように完璧に準備をしたい」と思っているから、終わった資料を捨てないのです。

なければないで、なんとかなるのですが、ゆうさんは、「100%準備しておきたい」と思う、完璧主義者なのです。

しかし、先のことに対して、100%完璧に準備することなんてできません。

将来起きることを事前に知ることはできませんからね。

どんなにがんばっても、不可能だから、もういい加減、そんなことに時間とエネルギーを使うのはやめてください。

完璧主義を克服する7つの具体的な方法。

たぶん、ゆうさんは、ふだんの仕事でも、「きっちりやりたい気持ち」があるから、人一倍、忙しいんじゃないですか?

もっとポイントを押さえて仕事をしてはどうでしょうか?

以前、やはり学校の先生の質問に回答しているので、読んでみてください⇒雑用が多すぎて、自分のやりたい仕事ができません←質問の回答

人と協力し合うことを学ぶ

万が一、資料が必要になって、心底困ったときは、持っている人に尋ねればいい、と考えてください。

あるいは、そのとき持っている知恵を最大限使って、解決すればいい、と考えてください。

ゆうさんは、人に聞いたり、協力をあおいだりすることが苦手じゃないですか?

困ったときは、皆で知恵を出し合って助け合う、協力しあう、という仕事の仕方をしないと、よけいなリソースをたくさん使うことになります。

ゆうさんの場合、自宅や、古い書類を管理する時間と手間、いうリソースを使っています。

仕事の資料は職場にある分だけで十分じゃないですか? 自分の家は仕事の資料の保管場所ではありません。

協力しないと、よけいにリソースがいる話は、先日紹介したTEDトークで、説明しています。

複雑な仕事環境をシンプルにする6つのルール(TED)

「その人の時間を奪いたくない」と書いていますが、人間、ほかの人と協力しあわないと生きていけません。

それに、ゆうさん、ある意味、私の時間は奪ってますよね? 長文の、かなりこんがらがった質問メールをよこして、個人的に返事をください、と書いているのだから。

ですが、私は、私の時間を取られた、奪われた、とは感じません。

この記事を読んで、気付きを得る読者がたくさんいるだろうし、誰かの助けになることができてうれしい、と思っていますよ。

ほとんどの人が、そういう気持ちで生きているはずです。

あなたは与える人、それとも奪う人?:アダム・グラント(TED)

生徒や父兄の立場に立つ

ゆうさんは、何か困ったときに、過去の資料をさっと参照できるようにしたい、という意図のもと、もう使わない紙切れをたくさん持っているわけですが、この「自分が困りたくない」という自分向きの視点を外に向けてください。

つまり、ゆうさんのサービスを受ける、生徒や父兄の気持ちになってください。

私が生徒なら、オフタイムに、汚部屋で、「ああ、もうこんな仕事やめたいけど、経済的に不安だからやめられないし、どうしよう、どうしよう、どうしよう」なんて、ぐるぐる考えている先生に受け持ってもらいたくないです。

ゆうさんはまじめだから、授業中は、よい授業をすることに、力を注いでいるとは思いますが。

私なら、過去の資料をたくさん持っている先生より、いまの自分としっかり向き合ってくれる先生のほうがいいです。

自分がたくさん資料を持っていることが、いま、授業をしている生徒にどんな利益をもたらすのか、一度考えてみてください。

全部捨ててしまって、余裕をもって授業をしたほうが、授業の質があがるんじゃないですか?

☆この記事の感想メールをこちらで紹介しています⇒仕事関係の書類、私はこんなふうに整理しています。

仕事関係のものを捨てるコツ

過去記事も参考にしてください。

仕事で使うかもしれない書類を捨てる6つの判断基準。

仕事でどうしても必要な物が部屋を占拠していたらどうするか。

仕事で使うかもしれないと思うと断捨離できない←質問の回答。

仕事で忙しい人が断捨離をする7つのヒント。あきらめずにプロセスを楽しむ。

情報デブはもう卒業~書類を捨てるために必要なたった1つのこととは?

『モノが少ないと快適に働ける: 書類の山から解放されるミニマリズム的整理術 』を読んで、だいぶ書類を断捨離しました

******

仕事の書類を捨てられない、という相談に回答しました。

先走って、あるかどうかわからない何かに対して準備することより、いまの生活を楽しむことを優先すれば、古い書類を捨てることができます。

捨てないと、苦しみが続く一方です。

何かあっても、その時は、自分でなんとかできます。





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