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思い出の品とうまく決別する考え方を紹介します。
先日、3月は学校関係の物を捨てることをおすすめしました。
学生時代の物は、現在の生活においても、将来においても、実用性はほぼないと思います。
つまり、「思い出の品」として段ボール箱に突っ込んであるわけです。
学校関係の品物を捨てるためには、思い出の品を捨てられるマインドセットが必要です。役立つ考え方を3つ紹介しますね。
0.事前の確認作業
まず、しまいっぱなしにしている物を引っ張り出してください。
その思い出品をいったいいつ使う(見る)つもりでしまったのか知りませんが、思い出品はタイムカプセルやツタンカーメンの棺とは違います。
たまには中身を調べないと、劣化が進んだり、かび臭くなっていたり、虫がわいていたりします。
中身を改めた段階で、「あ、これはもういらない」と思った物は、どんどん処分しましょう。
この確認作業は、一度に全部やらずに、1日に15分ぐらいするのがおすすめです。
一通り思い出品を全部確認したら、捨てにくい物、絶対捨てたくない物が残っているはずです。
残った物の中から、「正直、もう捨てたほうがいいと思うし、できれば捨てたいんだけど、とても捨てがたい物」を捨てるために、次のように考えてください。
1.キープしている目的を考える
何のためにそれを持っているのか考えましょう。
捨てずに持っている理由があるはずです。それは何なのか具体的に言葉にしてください。
理由がないなら即捨て
「特に理由はない。ただなんとなく持っているだけ」。そういう物はもう捨ててください。
持つ意味のない物を、押し入れに入れておくほど、あなたはリソースに余裕がないと思います。
リソースとは、思い出品の収納に使うスペース、管理する手間や時間、精神的なエネルギーを指します
家は大きいし、しまう場所もたっぷりあるから、持っていても大丈夫! と思わないほうがいいですよ。意味のない物は捨てておかないと、結局あとになって、年老いた自分か遺族が手放すことになりますから。
明確な理由があるなら検証
明確な理由があるときは、それぞれの理由が理にかなっているか検証してください。
たとえば、子供が幼い時描いた絵や文集、写真をまだ持っているのは、「いつか、あの子がお嫁に行くときに持たせたいから」かもしれません。
でも、お子さんが結婚するかどうかはわからないし、結婚したとしても、そんな物を新居に持ち込みたいと思うでしょうか?
一度お子さんに聞いてみてください。私なら、「いらないけど」と返答します。
「いつか、昔をなつかしむために持っている」のなら、そのいつかがいつなのか、考えてください。
私の母は今年90歳になりますが、日々、趣味の裁縫や絵手紙、カラオケ、庭いじりなどで忙しく、古い物を引っ張り出して昔の思い出にひたっているところを見たことがありません。
まあ、私は母と別れて暮らしているから、日常母が何をしているのか把握はしていません。
でも、母が、一番昔のことを思い出していたのは、私と一緒に古い物を断捨離していたときです。
義理堅い気持ちは思い出品を持つ理由にならない
人からもらった物(ギフト)を捨てるのは相手に悪いから、という理由は、それをキープする理由になりません。
なぜなら、それはもうあなたの物だからです。管理できるのはあなただけです。
自分の暮らしの質があがる選択をしてください。
2.マインドフルになる
思い出品は、過去のできごとを象徴するものです。
それらの品々を見て、なつかしい思いにひたるのは、心あたたまる体験かもしれません。
でも、大事なのは過去より今です。
押し入れやそのへんに思い出品がたくさんあるために、今の生活がしにくくなっていたら、現在の生活の質をあげることに尽力したほうが自分のためです。
さらに、昔をなつかしんでほっこりするのに、物をたくさん持つ必要はありません。
写真やブログの記事、日記の記述として残せば、昔を思い出すことができます。
子供のとき着ていたなつかしい浴衣やパジャマがあるなら、小物にリメイクしてもいいでしょう。
私の母は裁縫が好きで、古い布切れもたくさん持っているようです。
今世紀になって作ったマスクや座布団カバー、テディベアのぬいぐるみなどに、私が子供の頃(55年以上前)に見たことのある布や、若い頃、無駄にたくさん買ったランチクロスが使われています。
それらの布を見て、私はなつかしいという気持ちよりも、「ええ? まだ、こんなん持っとったんだ」という気持ちのほうが強かったです。
人は、今日の生活を楽しむことよりも、昔あったことを悔み、未来のできごとを心配することに、より時間を使っていると思います。
眼の前にある物を大事にすると、思い出品に対する過度の執着を手放すことができるでしょう。
マインドフルネスが初耳の人はこの記事をどうぞ⇒落ち着いて、注意を向けて、ありがとうと言う、その方法(TED)
3.記憶について考えてみる
いつも書いていますが、思い出はこころの中にあります。
もっと厳密に言うと、脳の中にありますよね。
「思い出す」とは、脳の中で複数のニューロンが特定の結びつきをすることです。
大量の思い出グッズを持ち続ける理由が、特定のエピソードを思い出すことにあるのなら、脳の健康を保ったほうがいいとは言えないでしょうか?
記憶力を阻害する要因はいろいろありますが、恒常的な睡眠不足、ストレスやうつ状態は、記憶を妨げます。
そして、汚部屋は、とても大きなストレスの元になるのです。
それと、人の記憶は書き換わるので、「ああ、これ、30年前の新婚旅行でペアで買ったアロハシャツだ。あのときは楽しかったわ~」と思ったとしても、その半分ぐらいはフィクションかもしれません。
フィクションなら、思い出品なんかなくても、新婚旅行のことを思い出したい時がきたら、その場で自由にできごとを物語として作り上げればいいですよね?
繰り返しますが、大事なのは、物ではなくて、自分の心(脳)です。
この点について、一度考えてみてください。
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思い出の品を捨てるのが苦手な人は、こんなふうに考えてみては?
大事だと思っているだけで実は違う。思い出の品に執着しない方法。
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時々誤解する方がいるので、念のために書いておくと、私は、思い出の品を100%捨て去れ、と言っているのではありません。
大事な物だけに絞り込め、とアドバイスしています。
そうしないと、大量の思い出グッズは、押し入れや物置きの中に放置されたままとなります。
何年かたって、引っ越し、リフォームなどをするときに、自分や誰かが、思い出の箱をえっちらおっちらと引っ張り出し、あわてて、中身を片付けるはめになるだけです。
今のままでは、あなたの、「特定のエピソードを思い出して、ほっこりする」という目的は達成されません。
つまり、多くの思い出品は、無駄に押し入れの中で眠っているだけなのです。
今回書いたことの中で、今を大事にする話はとても重要です。私の考えに同意する必要はありませんが、今を大事にしているかどうかについて、自分なりに考えることは有意義なことです。
明日のことは誰にもわかりません。
いくらたくさん思い出品を持っていたって、現役でバリバリ働くだけ働いて、「ようやく定年だ、よっしゃー! 思い出品を見ながら、これからたっぷり昔を思い出すぞ」、と思ったとたんに大病にかかって、思い出どころではなくなるかもしれません。
まあ、入院してひまだと、昔のことをいろいろ思い出すでしょうが、そのとき、物なんかなくても、来し方行く末を考えることに不自由しません。
なぜなら、繰り返しますが、記憶は脳の中にあるからです。