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目標を達成したいコツを知りたい人におすすめのTEDトークを紹介します。
タイトルは、If you want to achieve your goals, don’t focus on them(目標を達成したいなら、それにフォーカスするな)。
元、アメリカンフットボールの選手のReggie Rivers(レジー・リバーズ)さんの講演です。邦題は、
目標を達成したいなら それに集中しないこと。
目標に集中するな:TEDの説明
Former Denver Broncos running back Reggie Rivers discusses how focusing on your goals is the one sure way NOT to achieve them. With humor and insight he goes on to explain how focusing on your behaviors is how you achieve goals.
元、デンヴァー・ブロンコスのラニングバックだったレジーリバースは、ゴールに集中することは、それを達成しない確実な方法だと話します。
ユーモアと洞察を交え、彼は、行動に集中することが、ゴールを達成すると説明します。
収録は2013年、長さは10分。日本語字幕もあります。
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
具体例があるのでわかりやすいプレゼンです。
ゴールに集中しすぎると失敗する
ゴールを達成したいなら、ゴールに集中してはいけない。
これは、ふだんゴールに関して言われることに反していますよね?
ふつうは、やりたいことを見つけ、ゴールを決め、それを書いて、意識を向け、リストを何度もチェックして進むのがゴールに達成する方法だと言われます。
でも、自分の経験や、他の人のやり方を見てわかったんですが、これは、ゴールを達成する方法ではないんです。
いつも、ゴール設定の話は出ても、実際に、どうやって達成するかはあまり話題になりません。
初めてガールフレンドができたとき
これについて、初めて学んだのは、初めてガールフレンドができたときです。
その子はラサンドラという名でした。
この世にいる6年生の女子の中で一番きれいだった子。そのとき、私も6年生でした。
ラサンドラを見るたびに、ガールフレンドになってほしいと思っていました。
でも、怖くて何も話しかけられませんでした。ある日、友人のジョンに、僕と付き合ってほしいとラサンドラに言ってくれるよう頼みました。
ジョンはラサンドラのところに行って話をしたあと、戻ってきて、「レジー、自分で頼めって言われたよ」と言いました。
でも、自分ではとても言えなかったので、頭の中で彼女のことを思うだけでした。
7年生になたっとき、1時間目が木工で、その時間、ラサンドラは家庭科の授業を受けていました。
私の学校では、時間が同じなら、取る学科を変えることができたので、校長先生に行って、木工から家庭科に変わりました。
そのクラスは女子が20人ぐらいいて、私以外の男子は1人だけ。
タラという女子に席を変わってもらって、ラサンドラの隣に座り、その日、自分で、付き合ってくれるよう頼みました。
その時は断られたけど、結局付き合うことになりました。
コントロールできることに集中すべし
実はこれが、自分でコントロールできることにフォーカスして、コントロールできないことは無視した私の人生で初めての体験でした。
つまり、ゴールより、行動にフォーカスしたんです。
私たちはゴールを決めますが、そのゴールは、自分のコントロールできないところにあるます。
学生がAを取りたいと思っても、それはコントロールできません。成績をつけるのは先生だから。自分以外の誰かがカリキュラムを決めて、成績をつけます。
成績は自分ではコントロールできないんです。
世界一のセールスマンになろうと思っても、買ってくれる人がいなければ、なれません。
ゴールは、他の人の参加があってこそ達成されるので、自分のコントロールできる範囲の外にあるんです。
だから、ゴールにフォーカスすることに時間をかけすぎると、決してそれを達成できません。
その代わり、行動なら、自分1人でできます。
親も先生もコーチも友人も隣人も配偶者も子供も必要ありません。
ゴールを達成するために、行動にフォーカスすべきです。
行動に集中した
ラサンドラをガールフレンドにしたいというゴールにフォーカスしていたとき、廊下で彼女とすれ違っても、恥ずかしくて、声をかけられませんでした。
「かわいいな。ガールフレンドになってほしい」と頭の中で何度も言うだけ。「ハロー」すら、彼女に言わなかったんです。
友人のジョンに、「私にガールフレンドになってほしいなら、自分で聞かないとね」とラサンドラが言ったとき、私は、「イエス」という声を聞いたんです。
だからゴールについて考えるのをやめました。もうゴールは達成されたので、行動に集中することにしました。
1時間めにラサンドラが取っている学科を知って、学科を変えるルールも調べ、校長にクラスを変えてほしいと頼み、たった1人の女子に話しかけるのができなかったのに、女子ばかりの家庭科のクラスに行って、タラに席を変わってもらいました。
「イエス」という声を頭の中で聞いて以来、ずっと行動に意識を向け、その結果、ゴールを達成できたんです。
ずいぶんあとになってこの経験は、人生で起きることであり、メタファーだと思いました。
ゴールに集中するとダイエットは失敗する
やせいたいと思うと、皆、ダイエットをします。実は、私も今しています。
ダイエットをするとき、まずゴールを決めますよね?
「年内に10ポンド(4.5キロぐらい)やせよう」とか。
でもこのゴールに集中しすぎると、絶対達成できないんです。
なぜなら、次にすることは体重計にのることだから。
体重を測っても全然減ってないし、逆に増えていたりします。
その後、何度も体重を測るんです。その間、食事に気をつけ、運動をし、水をたくさん飲むなどいろいろしますが、体重を測ると増えているのでダイエットをやめてしまいます。
ゴールにフォーカスすると、達成できません。
行動にフォーカスするべきなんです。行動なら自分でコントロールできるから。
口に入れる食べ物や液体をコントロールし、どれだけ運動するかもコントロールする。
食べている食事の量に対する感情も自分でコントロールできます。
少ししか食べられないことをみじめに思うこともできるし、食事をコントロールしていることに誇りを感じることもできます。
このまま続ければ、うまくいくと感じます。
ゴールにフォーカスしているとき、私たちは、体重を神託のように感じています。
体重計にのるとき、「神様、どうぞ、私が自分に対してどんなふうに考えるべきか教えてください」と思っているんです。
体重という数字にフォーカスしすぎると、ゴールを達成できません。行動にフォーカスすべきです。
育児のゴールにフォーカスしすぎると
子供についても同じです。皆、育児のゴールがあります。
責任をとれる子供になってほしい、成熟した考え方をして、学校ではしっかり勉強して、課外活動もがんばって、間違っていない人々と付き合って、充実した時間を過ごしてほしい。
こんなふうに、子供にとって素晴らしいことばかりを望んでいます。
でも、ゴールに集中しすぎると、いつも気持ちが落ち着きません。
「どうして、こんなことをするんだ? だめだと言っただろう。宿題は終わったのか? まだ1ページめ? ちゃんと宿題をやるように言ったじゃないか」。
自分がこうなってほしいと思ったように、子供が行動しないので、口うるさくなります。
ゴールにフォーカスしすぎるからこうなります。
行動にフォーカスすべきです。
行動だけが、自分でコントロールできます。子供をコントロールすることはできません。
子供に対する自分の反応はコントロールできます。
子供へのごほうびや、子供に対してすること、自分の一貫性、自分がやるということをちゃんとやるかどうか、子どもに対する返答はコントロールできます。
自分がコントロールできること、つまり自分の行動にフォーカスすれば、ゴールを達成できます。
行動を積み重ねる
私はそうしてきました。
10ポンドやせるというゴールを決めたあと、自分の行動は1週間しかコントロールできないと思いました。
だから、ゴールに近づくために、今日何ができるか考え、明日何ができるか考え、今週何ができるか考えたのです。
今日、明日、今週。
そしてプランを書きました。
こんなふうに私は行動にフォーカスしてきて、毎日、自分がやったことについて、いい気分でいました。
ゴールにはこだわりません。体重や売上みたいなことには。自分のコントロールの外にあることには、こだわらないのです。
自分がコントロールできることだけにフォーカスします。
ゴールを達成したいなら、行動にフォーカスしましょう。そしてゴールに向けて、少しずつブロックを積み上げるのです。
//// 抄訳ここまで ////
目標達成に関するほかのプレゼン
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アクションプランを作る
リバーズさんの言うように、ゴールは、たいてい自分のコントロールできる範囲の外にありますよね。
だから、そのゴールを達成するには、自分がコントロールできる行動を積み重ねるべきなのです。
「こうなればいいのに」と思っているだけでは、現状は変わりません。
断捨離、ダイエット、貯金など、何か達成したいことがあるときは、ぜひ、アクションプランを作って1つずつ行動を積み重ねてください。
まあ、実際は、コントロールできるはずの行動もなかなかコントロールできません。
それは、たぶん、時間や体力、意志のちから、外的要因など、自分がコントロールできないことを無視して、アクションプランを立てているからです。
アクションプランもときどき見直して、ちょっとがんばれば確実にできることをするといいと思います。
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育児の話は思いつまされる人も多いかもしれません。
子供は自分の思い通りにはならないので、コントロールしたい、という強い気持ちを手放せば、育児のストレスから解放されるでしょう。