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買わない挑戦をしている読者の質問に回答します。
基本的に買わないようにしているけれど、ときどき失敗してひどく落ち込むそうです。
こんなとき、どうしたらいいのでしょうか?
まず、メールをシェアしますね。ヒナコさんからいただきました。
買いすぎたあと落ち込む
いつもブログを拝見しています。 筆子さんの「買わない暮らし」という本を読み、私も買わないことを始めました。
以前より衝動買いは減り、スーパーでも「本当に必要かな」と一度立ち止まって考えられるようになりました。
それでも、ときどき気がゆるんでしまうことがあります。
先日、なんとなくSNSを見ていたら、前から気になっていたワンピースの広告が出てきて、気づいたら購入していました。
届いた商品を着てみたら思ったほど似合わず、返品も面倒で、そのまま押入れの衣装ケースに入れたままです。
今、やっぱりいらなかったと後悔しています。
頑張って買わないようにしてますが、たまにこういう失敗をして自己嫌悪になり、そのまま買うようになってしまいます。
こういうとき、どうやって気持ちを切り替えればいいでしょうか?
落ち込んでしまう私は、まだ買わない暮らしが身についてないということなんでしょうね。
ヒナコさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
ブログや著書を読んでいただきとてもうれしいです。
買わないことを意識して生活しているんですね。とてもいいことです。
ときどき失敗するのは、誰でも経験することです。そんなに落ち込む必要はありませんよ。
以下のように考えてみてください。
落ち込むのは意識が高く誠実だから
買わない挑戦をしていても、たまに買いすぎてしまうのは想定内のできごとです。
人間は感情で動くので、うっかり買ってしまうのはよくあること。私も買わない生活を心がけていますが、ときどき「買うべきでなかったもの」を買うことはあります。
落ち込んだら、以前より意識が高くなったと考えてください。
失敗したと思うのは、ヒナコさんが、それだけ買わない暮らしを意識できるようになった証拠ですから。
以前なら、なんとなく買って、なんとなく使わずに終わっていたかもしれません。
でも今は、「買ってしまった」と気づいています。自分の行動を客観的に見ることができているのは、とてもいいことです。
人は理想の自分と現実の自分にギャップを感じると落ち込みます。
何も期待していなければ、失敗したと気づかないし、心がダメージを受けることもないでしょう。
落ち込むのは「もっとよくしたい」という向上心があるからこそ。
また、自分で決めたことに対して誠実だから、反省や後悔が生まれます。
だから、落ち込んだら、「私は今、前より進歩しているんだな」と思ってください。
失敗した自分を責めるより、失敗に気づけた自分を評価しましょう。
買わない挑戦だけでなく、ダイエットや日々の勉強などでも、1回失敗しただけで、「もうだめだ」と全部やめてしまうことがありますよね。
でも、これはとてももったいないことです。失敗しながらも、前に進んでください。
落ち込みを長引かせない3つの方法
落ち込むのは自然なことですが、ずっと落ち込んでいる必要はありません。
早めに気持ちを切り替えるために、次の3つを試してください。
1. 自分を責めない
自分を責める言葉を使わないようにしましょう。
「なんでまた買っちゃったんだろう」「私って意志が弱い」などと自分に言っても、買ってしまったことは変わらないし、今後の自分のためにもなりません。
自分を責めるより、今回の買い物を客観的に分析したり、自分の気持ちを冷静に観察しましょう。
事実を見ると、いろいろなことに気づけます。
自分を責めるのをやめる方法~自分を「ダメ人間」と思っても誰のためにもなりません。
2. 買った経緯をメモする
ノートやスマホに、買ったもの・金額・きっかけ・そのときの気分や状況を簡単に書いてください。
書くのは反省するためというより、自分の行動パターンを明らかにするためです。
私は買い物をするたびに、こうした記録をつけていますが、面倒なら特に「失敗だった」と思う買い物についてだけ書くといいでしょう。
ポイントは、そのときの気分や状況を具体的に書くことです。
「夜遅くネットを見ていた」「疲れていた」「雨の日だった」「仕事のストレスがあった」「なんとなく」など、振り返って書いてください。
こうしたメモがたまったら見返すと、買いたくなるタイミングが見えてきます。
買い物パターンを把握して、次の失敗を防ぎましょう。
3. 気持ちを整える行動を決めておく
買いすぎたあとに気分を立て直す行動をあらかじめ考えておきましょう。
私は、買い物に限らず、「ちょっとまずかったな」と思うことがあったら、その出来事や自分の考えていることを書き出しています。
ほかにも、返品する(もしくは返品できないか調べる)、運動する、机の上を片付けるなど、気分転換になる行動を用意して、実践しましょう。
すると、失敗した事実より、次にすることに意識が向きます。
落ち込みを長引かせると自己肯定感が下がるし、行動する意欲も削がれます。
落ち込むのは自然なことですが、ひとしきり落ち込んだら、外に向かう行動をしてください。
買わない挑戦は価値観を確認すること
買わない挑戦をつらいことではなく、生活をラクにすることだと考えましょう。
ヒナコさんが落ち込んでしまうのは、買わないことを我慢や節約として考えているからかもしれません。
でも、買わない挑戦をする目的は、自分をしばることではありません。
本当の目的は、自分の価値観を知ることです。
買わないことを意識していると、買う前に「これは本当に必要?」「なぜ欲しいの?」など、自分に問いかけるようになりますよね。
こうした質問をしているうちに、人生の優先順位や本当にお金を使いたいものがわかってきます。
たとえば、「見た目より使いやすさを優先したい」「ものより経験にお金を使いたい」「ものが少ないほうが好きだ」、こんなふうに気づき、自分が求める心地よい暮らしが形になっていくでしょう。
価値観が定まってくると、「これは買う」「これはいらない」ともっと早く判断できるようになります。買わない挑戦を続けているうちに、迷う時間やストレスが減り、お金の使い方も気持ちもシンプルになりますよ。
うっかり買ってしまったら、買ったことにこだわるより、自分が大事にしたいことを見直すきっかけにしましょう。
買わない挑戦は、物欲を抑える訓練ではなく、心地いい暮らし方を見つけていくプロセスです。
このチャレンジをしながら、自分がどんなことをすると幸せで、どこにお金や時間を使いたいかを見つけていきましょう。
では、ヒナコさん、これからも買わない挑戦を続けてください。
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買わない挑戦は、結果よりもプロセスを重要視するべきです。
うまくいく日もあれば、思わず買ってしまう日もあるでしょう。
そのたびに自分がどう暮らしたいのか考えれば、買い物習慣は変わります。
失敗してもそこまで気にする必要はありません。失敗の原因を考えて次に生かし、挑戦を続けてください。
そうやって、理想の買い方に近づいていきましょう。
買わない挑戦は、暮らしを窮屈にするものではなく、生活を自分でコントロールする力を取り戻すことです。
焦らず、自分のペースで続けてくださいね。