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断捨離はスキルのひとつ。ものを捨てるときの居心地悪さや不安はなくなりませんが、慣れればだんだん捨てるのがうまくなっていきます。
ただし捨て始めなければ、いつまでたってもこのスキルは身につきません。
今回は、ものを捨てるときの不安や痛みとうまく付き合うコツを紹介します。
断捨離で一番難しいこと
不用品を捨てることを難しくさせている一番のポイントは、「これを手放しても大丈夫なの?」という不安だと思います。
「また必要になるかもしれない」
「後で後悔するんじゃないか?」
迷って、結局何も決められず、捨てることを先延ばしにすることが多いですよね?
「今はまだダメだ、もう少し時間が経てばいつか確信が持てるはず」。こんな風に思うかもしれません。
でも、実際はどうでしょう?
1年後にそのアイテムを見ても、やはり捨てる決断ができないのではないでしょうか?
家の中は相変わらずものがあふれたまま。
捨てる決断をしなければ、その時は嫌な気分にならなくてすむかもしれません、ですが、長い目で見ると、スッキリした暮らしから遠ざかります。
実はいらないものを捨てようとする時に「もしかして後で使うかも?」と感じる不安はなくなりません。
不安はなくならないけれど、その不安に対する対処法は身につけることができます。
断捨離は新しいことを始めるときに似ています。
最初はできるかどうかわからず不安でいっぱいです。でも、続けているうちに慣れ、スキルがつき、いつの間にかそうすることが当たり前になっていきます。
「もしかして、後でいるかも?」という不安はついて回りますが、不用品を捨てることに慣れれば、そのうち「決めることが怖くない自分」に変わります。
続ければスキルが身につく
今、あなたにはできることがたくさんあると思います。その中で、最初からできたことはひとつもないですよね?
私は現在カナダに住んでいて、日常的に英語をしゃべっています。
でも昔、英語が全くしゃべれない時代が30年弱ありました。今もそんなにうまくありません。
しゃべれるようになりたいと思って、一言一言、口から出していたらそのうちしゃべれるようになりました。
この過程で不安はいっぱいありました。
「文法が間違っていたらどうしよう?」
「伝わらなかったらどうしよう?」
「間違えたらどうしよう?」
「笑われたらどうしよう?」
今もこうした不安はあります。
だから、電話で話さず、メールで済ませられるならその道を選びたいと強く思います。
外国語は、完璧に話せるようになってから使うものではなく、間違えてもいいからとにかく話すことで慣れていくものです。
不用品を捨てることもこれと同じです。
完璧で正しい決断をする必要なんてありません。
迷いながらでも、とにかく捨てる。その経験を積むと捨てる判断が早くなります。
不安をゼロにしようとしない
「これを捨てても絶対後悔しない」。そんな確信が持てるまで待っていると、何一つ手放せません。
現実問題として、それを「いつか使うかもしれない可能性」はゼロになりません。
なぜなら、人は未来の状況を正確に予測することはできないからです。
ライフスタイルの変化や、急に必要になる出来事が起こる可能性は常にあります。
実際、「あーこれ捨てなくて良かった」という体験をしたことがある人も多いでしょう。
私も娘が小学校で使っていたマーカーを全部捨てて何年か経った後、塗り絵を始めた時「あのマーカーがあったら今使えたなあ」と思ったことがあります。
しかし、いつか使う可能性を理由に不用品を取っておくと、ものは減らず、今の窮屈な状態が続きます。
大切なのは、「必要になるかもしれない」という不安を重要視しすぎないことです。
私も、ものを捨てるときには「これ、何かに使うかもしれない」とちらっと思います。それはごく自然な感情であり、本能的な反応です。
しかし、「何かに使うかもしれない」と思うことと、実際にそれを捨てて後悔することは別の話です。
基本的にいらないものを捨てているのだから、それがまた必要になることはありません。
ものを手放すと、それを持っていたことはすぐに忘れ、捨てたものがなくても生活に困ることもありません。
完璧な確信を持てるまで待つのではなく、今の生活の充実を優先して不用品を処分したほうが、自分のためになります。
やってみないと自信はつかない
英語の話にもどると、私は最初は「間違えたら恥ずかしい」といった不安が大きく、口を開くのが億劫でした。
ですが必要に迫られて英語をしゃべっているうちに、意外と伝わることが分かりました。
外国語なので、ネイティブみたいに流暢に話す必要もないんです。
結局、言葉は実際に使ってみないと上達しません。
断捨離も、これとまったく同じです。「これを捨てても本当に大丈夫?」と悩んでいる間は、ずっと不安は消えません。
実際に捨ててはじめて、「捨てても意外と大丈夫なんだ」と気づきます。
捨てる前に完璧な判断を下すことよりも、実際に手放してみて、その結果を体感することが重要です。
やってみないと、いつまで経っても「捨てても大丈夫」という境地には立てません。
「何を手放すか」よりも「どう対処するか」が大切
「もし後で必要になったらどうしよう?」という不安は誰にでもあります。
でも、必要になった時、対処する方法もこれまた誰にでもあります。
不安が大きい人は、対処法をあらかじめ考えておくと気持ちが楽になります。
「これがないと困るかもしれない」という漠然とした不安に意識を向けるのではなく、必要になった時の具体的な代替案を考えておきましょう。
「なしですます」という究極の解決法もあります。
本当に必要なものは、意外と少ないものです。
「何を手放すか」にこだわりすぎるより、「必要になった時にどうするか」を考える方が、シンプルな暮らしに近づくことができます。
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不用品を手放す時の不安や迷いは完全にはなくなりません。
ですが、捨て続けているうちに、不用品を処分することに慣れ、捨てた後の快適な生活も体験できます。
断捨離をするとき、「不安がなくなること」や「後悔しないこと」を目標にするのではなく、「不安に慣れること」「続けてスキルを伸ばすこと」 を意識しましょう。
最初は小さなものから始めてください。
古くなった書類や使っていない文房具など、明らかに不要だと感じるものを手放して、「手放しても大丈夫だった、かえって気分がいい」という体験を積み重ねていきましょう。
その経験を繰り返すうちに、「これはもう使わない」「なくても問題ない」という判断が以前よりスムーズにできるようになります。
捨てることに対する抵抗感も少しずつ薄れていくでしょう。
不安だからやめるのではなく、不安があっても進める自分になって、生活をシンプルにし、より快適に過ごしていきましょう。