人台

断捨離テクニック

クリーニング代が惜しくて服を捨てられない人へ。もったいない病を克服する考え方。

先日締め切ったプレゼント企画のコメントで、クリーニングしたままの服が捨てにくい、気持ちの切り替え方を教えて、という質問をいただきました。クリーニングにお金をかけたから、そこがもったいなくて捨てられないそうです。

こんなときどうしたらいいのでしょうか? この記事で回答します。

コメントを先に紹介しますね。たこやき52点さんのメッセージです。



クリーニングした服を捨てるのがもったいない

クリーニング代をかけて、しまったままの服が捨てにくくなっていて困っています。クリーニング代が惜しく思うのですよね。

売るには、申し訳ない服もあるし。結果捨てるのですが。

もったいなかったよな~と思う、気持ちの切り替え法を教えていただきたいです。自宅洗濯できる服を今後選べばいいのですよね。

たこやき52点さん、プレゼントの応募とご質問、ありがとうございます。

クリーニング代のみならず、何かがもったいなくて捨てられないときは、以下のように考えてみてください。

「もったいない」と感じるけど実はもったいなくない

断捨離していると、誰でも必ず、「捨てるのもったいない」と思います。これは正常な反応です。別に「もったいない」と思ってもいいのです。それに、もったいないことは、他にもいろいろやっていますよね?

その服に関してだけ、強く「もったいない」と思ってしまうのは、捨てたくないからです。本当にもったいないから「もったいない」と思うのではありません。

なぜもったいないと思うのか? 3つの理由が考えられます。

1.人はいったん手に入れたものを手放すのが嫌だから

人は所持品を捨てることを本質的に嫌います。

この点については何度も書いています。代表的な記事⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

こちらでは、実際、何かを捨てるときに痛みを感じている話を書いています⇒ときめきや直感にだまされるから断捨離に失敗する

2.人は現状維持を好むから

人間は毎日同じような生活をすることを好むので、きょうもきのうと同じように不用品を捨てないで持っていたいと思います。

人は外的、内的環境の変化があっても、身体の状態を一定に保とうとします(これをホメオスタシスといいます)。外が暑くても寒くても、体温はほぼ一定に保たれています。

ホメオスタシスがあるから、健康でいられます。これは神経系、内分泌系、免疫系の機能が緻密に強力しあって作っている状態です。

毎日が、前日とは大きく違う波乱万丈な生活だと、新しい刺激があってエキサイティングかもしれません。しかし、身体全体としては対応に疲れます。脳は予測できる状態で生きるほうが安心なのです。

生活環境が大きく変わると自律神経失調症になったりします。いきなり宝くじに当たった人は、たいていみな不幸になりますが、ホメオスタシスのバランスがくずれるせいではなかろうか、と思います。

物を捨てることは、きのうと違う自分を生きることを選択することです。

大げさに感じるかもしれませんが、それほど、物を捨てたくない人は、強力に「いや、捨てない!」と抵抗します。

私は自分でもそういう感情を体験したし、母と断捨離したときも、かなり強い抵抗にあいました⇒検索 実録 「実録・親の家を片付ける」のまとめ

読者のメールを読んでいても、ものすごく強力に抵抗しているさまが見てとれるものが何通もあります。

物を捨てることは、コンフォートゾーン(comfort zone)を出ることです。コンフォートゾーンとはふだんの自分が居心地がよいと感じる場所。たいていの人は、コンフォートゾーンにいたいので、捨てないほうを選び、捨てない言い訳として、「お金がもったいないから」というもっともらしい後づけの理屈を採用している、と私は考えています。





3.人は過去の失敗を認めたくないから

買ったはいいが、全然着なかった服を捨てる決断をするのは、自分の過去の失敗を認めることになります。

人間は自分が間違っていると認めることを好みません。これはよく考えてみればわかりますよね? 自分にとってうまくいかなかったことを他人や状況のせいにする人は大勢います。

程度の差こそあれ、何かがうまくいかないとき、「それは私以外の何かのせいだ」と考えるのが人の常です。これはたぶん、心をまもるメカニズムだと思います。

すべてを自分のせいだと思っていたら、すごく悲観的な人間になって、人生が真っ暗になります。

悲観主義の弊害はこちらに⇒ポジティブ思考は学習できる。前向きになる4つのポイント教えます。

おまけに私たちは、小さいときから学校で「答えを間違えてはいけない」と強く教え込まれて育ちます。

この点についてはこちらの動画をごらんください⇒上手になりたいと思っていることをきっちり上達させる方法(TED)

このため、間違えること、つまり失敗することを極端に恐れるようになります。「失敗しちゃだめなんだ」という考え方がなかば強迫観念になっている人も多いでしょう。

さらに、人によっては、すごくプライドが高いとか、見栄っ張りのせいで、間違えることはとんでもなくかっこ悪いことであり、人間性を否定されることだ、と思っています。

このような理由から人間は自分の間違いや失敗を認めるのを嫌うのです。

買った服を全然使わず、ご丁寧にクリーニングにまでお金をかけて、まだ捨てないでいる自分。そんな自分の間違いを認めるのはいやなので、誰も着ないけど、とりあえず、クローゼットに服をぶらさげておきたいと願うのです。

そのとき、そうする理由として、2番と同じように「クリーニング代がもったいないから」というロジックを使います。

~~~~

このように、最初の反応が「捨てるはもったいない」というものだったとしても、それは単に、自分の脳がこしらえている言い訳です。

「本当にもったいないのか?」と考えてみると、「いや、いま捨てないほうがずっともったいないじゃん」、という結論に至ります。いま捨てることを決意し、過去の失敗から学べば、自分は一步前進できます。

そう考えれば、「もったいなかったな」ではなく、「よい学びを得られた」と前向きな気持ちになれませんか?

なぜ、捨てないほうがもったいないのか?

使わないものはそれに気づいた段階ですぐに捨てたほうが、お金も時間ももったいなくありません。

なぜなら、過去記事に何度も書いていますが、それを管理する手間とコストが発生するからです。

たこやき52点さんの服にしても、すでに「服を買ったお金」+「クリーニング代」が支払われています。また、目には見えませんが、その服をしまっておくスペースにもコストがかかっています。

くわしくはこちらを読んでください⇒節約ではお金はたまらない。お金持ちになりたいなら、買わない暮らしが1番いい

毎日使っているものをメンテナンスするのはごくふつうのことですが、使っていない物でも、それが自分の家にあるかぎりメンテナンスの手間は発生するのです。

おまけに心的コストも支払われています。「もったいなかったなあ」なんて自責の念を感じることがこれにあたります。

「売るには申し訳ない服」とはどういう意味でしょうか? 服に「申し訳ない」と感じているのでしょうか?

このように、単なる物に、「申し訳ない」とか「借りを感じている」と思うなら、物に支配されている状態に近づきつつあるのかもしれません。

いらない物がたくさんあって、それが重荷になっているのです。捨てるに捨てられない物は、心の中で漬物石のように重たくのしかぶさっています。

よく断捨離をした人が「スッキリした」「自由になった」「身軽になった」といいますが、不用品を捨てると、この漬物石が取れるからなのです。

自分の心を重くしてくれる物は、どんなに高かったものでも、どんなにクリーニング代に投資したものでも、今すぐ捨てるべきではないでしょうか? そうしないと、今後もさまざまなコストが発生します。

私の母も、私がカナダに来たあと、私の服で上等そうなのをクリーニングに出して、裏の洋服だんすに収納していました。年月がたつうちに、ウールの服には虫食いの穴があきました。

私はデザイナーブランドのお高い服に散財していましたが、値段なんて関係なく穴があいてました。結局すべて断捨離しました。

捨てたくないなら、今すぐ着るといいですね。

「もったいない病」を克服したい人へ

こちらにも「もったいない」と思う気持ちの捨て方を書いています。

お金がもったいないから不用品を捨てられない問題の解決法。

「使える物を捨てるのはもったいない」こう思うからいつまでも片付かない。

高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません

*****

今回は、「もったいない」と思って、使っていない物なのに捨てられないときの考え方のヒントを書きました。

自分のやっていることを客観的に見て、長期的視野にたてば、いらない物を後生大事に持ち続けることのもったいなさがよくわかると思います。

先にも書きましたが、人は人生のさまざまな面で、もったいないことをたくさんしています。人間は無駄なことやしょうもないこと、つまり失敗をしながら生きるのがデフォルトなのです。

物を捨てるときにだけ、「もったいなさ」にこだわりすぎるのは、おかしくないですか?





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