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生活の質をあげるために、身の回りにあるさまざまな限界を意識することをおすすめします。
人のイマジネーションのちからはほぼ無限大です。そのせいかどうか、現実にはリミットがあるのに、その限界を無視して行動する人がいます。
こうした行動は、生活を複雑にし、次々とストレスをうみます。この記事では、限界があることを見極めたほうがいいものを6つに分けて紹介します。
リミットがあることを知れば、もっとシンプルに暮らせますよ。
1.スペース
自分の家にある収納スペースには物理的な限界があります。
どんどん服を買って、クローゼットをぱんぱんにし、毎朝「着るものがない!」とあせっている人は、この限界にまったく気づいていません。
服に限らず、食器や洋服、食べ物なども、しまう場所に限界があります。
家から物があふれている人は、片付けができないのではなく、単に自分の家の限界を無視しているだけなのです。
一度、自宅の収納スペースについて考えてみてください。
どの部屋にどんな収納スペースがあり、広さはどのぐらいで、いま、何がどのぐらい入っていて、あとどれぐらい入りそうなのか、ということです。
以前、私も、自分の家にある引き出しの数を数えてみましたが、所持品を確認するよいきっかけになりました。
自宅の収納スペースをしっかり把握してから、買い物をすれば、家のあちこちに物が積み重なることはなくなります。
関連記事⇒家中の収納スペースをリストアップしてみる:ミニマリストへの道(110)
2.時間
1日は24時間だ、ということは誰でも知っています。
ところが、今日が終わってもすぐにまた明日が来るので、なんとなく、自分の時間はいつまでも続く、と感じてしまいます。
まあ、若い方なら、まだまだ時間はたっぷりあるでしょう。
ですが、私のような、もうすぐ60歳の人間には、もうそんなに残り時間はありません。ふと気づけば、今年ももう8月14日です。いつかは手持ちの時間が使い果たされるのです。
最近私は、物を買うとき、あと15年から20年で使い切れるかなあ、使い切れる分だけ買おう、と考えることが多いです。
今年の2月に塗り絵を始め、色鉛筆やマーカー、絵の具を買いました。
複数の画材があるので、毎日のように塗っても、そんなに簡単にはなくなりません。
ついこのあいだまでは、90歳まで生きれば、あと30年ある、と思っていましたが、そこまで元気で生きられるかどうかわからないので、最近は残り20年と見積もっています。
そのあいだに使い切れそうにないものは持たないようにしているのです。
このように、時間が切れるときを意識すると、この世で使い切れそうにない物は買わなくなるし、すでにある物でも、時間内で消費できない物は寄付しよう、と考えることができます。
趣味グッズや読んでない本をたくさん持っている人は、ご自身の持ち時間を考えてください。
過去15年から20年、何に時間を使ってきたのかふりかえってみると、今後の見通しが立てやすいでしょう。定年退職後は、時間はできますが、何も意識していないと、これまでと同じように時間をつかうと思います。
関連記事⇒もう作る時間なんてない。趣味の物や材料を捨てるススメ:プチ断捨離24
3.体力
体力にも限界があります。これもあたりまえのことです。
ただ、人間はスマホのバッテリーの残りを示すバーや、ウルトラマンのカラータイマーのような、パワーの残量を知らせてくれるものを持っていないから、限界が来ているのに、気づかないことがあります。
しかも、思考と体力は連動しているため、「なんか、疲れてるけど、気のせいかもしれない」とか「たんにたるんでいるからだ」と解釈して、無理をしがちです。
関節が痛かったり、頭が重かったり、眠かったりというサインが出ていたとしても。
確かに、「病は気から」という面はあります。
けれども、どんなに前向きな思考の持ち主でも、死ぬ時は死にます。人間はロボットではないのです。
「自分は生身の人間である」という限界を尊重すれば、夜はもっとちゃんと寝るだろうし、身体にいい物を食べるだろうし、予定を入れすぎることもないでしょう。
ふだん健康な人でも、疲れると「疲れてますけど」とサインを出す弱い部分があります。
私の場合は歯でしょうか。
「ふだんとなんか違う」と思ったら、「気のせいだ」ですませず、忙しすぎたり、無理をしていないか振り返ったほうがいいです。
4.気力
気力とは内なるエネルギー、メンタルパワーのことです。
意気込みやモチベーション、元気といったものは、その気になればいくらでもわいてくる、と思いがちですが、これも限界があります。
「メンタルパワーってどこで製造されているのかな?」と考えてみると、脳が胃腸などほかの臓器や神経と連携して作っているわけです。
しかも、酸素やブドウ糖(脳のエネルギー源)がなかったら、何も作れないし、脳が疲労していてもだめです。
メンタルパワーの限界を考えたとき、わかりやすいのは、注意力や集中力、決断力です。
決断疲れとは? ⇒決断疲れを回避する方法。ミニマリストになるのが1番です
自制心や意志のちからも限界があります。
睡眠不足のせいで脳が疲れていると、記憶があやふやになるし、感情をうまく処理することができなくなります。
メンタルパワーにも限界があるとわかっていれば、毎日ちゃんと休息をとり、ふだんの自分にはとても達成できないような無理な目標を立てることもないでしょう。
思ったようにできなくて、「なんて自分はだめなの」と自己嫌悪に陥ることもありません。
子供に、過剰な期待をして、「なんでこんなこともできないの?!」と叱り飛ばしたり、大きなストレスをかかえたりすることもありません。
5.お金
今月30万円の給料をもらったら、1ヶ月30万円の枠内で暮らすべきです。
無駄遣いが多い人は、この限界を無視しています。
毎月いくら入ってくるか知ってはいても、限界として納得していないと、入った以上に使いすぎてしまうのです。
また、月々の収納の額が限界だとわかっていない人は、クレジットカードを使えば、自分の手持ちのお金を増やせるという都合のいい幻想をいだきます。
クレジットカードは借金(よそから借りてきた他人のお金で返す必要のあるお金)です。
カードを使ったら、すぐにカードの引き落とし口座に移したり、ちゃんと引き落としの分のお金を取りのいておいたりして、限界の枠内で暮らしたほうがいいです。
そうすれば、あとで明細を見てショックを受けたり、はらはらすることはありません。
もし、月々の収支があいまいで、「なんか知らんけど、お金がすぐになくなる」と思っているのなら、家計の限界を知ってください。
それが、家計改善の第一歩です。
クレジットカードのワナ⇒クレジットカードを使うとお金を使いすぎてしまう5つの理由
6.コントロールが及ぶ範囲
人にはコントロールできることとできないことがあります。
自分の行動や考え方は、自分で変えられますが(時間がかかったり、失敗することはあります)、他人のそれは自分ではコントロールできません。
他人がどう感じるか、何を考えるか、どんな行動をするか、何を言うか、ということは、その人にまかせるしかないのです。
天気や経済の動向、過去のできごともコントロールできません。人生が基本的に不公平だ、という事実もコントロールできません。
この限界がちゃんと腑に落ちれば、格段にストレスが減ります。
日々のイライラが多い人は、自分の問題と他人の問題がないまぜになっているからではないでしょうか?
家族が断捨離の邪魔をすると考えがちな人は、自分の課題に向き合うことで突破口が見えてきます。
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ほかにも、限界は自分のまわりにたくさんあります。
一食で食べられる量、一度に身につけられる服の量、一晩にできる仕事の量など。
人にはできることとできないことがあるのです。
もちろん、「こんなことできたらいいなあ」と願う気持ちがあれば、それができるようになる、ということはあります。
平安時代の移動手段は徒歩か牛車か馬でしたが、いまは自転車、バイク、車、飛行機、宇宙船なんてのがあります。限界の枠を取っ払おうと努力したから文明が発達しました。
ですが、人の肉体的な限界は大昔から変わっていないし(寿命は伸びましたが)、時間やお金の限界は、そういうルールになっているので、いくら自分がじたばたしても、変わりません。
制限や枠があるんだ、と考えることができれば、切羽詰まった気持ちから解放されます。