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「持たない暮らしを始めたら、お金を使いすぎるようになった」という読者の相談にアドバイスします。
ものを減らせば節約につながると私が考えていますが、逆に、家具や道具の買い替えで出費が増えるケースもあります。
そんなときどうバランスを取ったらいいのでしょうか?
まず、お便りをシェアしますね。リバーさんからいただきました。
ミニマルライフにしたらお金が出ていく
件名:お金を使いすぎてしまう。
私は特にTEDの記事が好きで、すべての親が「いい親」ではない(TED)は、とても共感しました。
きょうは、悩みをきいてください。
数年前にできるだけ物を減らし、シンプルに暮らしたいと思うようになり、断捨離を始めました。以前より部屋はすっきりしてきたのですが、金遣いが荒くなったような気がします。
大きすぎるソファを処分しましたが、そのあと、どうせなら長く使えるいい椅子を買おうと思い、ものすごく高い北欧デザインの椅子を買ってしまいました。
確かに見た目はいいし、座り心地もいいと思うけど、ローンを組んだので、ちょっともやもやしました。
鍋も、最低限でいいと思って大きいのと小さいのを2つだけ残しましたが、一生ものが欲しいと考えて高級ブランドの鍋を買いました。ところが重すぎて使いにくく、結局ふつうのもっと手頃な鍋を買い足しました。
本当に必要なものしか持たないと決めると、ものに対するこだわりが強くなると思います。
筆子さんは、ミニマルライフはお金が残ると書いておられますが、私は、なぜか出費が増えています。
ミニマルな暮らしとお金のバランスの取り方を知りたいです。
日本はまだまだ暑いです。カナダはどうでしょうか? これからも記事を楽しみにしていますね。
リバーさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
いつもブログを読んでいただき感謝します。
TEDの記事が参考になってよかったです。
断捨離を始めて、スッキリ生活になったのですね。少しずつ自分の暮らしやすい生活に変えていくのはいいと思いますが、いきなり生活をグレードアップしようとしないほうがいいですよ。
ものを捨てたあと、もっといいものを買おうとしたり、ものにこだわりすぎてしまうのは、ミニマルライフのワナの一つだと思います。
でも、安心してください。少し考え方を変えれば、お金を使いすぎなくてもミニマルライフを楽しめます。
今回は、4つアドバイスしますね。
1.ミニマル生活の目的を再確認する
リバーさんが、ミニマルライフ始めた目的や、目指していたことを再確認してください。
断捨離や節約、ダイエットなど、自分が「こんなふうにしたい」と思って始めたことが、おかしな具合になっているときは、たいてい、当初の目的を見失っています。
多くの場合、ミニマルライフにする目的は、自分らしく心地よく暮らすことだと思います。
つまり、ものを減らすことや完璧な道具をそろえることは、ミニマルライフをする理由ではありません。
まあ、そういう人もいるかもしれませんが、リバーさんの場合は違うと思います。
ものにこだわってお金を使いすぎるとストレスが増えるので、シンプルに生きるという当初の意図からずれていきます。
「暮らしを楽にする、もっと穏やかに暮らす、そのためにものを減らすんだ」という原点に戻ってください。
レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない
2.値段より使いやすさで判断する
ブランド品や高級品が、自分にとって必要なものとは限りません。
「よいものは高いものだ」と思いがちですが、実際は自分にとって心地よく、使いやすく、暮らしに馴染むものが「よいもの」です。
ブランド品や高級品は確かに質はいいでしょう。
でも、ノンブランドの商品でも、ふつうに使えるものがたくさんあります。
ブランド品は、品質やデザインといった物理的な価値だけでなく、歴史や物語、人々の憧れや感情といった無形の価値が価格に上乗せされています。
そのようなストーリー性のあるものを使っていると気分がいいかもしれませんが、なくても生活に支障はありません。
実際、私ブランド品は使っていません。アップル社のアイフォンやタブレットを使っていますが、アップルだからというより、使いやすいからです。
少し、ものに対するこだわりを捨てるといいかもしれません。
少ないもので暮らすのだから、一生ものを持たねばならないと考える必要はありません。
これからもリバーさんの人生は続きますので、その時々で必要なものは変わります。今ここで、「決定版」を持とうとすること自体が無理な話です。
3.本当に必要になってから買い替える
何かを捨てたからといって、いきなり「もっと素敵な代替品」を買う必要はありません。
もう少し自然に、「これは不用品だ」「これはなくてもいいかもしれない」と思うものを、手放していってください。
たとえば、リバーさんの鍋ですが、買い替え前提で、捨てているように感じられます。
つまり、もっといいものを買うために捨てているように思えます。
そうではなく、「今の自分には必要ないなと思うものを処分した結果、部屋がすっきりした」という状態が自然です。
私は不用品を捨てることをおすすめしていますが、今、必要なものまで捨てる必要はありません。
愛用品はそのまま手元に残し、どんどん使って使い切るといいでしょう。その後、必要なら新しいものを買えばいいのです。
死蔵品を使い切るチャレンジをしてみると、使い終わってから次の商品を買うことに意識が向くと思います。
4.予算を決める
節約したい人がやるように、ふつうに予算を決めてお金を管理してください。
リバーさんの場合、家具や鍋など、たまにしか買わないものを買っているので、特別費という枠で管理するといいでしょう。
「椅子は5万円まで」「鍋は1万円以内」といった具体的な数字を決めるのも一つの方法ですが、特別費は毎月使うものではないので、1年、もしくはシーズンごとに枠を作ってその範囲で買うといいと思います。
このとき予算は、金額ではなく、収入の◯パーセント、使えるお金の◯パーセントと割合で考えたほうが使いすぎないでしょう。
買い物習慣全般を見直して、今の買い物グセを手放すのもいいと思います。
高いものを買うきっかけになっていることを調べて、そうした動機づけを変えてみましょう。
高級な家具を紹介している雑誌や、SNSのアカウントを見すぎないのも一つの方法です。
節約法については、過去記事でもたくさん書いているので参考にしてください。
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持ち物を減らした結果、お金を使いすぎている読者の悩みにアドバイスしました。
以前も、ものをたくさん捨てたあと、もっといいものを買ったほうがいいのかと考えてしまう、というお便りをもらったことがあります。
ものを減らすと、手元にあるものは完璧でなければと思いやすくなるんでしょうね。
でも、暮らしを快適にするのは高級品やブランド品ではなく、日々の生活に合うものです。
身の丈に合ったものを気軽に使うほうが、楽しい生活になります。
ミニマルライフは、ものの数や質を誰かと競うことではありません。少ないもので、自分らしく暮らす喜びを手に入れることを意識してください。