スマホをする人

TEDの動画

他人と比較する文化を超越して生きろ(TED)

いろいろなことを人と比較して、勝手に落ち込む傾向のある人におすすめのTED動画を紹介します。

タイトルは、The Culture of Comparison (比較する文化)、プレゼンターは、起業家でセラピストのビア・アーサー(Bea Arthur)さんです。



比較する文化:TEDの説明

Bea Arthur discusses popular culture and the effects of technology on our happiness. She suggests that it is our alignment towards a greater cause more than anything else that will lead us to more fulfilling lives.

ビア・アーサーは、よくある文化とテクノロジーが、私たちの幸せにどんな影響を与えているのか語ります。

何よりも、より根本的な目標に沿って生きることが、より充実した人生につながる、と彼女は提案します。

動画の長さは12分47秒です。字幕はありません。音響があまりよくないのですが、聞き取れないほどではありません。

動画のあとに抄訳を書きます。

みなFOMOに毒されている

私は企業家であり、メンタルヘルスカウンセラーでもあります。クライアントはさまざまで、6歳から67歳までの方がいます。

年齢や人種、社会的ステータスにかかわらず、すべての人に共通していることがあります。

FOMO(フォーモー)です。

FOMOは、Fear of missing out (取り残される恐怖)を表す言葉です。

ほかの人がみんな出かけたパーティに行き損なったと感じたり、週末にほかの人がバケーションを楽しんでいる写真を見て暗くなったり。

この恐怖の本質は、「自分が手にするべき何かいいものを逃してしまう」と考えることです。

この考えは、どんな年齢の人にもあります。

子供たちは、自分はもっといいおもちゃを持つべきだと思い、ティーンエイジャーは、もっといい服がほしいと感じ、ミレニアル世代の人は、もっといい豆乳でしょうか、よくわかりませんが。

要するに、みな自分が持っているものを、持っていないものと比較しているのです。

私に言わせれば、FOMOは、MOFOなのです。いまいましいものですよね。





ソーシャルメディアで不幸になる

このマインドセットをもっていると、自分が何をしても、「充分ではない」と感じてしまいます。

他の人に比べて、自分の人生は何かが欠落していて、幸せじゃない、と考えてしまうのです。

FOMOという言葉が生まれたのは、あまりによくある現象だからです。その原因はソーシャルメディアです。

これは残念なことです。Facebookは、好きな人の近況を知るために生まれたのに、少しずつ、自分が憎らしいと思う人の近況を知るツールになってしまったのですから。

みな、誰がどこで働いているのか、誰が結婚したのか、誰がお金持ちなのか、そんなことをチェックします。

私も同じです。

この冬はすごく忙しかったので、めずらしくジムに行けたとき、すごく自分が誇らしく思えました。そこでインスタグラムにお茶目な写真を投稿して、「フィットネスライフ」というハッシュタグをつけました。

その後、私の友人も、やはり寒さに負けず、運動をし、同じハッシュタグをつけて、ニューヨークシティマラソンの出場を許可されたレターを投稿しました。

これを見て、私はがっかりしました。FOMOを感じていると、自分の幸福が、ムービング・ターゲット(動く標的。*説明参照)になってしまいます。

自分自身を誇らしく、幸せにしてくれたものが、自分を負け犬だと感じさせてしまうものになります。人と比較したその瞬間に。

他人の行動のせいで不幸になったクライアント

私のセラピーのお客さんに、とても優秀な教授がいました。有名大学の先生で、ようやくテニュア(終身在職権)を取得できそうなところでした。

その年、テニュアを取れるのはその大学で1人だけでした。

テニュアが取れるかどうか心配で、この先生は不眠症になり、私のところに来たのです。

そのとき、大学側は、テニュアを与える人を決めるプロセスについて、ほとんど情報を出さず、なかなか結果を発表しませんでした。

そのため、教員の間で、ひじょうに緊張した、疑心暗鬼な雰囲気が生まれ、この先生は自分をサポートしてくれるネットワークを失っていました。

そこで、セラピーでは、感情の管理やリラックス法などにフォーカスし、彼が眠れるようにいろいろ行いました。

多少の効果はありましたが、彼は、あいかわらず、あまり眠れませんでした。

幸いなことに、この先生がテニュアを獲得し、大喜びで電話をかけてきました。私もすごくうれしかったものです。彼はとても幸せそうでしたから。

ところが次のセッションで、彼は落ち込んでいました。彼の友人で同僚でもある人が、今回の大学側のやり方が気に入らず、仕事をやめてしまったのです。

それがきっかけで、彼は、テニュアを断ろうかと考えるようになりました。他の人の決断をもとに、自分の進路を決めようとしていたのです。

人と比べて身動きを取れなくなったその先

比較する文化では、こういうことが起こるのです。

比較する世界にいると、ほかの人の行動をもとに、自分の選択を評価するようになります。

ですが、自分の意見や選択をほかの人のそれと比較することほど、なさんを混乱させ、まひさせるものはありません。

この現象はアナリシス・パラリシス(analysis paralysis)と呼ばれます。

自分で、本当は何をしたいのかわからないとき、進路にしろ結婚にしろ、なかなか決められず動けなくなることがあります。

そんなとき、同僚や友達、メディアの意見を参考にするのはごく自然なことですが、これは間違いです。

「こうしなければならない」という義務感から動くことほど、不幸せになる道はないからです。

答えは自分の中にある

こんなとき、見るべき場所は自分の周囲ではなく、自分自身です。

ところが、いまの文化では、自分の感じていることを語りにくいものです。

ある意味馬鹿げていますね。というのも、自分が考えていることを見てみると、たくさんのことがわかるからです。

自分の感情が、自分の行くべき道を教え、あなたという人を形作っています。どんな人生を送るべきかも教えてくれます。

自分の感情についてまじめに考えないのは、それが目に見えないからかもしれません。見えないものは、リアルではない、と思ってしまうのです。

ひとつ実験をしましょう。

みなさん、目をとじて、ずっと気にかかっていることを考えてください。ずいぶん前に起こったことでも、今朝起こったことでもいいです。

自分の心を重くするできごとです。

それについてじっくり考えてください、どんな行動を取れば状況は変わっていたのか、あんなことを言うかわりにどう言えばよかったのか、どんなことをしていれば、それを避けられたのか。

誰にもその気持ちは見えないけれど、そこにあるのは事実です。それほど、みなさんの感情はパワフルなのです。

感情はエネルギーであり、注意を向けることであり、気づきです。

自分がエネルギーを注いでいる方向に人生は動きます。

たとえ、その感情が嫌な気を起こさるものでも、注意を向けるべきです。うつうつとした気分でも、怒りでも。

そうした気分が、私たちに何かを教えてくれます。そこから学ぶことができるのです。

みなさん、物理的な病気は無視しません。ところが、いやな気分になると、「べつにいいわ、もっとポジティブになりさえすれば」とやり過ごしてしまいます。

「数分間、瞑想すれば大丈夫」というように。

そうしてもよくなりません。風邪と同じように、そのいやな気分に向き合わなければならないのです。

そうしてそこから学びます。

自分の感情を無視しがちな社会

私たちがこうできない理由のひとつは、この社会では、「避けること」がごく普通になっているからです。

「自然によくなるわ」と言うほうがずっと簡単だからです。

ときに、よいと思ってやろうとしたことが、うまくできず、罪悪感を感じる、というサイクルに陥ります。

だからそのままにしておいたほうが簡単なのです。

嫌な気分になりたい、と最初から思っている人はいません。ところが、比較する文化にいると、ほかの人のタイムラインや、ほかの人のスタンダード、ほかの人の欲望に影響を受けてしまいます。

自分自身を見ることはとても重要です。

競争することは、比較する1つの形です。自分が好きな人、尊敬する人を目標にすれば、自分の助けになるかもしれません。

ですが、競争も、自分を毒してしまう面はあります。

自分のゴールに向かう行動をとる

一番いいと思うのは、alignment (アライメント)を目標にすることです。

自分のゴールに沿った行動をするのです。

自分の目的に沿った生き方をしていれば、他人と比較したり、競争することで生まれる雑音は、まったく気になりません。

自分の価値観に沿っていれば、そうしたことは、問題にならないのです。

自分はどんな人間になりたいのか考え、そのための道を歩めば、ほかの邪魔は無視できるようになります。

自分が求めているものに向かっていれば、自分が達成したいものだけが見えます。

たとえば、人生に愛が必要だと感じているなら、前の夫や恋人のところには戻りません。退屈だからと、そのへんの人と関係をもったりもしないでしょう。

というのも、愛を見据えて、そこへまっすぐ進んでいるからです。

起業するときも同じです。どんな人生を生きたいのか考えたとき、自分のビジネスを持つことが不可欠だ、と思うなら、うまくいきます。

私が会社を作ったとき、ほかのプランはありませんでした。

長いあいだ、文無しで、ストレスでいっぱいでした。ほかの人のお金の問題を聞いて、カウンセリングしていたんですけどね。

ですが、ほかの道は何も考えていなかったのです。私は自分の目的と完全に並んでいたから、だんだんビジネスが大きくなりました。

自分の希望を口にするすすめ

みなさんにも同じように感じ、生きてほしいのです。自分の目標に向かって、もっと上の段階に行くには、比較することで生まれるノイズを超越しなければなりません。

それは、そう口にする(expression)ことから始まります。

セラピストとして思うのですが、口にすることは、進化することです。口にすることを促すのがセラピストの仕事です。

セラピストは触媒だと思います。

セッションで、みなさんが変わるために必要なコミットメントや勇気を引き出すのですから。たとえそうすることが、居心地が悪く、つらかったとしても。

確かにそのプロセスは困難ですが、求めているものを得ようとするとき、その価値に気づくものです。

最初にすべきことは、口にすることです。言葉にすれば、それは現実となります。

みなさんに、ノイズを超越した世界で生きることをおすすめします。

比較することでカオスになっている文化を超えてください。自分の目標を見据えて、心配や不安、焦りをブロックしてください。

ほかの人のやっていることにあれこれ気をまわすと、自分の目標から遠ざかります。

もし自分が求めているものと、しっかり並んで生きているなら、いずれそのような生活をできます。

本当ですよ。

自分のマントラを唱えてください。

私のマントラは、「自分を前進させてくれるものに、深くかかわりたい」です。

どんなセラピストも、みなさんの純粋なバージョンを引き出そうとします。ノイズの上にいる自分です。

みなさんに平和と力がありますことを祈っています。きょう、そしてこれから毎日。

////抄訳ここまで////

単語の説明

MOFO  motherfucker の略。
くそいまいましいとか、ばかったれ、といったののりし言葉(スラング)なので、使わないほうがいいです。

moving target  動く標的、または、時間とともに要求が変わること。

たとえば、ICカードを入れる定期入れはすでにあるのに、友人から、ベルトがついていて取り外しが簡単な、もっと便利でおしゃれな定期入れを買ったと聞いたり、見せてもらうと、自分もほしくなるようなことです。

友人から見せてもらう前は、その定期入れを欲しいとは思っていなかったのに、友人からその存在を知らされたら、欲しくなりました(要求が発生した、ということ)。

つまり、ターゲット(手に入れたいと思うもの、目標)が、動いたわけです。

tenure  大学教員の終身在職権

analysis paralysis  アナリシス・パラリシス
分析しすぎてまひすること。考えすぎて、動けなくなること。

alignment 一直線にすること。

比較しすぎない生活をするのに役立つ過去記事

SNS依存に注意。FOMO(フォーモー:取り残される不安)を捨てる方法

なぜデジタル機器の画面を見て過ごしていると幸せから遠のくのか?(TED)

スマホは人の思考をどんなふうに変えるか(TED)

人と自分を比べるのをやめる方法。比較をやめれば物を減らせる。

節約したいならSNS(特にインスタグラム)は見ないほうがいい6つの理由。

見栄を張るのをやめたいなら、まっさきに読むべき記事がここにある。

悩んでいるときは次元をあげてみる

ビアさんは、人と比較することから生まれるノイズだらけの世界を超越しろ、と語っています。

つまりそれは、自分の価値観や信じていることに沿った生活をすることです(アライメント)。

ようするに自分軸で生きろ、ということですね。自分の価値観を大切にする生き方をしろ、ということです。

どうしたら、そうできるのか、こちらにいくつかヒントを書いています⇒自分の価値観に沿った暮らしをするには?:心を満たす方法(その2)

結局、ほかの人と比べるから、不安になったり焦ったりするわけです。

人間は、ほかの人の行動や生活をみて、自分の立ち位置を微調整しています。しかし、それはあくまで、自分が自分らしい生き方をするための調整であるべきです。

自分の人生の主役は自分ですから。

ところが、最近は、SNSがあるため、他人の生活を切り取った写真を見て(その裏にあることはあまり考えず)、自分もああしたほうが幸せになるかもしれない、とか、自分にはああいうものが足りないから手に入れなければならない、と無意識のうちに思ってしまいます。

この場合、自分の幸せはムービング・ターゲットなので、どれだけ物を買ったり、何かをやっても、つねに「足りない」状態です。気持ちは満たされず、ガラクタばかりが増え、貯金はできず、老後が不安になってしまうのです。

「足りない」とか「あの人に負けていて不幸だ」「もっとこうしなきゃならない」と思ってくよくよしたら、ひとつ次元をあげて考えてみるといいかもしれません。

つまりそういうふうに悩んでいる自分の姿を一段階上から見るのです。すると、ささいなことに悩むことで大事な時間を失っていることに気づけます。

ビアさんが言うように、自分の感情に向き合うのもいいですね。

結局、悩みは、自分が生み出しているのだから、それがどこから来ているのか、なぜ自分は、ある現象をそんなふうに解釈しているのか、自分で考えてみると(これをメタ認知といいます)、解決のいとぐちが見つかります。

問題は自分で作り出したのだから、自分で解決できるのです。

****
アナリシス・パラリシスって言いにくいですよね。私は、ひそかに、これを「アナパラ」と呼んでいます。

「アナウンサー・パラダイス」とは違います。

断捨離できない、片付けられない、と悩んでいる人もアナパラに落ちています。

効率的な捨て方、できるだけすぐに終わる断捨離、疲れない断捨離、リバンウンドしない片付け方、スマートな捨て方、楽しい捨て方、簡単な捨て方などなど、考えすぎて、1つも捨てられないのです。

アナパラから抜け出す方法は1つだけです。

行動すること。つまり実際に捨てることです。





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