ページに広告が含まれる場合があります。
「ものがたくさんあったほうが私は幸せになれる」という考え方が間違っている理由を4つ紹介します。
「ものがたくさんあったほうがいいに決まってる」という気持ちは、普段は意識すらしていない思い込みです。
この思い込みがあるから、不用品を捨てられないのではないでしょうか?
たとえそれが不用品でも、自分のものの数を増やすことには貢献していますからね。
ものが増えれば、幸福も増える。この考え、本当に正しいと思いますか?
私は違うと考えています。その理由を書きます。
不用品をなかなか手放せない人、すでにものが家にいっぱいあるのに、新たに手に入れることが止まらない人。
そんな方に読んでもらいたい記事です。
0.根拠のない思い込み
使わないものが増えてきて、部屋が散らかってきたから、少し片付けよう。
こう思う人はたくさんいます。
部屋をきれいにしたいとき、もっとも効果的なのは、ガラクタを捨てることです。だから、さっさと捨てればいいのに、なかなか捨てることができません。
その理由はなぜか?
「ものがたくさんあったほうが私の人生、よくなるはず」と信じているからではないでしょうか?
私は、よく、ものを捨てる話を書いていますが、何もかも捨てろとは言っていません。
不用品を捨てろと言っているだけ。
不用品ですら捨てられないとしたら、「使っていようがいまいが、ものがあったほうが、私は幸せになるんだ」という根拠のない思い込みに支配されているのだと思います。
この思い込みを手放して、新しい考え方をすれば、ガラクタと手を切ることができます。
以下の点をチェックしてください。
1.実際はどうなったか?
これまで、「ものがいっぱいあるほうが幸せになれる」という考えのもと、いろいろなものを買い集めた結果、今の生活がどうなったか、考えてください。
ガラクタが増えすぎて、生活しにくくなっていたり、買い物が止まらなくて、クレジットカードの請求にびくびくしていたりするなら、あれこれ買い集めたことは、かえってあなたを幸せから遠ざけたと言えます。
まだ何もものをもっていなかったときのことを思い出してみましょう。
まあ、多くの人は、生まれたときからものに囲まれているので、そんなときはなかったかもしれません。
あなたが、今の家に入居したときのことを考えてください。
新しい家には何もありません。しかしいったん入居すると、人はせっかくのスペースをどんどんもので埋めていきます。
1つずつものを増やすごとに、幸せになっていきましたか?
私は何度か引っ越しをしましたが、入居したときは、部屋には何もありませんでした。
毎回、狭い家に引っ越しましたが、スペースは十分だったのです。
でも、荷ほどきをして生活に必要なものを置いたら、とたんに狭くなりました。
家の主人は人間なのに、もののほうがスペースを取っています。
2.消費主義のわなから抜けられない
ものはそれを手に入れたからもう終わり、ということはありません。所有し続ける限り、ものが増えていきます。
老齢になって生活をダウンサイジングする人が増えています。
でもそこに行くまでは、私たちはずっとものを増やし続けますよね?
就職、結婚、出産といった人生の大きなイベントがあるたびに、ものを増やします。
子供が生まれれば、ものが増えて当然ですが、増えた人間の数には釣り合わないほどものが増えることもよくあります。
ものを手に入れるとたいてい以下の2つが増えていきます。
ものを入れるためのもの
ものが増えるとそれらを収納しなければならなくなるので、収納したりメンテナンスしたりするためのものが増えていきます。
収納小物や家具、収納スペース(家とか)を拡大していく生活になるでしょう。
数年前、塗り絵を始めたとき、塗り絵本や画材(色鉛筆やマーカー、絵の具など)をたくさん手に入れました。
そして、それらをしまうための収納ボックスを1つ買いました。
こんな感じの折り畳めるタイプです。
(アマゾンの広告リンクです)。
しまうときコンパクトになるように、折り畳めるタイプを選びましたが、未だに中に、びっしりものが入っているので、折り畳むチャンスがありません。
グレードアップするためのもの
人間は欲張りなので、なにかを1つ買ったところで「終わった! 満足した!」とは思いません。
必ず、今手に入れたものよりいいものが欲しくなります。
新しいものを買うとそのアイテムに見合う新しいものを欲しくなる話はすでに書きました⇒止まらない買い物を止める方法。ディドロ効果のワナを知れ。
そんな欲がない人でも、今使っているものに不便を感じたら、新しいものに買い替えます。
新しいものに買い替えたときに、古いほうを捨てないですよね?
買い替えたのは、古いほうが決定的に壊れたからではありません。もっといいものを見つけたから買い替えただけなので、古いほうもまだまだ十分使える。だから、もったいなくて捨てられないんです。
売り手側も、既存のものより少しでもいいものをどんどん販売しますから、なにかを買うと、それを一生、アップグレードしていくサイクルにはまります。
今使っているものに違和感があっても、古いタイプにダウングレードする人は少数派です。
つねに新しいものを買っていきます。
途中で使うのをやめない限り。
3.欲求は満たされたのか?
私たちがものを求めるのは、それがあると今の生活がもっとよくなる、つまりより幸せになれるという気持ちがあるからです。
人は、いつも「もっといい生活」を追い求めているのです。
では、はたして、これまでたくさんのものを手に入れて、追い求めていたものを手に入れることができたのか?
もっているものの数の分、あなたの幸せは増えたのか?
確かにものを買うとそのときは、幸福度がアップします。
その理由⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
でも、その幸せは長続きしません。
幸せが永続きするなら、私たちは、次から次へと短いサイクルでべつの似たようなものを手に入れるはずがありません。
最初の興奮がさめて、それが家にあることに慣れると、もう次のものが欲しくなります。
いくらものを手に入れても、「もっといい暮らしがしたい」「もっと幸せになりたい」という欲望は満たされないのです。
むしろ、だんだんむなしくなっていきます。
少なくとも私はそうでした。
ものが増えて、部屋が散らかるから、きれいに収納する方法を考えなければならず、通販で収納グッズを買ったり、雑誌で収納法を調べたりしました。
でも、結局、きれいにすることができず、視覚的ノイズが増えて、ものすごくストレスが増えました。
以前、会社をやめたあと、はじめて大々的に断捨離した話を書きました⇒断捨離を始めた5つのきっかけ~なぜ私はミニマリストになったのか?(2)
たぶん、会社に勤めていたときは、昼間家にいなかったから、視覚的ノイズでいっぱいの部屋でも、なんとか暮らせたのです。
しかし、家にずっといると、始終ノイズの刺激を受けなければなりません。
夏のボーナスをもらったタイミングで会社をやめたので、暑さで息苦しさが倍増しました。
だから、私は、使ってないものを捨てることにしたのです。
捨てているときに気づきましたよ。
すぐに捨てるようなものを買うのにお金を使わず、貯金しておけばよかったと。
これは、27歳のときの話ですが、無駄な買い物をほぼやめられたのは、もっとずっとあとのことです。
4.ものとの付き合い方はどうなったか?
ものが増えれば増えるほど、それぞれのものとの付き合いに割くことができるリソースは減っていきます。
私たちの時間もエネルギーも意識も限界があるからです。
ものとの付き合いとは、すなわち、それをどう使うかです。
ミニマルライフを始めて、たくさんものを減らしてわかりましたが、ものの数が少ないほうが、ひとつひとつを使う頻度はあがるし、使わずに放置してしまうものの数は減ります。
ものをたくさん手に入れすぎた結果、多くの人の家で、すべてのものとは付き合いきれず、多くのものが家の中でガラクタになっているのではないでしょうか?
ものの中には、使わずにただしまっておくだけで安心感を与えてくれるものもあるかもしれません。
でも、どこかにしまいこむと、それがあったことすら忘れるのが人間です。
ものがあればあるほどいい生活になると思って、いろいろ手に入れた結果、忘れ去られたものが家にたくさんあるのではないですか?
存在を忘れてしまったものがいくら家にあっても、それを「所有して活かしている」とは言えません。
存在を忘れてしまったものは、ただ、あなたのリソースを食いつぶしているやっかい者、もしくは招かれざる客です。
もちろん、ものが悪いわけじゃありません。
軽い気持ちで、どんどんものを招いてしまった所有者に責任があります。
自分のキャパシティも考えず、どんどんものを増やしてしまった結果がいま、自分に返ってきているだけ。
それでもまだ、「ものがたくさんあったほうが幸せになれる」と考えますか?
******
「ものがたくさんあったほうが自分や家族のためになる」。
この考え方を見直すことをおすすめしました。
ガラクタをちょっと減らしてみるとすぐにわかりますが、たくさんあるより、「ちょっと足りないかも?」ぐらいの量にとどめておいたほうが、生活しやすくなります。
「せっかく買ったものを捨てるなんてもったいなさすぎる」と思うかもしれません。
でも、そのまま、ものが足かせになる生活を続けるほうが時間がもったいないですよ。