きれいな歯

歯の健康

最終更新日: 2018.02.7

知らないうちに進む病気~歯肉炎と歯周病の恐ろしさ

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歯肉炎治療のために、歯を徹底的にクリーニングをした体験を書きます。さらに歯肉炎と歯周病原因治療法もお伝えします。

私は根管治療で歯の膿(歯の根の中の炎症)が治りきらなかったので、歯を3本抜いてインプラントをすることにしました。

インプラントの医者に行ったら、患部と反対側の上下の奥歯のあたりが歯肉炎になっているので、まずこれを治療しましょう、と言われました。

インプラントを入れる前に、口の中はできるだけ清潔にしておいたほうがいいのです。



歯肉炎(しにくえん)とは?

歯肉炎は、歯茎が赤く腫れた状態です。原因は歯垢(しこう)です。歯垢はプラークとも呼ばれます。

口の中にいつもいる細菌が歯と歯肉(歯茎)の境い目にくっついて歯垢になり、どんどん歯茎の中に入ろうとしている状態が歯肉炎です。

これが奥にまで到達すると、今度は歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始め、これは歯周病(ししゅうびょう)です。

歯肉炎は歯茎の炎症です。

炎症とは、細菌やウィルスがからだに侵入すると、からだがそこに「炎症細胞」を送り込み、バイキンと戦うことです。要するに、異物に対して、体が自分で治そうとする反応ですね。

戦うためには、栄養が必要なので、血管の浸透性が高まったり、毛細血管が増えたり、水が集まったりするので、たいてい赤く腫れます。

さらに発熱、痛みもおこります。こういう症状を起こし、本体のからだには安静にしていてもらい、バクテリアやウィルスが侵入した場所で戦う方に、できるだけ力を回すのです。

歯肉炎の場合は痛みはありませんし、だるくなったり熱が出るということもありません。初期のうちは出血もないので知らないうちに進行してしまいます。

私は、ふだん半年(状態が悪くなると3ヶ月)ごとに、歯のクリーニングに行っていました。

いつもクリーニングをしてすぐはいいのですが、そのうち歯茎に刺激を与えると血が出始め、またクリーニングに行っては、歯科衛生士さんに、「フロスを使ってちゃんと磨いてくださいね」と注意されていました。

ちゃんと磨いていいるつもりなのですが、私の場合、もともと虫歯が多く、たくさん詰め物があり、クラウン(かぶせ)もあり、ブリッジもあったので、歯垢をきれいに取りにくい状態なのです。

私の娘のようにこれまで虫歯の治療をしたことがなく、しかも歯の矯正をして歯並びをきれいにしておけば、普通に歯磨きしていれば、歯垢はたまりにくいです。

そんな娘ですが、歯の矯正のためにブレース(braces)という針金を歯につけていたときは、歯肉炎になり、歯医者に注意されていました。

ブレースをはめていると磨きにくいですから。矯正が終わった今は全快しています。

要するに小さいときから、フロスをかけ、歯磨きをして虫歯にならないようにしておけば、後々こんなことにはならないのです。

英語のことわざに、A stitch in time saves nineというのがあります。穴が小さいうちに1針縫っておけば、あとの9針分節約できるという意味です。

問題が小さいうちにタイミングよく1針縫っておかないと、あとで10針縫うことになるのです。

部屋の片付けも同じです。ガラクタが増えすぎないうちに片付けておけば、汚部屋にはならないのです。

私は、根管治療や、歯肉炎の治療、抜歯、インプラントなど、今になって何針も何針も縫っている状態です。





口腔内の徹底的なクリーニング(deep cleaning)体験

2015年1月21日、抜歯をする前に歯のクリーニングをしました。

ふだんのクリーニングは所要時間、45分~1時間というところです。そのときの歯の状態や、歯科衛生士さんの掃除の仕方にもよります。

1度、歯石がつきすぎていたいのか、1時間以上かかり歯科衛生士さんに怒られたことがあります。

このとき、「なんて怖い歯科衛生士なんだろう」と思ったのですが、今思うと、彼女は私の歯の健康のためを思ってくれていたよい方だったのです。

掃除が適当な歯科衛生士もいますから。

この日のクリーニングは2時間でした。

通常のクリーニングでは、麻酔は使いませんが、このときは、麻酔の注射を打ちました。

最初にインプラントのドクターが、左奥の歯茎のある箇所を綿棒で消毒し、ブスッと針をさしました。

注射の打ち方を、歯科衛生士(若い女性)に見せたのです。

「この薬はすぐに効く、すぐれものだよ」などと話しています。

針がささるときも痛かったのですが、そのあと、薬を入れたときも痛い。しかし、ドクターは慣れているのか、注射を打つのはうまいと思いました。痛いのですが、まだましです。

私はこれまで何回も歯茎に注射を打たれているので、慣れてない人はなんとなくわかるのです。

このあとその隣、右奥、右半ばより、真ん中あたりと、上だけで全部で6本注射を打たれました。

そして歯科衛生士さんがクリーニングを開始。

「痛かったら、手をあげて教えてね」と明るく言われます。

このときやったのはスケーリングとルートプレーニングです。

スケーリングとは歯の表面や、歯と歯茎のすきまから歯垢や歯石をがりがりと削りとることです(下のほうで貼っている動画を見てください)。

ルートプレーニングは歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の奥深くまで、器具をつっこんで掃除をすることです。

両方とも、歯垢、歯石、バイキンを、先のとがったもので手動でガリガリ削ったり、機械を使って削りとるのです。

何をやってるのか見えませんが、口の中が血だらけなのは、充分想像がつきました。

私は口をあけっぱなしで、時々右をむいたり、左をむいたり。
耐えられないような痛みは感じませんでした。麻酔がかかっていますからね。

上の歯に1時間。

下の歯に移る前に、歯科衛生士さんが、ドクターを呼びに行きました。

注射を打つ場所を確認したかったのです。

打つ場所も、慣れてないとわからないようです。人によって、口の形も違うので、そのあたり見極めが難しいのかもしれません。

ドクターは、「彼女の口はとても小さいが、左のすぐここに筋肉があるから・・・」などと言いながらまたブスっとさしました。

そのあと、歯科衛生士がブスブスブス、上の歯と同じように、麻酔の注射を打って、またガリガリとスケーリングを開始しました。

予定どおり2時間しっかりかかって歯のお掃除が終了。

「明日は痛みがあると思うので、ひどかったら痛み止めを飲んでね。あさってもまだ痛みが続くようなら、連絡してください」。

こう言われました。彼女は私がこのあと抜歯をすることを知らないみたいです。

☆このディープクリーニングから1年たったあとの経過観察について⇒歯周ポケットとは何か?歯茎が腫れていたら要注意

スケーリングとルートプレーニングでは実際何をやるのか?

わかりやすい動画(リアルの歯ではなくCGです)を見つけたので貼っておきます。英語の字幕がでますが、映像だけでわかります。

最初に歯周ポケットの長さを測っています。歯周ポケットは歯と歯茎の間にある溝です。

健康な歯なら、歯の根本は歯茎がぴったりくっついていますが、バイキンがたまって腫れてくると、歯茎は赤く腫れて歯の根本からちょっと離れます(この状態が歯肉炎)。すきまができるのです。これが歯周ポケット。

いったん歯周ポケットができるとさらにそこに細菌がたまります。最初は歯垢ですが、これが唾液の中のカルシウムなどと結びつき、石灰化して歯石(ターター)になります。

ポケットの奥のほうは、歯磨きでは届かないし、歯石になったら、やはり歯磨きではとれません。こうなると歯医者で器具を使って取ってもらうしかありません。

ポケットがどんどん深くなると歯を支える骨が溶け始めるので気をつけなければなりません(この状態が歯周病)。

骨がとけたら歯がぐらぐらしてきてそのうち抜けます。あるいはバイキンがたまりすぎて炎症がひどくなりひどい痛みが出るでしょう。

私も骨がすでにちょっぴり溶けていると思われます。

このように歯茎の病気はすごく恐ろしいものです。歯肉炎の初期の段階では痛みもなく気づかないので、silent disease サイレント・ディジーズ(静かに進む病気)と呼ばれます。

歯は毎日使うものですから、ここが健康だと、ストレスもたまりません。私は歯のために相当、人生のリソースを使っています。

それもこれも、1本の虫歯から始まっているのです。ただ、生まれつき虫歯になりやすい体質だったのかもしれません。歯並びやかみ合わせ、唾液の性質などによって虫歯になりやすい人、なりにくい人がいます。

次はいよいよ抜歯です⇒歯の根のトラブルのせいで歯を3本抜いた体験談~インプラント(3)

☆歯肉炎の経過ですが、前よりましですが余談を許さない感じです。ちょっと糖分のあるビスケットを食べると、左の奥歯、上下ともしみるような痛みがあります。

左下の奥から2番め(第一大臼歯)の根本は、以前からさわると痛みがありました。

先日クリーニングしたときも、ぴりりとした痛みがあったので心配になって歯医者に行きました。

歯の状態は変わっていないそうです。ここは去年大きなクラウンを入れたばかり。上のほうは隣とぴったりくっついておりフロスが下まで入らず、下のほうはちょっと空洞ができていてここに食べ物がはさまります。

しかしこの穴が小さすぎてふつうの歯間ブラシが入りません。しかもすごく掃除しにくい場所。しっかりケアしないと、ここも早晩インプラントです。





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