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片付けをしていたら、「どうして、まだ使える物を捨てるの?」と家族に聞かれた。こんなときに、口にしてほしい、捨てる理由を4つお伝えします。
まだ使える物を捨てないと身軽になれない
断捨離を始めたばかりの頃は、誰でもるんるんと進められます。明らかなゴミを捨てればいいからです。
しかし、真正ゴミがなくなったあと停滞します。
この時点で家に残っているのは、「まだ使える物」と「思い出の品」ばかり。
使える物を前にして、じーっと考えていると、家族がやってきました。
「どうしてまだ使えるものを捨てるの?もったいないだろう。ほら、断捨離なんてやめ、やめ!」家族は言います。
しかし、実はここからが断捨離の本番なのです。
本当に捨てなければいけないのは、こういう「まだ使えるけど、誰も使わないまま家に放置されている物」です。
こうした「まだ使える物」を捨てるとこんなメリットがあります。家族に説明してあげてください。
1.管理しなくてもよくなる
物を所有すると必ず発生するのが管理する手間です。何かを手に入れたら、メンテナンスしなければなりません。
どのぐらい管理が必要かはその物によって違います。やたらと管理の手間がかかる代表格は車や家です。
手間がかからない代表は小さなサボテン。水やりが不用だから、そのへんに放置しておいても、目をなごませてくれます。(2016年10月23日追記:サボテンは手がかかります、というメールを読者からいただきました。まあ、サボテンにもいろいろあると思います。ここでは、手のかからないサボテンを想像してください)。
クローゼットにぶらさげておくだけの服もそんなに管理の手間はないかもしれません。洋服の数が少なく、居住スペースを侵食していなければ。
ただ、すべての物はほこりを呼び寄せます。
もし、それらの物をちゃんと使っているのなら、管理する時間や労力は無駄になりません。世話をすることに喜びを感じる人も多いでしょう。
けれども、使っていない物なら、管理する手間、つまり自分の時間、労力、体力が奪われる一方なのです。
「私はずっと押入れに入れておくからいい」という人もいます。
それでも、大掃除、引っ越し、押入れに入れた別の何かを探す時に、この「誰も使わない物」はネガティブな存在感を発揮します。
簡単に言うと邪魔なのです。
邪魔なものを世話をする余裕、あなたにありますか?
本当に大事にしなければならないこと、ほかにあるのではないですか?
2.より自分の人生を生きられるようになる
断捨離と人生について語りだすと、家族は、「この人、何大げさなことを言ってるのかしら」と思うかもしれません。
ですが、もういらない物を捨てることは、よりよい人生を生きることにつながっているのです。
人の不幸は、自分の人生を生きないことから始まります。
自分の本当の気持ちとはうらはらに買物をして、物を溜め込むことは、自分の人生を生きていません。
特に見栄で物を買っていたらかなり重症です⇒貯金できないのは見栄を張るから。よく見せようとすることの恐ろしさとは?
見栄で買物をするのは明らかに他人軸で生きています。「みんなが持っているから、買うのが当たり前だから」、という理由で物を買うのは受け身な生き方です。
もし、今の生活に不満があるなら、それは自分が望んだ人生を生きていないから。
自分の人生を生きることは、誰かと競って競争に勝つとか、1000万円貯金するとか、最新流行のガジェットを持つとか、有名企業で働くといったことではありません。
自分が楽しいと思うこと、心の底から喜びを感じることに時間を使うことだと思います。
自分が心の底からやりたいことが、できるだけたくさんの物を持つこと、という人は少ないでしょう。
世間には、人形などを大量にコレクションしている人がいます。人形のために、大きな家を建てています。こういう人たちは、コレクションが心の底から楽しいのです。
けれども多くの人は違うでしょう。中途半端に物を持ち、使うこともしなければ、捨てもしない。いつのまにか、部屋は人の住む場所というより、物の倉庫になっている。
そんな生活が、自分の生きる喜び、なんて言えますか?これで住宅ローンの支払いが苦しかったら、かなり悲惨な状況です。
たとえまだ使える物でも、これは自分の人生にはいらない、と自分で決めて捨てることは、自主的に自分の人生を生きることです。
これまで、なんとなく家に入れてしまった物に1つ1つ落とし前をつけていく。それが、決断力を養い、より力強く自主的に生きることを可能にするのです。
3.暗い過去から自由になれる
ミニマリスト、シンプリスト、ダンシャリアンは、さわやかな笑顔で、「捨てたら身軽になった」と言います。
もちろん物理的に身軽になりますが、それより重要なのは気持ちの身軽さ。
いらない物を減らすと、さまざまな重圧から逃れられ、気持ちの負担から解放されます。
それというのも、家の中にあるガラクタはほとんどすべて、過去と紐付いているからです。
遠い過去と近い過去の違いはありますが。
もう何年も着ていない古い洋服や思い出の品は、ずっと前の過去の象徴です。
このような物を見ていると、人の気持ちは無意識に過去に向かいます。それは皆、懐かしい思い出のあるものかもしれません。
ですが、もし、今、重たい気持ちで生きていたら、昔はよかった、昔に戻りたい、という気分になるでしょう。
過去に意識を向けることは、今を生きることから、自分を遠ざけてしまう行為です。
人は今、目の前のことに集中していると、より幸せを感じます⇒幸せになる秘訣は目の前のことに集中すること(TED)
小さな子供が無心になって好きなことに熱中している状態です。
家のそこかしこに、「昔はよかった」と思わせる物を置いていると、「今、この時」に集中できません。
ネガティブな思いを呼び覚ます古い物については、言うまでもないでしょう。そばに置いておくと暗くなる一方です。
私も、好きだったけど、嫌な思い出のあるスヌーピーのぬいぐるみを捨てました⇒2015年、断捨離してよかったもの(古いもの編)~捨てるからこそよみがえる思い出
ぬいぐるみを捨てても、昔あったことは覚えていますが、嫌な気持ちにならなくなりました。うらみが消えたのです。
それを見るとものすごくポジティブな気持ちになり、今この瞬間がより光輝く、という物なら持っていてもいいでしょう。
ですが、単に、「懐かしいなあ」ぐらいの物をたくさん持っていても、暮らしはよくなりません。
4.精神衛生に良い
家の中のスペースの状況はそこに住んでいる人にとって実に大きな意味を持ちます。
子供のときは、兄弟で相部屋で暮らしていても、中学生ぐらいになると、自分の部屋を欲しがりますよね。
もっと大きくなると、両親の家から出て、一人暮らししたいと思うものです。
他人だった2人が夫婦として暮らし始めると、家に何を置くか、どこに置くかで、もめませんか?
まあ、人によって、物やスペースへのこだわり加減は違うので、平和的に暮らせる人たちもいます。それでも相手のやり方に慣れるまでちょっと時間がかかるものです。
自分の家のありさま、テリトリーは、自分の心に大きな影響を与えるのです。
いらない物がたくさんある状況に慣れてしまうと、それが普通だと思ってしまいますが、いったん物を取り去ってみると、ひじょうにスッキリします。
いかにそれらの物が自分のストレスになっていたかわかるのです。
たとえまだ使える物でも、誰も使っていない物は、外に出したほうが精神衛生にいいです。
私は、家からできるだけ不用な物をなくし、きれいに整えるようにしたら、より心が穏やかになり、物事に集中できるようになりました。イライラが減ったのです。
家にいることが嫌いで、やたらと外出している人は、物がたくさんあるせいかもしれません。
私の夫も、自分の部屋は物だらけなので、自宅にいるときは、いつもリビングルームにいます。本人は何も意識していないでしょうが。
ただし、居間には夫の好きなテレビがあるので、そのせいかもしれません。
夫は自分の部屋には文字通り、寝に帰るだけです。
部屋の中のガラクタは
●集中力を妨げる、大事なことから気を散らせる
●ネガティブ思考になる
こんな状況を作りだしてしまうのです。なぜ思考がネガティブになるかというと、脳が疲れるからです。
さらに、誰も使っていない物は、処分を先送りしている物なので、「まだ終わっていない」という気持ちや罪悪感を生み出します。
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私(昭和34年生)と同世代の人は、人生の前半で物を溜め込み、後半になって必死に断捨離しているケースが多い気がします。
最初から溜め込まなければこんな苦しみを味わうことはなかったでしょう。
60歳過ぎて、「ああ、もっとたくさん物があればいいのに」と思う人なんて誰一人いません。
みんな、物の世話より、もっとほかのことに時間を使いたいと思うのです。
それが何かわからない人もたくさんいます。
自分のやりたいことを見つけるためにも、「まだ使えるけど、誰も使っていない物」を捨てるべきなのです。