古い服を箱に入れている女性

ミニマルな日常

生活が変わったのに所持品のリセットをしない:家の中にうんざりするほど物がある理由(その7)

使い切れないほど家の中にたくさんの物をためこんでしまう理由と、そうしなくてすむ対策を紹介しています。

今回は、生活が変わったときリセットしない問題です。

別の言い方をすると、定期的に片付けない(ガラクタを放置する)、家の中を新陳代謝させない、生活が変わったのにリセットさせない問題です。

物は一晩では増えません。長い時間をかけて、少しずつ増えます。時には、何10年もかかって。

増えている最中に、そのままにせず、折々に、いらない物を捨てれば(リセットすれば)、物だらけの家にはなりません。



そもそもなぜガラクタが増えるのか?

ガラクタに囲まれて暮らしたい、何かするたびに探しものをしたい、不用品をしまう収納スペースにたくさんお金を使いたい、と思っている人はいません。

みんな、スッキリしたスペースで、気持ちよく暮らしたいはずです。

スッキリ暮らすためには、よけいな物を家に持ち込まないこと、そして、用済みの物を捨てていくことが必要です。

こんなことは、皆、よく知っています。

では、なぜそうしないのでしょう?

なぜ、手に負えなくなるまで、ガラクタを放置してしまうのでしょう?

ちょっとしたことが原因で、時間や気持ちの余裕がなく、家の中の物の量をコントロールするほうにエネルギーを注ぐことができないからだと思います。

たとえば、

・仕事のストレスが多い

・子育てで忙しい

・個人的な緊急事態が起きて、他のことは考えられない

・いついかなるときも忙しい

・何らかの原因により気持ちが落ち込み、生きるエネルギーが低下する

・何らかの原因により不安や心配ごとがいっぱい

・片付けより楽しいことに心が奪われている

こんなとき、掃除や片付けの優先順位は下がります。





ガラクタは一晩では増えない

上で書いたような、掃除や片付けの優先順位が下がる事態はどんな人にも起こります。

そして、こんなとき、誰もがうっかり物を増やす行動をしてしまうのです。

たとえば、

・新聞や雑誌がたまっているのに、廃品回収に出すのを忘れる

・置き場所を考えずに、衣類や飾り物を買ってしまう

・使うために机やテーブルに出したものを、使ったあとちゃんとしまわない

すると、家の中の物の量が増えて、うまく収納できず、そのへんにあふれますよね。

そうするとますます気持ちの余裕がなくなります。

物がいっぱいあると目当てのものを探すのが大変だし、何かするとき、どかしたり、寄せたりといった余計な作業が発生するので、時間もエネルギーも取られて、エネルギーレベルが下がります。

部屋にあふれたものは視覚的ノイズとなり、イライラをつのらせます。

イライラするのは、気持ちに余裕がない証拠ですから、またしても、上に書いたような、うっかり物を増やして、散らかす行動をしてしまうのです。

こうして人は、汚部屋を作る負のサイクルにはまっていきます。

そして、そのサイクルのまま、何ヶ月も何年も生活して、物をどんどん増やします。

1人暮らしではなく、物を増やす家族と同居していると、さらにストレスが増えます。このブログでも、「自分以外の人間が物を増やすことが私の大きなストレスの元になっている」と訴えるメールをよく紹介していますが、そういう人は、きっと、たくさんいるでしょう。

持ち物をアップデートしない

時間をかけて物を増やしている間にも、自分や生活環境にいろいろな変化が起きます。

入学、卒業、就職、転職、結婚、出産。

病気になる、回復する、人間関係が変わる、引っ越す、仕事の部署を移動する、昇進する、親の介護をする。

一生の間には、実にいろいろなことが起きます。

こんな変化のとき、つまり、きのうまでとは生活や自分が変わったときも、気持ちに余裕がなくなるものです。

新しい環境に慣れるために、無我夢中になりますから。

このときも、物を増やすサイクルに入りやすいです。

環境が変わるとき、たいてい人は、新しい物を買って、新しい環境に備えようとします。

しかも、古い環境で使っていた物を捨てようとしません。

そうした物はもう使わないはずなのに、「そのうち使うかもしれない」とか、「これは楽しかった過去を象徴する大切な私の思い出の品だから」と言って捨てません。

つまり、新生活になったのに、持ち物をアップデートしないのです。

アップデートとは、新しい物を買うことではありません。古い物をしっかり手放すことです。

事が大きくなる前にリセットを

たとえ、今、負のサイクルに入っていても、定期的に片付ければ、大掛かりな断捨離が必要になるほど物が増えることはありません。

「自分は負のサイクルに入っている」という自覚がある人も、「私はそんなに物は持ってないわよ」と思っている人も、定期的な片付け(不用品の処分)を行ってください。

月/3ヶ月/半年/1年に1回と、スケジュールを決めて、片付ける日時を決めてしまい、手帳やカレンダーに書き込むといいでしょう。

そして、その時が来たら、必ず片付けます。もし、この日、事情があってできなかったら、必ず代替日をもうけて、必ず実行するのが、負のサイクルを続けないコツです。

さらに、環境が変わるたびに、片付けをするのもおすすめです。

たとえば、自分や家族が、転職、転勤、引っ越し、入学、卒業、独立をしたとき。

ライフイベントがあったときも、その前後で、片付けをしましょう。

就職、結婚、出産、子育て、マイホーム購入、定年退職、自宅のリフォーム、家族の介護など。

大きなできごとのあと、自分の生活環境は必ず変わるので、そのたびに家に置く物を見直してください。

ライフイベントの話をするとき、たいてい、「費用をためておきましょう」という流れになります。もちろん、それも大事です。

しかし、所持品の見直しをしないと、いらない物にいつまでも時間やお金、エネルギーを注ぎ続けることになりますよ。

それは、何年も続くから、費用に換算したら、相当大きな数字になるでしょう。

もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。

現状は、物についてはあまり見直しをせず、どんどん増やす一方ではないでしょうか?

「これから、心機一転、がんばろう」と思ったら、必ず、所持品を見直して、いらない物はどんどん処分するべきです。

「もしかしたら、これ、またあとで使うかも」なんて思う必要はありません。

なぜなら、今、生活が変わって、何があっても、もう、元の暮らしには戻らないからです。

大きなライフイベントだけでなく、車の買い替えなど、ちょっと大きな買い物をするときも、所持品の見直しをすることをおすすめします。

高齢の親の家に物がたくさんあるのは、こうした定期的な物のリセットを全く行ってこなかったからです。

暮らしや環境が変わっても、古い物を捨てず、その上に、新しい物を積み重ねる生活をずーっと続けてしまったのです。

生活が変わるとき、人は、新しい物を導入することばかり考えます。確かに、そのほうが楽しいでしょうね。

それに、世の中は、買い物の動機づけに満ちあふれています。

しかし、本当にすべきなのは、不用品の処分ではないでしょうか?

そうしなければ、あなたの生活は本当の意味で変わることはありません。

これまで紹介した物が多い理由

これまで6つ理由を書いています。

1)買いすぎてしまった

2)タイミングよく捨てない

3)使わずにずっとしまっておく

4)集めすぎてしまった

5)買ったことを忘れてしまう

6)もっとたくさん欲しいという果てしない欲望

最初から読む方はこちらからどうぞ⇒なぜ家の中にうんざりするほど物があるのか?(その1)~買い物のしすぎ。

******

今週の火曜日と木曜日、娘の部屋の掃除や片付けを手伝いました。娘に付き合ってイケアにも行きました。

娘の家とイケアで、久しぶりに大量の物を見て(娘は衣類とスキンケア用品をたくさん持っています。住宅用の洗剤も山のようにあります)、毒にあたり、今、ゆっくり回復中です。

改めて、物は少ない方が、楽に穏やかに暮らせると思いました。





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